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フィリシア・ミローバの逡巡
赤沈
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「マイキー!!」
麻酔を受けた途端、受付で崩れ落ちて行くマイキーの姿。フィリシアは無意識の内に叫んでいた。
崩れ落ちた後はガタガタと何かに怯えるかのように震え、視線を合わせようとしない。その姿にハルの表情も一気に険しくなり、待合いの空気も張り詰めていった。
「ラーサ! 赤沈調べて! モモ! とりあえず処置室に運ぼう。アウロもこっち片付いたら合流して」
ハルの言葉に三人はすぐに反応を見せ、受付の奥へと消えて行く。
フィリシアも遅れまいと処置室へ飛び込んだ。
マイキーには大きい処置室のベッド。
ラーサがすでに採血を済まし、細く長い管へマイキーの血液を注入していく。空の点滴瓶が準備され、薬液が投入されるのを今かと待ちわびていた。
この素早い連携にフィリシアは目を剥いた。聞いた事の無い調教店を少しばかり軽んじていた自身を反省し、同時にここなら何とかしてくれるかもと、わずかな希望を心に灯す。
「ラーサどう?」
「ああ⋯⋯心拍が早過ぎる。体が小さいといえ、これはないわぁ。この感じ、どこか痛むって感じじゃない? ⋯⋯かもね」
聴診器を胸に当てながら答えるラーサの言葉には迷いが見えた。ハルはラーサの言葉に眉間に皺を寄せ、その原因について逡巡する。
「極度の緊張⋯⋯とか。とりあえず、落ち着けましょう。ラーサ、鎮静剤を入れてみようか」
「痛み止め⋯⋯ファリンも念の為入れておこうよ」
「そうね」
ラーサは棚から薬液を取り出し、点滴瓶の中に数滴垂らしていった。
「ねえねえ、赤沈って何? あんなの見た事無いんだけど」
フィリシアは細い管に入ったマイキーの血液を指差した。
壁際に立てかけている細い管。見た事も無いし、何の為にそんな事をするのか意味が分からない。
「病院で見た事無いかな?」
「病院? 調教店じゃなくて? どちらにせよないわ」
フィリシアはアウロに渋い顔を見せた。その姿にアウロは眉をひとつ上げ、口を開く。
「あの管に入れた血液の落ち方で、体に炎症反応が無いか見るんだよ。炎症反応の大きさを見て、怪我の具合や病気の深刻度の目安にするんだ。元々は人間で行う検査なんだけど、ラーサが動物でもいけるはずって研究と実践を繰り返して、まぁ、なんとか形になっているって感じかな」
「何それ! 凄いじゃん」
聞いた事も無かった調教店に度肝を抜かれるとは思わなかった。
少なくない諦めが、店をくぐるまではあった。いや、くぐった後もあった。だが、今は黙々と診療を続けるハル達の姿に灯る希望。その灯は、沈みかけたフィリシアの心を小さく照らしていく。
「落ち着いてきたわね。さて、一番怪しい前脚から診ようか。フィリシア、あなた柔らかいって言っていたわよね、どの辺に違和感を覚えたの?」
「スネの辺りが⋯⋯こう何て言えばいいのかなぁ⋯⋯普通の仔より柔らかいのよ」
「骨が?」
「そう! 硬いはずの骨が何かふにゃっとしていて手応えが変なのよ」
「ふむ」
ハルはひとつ唸ると、右の前脚に手を掛けた。慎重に触れる指先でフィリシアの言葉をなぞっていく。
「モモ、あなたも確認してみてよ」
「いいけど、整形は専門外なのよね。わかるかしら」
微妙な表情を見せるハーフ犬人も、マイキーの前脚を軽く握ってみるが手応えの無さに表情は晴れない。
「私の見立てでも折れていると思う。開ける(手術)? モモ、どう思う?」
「う~ん⋯⋯どうかしら。ちょっと分からなかったわ。折れていると仮定するなら開けるのはアリね。でも、ひび割れ程度なら薬とヒールで様子見って感じかしら。ただ、はっきりとしないこの状態で飼い主の許可なく開けていいものか⋯⋯ねえ」
「だよね」
ハルとモモがマイキーを前に難しい顔を見せた。必死のフィリシアに応えてあげたいが飼い主を差し置いて、予想だけで手術を進めるわけには行かない。
出来るのはここまでか。
ハルの心に終わりの文字が浮ぶ。その雰囲気を察してフィリシアは懇願した。
「待って! 待って! 言っている事は分かるけど、苦しんでいるんだから早く治してあげようよ、責任は私が持つからさ」
「フィリシア、あなたが持つって言っても実際何かトラブルになったら責任を被るのは店長のカミオよ。そこまで分かって言っているの?」
「分かる。分かるけどさ⋯⋯」
ハルの正論。灯された希望が消えて行く。
でも、何故そこまで私は思うのだろう?
