好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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から騒ぎの季節

知らぬが仏

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「殿下は馬鹿ですね。」

大きなため息と共にヒューズがぼやく。

「うるさい。レイヤが気がついてないなら…そっとしておいた方が幸せだろう。人を惑わす力なんて…」

レイヤが魅了持ちだと知ったのはヒューズのおかげだ。

初めてレイヤに皆を会わせた時、ヒューズ以外は、レイヤに夢中になった。

まぁ…レイヤは可愛いし敏い…だから好かれても仕方ない。そう思っていた。

翌日、ヒューズにことの真相を聞いて驚いた。

「殿下、フレイヤ様は魅了の力をお持ちです。
なので殿下の恋心はそのせいかと…」

魅了の力…
かつて魅了の力に酔いしれ国を滅ぼした皇帝もいると聞いたことがある。

だからこそ……

「ヒューズ、レイヤに魅了の力があったとしても私には効かぬのだよ。」

私は自分の耳のイヤリングをヒューズに見せる。

「強力な魔除けの石ですね。」

ヒューズが私のイヤリングを見つめる。

「まあな…皇族は生まれてすぐにイヤリングをつけるんだ。
他者からの洗脳や攻撃を受けないようにするために…だから私にはレイヤの魅了は効かない。」

私の言葉にヒューズは

「わかりました。
ただこのままでは、フレイヤ様を慕う人が後をたたないかと……」

もともと公爵家に匹敵する家門には牽制してある。
ならば……

「この際、貴族全体にフレイヤに手を出さぬよう父上から命をだしてもらうか……
ヒューズこの事は……」

ヒューズは、宣誓の誓いをたてると

「とりあえずアルトとダグラスには私が魅了打ち消しの術をかけておきます。

ただこの事はあまり口外しないことをおすすめします。アルトやダグラスにも言わない方が…」

ヒューズと秘密を共有するようになってから、こうして二人きりで話す機会が増えた。

「今回のことだって、殿下が素直にフレイヤ様に魅了の話をしていれば感謝される話なのに…不器用というか…真面目というか……」

ヒューズの言葉に苦笑いをうかべる。

清いレイヤのことだ。
自分に魅了の力があると知ったら引きこもるのは目に見えている。

自由に生き生きとしたレイヤが好きなのだ。
だから、今はこのままでいい。

それにしても公爵家の従者も侍女も皆、フレイヤに対して忠実で誠実だ。

あの護衛の男はあれだけの傷を負ってもレイヤに寄り添うのだから…

フレイヤの魅了の力は強力なのだろう。

「公爵夫妻のあの親バカぶりも魅了からなのだろうか?」

私の問いにヒューズは少し考えると

「どうでしょう…一人娘ですし…親心は私には……」

ヒューズの言葉はもっともだが…公爵夫妻のフレイヤへの愛情は常軌を逸している。

未だに第二子の懐妊を公にしないのもフレイヤを跡継ぎとして手元におきたいからだろう。

それに昨日、影からの報告によると前公爵家の専従医を夫婦で訪ねたと報告を受けた。

嫌な予感がする。



「お母様!!」

母の元へと駆け寄る。

「お父様、お母様はどうしたんですか?」

父は母を寝室へと運びながら

「フレイヤ、大丈夫だ。
久し振りの外出でお腹が張ってしまったみたいなんだ。」

認識が甘かった。
母が美しくて若々しいから実年齢を忘れがちだが母は今年で35歳だ。

前世でも35歳と言えば高齢出産、もっと母に気を配るべきだった。

痛がる母の手を握りしめる。

「お母様……」

母が私の手を握り返す。

「大丈夫よ。フレイヤ…
泣かないの…ねっ…」

こんな時でさえ私を想ってくれる母の優しさと何も出来ない自分が情けなくて涙がこぼれる。

母の手を強く握り神様に祈った。

「母とお腹の赤ちゃんが元気になりますように」と。
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