弱みを握られた風紀委員は天敵に奴隷にされる

おみなしづき

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本編

楽しみだなぁ side紫狼

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 オレは、夢見が悪いらしい。
 夢の内容は覚えていないのに、いつも寝起きが最悪だ。
 眠ってもすぐに起きるオレは、長時間寝続けた事がなくて、いつも寝不足気味だ。

 今は性欲処理して眠くなった所だ。
 眠くなったら寝る。これ重要。

「寝るから出てってぇ」
「一緒に寝ましょうよ」
「オレ寝起き悪いよぉ」
「僕なら大丈夫です」
「じゃあ寝てもいいよぉ」

 どうなっても知らないけれど。

「やめた方がいいです。紫狼の隣で寝ていたら、首絞められます」
「そんなプレイが好きって人だったらいいんじゃない?」

 鷲也と羊助がクスクスと笑う。
 名前も知らないそいつは、それを聞いて青ざめると、服を着て出て行った。

 オレ達の遊戯室と呼ばれる場所には、それぞれが座るソファに、テレビを置いた。
 今は羊助と鷲也が映画を見て楽しんでいる。
 ダブルベッドはお気に入りで、眠くなったらすぐ寝れるし、寝なくてもゴロゴロとしている事が多い。

「30分後に起こしてぇ」
「ええ! 僕はやだ!」
「私も遠慮します」
「だよねぇ」

 試しに言った言葉に、予想通りの反応が返ってきて笑ってしまう。
 寝起きが悪いと知っているやつは、オレを起こそうなんて思わない。
 起こそうとしたやつの首を絞めた事もあるし、噛み付いた事もあるし、殴ったり蹴ったりする事もある。
 隣で寝ているやつにもそうだ。
 最悪の気分を引きずっていてそれをぶつけてしまう。
 壊した目覚まし時計は数知れず……。

 無事だった人は一人だけ──兎和だ。

 目覚めた時、いつもみたいに最悪な気分はなくて驚いていた。
 それどころか、良く寝れた気がする。
 兎和の手を握っていた事で、悪い夢を見なかったのだろうか。
 そう思うと、兎和の手を離したくなかった。

 試しに他のやつと手を握って寝ても、その手を折りそうになったらしい。

 兎和じゃないとダメみたいだった。
 兎和と一緒に寝てみたい。
 そうすれば、オレはゆっくり寝れるんじゃないだろうか。
 でも、他のやつと同じように傷付けたら嫌で寝たくない。
 そんな事ばかり繰り返し思っている。

「そういえば、紫狼のお気に入りの兎和だけど、最近ね、獅貴達の特別室にいるみたいだよ」
「はぁ⁉︎ なんでぇ⁉︎」

 眠気が飛ぶには充分な情報だ。

 獅貴は、幼い頃からの腐れ縁だ。
 スポーツでは負けた事がないし、身長も勝っているけれど、勉強は勝てた事がない。
 獅貴のドヤ顔は、本当にムカつく。
 逆にこっちも思い切りドヤ顔すれば、向こうの引きつる顔が面白い。
 獅貴もオレと同じように思っているのが良くわかる。
 
「授業はしっかり出てるけど、お昼と放課後は一緒にいるみたい。あいつらの仲間になったって噂だよ」

 羊助の言葉に眉間に皺を寄せた。
 オレの知っている限りでは、兎和は誰にでも同じように接するやつだった。
 媚びるようなやつじゃないから、ゆっくり距離を縮めるつもりでいたのにどういう事だ。
 獅貴の仲間になったなんて考えたくもない。

「しかも、取り巻きと奴隷が呼ばれても、性欲処理には使われなくなったらしいよ。兎和が説得したなら、あの中で発言権があるのは兎和って事になる」
「兎和は獅貴や紫狼よりもすごい所の家柄なのかもです」
「でも、本当のところはどうなんだろうね? だって、有栖川なんて知らないし、誰も兎和の事を詳しく知らないんだもん」

 本当の事が知りたい。
 家の者に兎和とあいつらの関係を調べるように依頼した。

「ちょっと調べてみるぅ。オレはその噂が本当か確かめに行ってくるねぇ」
「僕も行く。楽しそうだし」
「私も行きます」

 そして、あいつらの溜まり場である特別室へ行ってみれば、兎和が本当に中に入っていこうとしていた。
 噂は本当みたいだ。

 しかも、獅貴達が制服を着ているなんて驚いた。
 誰にも従わなかった獅貴が、兎和に従ったという事か……どうなってんだ?

 一番気に入らなかったのは、兎和が制服を着ている獅貴達を見て、嬉しそうな顔をした事だった。
 獅貴達と仲が良いように見えて苛立つ。

 思わず腕を掴んでしまったけれど、今度オレ達の所に来てくれると約束してくれたのでその場は引いた。

「紫狼が鼻歌とか珍しいね」
「紫狼嬉しそうです」
「兎和とぉ、何して遊ぼっかなぁ」

 弾む心が誤魔化せない。
 兎和とゆっくり話せるのは、楽しみで仕方がなかった。
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