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女王様は影の女帝に守られる
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一度上書き保存してしまったものは、もう二度と元には戻らない。
なるほどそれは確かに正論だなと、レジーナですら思わず納得してしまった。
「記憶をデータとするのなら、そうね。
前世の記憶を持ってるっていうあなたは、機種変更したスマホみたいなものかしら」
古くなった機体を捨て、新しい機体に変更する時、SDカードを入れ替えて情報を移行させる。
さしずめ魂とは、このSDカードのようなもの。
「それに対してレイちゃんは、本体の電話番号だけを引き継いだ後、SDカードを一度初期化して新しくデータの蓄積を始めた形ね。大元となる魂は同じだけど、中身は全くの別物」
ほら、こう言えばわかりやすいでしょ、と。
簡潔にまとめた帝の言葉は、確かにうまく的を射ているように思える。
「なんだか元も子もない気がするけど……」
「オカルトだって突き詰めれば科学なのよ」
ロマンはないが、別の意味では奥深い。
「私が想像するにだけど、あなた方が「始祖」と呼ぶ存在が記憶を持たずに転生するのは、魂の劣化を恐れてのことなんじゃないかしら」
「………劣化?」
「また機械で例えて悪いけど、パソコンのバッテリーだって何度も同じものを充電し続ければいつか壊れるでしょ?
でも一度リフレッシュをさせて全て白紙に戻した状態にしてやれば、その寿命を延ばすことができる」
「……つまり、一度死ぬことで毎回魂を綺麗にリセットして延命しているってこと?」
「私の想像だけど、ね」
あくまで推測の域を出ない話よ?と補足しながら、物言いたげなレオンを見つめる帝。
「でも、あながち間違ってないんじゃないかと思うのよね。
ーーーーーーあなたはどう思うのか、さっきの質問の答えと合わせて、ぜひ聞かせて貰いたいわ」
質問とはもちろん、今のレジーナが前世の彼女と似ているかどうか、というあれだ。
「………同じ魂を持っているんだ。まったく似ていないわけではーーーーーー」
「”旦那の母親に似てる”って、実は主婦が一番言われたくないセリフなのよねぇ…。
そのセリフを言われた瞬間、私は母親の代わりかって興ざめするらしいわよ?」
「…!」
「……わからないでもないわね、それ」
確かにあまり言われたいセリフではない。
むしろ母親と比べられた時点でアウトという感じもする。
「つまりあなたが母親の面影をレイちゃんに見てる段階で、いつか必ずフラれるのは目に見えてたってこと」
わかった?となんの容赦もなく止めを差しにかかる帝。
「記憶が残っているっていうのはそういうことよ。
既にいない人の面影を見続けてしまう」
時代も環境も違う。
けれど本人だけがかつてのままの記憶をとどめているのだとしたら、それはとても残酷なことだ。
失うものがあまりに多すぎる。
「記憶なんてなければね。あなたがレイちゃんに一目ぼれして猛烈アタックの末に恋愛結婚、なんて未来だってあったかもしれない」
まぁ、そんなの絶対許さないけど、と心の奥底で思いつつ表面上だけはにこやかに語る帝。
「あなたがレイちゃんから離れたのはこの子を守るためでしょ?
そこに甘えはなかったの?」
「………甘え?」
「帝、何を言ってるの……?」
私を守るために私から離れたとは一体何を言っているのか。
首をかしげるレジーナに、「少しだけごめんなさいね」と前置きをしながら語り始める帝。
「どんなことをしても必ずレジーナは許してくれる。
最後には自分のもとに戻ってくる。そう心のどこかで信じてたんだろ?
