暴力みたいな恋でした(完結)

チョコパイ

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回想~四つ葉のクローバ~

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「久しぶりだな。元気にしてたかい?」
食堂につくと父はもう席についていた。
「お久しぶりです。お父様もおかわりありませんか?」
親子と呼ぶには他人行儀の挨拶が続く。
席に着くと母が好きだったトマトスープがだされる。
ホカホカと湯気があがる中、父が静かに語りだす。
「母さんは生のトマトは食べられなかったくせにこのスープだけは好きでね。」
スプーンでスープをかき混ぜながら父は優しく私を見つめる。

父の視線が私の胸元でとまる。
「確か幸せを運んでくれるだったけ…」
父はどこか淋しげに笑う。
その後はとくに会話もなく、静かな時間が流れる。
「無理はしなくていい。何かあったらすぐに言うんだよ」
食事の後、父は優しく私に手をさしのべる。
「はい、わかりました。」
父の手は大きく厚く何よりも温かかった。

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