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遅かれ早かれ(side美夜飛)
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しおりを挟むまずは花岡にどう言い訳をしたものか……。
明日のことを考えると胃痛がしそうなくらい気が重い。
でもそれは俺が言うより兼嗣から言わせたほうが自然だよな……なんて、色々考えていたら、
「……感じすぎて?」
「はっ? なんでそうなる……!」
アホか!こいつはっ、……アホか!!?
お前もドキドキしてたくせに、ヤバイって顔してたくせに、ふざけんのも大概にしろよ?!
難を逃れて脱力したせいか、気が大きくなっていた。
だから、さっきまでの疲労感も忘れて動けた。
でも、動いたら、忘れていたものが全部、リアルになって。
「……ッ、」
ずく、と腰の奥が痛み、兼嗣の柔らかくなったはずのモノが、また芯を持ちはじめていて。
「……挿れっぱなしだったから、呼吸とか緊張のたびに締めつけて、とろとろのナカで揉みもみされて、すごかったんだよ……」
「っは、ぁ……っ?」
「あのまま突き上げたいくらいだったけど、さすがに俺以外には見せたくないや……。すごい、緊張したね」
ゆるゆると再び動きだす腰と、どさくさにまぎれて覆い被さってくる兼嗣に、腕を突っぱねて拒絶する。
背中がざわつく。つい今までの行為が、鮮明によみがえる。
空気がまた、いやらしい色と匂いに淀む。
「ちょっ、おい……ぁぐっ、」
ひくんっ、と生理的に腰が跳ねるだけで、腹の奥の臓器も筋肉も、響いて死ぬほど痛いのに、兼嗣のモノはなんの抵抗もなく前後しだす。
ベタベタに濡れて解れているからとかじゃなくて、後ろがぽっかり空いたまま、締まらなくなった感じ。
内臓も弛緩して触られやすいところまで下りてきたまま、まだ事後すぐで元の位置に戻ってない。
変わってしまった自分の肉体がもはや他人のものみたいで、やるせなくて。
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