ーーーーーなぜなら、お前はレジーナを女としてではなく、母親として見ていたから」
「ーーーーー!!違うっ!!」
「じゃあ贈り物一つしなかったのはなぜ?好きなら触れたくもなるわよね?キス一つしてないんですって?あなたたち。神聖視するのも結構だけど、それじゃ女の子に逃げられ当然よね」
「………帝?」
あなたそこまで調べてたの?と瞳に不機嫌な色が交じるレジーナ。
だが、確かに今までのレオンの行動は帝の言うとおり。
レジーナはそれを、望まない婚約者を押し付けられたための事だとずっと思っていたがーーーーー。
「私を守るためって……どういうこと?」
レジーナはレオンを見つめ、問いただす。
「レイ………」
「あなたが言えないなら私から答えてあげる。
この子が侍らせてた女どもはね、みんなレイちゃんに対して悪意を持って何かをしようとしていた人間なのよ」
「!?」
「社交界って怖いわねぇ。
中には悪い男友達に命じてレイちゃんを襲うなんて計画を立ててた子もいたらしいわよ?」
「………まさか、私みたいな地味な娘がレオンと婚約をしたから?」
「…レイ!君は美しい、地味だなんて………!!」
否定をするが、それはほぼ肯定と変わらない。
それで分かった。
「なるほど、そういうことね」
彼らは平凡で地味な娘が自分たちよりも美しい婚約者を得、身分のある人間からチヤホヤされるのが面白くなかったというわけだ。
レジーナをチヤホヤするのはほとんどすべての吸血鬼。
事情を知る者たちにとって、レジーナは生まれた時からの王族のようなもの。
敬うのは彼らにとって当然の行為だ。
だが、それを知らぬ者から見れば、ただの平凡な娘が度を越えた厚遇を受けていると感じるものもいただろう。
人間にとってみれば、つまらない地味な妹よりも、美しく派手な性格の姉の方がよっぽど魅力的に映る。
けれどその姉すらもが表に出ればどこか妹に対して一歩譲った態度を取るのだ。
不穏な芽が芽生えたとしても致し方のないこと。
「人知れず片付けてたってこと?」
レジーナに悪意を持つ存在を遠ざけ、自ら囮となって新たな不穏分子を誘い出す。
レオンはさながら毒入りの餌か。
そういえば、彼と噂のあった令嬢もまた、しばらくすると社交界から姿を消していたなと今になって気づく。
元々が素行の良くない令嬢だったため、家出だと思われていたがあれはやはりーーーー。
「でも、私を面白くなく思っている令嬢方は多かったはずだわ。
中にはもっと高位の貴族もいたはずよ。
ーーーーーー私、彼女たちには嫌われてたもの」
どこか寂しそうにポツリとつぶやき、それらはどうしたのかと聞けば、帰ってきたのは意外な答え。
「ーーーーーー済まない、レイ。
君はずっと誤解していたんだな」
「……え?」
「君の言う高位の令嬢が誰かまでは分からないが、恐らくそれは完全な誤解だ。
彼女たちは君を嫌っていたわけじゃない。
ーーーーーー知っていたか、レイ。
君の通っていた寄宿舎には、「子猫を守り慈しむ慈姉の会」という淑女たちの集まりがあったことを」
「子猫……?それって、もしかしてもしかするのかしら」
嫌な予感がすると眉をひそめる帝に、どこか満足げなレオン。
「高位の令嬢は、レジーナを自分たちの大事な妹として温かい目で見守っていた。つまり、親衛隊のようなものだ」
「ーーーーーちょっとまって、初耳なんだけど!?」
ーーーーーそれ、どういうこと!?
なるほどそれは確かに正論だなと、レジーナですら思わず納得してしまった。
「記憶をデータとするのなら、そうね。
前世の記憶を持ってるっていうあなたは、機種変更したスマホみたいなものかしら」
古くなった機体を捨て、新しい機体に変更する時、SDカードを入れ替えて情報を移行させる。
さしずめ魂とは、このSDカードのようなもの。
「それに対してレイちゃんは、本体の電話番号だけを引き継いだ後、SDカードを一度初期化して新しくデータの蓄積を始めた形ね。大元となる魂は同じだけど、中身は全くの別物」
ほら、こう言えばわかりやすいでしょ、と。
簡潔にまとめた帝の言葉は、確かにうまく的を射ているように思える。
「なんだか元も子もない気がするけど……」
「オカルトだって突き詰めれば科学なのよ」
ロマンはないが、別の意味では奥深い。
「私が想像するにだけど、あなた方が「始祖」と呼ぶ存在が記憶を持たずに転生するのは、魂の劣化を恐れてのことなんじゃないかしら」
「………劣化?」
「また機械で例えて悪いけど、パソコンのバッテリーだって何度も同じものを充電し続ければいつか壊れるでしょ?
でも一度リフレッシュをさせて全て白紙に戻した状態にしてやれば、その寿命を延ばすことができる」
「……つまり、一度死ぬことで毎回魂を綺麗にリセットして延命しているってこと?」
「私の想像だけど、ね」
あくまで推測の域を出ない話よ?と補足しながら、物言いたげなレオンを見つめる帝。
「でも、あながち間違ってないんじゃないかと思うのよね。
ーーーーーーあなたはどう思うのか、さっきの質問の答えと合わせて、ぜひ聞かせて貰いたいわ」
質問とはもちろん、今のレジーナが前世の彼女と似ているかどうか、というあれだ。
「………同じ魂を持っているんだ。まったく似ていないわけではーーーーーー」
「”旦那の母親に似てる”って、実は主婦が一番言われたくないセリフなのよねぇ…。
そのセリフを言われた瞬間、私は母親の代わりかって興ざめするらしいわよ?」
「…!」
「……わからないでもないわね、それ」
確かにあまり言われたいセリフではない。
むしろ母親と比べられた時点でアウトという感じもする。
「つまりあなたが母親の面影をレイちゃんに見てる段階で、いつか必ずフラれるのは目に見えてたってこと」
わかった?となんの容赦もなく止めを差しにかかる帝。
「記憶が残っているっていうのはそういうことよ。
既にいない人の面影を見続けてしまう」
時代も環境も違う。
けれど本人だけがかつてのままの記憶をとどめているのだとしたら、それはとても残酷なことだ。
失うものがあまりに多すぎる。
「記憶なんてなければね。あなたがレイちゃんに一目ぼれして猛烈アタックの末に恋愛結婚、なんて未来だってあったかもしれない」
まぁ、そんなの絶対許さないけど、と心の奥底で思いつつ表面上だけはにこやかに語る帝。
「あなたがレイちゃんから離れたのはこの子を守るためでしょ?
