ロマネスクは突然に*完結*

チョコパイ

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男は○○じゃなく○○○だ!!

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「うん。見事にボッチだ。登校して3日も経ったのに未だにお兄ちゃん以外と学園で話したことがない。」

昼休みはお兄ちゃんが
会いに来てくれるけど
この授業の隙間休みは
完全にボッチなのだ。

「それにしても、あからさまの席順ね。」

成績順になっているため
1番前の1番右側が、トップの皇太子。
そして1番後ろの1番左側が
ビリの私だ。

「確かに、婚約者がこんな成績じゃ嫌になるかも。」

人だかりの中でもすぐわかるオーラに皇太子の人となりを見た気がした。


始業の鐘がなり
プリントの山を抱えた先生が入ってくる。

「今から、席替え試験をおこないます。
試験時間は90分、
終わった者は手を上げ、
回答用紙を提出して教室を出ていくように。」

そう言うと試験用紙を配り始める。

試験は大きく分けて、4教科あり、
数学、言語、社会、理科の基礎知識を高等教育で学び、成績優秀者のみが、その上の専門課程に進学できる。

答案用紙を何度も見直し
手を上げる、先生が訝しげな顔をしたがすぐに答案用紙を回収しに来てくれた。

この世界の高等教育は社会を、除いては中学校レベルだ。
つまり、試験内容はそれほど難しくない。

要は暇なのだ。
貧乏性の悲しい性、
じっとはしていられない。

ふと廊下の窓から外を見ると、庭師のおじさんが花壇の草取りをしていた。

よくお父さんの家庭菜園のお手伝いしたっけ……

子沢山の我が家の庭は
父の畑になっていて、
ジャガイモやサツマイモを栽培していた。

焼き芋、美味しかったな。
よく弟妹達とお芋の大きさで喧嘩したっけ……

ここに来てからもう2ヶ月近く経つ。
こっちのお父さんお母さんの事も好きだ。

でも、やっぱり……
私はお家に帰りたいんだ。

狭くて騒がしくて、でも温かくて賑やかなあの家に。

「余裕だな。」
振り返ると皇太子がいた。

2人がどんな関係だったか
よくわからないが……
まがりなりにも婚約していたはずだ。

それなのに、今にも凍てついてしまいそうな空気。

試験を終えて出てくる
クラスメイトも興味津々で見ている。

コイツは私を晒し者にしたいのかしら?

「余裕か否かはわかりませんが、私なりにベストを尽くしましたわ。」

そう言って、
にっこり笑ってみた。

「そうか、良い結果だといいな。期待している。」

何をどう期待しているか
わからないが、
お互いに軽く会釈して
その場を離れた。

うん。
皇太子はないな…。
エステルでいる今、
少しはエステルとして
皇太子に想いが残っているのかと思っていたが、
1ミリも想いがないことに
胸をおろした。

やはり男は顔じゃなく
ハートでしょ!!
    
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