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3章

104 つながる大陸④メルトホルン国内にて

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翌日翔は飛龍達を迎えに来た。メンバーは前日の階段メンバーに飛竜の息子正宗、迅、飛竜の娘咲夜、正宗の息子重一郎、そしてチグサと一葉である。最初に転移する場所はアルフレッド達と話し合った結果、王城の客室にすることにした。転移した先にはすでにアルフレッド達がいて出迎えてくれた。

「ようこそ、メルトホルンへ」

 飛龍達はアルフレッド達にお礼のあいさつをすると興味深そうに室内を観察している。飛龍達が連れてこられた客室は大事な客向けの部屋で装飾も凝っていた。飛龍は壁を触りながら一鉄と話している。

「これは石で作られた壁の用だな」

「ああ、作りは城の石壁と同じだが表面のきめ細やかさが違うな。恐らく表面に塗っている物が違う」

 ヒノクニ大陸では壁には土と木の繊維、そのた薬品を混ぜて作られているが。メルトホルンでは違う。各所に生息するコンクリートゴーレムの身体の石をつかっているのだ。

 このゴーレムの身体の石は細かく抱き水と一緒に溶かすとドロドロになりそれを石を積んだ壁に塗り固めると牛の魔物の突進でも崩れない強度のある壁ができる。さらに火属性と水属性の魔石の粉末を加えると外部からの熱を通さず、室内の熱を逃がしにくい壁ができた。この素材をゴーレムの名前から魔力コンクリートと名付けた。

 一同は客室から出て城を出る。ちなみにヒノクニ陣営の服装は旅人風の服装にしてもらった。和服と洋服の違いから少し目立つがまあ大丈夫だろう。

 そして城の全景を見ておおーと簡単を上げる。

「やはり、大陸が違うと城の形も違うな。この大陸の城はだいたいこんな感じなのかアルフレッド?」

「ああ、規模に差はあれど大体こんな感じだ」

 そうして軽く城を観察した一同は街に出た。

「やっぱりお城の窓からみて感じてたどすが、オオエドに比べて背が高い店が多いどすな?」

 ヒノクニ大陸の店は基本的に面積を広く取った一階建ての物が多かった。しかしメルトホルンでは基本的に二階建ての店が多い。ただ店によっては2階を店ではなく倉庫代わりに使用している。

 そして一同は飛龍達のリクエストからまず家具を見るために『カグヤ』に来た。そして興味深く家具を見ていく。大きく興味を持ったのは3つ。

 まず寝具。ヒノクニ大陸では寝る時に畳の上に布団を敷いて寝ている。しかしレグルス大陸ではベッドにフカフカの布団をひいて寝ていた。飛龍達もベッドに寝たりして布団の触感を楽しんでいた。

 次に服を入れる家具。ヒノクニ大陸では基本的に服を小さくたたんでいくつかの引き出しが入ったタンスに入れていた。しかしレグルス大陸ではタンスも使っているが厚手の服や上着などはハンガーにかけ、そのままの状態で保管するハンガーラックも使用していた。ハンガーラックを使う利点として服がそのまま着れる、その代わりタンスのように収納できる量は多くは無かった。ただ和服という点で見ればこのハンガーラックはいいかもしれない。

 3つ目は冷蔵庫である。まあこれに関してはしょうがないだろう。なぜならこの冷蔵庫は翔の知恵と職人の知恵の結晶のため、外からの情報が無かったヒノクニ大陸では知るための手段がなかった。

 家具を見ているといい時間になったので食事をするために翔達のお店コレクト・スターに行くことにした。道中咲夜はあることに気づく。

「メルトホルンでは色ガラスは貴重ではないんですね?それも作り方も判明しているんですね」

 咲夜の一言にメルトホルン組は苦笑いをしている。

「?どうしたんですか?」

「えーとね、咲夜ちゃん、色ガラスの作り方は翔君が見つけて国中に広めたのよ」

「え?」

 そう、翔が色ガラスの製法を商業ギルドで無料公開してからはすごい速度で広まり、錬金術師の需要が増大した。その結果、天然物の値段はそこまで変わらなかったが錬金術で作られる色ガラスの値段は少し高いぐらいに落ち着いた。そして様々な色が開発されたり、今までできなかったガラスの彫像が作られたりして色ガラスブームが襲来した。

 そして一同はコレクト・スターの庭先を歩いていく。どうやら飛龍達は庭先にいるガルル達の強さに気づき、始めは警戒していたが店の中に入るころには普通の状態に戻っていった。お店についた時の飛龍の感想はこうだ。