怪我の可能性が高い事を飼い主に伝えてあとは任せてしまえばいい話だ。
フィリシアの心の隅にある濁り。正論が通じない自身の心⋯⋯晴れない想い。
重く口を閉ざし、フィリシアはマイキーを見つめていた。何がそこまで引っ掛かるのか自身に問いただした所で、溜め息しか出なかった。
このすっきりとしない心の濁り、その原因は何? 自身に問い掛けながらマイキーの体に優しく手を添える。
「う~ん⋯⋯? 何だこれ?」
「ラーサ、どうしたの?」
難しい顔で赤沈管を覗いているラーサの横へとハルは立つ。
「赤沈の炎症反応が高いんだよね」
「じゃあ、やっぱり骨折しているのね」
「まぁ、それはあるかもだけど、これだけ高いと骨折だけって事では無さそうなんだよねぇ。確証は無いけどさ」
「ねえねえ、骨折以外ってどういう事?」
ふたりの会話にフィリシアが割って入る。
「どういう事って言われても困るんだけど、これで分かるのは体の中の炎症反応だけなんで、現時点で疑わしいのは右の前脚の骨折。だけど、赤沈の結果だけ見ると他にも高い反応を示す原因がありそうなんだよね。病気なのか怪我なのか⋯⋯」
「マイキー、あんたどうなのよ。どこか辛い所あるんじゃないの⋯⋯」
ラーサの言葉を受けて、フィリシアは懇願する。
自身のもどかしさをマイキーの頭を抱え必死に懇願した。
ハルもラーサも、モモもアウロも、今一度マイキーの姿を見つめ直し注視していく。
「ちょっとどいて貰ってもいい? この仔を良く見せてくれないか」
寄り添うフィリシアにアウロが声を掛ける。フィリシアは黙ってマイキーから離れると、アウロは正面からマイキーの様子を見つめ、そっと頬に手を掛けた。
「大丈夫だよ⋯⋯」
優しく声を掛けるアウロの瞳が真剣味を帯びると、少し首を傾げ、迷いを見せた。ハルを筆頭に視線はアウロとマイキーに集中していく。
「アウロ、急にどうしたの?」
「ハルさん、この仔の頬、やけにこけていないですか? ふわふわの毛に騙されそうですが、大きさの割に顔が小さいなって感じていたんです。触ってみて確信しました。この仔は痩せているのにそうは見えない」
アウロはそう言って体を起こした。
「ねえねえ、どういう事? 顔の大きさが変って事? 痩せすぎ? えっ!? そうなの?」
アウロの言葉を受けフィリシアは胴を包むように触れていく、手に伝わる肉の感触、弾力を丁寧に確認していく。自分の脳に刻まれた何百頭もの犬豚の感触を再び引っ張り出し、差異を探す。
指先から伝わる感触から、やせ細っているという感触はない。至ってノーマル。太っているわけでも無い。
ノーマル? 体は痩せていない?
