『Wonderful Mystery Marvel Island』

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42 運営雑談①謎のプレイヤーケン

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『西の平原のボス:ガイア・レイア・バロゥフがプレイヤーにより討伐されました』

 ゲーム会社『スローグ』の『WMMI開発・運営チーム』がいる部屋で、次回大型アップデートにより忙しそうにしている社員たちに、『WMMI総合AI:ライネ』により衝撃の一言が伝えられた。


「はあ?嘘だろ?あのボス猪ってパーティー組んで倒せるぐらいの設定にしてたよな」

「ライネ、倒したプレイヤー情報を教えてくれ」

 開発者の一人の要請でソリッドヴィジョンで現れたライネは情報を提示する。

『倒したプレイヤーの名前はケン。従魔:ヒミコと共に撃破しています』

 ライネによりケンとヒミコのステータスやいろんな情報が画面に出される。その情報を見た開発者たちは驚愕に目を染める。

 「おいおい、このプレイヤー火の精霊それも特Sクラスのキツネシリーズと契約しているぞ。確か火の精霊キツネシリーズの条件は」

「はい、火の精霊キツネシリーズのイベント発生条件は
 1.【潜水】のスキルレベルを最大に
 2.友好を結んだ魔物を10体以上
 3.鉱石を5種類以上発見
 4.鉄鉱石を自分の手で精錬→武器まで作成
 そして洞窟の水中探索時ひび割れを見つける。この時【夜目】のLvが3以上必要。そのひび割れに採掘道具を叩きつけて穴をあけた後、地上に出る。地上に出たら岩の中心にいる火の精霊キツネにランク8以上のアイテムで水分、満腹度を回復。
 その後火の精霊キツネは1時間休息状態に。20分経過すると水の中からスモールポイズンスパイダーが20匹出現。さらに20分後イリーガル・アシッド・スライム出現。火の精霊キツネの好感度が高く一度も攻撃を与えず逃がし、自分も死にはせず洞窟から脱出すると成功となります」

「本当ならアップデート後の世界でいろいろな情報が出回って契約できるプレイヤーが出たはずなんだが・・」

「このプレイヤーはステータスやスキルの取り方から見ても何かに特化しているわけではないですね。武器系スキルも生産系スキルも平均的にとってますし」

「すこしこのプレイヤーの行動を最初から見てみるか」

 この場で一番偉い開発主任の言葉にそって全員でケンのプレイを見始める。


「最初は【マジックバック】か、確か最初のスキルで多かったのは【軽武器の心得】【火の魔法(初級)】【水の魔法(初級)】だったよな?アイネ」

『はい、次に多かったのが【鑑定】【マップ】でしたね。【マジックバック】は最下位でした』

 「魔物がいることは伝えていますから戦闘系のスキルを先に取りますよね」

 「確かに序盤ではカバンがあればすすめそうだからな。アイテムが格段に増えるアップデート後で見直されそうなスキルだからなあ【マジックバック】は」


「次に取ったのは【鑑定】か。悪くない選択だな」

「ですね。取っているスキル構成から見てもこのプレイヤー:ケンさんは冒険だけではなく生産もしているようですし」

「だなあ。戦闘をメインで行くならそこまで鑑定はいらないからな」


「おお、『火打石』でたき火作ってるじゃないか。『火打石』って面白アイテムの一種だったんだよな」

『『火打石』でたき火を作ったプレイヤーは現在10人のみです。ほとんどのプレイヤーは【火の魔法】を使うか夜になると寝ています』


「結構早いタイミングで安全な食料と水分を獲得したなあ。これで『緑玉』『青玉』を保存できたんだな」

『現在プレイヤーの中で『緑玉』『青玉』をどちらも所持しているプレイヤーは50人もいません』

運営こちらの予定では『緑玉』『青玉』がなくなる5日間の間に食料と水分を確保ですから」


「ミルキーフライのフラグもきっちり回収してるな」

「ミルキーフライの交友イベント条件は
 1.ミルキーフライを1体も倒さない
 2.ホークハンター撃退後、ミルキーフライを治療する
 3.小屋の近くにワイルドベリーの茂みを植える
 ミルキーフライが敵対しない魔物なのでそこまでは難しくはない気がしますね」

『現在ミルキーフライと友好関係にいるプレイヤーは1人のみです』

「何?ケンだけか?」

『はい。第1の条件ですが戦闘系のプレイヤーは初見で見たミルキーフライを、生産系プレイヤーはミルキーフライが落とす『ミルキーフライの糸の塊』を手に入れるために倒しています。2つ目の条件ですがホークハンターに倒されたり、ミルキーフライを治療しないプレイヤーが多いです』


