恋のヤンキー闇日記

あらき奏多

文字の大きさ
30 / 107
遅かれ早かれ(side美夜飛)

16

しおりを挟む



 いつもは平和的で二重の眠そうな目が、今は底なし沼みたいにどろどろして見えた。

 こいつは根暗なクソオタクで、大人しくて、もし幼なじみじゃなかったら、タイプが違いすぎてお互いにわざわざ関わろうとはしなかったと思う。

「な、んで……?」

 けれど実際は、長年、俺と一緒にいた。
 その年月は伊達じゃないようで、だからこそ、伝わるものもあった。

 兼嗣は、わざと殴られたのだ、と。
 避けようと思えば避けられたのだと、直感的に理解する。

 微動だにせず怒ったような暗い顔の兼嗣に、これから先の行為を示唆しているようで、狼狽えたせいで対応が遅れた。

「なんでだよっ! なんで……っ? いやだっ、お前と、こんなことしたくない……っ!」

 悲鳴じみた潤んだ声が迸る。
 泣いてはいないのに、裏切りに悲観する心情がそのまま声色に出ていた。

 行為を続行しようと近づいてくる顔面を遠ざけて、仰け反るように顔を背けたら、ぐっと身体を使って押し倒される。

 拒絶に伸ばした腕は兼嗣の手によってシーツに沈んで、覆い被さるやつの力強い重みを全身で受けとめた。

「ぃ……や、だぁっ! まじで嫌なんだよっ、分かれよ……っ!」

 もう身体が、四肢が全て自分より大きいから、重いし、圧迫感がすごい。
 それでも抜け出そうともがいたら、開いた足の間にいる兼嗣と下半身が擦れ合う。

 何も纏っていない俺のが乾いた硬い布にごりごり当たり、不快感に腰が引けたとき、追い縋ってきたやつのそこが熱くなっていることに気づいて、さあっと肝が冷える。

「……俺はずっと、この日を待ってた」

 上気した頬、甘ったるい低音の声。

 熱に浮かされたような恍惚とした笑みに、絶句する。



 俺とは、正反対だと思った。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...