でも、頬は瘦せこけている。なぜ?
目の前の矛盾が、フィリシアの心の濁りを濃くしていった。
麻酔を受けた途端、受付で崩れ落ちて行くマイキーの姿。フィリシアは無意識の内に叫んでいた。
崩れ落ちた後はガタガタと何かに怯えるかのように震え、視線を合わせようとしない。その姿にハルの表情も一気に険しくなり、待合いの空気も張り詰めていった。
「ラーサ! 赤沈調べて! モモ! とりあえず処置室に運ぼう。アウロもこっち片付いたら合流して」
ハルの言葉に三人はすぐに反応を見せ、受付の奥へと消えて行く。
フィリシアも遅れまいと処置室へ飛び込んだ。
マイキーには大きい処置室のベッド。
ラーサがすでに採血を済まし、細く長い管へマイキーの血液を注入していく。空の点滴瓶が準備され、薬液が投入されるのを今かと待ちわびていた。
この素早い連携にフィリシアは目を剥いた。聞いた事の無い調教店を少しばかり軽んじていた自身を反省し、同時にここなら何とかしてくれるかもと、わずかな希望を心に灯す。
「ラーサどう?」
「ああ⋯⋯心拍が早過ぎる。体が小さいといえ、これはないわぁ。この感じ、どこか痛むって感じじゃない? ⋯⋯かもね」
聴診器を胸に当てながら答えるラーサの言葉には迷いが見えた。ハルはラーサの言葉に眉間に皺を寄せ、その原因について逡巡する。
「極度の緊張⋯⋯とか。とりあえず、落ち着けましょう。ラーサ、鎮静剤を入れてみようか」
「痛み止め⋯⋯ファリンも念の為入れておこうよ」
「そうね」
ラーサは棚から薬液を取り出し、点滴瓶の中に数滴垂らしていった。
「ねえねえ、赤沈って何? あんなの見た事無いんだけど」
フィリシアは細い管に入ったマイキーの血液を指差した。
壁際に立てかけている細い管。見た事も無いし、何の為にそんな事をするのか意味が分からない。
「病院で見た事無いかな?」
「病院? 調教店じゃなくて? どちらにせよないわ」
フィリシアはアウロに渋い顔を見せた。その姿にアウロは眉をひとつ上げ、口を開く。
「あの管に入れた血液の落ち方で、体に炎症反応が無いか見るんだよ。炎症反応の大きさを見て、怪我の具合や病気の深刻度の目安にするんだ。元々は人間で行う検査なんだけど、ラーサが動物でもいけるはずって研究と実践を繰り返して、まぁ、なんとか形になっているって感じかな」
「何それ! 凄いじゃん」
聞いた事も無かった調教店に度肝を抜かれるとは思わなかった。
少なくない諦めが、店をくぐるまではあった。いや、くぐった後もあった。だが、今は黙々と診療を続けるハル達の姿に灯る希望。その灯は、沈みかけたフィリシアの心を小さく照らしていく。
「落ち着いてきたわね。さて、一番怪しい前脚から診ようか。フィリシア、あなた柔らかいって言っていたわよね、どの辺に違和感を覚えたの?」
「スネの辺りが⋯⋯こう何て言えばいいのかなぁ⋯⋯普通の仔より柔らかいのよ」
「骨が?」
「そう! 硬いはずの骨が何かふにゃっとしていて手応えが変なのよ」
「ふむ」
ハルはひとつ唸ると、右の前脚に手を掛けた。慎重に触れる指先でフィリシアの言葉をなぞっていく。
「モモ、あなたも確認してみてよ」
「いいけど、整形は専門外なのよね。わかるかしら」
微妙な表情を見せるハーフ犬人も、マイキーの前脚を軽く握ってみるが手応えの無さに表情は晴れない。
「私の見立てでも折れていると思う。開ける(手術)? モモ、どう思う?」
「う~ん⋯⋯どうかしら。ちょっと分からなかったわ。折れていると仮定するなら開けるのはアリね。でも、ひび割れ程度なら薬とヒールで様子見って感じかしら。ただ、はっきりとしないこの状態で飼い主の許可なく開けていいものか⋯⋯ねえ」
「だよね」
ハルとモモがマイキーを前に難しい顔を見せた。必死のフィリシアに応えてあげたいが飼い主を差し置いて、予想だけで手術を進めるわけには行かない。
出来るのはここまでか。
ハルの心に終わりの文字が浮ぶ。その雰囲気を察してフィリシアは懇願した。
「待って! 待って! 言っている事は分かるけど、苦しんでいるんだから早く治してあげようよ、責任は私が持つからさ」
「フィリシア、あなたが持つって言っても実際何かトラブルになったら責任を被るのは店長のカミオよ。そこまで分かって言っているの?」
「分かる。分かるけどさ⋯⋯」
ハルの正論。灯された希望が消えて行く。
でも、何故そこまで私は思うのだろう?
