好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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目指すは憎まれっ子

公爵家の才女様

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「フレイヤ様~どこにいらっしゃいますか?」

「お嬢様~!!」

5度目の転生から3年。

繰り返される溺愛人生で学んだことは、自立するには学びが必要だと言うことだ。

3度目の18歳のあの日まで、私は愛されるだけの人生に満足していた。

4度目の人生で愛を拒もうとして引きこもった。
今ならわかる引きこもってしまうことで、私は自ら自立の道を切り捨てたのだ。

同じ轍を踏む訳にはいかない。

どうせゲームが始まれば、私は誰からも疎まれ嫌われる悪役令嬢となる。

経緯はわからないがフレイヤは最終的に娼館送りになる。

娼館に入れられるなんてまっぴらごめんだ。
私は自立して自分の人生を歩むのだ。

図書室の隅っこでこの世界の歴史と地理を学ぶ。
知識は誰にも奪われることはない。

裸一貫で追い出されたとしても知識とスキルがあれば生きていけるはずだ。

「こんな所で何をしている?」

頭上から話しかけられる。

「本を読んでりゅの。」

見上げると父親と同じ位の男の人が私を見つめている。

「眺めているんじゃなくて読んでいるのかい?」

男は微笑んで私の隣にしゃがみこむ。

「うん。読んでりゅの。
あたち天才だかりゃ…」

男が目を細める。

「そんな難しい本を読んで、将来は学者になるのかな?」

温かで優しい声と穏やかな口調の男についつい聞かれるままに答えていく。

「あたちね…大きくなったら嫌われりゅの…だかりゃね、自立しゅりゅの。」

男の手が私の頭を撫でる。

「こんな可愛らしいお嬢さんを嫌う人はいないよ。」

私は男を見上げて微笑む。

「あたちね、みりゃいが見えりゅの…それに勉強はたのちいの。」

私の頭を撫でながら

「好きな学問はあるの?」

私は本を閉じて立ち上がり、

「計算はとくいなの。
それに化学もピアノもひけりゅよ。」

知らなかった。
この男こそがこの国の皇帝陛下だと…

娘が遊んでいた乙女ゲーム、詳しい登場人物なんてわからなくて当たり前だ。

「お嬢さん、楽しい時間をありがとう。
また会おう。」

私の小さな手の甲にキスをする。

私は覚えたてのカーテシーでお礼をすると、男はにっこりと笑って部屋を出ていった。

「お嬢様、こんな所にいたんですね…」

私は乳母に抱かれ図書室を後にする。

乳母ですらこれだ…

「フレイヤ~心配させて」

母が涙目で私を抱きしめる。

私の頬は母のキスの嵐で母の口紅で赤くそまっている。

母の愛は海より深く、口紅より赤く情熱的だ。

侍女が優しくオイルで私の頬についた口紅を落としていく。

ゲーム開始まで後12年。
口紅のように母の愛は消えていくのだろうか?
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