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受難の前兆(side美夜飛)
07
しおりを挟むそう思い、俺はベッドからおりて、読んでいた漫画をちゃんと本棚にしまう。と、不意に、いつも鍵をかけている机の引き出しが目に入った。
そういえば、あの薄っぺらいエロ本、あそこに入れてたよな。
あの引き出しは、兼嗣がいつも書いてる日記を保管している場所だ。
さすがに内容まで見たことはないが、俺がいるときでも平然と書いてることもある。
今まで中身なんて見たいとは思わなかったのに、何故だか今日は物凄く気になった。
まあ、鍵がかかっていたら素直に諦めるし……。
言い訳みたいに心のなかで呟いて、忍び足で移動する。
机の一番上の引き出しに手をかけると、そこは俺自身が逆に驚くくらい、あっさり開いた。
……やばい、かな。
こんな、プライベートに土足で踏み込むようなこと。
しかもさっきのエロ本の下に、いつも兼嗣が書いている日記の表紙がもう見えている。
よくある見慣れた大学ノート。
いやいや……これはさすがにだめだろ。
他人の日記見るとか、スマホこっそり見るくらい良くないことだ。
だめだけど……、でも。ここまで来て何もせずに引き返すのも癪だった。
正直、兼嗣に精神的に負かされたような気がしたのが屈辱で、根に持っていた。
あいつはそんなつもりなかったのかもしれないけれど、俺にとって結構な衝撃だった。
だから何か……。単純にムカついたし、あいつの弱味を知りたいと思ってしまった。
どうせあいつは風呂に行っていてしばらくは帰ってこない。
一ページだけ見たら、とっとと部屋に戻ろう。
そう思い、俺はノートを手にして、パラパラと適当なページをめくった。
──××月××日。
今日は学校が休みだったから、朝からみーちゃんの部屋でテレビ見てた。
同室になれなかったのは残念だけど、これはこれで充実してると思う。
朝ごはんの後にテレビ見ながらくつろいでいたら、暇だったのか、寝転んでいたみーちゃんに背中を蹴られた。たまにしてくる。みーちゃんは相変わらず足癖が悪い。
でもちゃんと手加減してくれてるみたいで、痛くないから全然イヤじゃない。
でもちょっと困る。だってかわいい。
俺のことを足蹴にしながら、イタズラっぽく笑うみーちゃん。かわいい。
いつも素足で蹴ってくるの、かわいすぎて、寝転んでるからお腹が丸見えで、無防備で、足首つかまえて腕の中に抑えこんで、爪先から全身まで舐めてやろうかと本気で思った。
まあ今はまだしないけど、いつかは絶対舐めたい。
一体どんな反応するのかなあ。
嫌がるかな……。嫌がるよね。
でももしかしたら、案外可愛い反応するかもしれない。
可愛いって、どんなだろう。
みーちゃんの可愛い顔、いっぱい見てみたい。
昔は黒かった髪は中学のときから金色になってしまったけど、白い肌に似合っていてきれいだ。
ちょっと悪そうな笑顔はずっと、子どものころから変わらない。
たまにふざけて腰や脇のあたりをくすぐったら、いつも顔を真っ赤にして笑いながら、うっすら涙目になるのが、えっちでかわいい。
いつも死ぬ気で我慢してるけど、そのうち爆発しちゃいそう。
もしかして、腰や脇が性感帯なのかな。
今度機会があったら、さりげなく触ってみようと思う。
いつもみたいにじゃれ合ってるときでもいいけど、寝ているときに試してみても──……
「……は…………?」
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