怪我の可能性が高い事を飼い主に伝えてあとは任せてしまえばいい話だ。
フィリシアの心の隅にある濁り。正論が通じない自身の心⋯⋯晴れない想い。
重く口を閉ざし、フィリシアはマイキーを見つめていた。何がそこまで引っ掛かるのか自身に問いただした所で、溜め息しか出なかった。
このすっきりとしない心の濁り、その原因は何? 自身に問い掛けながらマイキーの体に優しく手を添える。
「う~ん⋯⋯? 何だこれ?」
「ラーサ、どうしたの?」
難しい顔で赤沈管を覗いているラーサの横へとハルは立つ。
「赤沈の炎症反応が高いんだよね」
「じゃあ、やっぱり骨折しているのね」
「まぁ、それはあるかもだけど、これだけ高いと骨折だけって事では無さそうなんだよねぇ。確証は無いけどさ」
「ねえねえ、骨折以外ってどういう事?」
ふたりの会話にフィリシアが割って入る。
「どういう事って言われても困るんだけど、これで分かるのは体の中の炎症反応だけなんで、現時点で疑わしいのは右の前脚の骨折。だけど、赤沈の結果だけ見ると他にも高い反応を示す原因がありそうなんだよね。病気なのか怪我なのか⋯⋯」
「マイキー、あんたどうなのよ。どこか辛い所あるんじゃないの⋯⋯」
ラーサの言葉を受けて、フィリシアは懇願する。
自身のもどかしさをマイキーの頭を抱え必死に懇願した。
ハルもラーサも、モモもアウロも、今一度マイキーの姿を見つめ直し注視していく。
「ちょっとどいて貰ってもいい? この仔を良く見せてくれないか」
寄り添うフィリシアにアウロが声を掛ける。フィリシアは黙ってマイキーから離れると、アウロは正面からマイキーの様子を見つめ、そっと頬に手を掛けた。
「大丈夫だよ⋯⋯」
優しく声を掛けるアウロの瞳が真剣味を帯びると、少し首を傾げ、迷いを見せた。ハルを筆頭に視線はアウロとマイキーに集中していく。
「アウロ、急にどうしたの?」
「ハルさん、この仔の頬、やけにこけていないですか? ふわふわの毛に騙されそうですが、大きさの割に顔が小さいなって感じていたんです。触ってみて確信しました。この仔は痩せているのにそうは見えない」
アウロはそう言って体を起こした。
「ねえねえ、どういう事? 顔の大きさが変って事? 痩せすぎ? えっ!? そうなの?」
アウロの言葉を受けフィリシアは胴を包むように触れていく、手に伝わる肉の感触、弾力を丁寧に確認していく。自分の脳に刻まれた何百頭もの犬豚の感触を再び引っ張り出し、差異を探す。
指先から伝わる感触から、やせ細っているという感触はない。至ってノーマル。太っているわけでも無い。
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