#掌編未満

深川夜

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動けないのは

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今日、街できみとすれ違った。
一瞬のことだったからきみは気づかなかったと思う。
明るい色のワンピースと、隣には見知らぬ男。
幸せそうに寄り添う姿は、ぼくに呼吸を忘れさせた。

きみと別れて半年が経つ。

ずっと、頭の隅にきみのことがあった。
きみは脆い人だから、ひとりで泣いてやしないかと自分勝手な心配をしていた。
きみを選ばなかった罪悪感が、ぼくをそうさせたのかもしれない。
だけど違った。
今日はっきりと分かった。
あの日から動けないのはぼくの方だった。
きみはとっくに、動き出していたんだね。
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