そこに甘えはなかったの?」
「………甘え?」
「帝、何を言ってるの……?」
私を守るために私から離れたとは一体何を言っているのか。
首をかしげるレジーナに、「少しだけごめんなさいね」と前置きをしながら語り始める帝。
「どんなことをしても必ずレジーナは許してくれる。
最後には自分のもとに戻ってくる。そう心のどこかで信じてたんだろ?
ーーーーーなぜなら、お前はレジーナを女としてではなく、母親として見ていたから」
「ーーーーー!!違うっ!!」
「じゃあ贈り物一つしなかったのはなぜ?好きなら触れたくもなるわよね?キス一つしてないんですって?あなたたち。神聖視するのも結構だけど、それじゃ女の子に逃げられ当然よね」
「………帝?」
あなたそこまで調べてたの?と瞳に不機嫌な色が交じるレジーナ。
だが、確かに今までのレオンの行動は帝の言うとおり。
レジーナはそれを、望まない婚約者を押し付けられたための事だとずっと思っていたがーーーーー。
「私を守るためって……どういうこと?」
レジーナはレオンを見つめ、問いただす。
「レイ………」
「あなたが言えないなら私から答えてあげる。
この子が侍らせてた女どもはね、みんなレイちゃんに対して悪意を持って何かをしようとしていた人間なのよ」
「!?」
「社交界って怖いわねぇ。
中には悪い男友達に命じてレイちゃんを襲うなんて計画を立ててた子もいたらしいわよ?」
「………まさか、私みたいな地味な娘がレオンと婚約をしたから?」
「…レイ!君は美しい、地味だなんて………!!」
否定をするが、それはほぼ肯定と変わらない。
それで分かった。
「なるほど、そういうことね」
彼らは平凡で地味な娘が自分たちよりも美しい婚約者を得、身分のある人間からチヤホヤされるのが面白くなかったというわけだ。
レジーナをチヤホヤするのはほとんどすべての吸血鬼。
事情を知る者たちにとって、レジーナは生まれた時からの王族のようなもの。
敬うのは彼らにとって当然の行為だ。
だが、それを知らぬ者から見れば、ただの平凡な娘が度を越えた厚遇を受けていると感じるものもいただろう。
人間にとってみれば、つまらない地味な妹よりも、美しく派手な性格の姉の方がよっぽど魅力的に映る。
けれどその姉すらもが表に出ればどこか妹に対して一歩譲った態度を取るのだ。
不穏な芽が芽生えたとしても致し方のないこと。
「人知れず片付けてたってこと?」
レジーナに悪意を持つ存在を遠ざけ、自ら囮となって新たな不穏分子を誘い出す。
レオンはさながら毒入りの餌か。
そういえば、彼と噂のあった令嬢もまた、しばらくすると社交界から姿を消していたなと今になって気づく。
元々が素行の良くない令嬢だったため、家出だと思われていたがあれはやはりーーーー。
「でも、私を面白くなく思っている令嬢方は多かったはずだわ。
中にはもっと高位の貴族もいたはずよ。
ーーーーーー私、彼女たちには嫌われてたもの」
どこか寂しそうにポツリとつぶやき、それらはどうしたのかと聞けば、帰ってきたのは意外な答え。
「ーーーーーー済まない、レイ。
君はずっと誤解していたんだな」
「……え?」
「君の言う高位の令嬢が誰かまでは分からないが、恐らくそれは完全な誤解だ。
彼女たちは君を嫌っていたわけじゃない。
ーーーーーー知っていたか、レイ。
君の通っていた寄宿舎には、「子猫を守り慈しむ慈姉の会」という淑女たちの集まりがあったことを」
「子猫……?それって、もしかしてもしかするのかしら」
嫌な予感がすると眉をひそめる帝に、どこか満足げなレオン。
「高位の令嬢は、レジーナを自分たちの大事な妹として温かい目で見守っていた。つまり、親衛隊のようなものだ」
「ーーーーーちょっとまって、初耳なんだけど!?」
ーーーーーそれ、どういうこと!?
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