「初の死亡はクロダコ戦か。これはしょうがないな。対抗手段に気づくのが遅かった」

「ですね。他のゲームでは水中で火魔法は使えますけど『WMMI』では使えませんから。でもこの時すでに【水泳】【潜水】を取ってるので洞窟でのフラグ回収が早かったんですね」


「『石炭』から『コークス』→『ガラス生成』→ポーション獲得か。さらに自宅での鉄精製。ケンはきちんと現実の作り方を調べてるようだな。それに最初に取った【マジックバック】がいい味を出してるな。ポーションなどを持ちだしたらカバンだけじゃあふれるからな、アイテム」

『現在ケン以外のポーションを作成しているプレイヤーは木製の容器を用いてます。そのため魔物に投げつけるなどの仕様はしておりません。またガラスを作成したプレイヤーで【薬師】を取っているプレイヤーは居ません』


「グレータ―ポイズンスパイダーとの戦いか。こいつは防具を揃えて毒対策をしとけば勝てないこともないからな。【薬師】を取って『低級毒消しポーション』を作れるケンにとってはそこまで難しい敵ではないな」

『そうである。それにこのプレイヤーは複数の要素を組み合わせた強化『低級毒消しポーション』を作っているので他のプレイヤーに比べるとより楽なのである。なぜなら他のプレイヤーは『毒消し草』を解毒の手段にしているのである』

突然、アイネの隣に別のAIが現れる。

「ん?エンジン、未鑑定アイテムの処理を終わったのか?」

『うむ』

『現在グレータ―ポイズンスパイダーを倒せたプレイヤーは全体の1割しかいません』



「そして火の精霊救出戦の日か。今のケンのフラグ回収率は
 1.【潜水】のスキルレベルを最大に
 2.友好を結んだ魔物を10体以上
 3.鉱石を5種類以上発見→○
 4.鉄鉱石を自分の手で精錬→武器まで作成→○
あと、1と2か・・アイネ、ケンのスキルと小屋の状態をリアルタイムに表示してくれ・・・なるほど【潜水】は海での活動と地底湖での活動で条件を満たして、有効な魔物の数はミルキーフライの増加か」

「そうですね。ミルキーフライについてはすでにミルキーフライ(成虫)がいる事+ワイルドベリーの茂みの広さによって増えていったんですね」

「そして火の精霊いやもうヒミコと呼んだ方がいいな、ヒミコとのコミュニケーションはウルフの毛皮とたき火による体温調整、戦闘時に積極的に守ることで好感度はMAXか。これは脱帽だな」

「はい。まず序盤のスモールポイズンスパイダー。やっかいな毒攻撃ですがグレータ―ポイズンスパイダーの素材装備:大毒蜘蛛のセット効果の毒無効化で無力化し、基本的にヒミコが傷つかないように立ち回ることで完封」

『そもそも、冒険又は鍛冶一筋では最初のスモールポイズンスパイダーの群れで背毒対策、殲滅力の低さでプレイヤーか火の精霊のどちらかが倒れてたのである』

『そしてイリーガル・アシッド・スライム。現状の『WMMI』では倒すことが困難な敵。ケンは無理に攻めずにヒミコを守ることを優先してHPをポーションで回復して持久戦を開始。』

「おお~、触手の網は盾を用いてダメージを減らして攻撃範囲から回避・・ん?ヒミコを布で包みだしたぞ。どうするつもりだ?」

「投げましたね」

「ああ、投げたな」

『うむ。投げたのである』

『調べ終わりました。ミルキーフライの布+綿のクッションによりヒミコは無傷。投擲についてはジャンプ+【気功術:腕(Ⅱ)】【強化投擲】+【投擲術Lv4】の効果で可能です』

「これでヒミコは脱出できたがケン自身はどうするんだ。このままだと死ぬぞ。そうしたらこのイベントは終了だ」

「なにかをとりだしましたね。アレは液体がはいったフラスコでしょうか?何が入ってるんでしょう」

「イリーガル・アシッド・スライムの頭上ではじけて中身が散らばったな。そしてケンは【ファイアランス】を唱えてるということはまさか?」

『液体の正体は油です。そして油+【ファイアランス】の威力で完全にイリーガル・アシッド・スライムはケンに敵意をむけました』

「まさかあんな方法で火力を上げるとはな。そしてケンはすぐに水の中に潜り全速力でヒビから脱出。イリーガル・アシッド・スライムも火を消したあと追いかけようとしたが【水泳】スキルのおかげで逃げ切ったと。アイネ、これ【水泳】スキル無かったらどうなっていた?」

『逃げきれてはいませんでしたね。それもスキルレベルをMAX出ないとダメでした』

「そうか。そしてとうとうボス猪だな」
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