『Wonderful Mystery Marvel Island』

アマテン

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66 マリーとの商談とヒミコ達召喚

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 僕がアイテムを見ながら待っているとマリーさんが駆け足で帰ってきた。

「はぁはぁ、お待たせ。【素材鑑定】のスキルオーブ買ってきたわ。早速使ってみるわね」

 マリーさんは球体を取り出し使ったあと、『大毒蜘蛛の毒刺突脚』を【鑑定】してみる。
 
「確かに鑑定結果に加工技術って追加されたわ。なるほど確かに『毒無効』が必要って書いてるわね。でもこのスキルは生産職や商人の必須スキルになるわね」
「そうなんですか?」
「ええ。今まで素材自体に状態異常を与えるアイテムは無かったわ。もしこれを知らずに加工していたら、下手すると加工できない素材として広まっていたかもしれないわ。それにアイテムを売る商人にとっては状態異常を及ぼすかもしれない素材を知らずに売買するなんて致命的よ」
「でも一つ疑問があるわ。ケン君はなぜ状態異常にならないの?毒耐性でも持ってたの?」
「ああ、僕もさっき気になったので調べてみたんですがどうやらジョブスキルが関係していたみたいです」
 
 それは【素材収集家】のLv1スキル【万能手袋】だ。このスキルを持っている時僕はアイテムによる毒、麻痺、眠り、混乱、魅了、体調不良系、ステータス低下(微、小)の状態異常を受けなくなる。これってヤバいよね。ここでいうアイテムっていうのはポーションも含まれているから、もうポーション関係で該当する状態異常を受けないってことだよね。
 このスキルのいいところは状態異常だけってこと。つまりバフや回復はできるってことだ。ただ注意しなければならないのがスキルの状態異常は受けるってこと。あとわざわざ状態異常を指定していること。全ての状態異常を無効って解説すればいいのに、わざわざ指定してるってことは他の同系統の状態異常があるのかもしえない。例えば『猛毒』『爆睡』とか。

「へえ、その情報は売ってくれるのかしら?」
「いいですよ。でも先に取引と他の質問に答えてもらっていいですか?その方がジョブの説明もしやすいので」
「いいわよ。まずはこの『大毒蜘蛛の毒刺突脚』ね。そうね・・・1万でどう?」
「いいですよ」
「あとまだいろいろ情報がありそうだから個別に情報は売買しましょう。【素材鑑定】だけど、これは革新的な情報よ。だから3万払うわ?」
 うわ、高い!素材より高いじゃん。というか大毒蜘蛛の毒刺突脚(ランク3)でこの値段だろ。だったらミルキーフライの上質な糸玉(ランク4)だとどうなるんだ?

「じゃあ次は何を売ってくれるのかしら?」

よし、まずは精霊の事から聞こうかな?

「えーと従魔関連なんですけど、今までどんな従魔が見つかってるんですか?」
「あら、ケン君も従魔が欲しいの?そうね、ウルフや犬、猫、鳥、サル型の魔物はよく見るわね。珍しいところなら小型のドラゴンを従魔にした『ドラゴンテイマー』や火や水の精霊を従魔にした『スピリットテイマー』、機械の犬と鳥を仲間にした『マシーンテイマー』ね」
「火や水の精霊はどんな感じですか?」
「火の精霊はトカゲ見たいので水はアザラシだったわね、これを聞くってことは精霊を仲間にしたいの?でも大変そうよ。条件もよくわからずに偶然『AI』で仲間にできたみたい」

 マリーさんの話を聞くとまず人型の精霊は仲間になっていないと。そして僕みたいに何かイベントがあったわけではなく食べ物をあげたり、倒したりしたら従魔になったらしい。これってヒミコたちのこと話したらヤバいよな。でも話さないと服や武器、防具について聞きにくいし・・・。よし、しょうがない、話すか。

「えーと、服作りがうまい生産職の人はいませんか?できれば女性の服を作れる人で」
「あら、プレゼント?だったら一人いるわよ。そのプレイヤーは『裁縫士』のジョブで服作りが好きなの。でも今忙しいらしいのよね。でももしかしたら珍しい素材があれば作ってくれるかも」
「それなら問題ないですね。素材はこれを使ってほしいんです」

僕はマリーさんに『ミルキーフライの上質な糸玉』を渡す。マリーさんは

「あら、『ミルキーフライの糸玉』そこまで珍しくはないわね・・・?ちょっと待って!上質な糸玉?ランク4?それに成長したミルキーフライが生み出す?」

 最初見た時は驚かなかったが、一度【鑑定】したら鑑定結果を何度も見ながら驚く。よし、驚いている今がチャンス、ヒミコたちも紹介しよう。

「僕が作ってほしいのはこの子たちの服なんです」
 僕は【召喚】でヒミコ、シズク、ヒビキをマリーさんの目の前に呼び出す。ヒミコ達はあたりを物珍しそうに周りを見ていた。

