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傲慢は愚かなことです。
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「あぁ、
家がお金持ちだったらな」
スマホを見つめ
ため息をつく妹。
「どれどれ
優しいお姉様が
悩みを聞いてあげよう」
妹の隣に座る私。
「実はね。
このアプリゲーム
好きなキャラと
結ばれるには
それぞれにアイテムを
渡さなきゃいけなくて
そのアイテムが
課金しなきゃいけないの」
「…………」
「お姉ちゃん?」
「えっ…
たかがゲームのキャラに
お金払うの?」
「たかがじゃないもん。
推しは私の生きる糧だもん。」
不登校気味の妹が
こんなに嬉々として
話すのはめずらしい。
「いくらするの?」
「今のところ580円」
「仕方ない。
お姉さまが
出してあげよう」
「お姉ちゃん大好き」
「私も大好きだよ。」
妹を抱きしめる。
うん?妹を………
目を開けると
目の前に
顔を真っ赤にした兄がいる。
「エステル
私も…大好きだ。」
「………」
完全にやらかした。
兄が私の頭を軽く小突く。
「冗談だよ。
ここで寝ると風邪をひくぞ」
剣術をはじめたからか
兄の体は前よりも
頼もしく見える。
ふと試したくなった。
こう見えて小学校から
高校に入るまでは
市のボランティア教室で
剣道を習っていた。
「お兄ちゃん、
私と剣術の勝負しよう。」
「エステル
剣術は遊びじゃない。」
「もちろん。
わかってるわ。
私も帝国で剣術を
学んでるの。」
あっちの世界で…だけど
「こう見えて
私、強いんだよ。」
「わかった。
じゃあ、着替えたら修練場で」
乗馬服に着替え
髪を一つにまとめる。
着替えが終わりホールに出ると、用事を済ませたディアンと鉢合わせる。
「乗馬にでも行くの?」
「兄に少し剣術でも
学ぼうかと思って…」
「じゃあ、私もいいかい?」
私はディアンの耳元で
「何があっても
私に話をあわせてね。」と
修練場にはすでに兄が
待っていた。
軽くストレッチをする。
木刀は
竹刀とは重さも長さも
違うけど数回素振りをすると
それなりに手に馴染んできた。
「お兄ちゃん、お待たせ。」
上段の構えで兄へ対峙する。
ジリジリと兄へ
近づきながら
兄の隙を探る。
剣道も将棋も囲碁も
市のボランティア教室で
元学校の先生や、
元警察官の
お年寄りボランティアに
教えてもらった。
どちらの先生にも
教えられたことがある。
「相手の先を読め」と
お兄ちゃんの
真剣な眼差しは
怖くなるほど鋭くて
隙がない
上段から下段の構えに変える
兄を挑発するかのように
声をあげる。
「ヤァー」
兄の注意がそれた
私は兄へとむかい
足を大きく踏み込む
「メーン」
木刀を振り下ろす
「チェッ…
握力なさすぎだよ…」
いじける私に兄が笑う。
「あのままエステルが
木刀を落とさなかったら
打ち込まれてたよ。
いい勉強になった。
また、やろう。」
兄が手を差し出す。
握った兄の手は
剣ダコができていた。
なんで兄に
勝てると思ったんだろう。
自分の傲慢さに
嫌気がさした。
私は兄の背に飛び乗る。
「お兄ちゃん
疲れたぁ…
もう、歩けない~」
兄の背に顔をうずめ
悔しくて少しだけ泣いた。
家がお金持ちだったらな」
スマホを見つめ
ため息をつく妹。
「どれどれ
優しいお姉様が
悩みを聞いてあげよう」
妹の隣に座る私。
「実はね。
このアプリゲーム
好きなキャラと
結ばれるには
それぞれにアイテムを
渡さなきゃいけなくて
そのアイテムが
課金しなきゃいけないの」
「…………」
「お姉ちゃん?」
「えっ…
たかがゲームのキャラに
お金払うの?」
「たかがじゃないもん。
推しは私の生きる糧だもん。」
不登校気味の妹が
こんなに嬉々として
話すのはめずらしい。
「いくらするの?」
「今のところ580円」
「仕方ない。
お姉さまが
出してあげよう」
「お姉ちゃん大好き」
「私も大好きだよ。」
妹を抱きしめる。
うん?妹を………
目を開けると
目の前に
顔を真っ赤にした兄がいる。
「エステル
私も…大好きだ。」
「………」
完全にやらかした。
兄が私の頭を軽く小突く。
「冗談だよ。
ここで寝ると風邪をひくぞ」
剣術をはじめたからか
兄の体は前よりも
頼もしく見える。
ふと試したくなった。
こう見えて小学校から
高校に入るまでは
市のボランティア教室で
剣道を習っていた。
「お兄ちゃん、
私と剣術の勝負しよう。」
「エステル
剣術は遊びじゃない。」
「もちろん。
わかってるわ。
私も帝国で剣術を
学んでるの。」
あっちの世界で…だけど
「こう見えて
私、強いんだよ。」
「わかった。
じゃあ、着替えたら修練場で」
乗馬服に着替え
髪を一つにまとめる。
着替えが終わりホールに出ると、用事を済ませたディアンと鉢合わせる。
「乗馬にでも行くの?」
「兄に少し剣術でも
学ぼうかと思って…」
「じゃあ、私もいいかい?」
私はディアンの耳元で
「何があっても
私に話をあわせてね。」と
修練場にはすでに兄が
待っていた。
軽くストレッチをする。
木刀は
竹刀とは重さも長さも
違うけど数回素振りをすると
それなりに手に馴染んできた。
「お兄ちゃん、お待たせ。」
上段の構えで兄へ対峙する。
ジリジリと兄へ
近づきながら
兄の隙を探る。
剣道も将棋も囲碁も
市のボランティア教室で
元学校の先生や、
元警察官の
お年寄りボランティアに
教えてもらった。
どちらの先生にも
教えられたことがある。
「相手の先を読め」と
お兄ちゃんの
真剣な眼差しは
怖くなるほど鋭くて
隙がない
上段から下段の構えに変える
兄を挑発するかのように
声をあげる。
「ヤァー」
兄の注意がそれた
私は兄へとむかい
足を大きく踏み込む
「メーン」
木刀を振り下ろす
「チェッ…
握力なさすぎだよ…」
いじける私に兄が笑う。
「あのままエステルが
木刀を落とさなかったら
打ち込まれてたよ。
いい勉強になった。
また、やろう。」
兄が手を差し出す。
握った兄の手は
剣ダコができていた。
なんで兄に
勝てると思ったんだろう。
自分の傲慢さに
嫌気がさした。
私は兄の背に飛び乗る。
「お兄ちゃん
疲れたぁ…
もう、歩けない~」
兄の背に顔をうずめ
悔しくて少しだけ泣いた。
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