うらにわのこどもたち

深川夜

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うらにわのこどもたち2 それから季節がひとつ、すぎる間のこと

世界の断片・2

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 白。
 白。白。白。

 白い群れ。期待と、希望と、幸福に満ちた人々の群れ。自らの正しさを信じてやまない人達。自らの行いの正しさを疑わない人達。
 彼等には見えていないのだ。めしている事にすら、気付いていないのだ。傲慢は大罪だと習わなかったのだろうか。方舟はこぶねを造っているつもりのその手で、パンドラの箱を開けようとしている。
 彼等だけではない。彼等を支持する全てのものが、思考をやめ、熱に浮かされたように己の幸福を夢見ているのだ。

 救いようがない。救われようがない。

 今までずっとそうであったように、これからもずっとそうなのであろう。このどうしようもない生き物達は、幸福を信じながら不幸を生み出していくのだろう。人類史に学ばなかったのか。そうやって幾度となく生まれた不幸を。犠牲を。破滅の道を進んだ末路の悲惨さを。

 じっと、目の前に広がる光景を見つめる。

 白い世界。禁忌を禁忌と恐れることなく、その先に幸福が確約されていると、此処ここにいる誰もが信じている。子供達の笑い声。大人達の笑い声。
 ……誰かが言った。素晴らしいと。誰かが言った。再び楽園は訪れると。
 そうなのだろうか。表層の色に惑わされているのではないだろうか。それとも、自分の感覚が、他者のそれとは違うのだろうか。

 自分には目の前に広がる光景が、欲にまみれた亡者の群れにしか見えない。
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