「お兄ちゃん、ここが新しい街?」
「ああ、センターっていう街なんだ。でここがアイテムがいっぱい売っている商店だよ」
「見たことないアイテムが一杯売ってますね」
「マスター、彼女は誰ですか?」
「彼女はマリーさん。このお店の店主だよ。今いろいろ話を聞いてもらってるんだ。で、丁度ヒミコたちの話になったから召喚したわけ。マリーさん、この子たちが僕の従魔のヒミコ、シズク、ヒビキです」
 ヒミコ達がマリーさんに挨拶するがマリーさんは少しも動かずに立っていた。

「マリーさん、どうしたんですか?」

僕は不審に思いマリーさんに声を掛けると

「ええぇぇぇぇぇぇ」
 辺りに響く声で叫んだ。え?一体どうしたの?

「どうしたのじゃないわよ!人型の従魔なんて初めて見たわよ。獣人?、妖精?まさか機械人形?どこで従魔にしたの?『AI』?『ファースト』のフィールド?一体どうやったの?何かのイベント?」
「落ち着いてください、マリーさん」

 僕はマリーさんに質問攻めにされる。僕が慌てて落ち着かせるように言うとマリーさんは息を整え始めた。

「ふうー、ごめんなさい、ケン君。あまりの情報で取り乱したわ。ヒミコちゃんたちもごめんね。お姉さん、初めてヒミコちゃんたちを見て驚いちゃった。改めて商店兼情報屋をやってるマリーよ。よろしくね」
「「「よろしくお願いします」」」
「ええ、よろしくね。さてひびちゃんたちの事は後で聞くとして、まずは『ミルキーフライの上質な糸玉』に関してね。はっきりいうとこれはすごいわ。現在入手できる糸素材はランク2が最高だったの。なのにランク3を通り越してランク4なんだもの。これをカオリに見せたら飛んで来るわよ。その前にいろいろ聞きたいんだけど?あ、答えたくなかったらいいから」
「なんですか?」
「これはどこで手に入れたのかしら?私達も手に入れれそう?たくさん手に入りそう?」

 僕はミルキーフライ達との出会いからギルドで教えてもらった『魔物牧場の主』について話した。

「そんな職業があったの。それも魔物と友好な関係を組むことができるなんて知らなかったわ。これも売れる情報ね。それに次は『ミルキーフライの上質な糸玉』がいくつも手に入るなんてすごいアドバンテージよ。いくつか売ってもらえる?一個2万で買い取るわ。あと今の情報は3万で買うわ」

僕はとりあえず『ミルキーフライの上質な糸玉』を15個売り、情報料と共に33万Gもらった。これで合計37万G。

「お金は大丈夫なんですか?」
「心配いらないわよ。アップデート当時からフレンドと協力して素材とか情報の売買をしてきたからお金には余裕があるの。次はヒミコちゃん達ね。一体種族は何なのかしら?」

 僕はヒミコ達との出会いから進化、『異質なテイマー』について話した。

「まさか精霊だったなんて思わなかったわ。それも変身可能何て。おそらく出会いのイベント、進化の事、言葉をしゃべることからヒミコちゃん達はユニーク個体じゃないかしら。ただイベントの条件が分からないわね。ケン君はわからないのよね?」
「はい。だったらこの情報は売れないですかね?」
「いいえ。人型の精霊の存在、従魔にするにはなにかのイベントが必要なことだけでも十分な情報よ。これも3万払うわ。じゃあ、早速カオリのとこに行こうかしら」

 マリーさんは店じまいをした後、僕達を連れ立って商業ギルドに向かった。道中ヒミコ達は目立っていてこちらに近づいてきたり、遠くからついてくる一団がいたがマリーさんの人にらみで散っていく。まぁ確かにヒミコ達はかわいいもんね。

「しょうがないわね。ヒミコちゃん達かわいいもの」

 マリーさんも同意見だったようだ。そして商業ギルドに入るとマリーさんがこれから行く場所に着いて説明してくれた。

「商業ギルドの奥にはね、無料の生産施設があるの。カオリがいるのはお金を払えば借りられる個室にいるのよ」

 僕たちが入った瞬間、プレイヤーの視線がヒミコ達に集中するがマリーさんを見た瞬間目を逸らしていく。さっきから思ってたけどマリーさんって何者?僕が不思議に思ってたことが分かったんだろう。マリーさんが話しかけてくる

「今回紹介するカオリも含めて別のゲームでちょっとした事件を解決して少し有名なのよ、私」
「どんな事件だったんですか?」
「それわねとあるクランがひどいことしていたから少し懲らしめたのよ。そしたらそのギルドが解散しちゃってね。そのことが知られていて一部のプレイヤーには怖がられているみたい」
「でも、マリーさんは怖そうには見えませんよ、ねえ、ヒミコ、ヒビキ?」
「うん」
「はい」

その答えを聞いたマリーさんは感極まってシズク達を抱きしめる。そしてある部屋の扉の前につく。
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