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1章

47 オオエド探索⑦ 誘拐事件とオオエドの王族たち

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鍛冶屋『匠』から出た翔達は次に食材を買いに市場へ向かった。その道中で

「すみません。私たちオオエド新聞『文弥』の記者で、今外国の旅行者にアンケートを取ってるんのですが協力いただけないでしょうか?」

1組の女性が話を掛けてきた。1人は手帳を手に持ち、もう一人は大きなカバンを持っていた。



(みなさん、彼女らは嘘をついています。これより本心透過モードに移行します。)

本心透過モードとは【異世界辞典】のナビについている機能の一つで、対象の人物が敵意を持って嘘をついているとき、副音声として本心を語るモードです。



「どんなアンケートなんですか?」

「オオエドの国をどう感じたかいくつかの質問に答えてもらう形式です。アンケートに答えてもらえればお土産としてこの地方のお菓子和菓子を差し上げます」

(こう言えば大体の観光客は乗ってくるのよね。攫われるとは知らずに)



「みんな、どうする?」

「いいんじゃない。お土産ももらえるし」

「そうですね。いい経験になりますし」

「ありがとうございます」

(ふふっ、ちょろいわね。後は)



「お土産なのですが、とある場所に置いていますので、今からお連れする場所でアンケートも書いてください」

(アジトに連れ込んで完了ね。売れたら何を買おうかしら、新しいかんざしも欲しいし、着物も欲しいのよね~♪)

「わかりました」



翔達は偽の記者たちの案内に従い路地裏に入っていく。その間翔達は念話で会話をしていた。

(ミゼルとレオナはユーナに付いてあげて。ユーナは二人から離れちゃだめだよ)

(わかった)

(ええ)

(うん、離れないよ)

(リーシャと聖は後ろの一組が邪魔しないようにしてて)

(わかったよ~)

(はい)

(真保とアリシアは俺が威圧で動けなくするから、魔法で拘束して)

(わかった)

(大丈夫よ)

そして一つの屋敷に着いた



屋敷内に潜伏するとある集団

「親父、姐さんが勧誘に成功してここに連れてくるそうです」

「よし、てめえら、準備に取り掛かりな、最初に獲物を捕まえたら、今日の祝杯で俺の次に犯していいぞ」

「「うおおおお」」

破滅の足跡は確実に近づいている。



遠くから翔達を付ける集団

「姫様、近衛隊100名集まりました。いつでも動けます」

「わかったわ。あの人たちには悪いけど、確実に現場を確保するわよ。今回こそ捕まえるわ」

「「はっ」」



「こちらの奥にアンケート用紙とお土産を準備してるので、ぞうぞ入ってください」

(さあ、はやく入るのよ)

翔達が屋敷に入り奥に進むと

バタン

扉は閉じられ複数の男女の集団に囲まれた。

「あははは、ようやく閉じ込めれたわ。んー?、何が起こったかわからないようね。あなた達は騙されたのよ。」

「そうだ。男は牢屋へ、女は今日俺たちが犯して奴隷として売りさばてやるよ。クハハハ」

と誘拐犯の中から下品な表情を浮かべて男が偽の記者の言葉を引き継ぎ前に出てきた。

「んー、別に抵抗していいんだぜ。まあこっちは全員Aランク以上の実力を持っているがな。おっ、今のセリフを聞いてビビって動けなくなったか?」

と挑発を続けるが、翔はあくびをしながら

「もう話は終わった?」

「ああ?」

「じゃあ、そ・の・場・に・へ・ば・り・つ・け」

と覇王の威圧(最弱)を全方向に向けた。その威嚇により誘拐犯は

「「っ!(動けない)」」

声も出せずに地面にへばりついた。そこへ真保とアリシアにより束縛の魔法が放たれ手足を拘束された。翔達が屋敷に入ってわずか10秒の出来事である。ちなみにこの間ユーナはミゼルとレオナにより耳をふさがれていた。



「さて、外にいる人たち入ってきていいよ?」

翔は外にいる気配に話しかけた。すると10秒後扉をあけ放ち、鎧を着た一同が屋敷内に入ってきた。そして一番手前にいる桜の柄の桃色の着物を着た女性が屋敷の中の状態を見て声を掛けてきた。彼女の名の名は咲夜、オオエドの第1王女で街中で行われる誘拐事件を解決するために動き回っていた。



「一体何があったか教えてくれへん?」

「誘拐されそうになったから抵抗して捕まえただけですよ」

「へぇー、AランクとSランクの実力者30人を、8人で、わずか数秒で、誰も殺さずにねぇ?」

「えぇ、簡単でしたよ」

「それじゃあ、屯所で詳しい経緯話してくれへん?」

「えっ!嫌ですけど。なんでそんな無駄な事しなければならないんですか。まだ見回りたいのに?」



咲夜の顔が赤く染まり青筋が浮かぶ。咲夜は箱入り娘で、家族以外で彼女の要求は余り断られなかった。仮に断られるとしても優しい態度で扱われた。そのため翔のような言葉を掛けられたことは無かった。そのため冷静ではいられなかった。

「全員、ひっとらえなさい!」

「「はっ」」

女性の周囲にいた鎧姿の衛兵が翔達を捕まえるために襲い掛かってきた。



「はー、しょうがない」

「止めいぃぃぃぃぃぃ」



翔がため息をつきつつ対処しようとすると、突如屋敷内に轟音が響き渡り、衛兵たちは動きを止めその場にとどまった。扉の方を見ると複数の男女が屋敷内に入ってきた。



一番最初に入ってきたのは竜の文様が入った着物を着て、腰には一目で業物だとわかる刀をさげる覇気をまとう中年の男性、先ほどの轟音は彼の仕業だろう。その隣には菊の花の模様が入った着物を着た美女が寄り添っていた。その後ろから質のいい着物を着た竜の文様の入った着物の男性に似た青年、その周囲を先ほどの衛兵よりよく鍛えられた者たちが警護していた。



最初に入ってきた男性と女性は咲夜を一度見つめた後、横を通り過ぎ翔達の前で止まった。

そして

「わしの名は飛竜、オオエド城主にしてこのバカ娘の父親でもある。隣にいるのはわが妻奈波、後ろにいるのが長男の迅。今回はバカ娘が無礼を働きすまなかった」

「「すみませんでした」」

と全員で頭を下げてきた。



その光景を見た咲夜は

「父上、そのような無礼な人たちに頭を下げる必要はありません」



「何が無礼じゃ馬鹿者!無礼なのはお主じゃ」

「そうよ。私たちはすべてを見ていたわ。あなたがこの方達をおとりにしている所も。中で何があったか知らずに屋敷内に入るところも。自分の要求が通らず、逆上して取り押さえようとしていたところも。それが一国の姫のすることですか?」

「うっ」



「このたびの事は本当にすまなかった。ワシらの教育が至らなかった。もう一度再教育してこのようなことが無いように努めるので許してはくれないか?」

「もういいですよ。そこまで怒ってませんし、自分たちの邪魔さえしなければ争う理由もありませんし」

「ありがとう。今度お礼がしたい。よければ都合のいい日に城に来てくれないか?」

「ん~~、断るのも失礼ですね、いいですよ。ただまだゆっくり観光したいので4日後にお城にお邪魔したいと思います」

「うむ。ありがとう」

「では、私たちはこれで」



屋敷から出て、屋敷が見えなくなってから

「向こうもこっちの実力に気づいていたみたいね」

「そうね。だからあんなに穏便に済ませようとしたのね」

「ああ。まあ、今は気にせず観光を続けよう」
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