「翔殿、このお店の警備はすごい厳重だな」

 そして一同は黄昏の彗星にむかった。
 ここで一つ追加情報を。黄昏の彗星には実は2階(コレクト・スター全体では3階になる)への階段があり長らく立ち入り禁止となっていた。しかし最近新しく街の子供達を雇い入れその子たちも慣れ始めたころ、ある新サービスが発表された。

 それが団体予約サービスである。5~20名までの団体様の場合、事前に予約していれば2階の5つの大部屋を使用できる。

 ただし予約する時にはルールがあり遅れる連絡がなく店に来なかったというケースが2回行われるとその客を及びメンバーの団体予約は今後禁止、また連絡があってもそれが3回続けば同じく予約は禁止となる。

 翔達は早速この団体予約サービスを使い2階の一室に入った。そこには大きなテーブルがあり事前に聞いたお客の椅子が置いてあった。全員が座ると個室の扉が開かれ料理を持った子供たちが入ってきた。そして食事が始まる。ヒノクニ陣営が興味を持ったのはハンバーグやスパゲティ、唐揚げなどのメルトホルン特有の料理や異世界(地球)の料理だ。翔達は食事中ヒノクニ陣営の料理に関する質問を受けながら楽しく食事は進む。その時1階からドンと音が聞こえ

「何しやがる、離せ、ぶっ殺すぞ」
 
 と声が聞こえてきたあと再びドンと音が聞こえた。メルトホルン陣営は特に気にすることなく食事を進めるがヒノクニ陣営はそうはいかない。

「翔殿、一体今の声は?」

「ああ、気になります?じゃあ見に行きますか?」

 不安になり質問してきた飛龍達を従え翔は1階に降りた。そこには予想していた通り地面に打ちつけられている貴族っぽい服の人と冒険者とその周りであたふたしている執事がいた。翔達が下りてきたのに気づいた店員の子供が翔の下に近づいて来た。

「いつもの?」

「はい、あのお客様が他の店員の子供にお金を見せつつレシピを教えろといい、それを断ると暴力を振るってきたので精霊さん達がお客様を地面に打ち付けて、それをみておこった連れのお客様が武器を取りだしたので同じように精霊さん達が地面に打ち付けてくれました」

「警備室に連絡はした?」

「はい」

 警備室とは1階にある部屋の事で、その部屋には引退した街の警備員か冒険者が常にいてくれており、何かトラブルが起これば来てくれるシステムになっている。これは余りにも犯罪を犯す客が多いため急きょ設置した場所だ。

 翔は地面に張り付いている客の前に近寄ると話しかける。

「読まなかったんですか、規則を。料理のレシピは商業ギルドに伝えたもの以外は教えられませんって書いてますよね?」

「うるさい、これだけの商売のタネ見逃せるか。それにいいのか?僕はシグル国伯爵家の息子だぞ、それにこの国の貴族にも知り合いがいるんだ。その貴族と父上に言いつけてこんな店すぐ潰せるんだからな。早く拘束を解いて謝るなら今だぞ。今回はこの店の経営権をわたすだけで見逃してやる」

 と訳が分からないことを言い始めたお客改め貴族の男に対して翔はため息をつきある場所に連絡をする。

「ああ、優斗今大丈夫?それがさあ今黄昏の彗星にトラブルを持ち込んだお客がシグル国の伯爵家の息子らしくってこの店をつぶすんだって?うん、今リリ達といるからそこに転移してくれだって?わかった」

「何をごちゃごちゃしゃ・・」

 何かをわめいている貴族の男の前に優斗たちが転移してきた。貴族の男が優斗の姿を確認すると顔が青ざめていく。しして優斗は貴族の男に尋ねる。

「で、ここで何をしたんですか?」

「そ、それはですね・・」

「レシピを買い取ろうとして、できなくて暴力に頼ろうとしてもできなくて、最後に権力に頼ろうとしたけどできなかったんだ」

 と優斗に翔が伝えると優斗たちの後ろから更に声がかかる。

「儂もひとつききたいのう?翔」

その声の主を貴族の男が見ると今度みるみる顔が白くなりはじめる。

「何故ここにメルトホルン王陛下がいらっしゃるんですか?」

「なに、丁度食事中でな。それより先ほどのお主とかかわりがある貴族とは誰じゃ?」

「そ、それは・・」


 様子を見ていた飛龍は翔に話しかける。

「翔殿、これは一体?」

「この店には精霊が住んでいて、変なことをしている客がいたら拘束して報告してくれるんです。まあ本来なら拘束してそのまま街の警備所に連れて行って終わりなんですけど、あの人がことを大げさにしてしまったんですけどね」

「そうなのか・・・」

 と店をつぶす宣言に怒って黒い笑い顔になっている翔の表情を見ながら、改めて翔を敵に回すのは止めようと思う飛龍だった。
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