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入学後
別れは笑って
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真夜中にベッドで横になりながら、洗い呼吸を整える。
「リンゼイ……気はすんだか……?」
「うん……」
こちらを見ながら微笑む顔が嬉しそうだった。
それだけでねちっこく攻められたのは許そう。
「そろそろ部屋に戻らないと……」
「そっか……。でも、もう少しだけここにいて……」
腰の辺りに抱きつきながら胸に擦り寄られると可愛い。
抱きしめ返してポンポンと頭を叩く。
「心配するな。明日……というか、今日から一緒に暮らすんだろ?」
「そうだけど……離れたくないな……」
「もう~なんでそんな可愛いんだよ~」
可愛いが止まらなくてぎゅうぎゅうと抱きしめる。
「ディノ。苦しいよ」
笑いながら抗議された。
「お前が可愛いのが悪いんだ」
「可愛かったのはディノだよ。気持ちよさそうな声出してたの──忘れた?」
濃厚な情事を思い出して真っ赤になる。
少し意地悪そうに見上げてきた顔を仏頂面で見下ろす。
「ほら、可愛い……」
とろけるような笑顔を向けられて照れた。
「そういう事言うやつには──」
リンゼイの唇を塞ぐ。
そのまま逃さないようにゴロリと上に覆いかぶさって両頬を掴んで口内を舐め回した。
最初は応えてくれていたキスも徐々に呼吸ができなくなって、肩や背中を何度もトントンと叩かれた。
プハッと唇を離せば、リンゼイは洗い呼吸をしてぐったりだ。
「俺の勝ちだ。思い知ったか」
「なんの勝負……?」
確かにそうだと思ったら、なんか笑えた。
俺がクスクスと笑うとリンゼイもクスクスと笑う。
「迎えに行くね」
「ああ。これからはずっと一緒だ」
ベッドから起きる前に笑い合いながらもう一度キスをした。
◆◇◆
「荷物は全部入れた? 忘れ物はない?」
荷物を旅行鞄に詰め終わる頃に、エーベルトがみんなに確認している。
「部屋の鍵は僕が返しに行くからね」
全員の鍵がエーベルトに渡された。
「なんか……寂しくなるな……」
ケフィンの言葉にみんなで頷く。
使い慣れた部屋は、綺麗に片付けられて、次の入寮生を待っていた。
初めてエーベルトとケフィンに会ったのもここだ。
メルフィスが増えて窮屈に並んだベッドを感慨深く見つめる。
ソファとテーブルで、みんなで宿題を広げてやっていた。
どこにでも思い出が残っていて、全員で別れを惜しんでいた。
「ディノに誘われてこの部屋に来れて良かった……エーベルトにもケフィンにも受け入れられて嬉しかった」
メルフィスの真っ直ぐな言葉は、俺たちの胸に届く。
最初は王子として嫌煙されていたメルフィスは、いつの間にかクラスの中心になった。
「俺らはさ、ここで会っただけのただの同級生だけどさ、俺にはかけがえのない友人だ」
ケフィンはそう言いながらニカッと笑う。
ケフィンの気持ちが嬉しい。
家族想いのケフィンは、きっと優しい家庭を築くんだろう。
みんなの顔を見回した。
少しでもみんなの顔を目に焼き付けたかった。
「俺は……普通になりたかったんだ……。普通の生活に憧れて、普通に友人を作って、普通に学院を卒業したかった。それがお前達のおかげで全部叶ったよ。普通じゃない俺に、普通の学院生活を送らせてくれて──ありがとう」
感謝の気持ちを込めて微笑む。
ケフィンもメルフィスも微笑んでくれる。
「なんでそういう事言うのぉ……最後じゃないんだから、笑ってお別れしたいのにぃ」
エーベルトは、泣くのを我慢していたらしい。
みんなで慰める。
エーベルトは、いつも俺たちを温かく見守ってくれていた。
「みんな離れちゃうけど、連絡してよね……」
一人一人と抱き合って最後の挨拶だ。
こんなにも寂しいと思える別れが出来るとは思ってもいなかった。
みんなに出会えた事に感謝しかなかった。
俺は決していい人ではない。
そんな俺みたいなやつに、一緒に笑って、時には怒って、時には励ましてくれた。
仲間たちのこれからに、幸せがいっぱい待っているといい。
「それじゃあ、行こうか……」
泣き止んだエーベルトの言葉に頷いて部屋を出れば、ブルーノとリンゼイが待っていた。
「もう終わったのか?」
ブルーノがエーベルトに聞いていた。
二人は、俺達が別れを済ませるまで待っていてくれたみたいだ。
「リンゼイ先生はどうしたんですか?」
ケフィンの質問に、ブルーノが答えた。
「俺もリンゼイ先生から今聞いてびっくりしたんだけどさ、ディノと一緒に暮らすんだってさ。それで迎え来てるらしい」
「「えぇ~!」」
エーベルトとケフィンの声がこだまする。
メルフィスは知っていたからそこまでびっくりしていない。
「ここ一番の大ニュースじゃないか!」
「す、すげー! 先生と!?」
二人の反応に苦笑いする。
色々質問される前に逃げようと、リンゼイの手を取って走り出した。
「「あ! ディノ!」」
「じゃあな! また落ち着いたら会おうな!」
みんなに笑顔で手を振った。
そうして俺たちは、三年間お世話になった部屋を後にした。
「リンゼイ……気はすんだか……?」
「うん……」
こちらを見ながら微笑む顔が嬉しそうだった。
それだけでねちっこく攻められたのは許そう。
「そろそろ部屋に戻らないと……」
「そっか……。でも、もう少しだけここにいて……」
腰の辺りに抱きつきながら胸に擦り寄られると可愛い。
抱きしめ返してポンポンと頭を叩く。
「心配するな。明日……というか、今日から一緒に暮らすんだろ?」
「そうだけど……離れたくないな……」
「もう~なんでそんな可愛いんだよ~」
可愛いが止まらなくてぎゅうぎゅうと抱きしめる。
「ディノ。苦しいよ」
笑いながら抗議された。
「お前が可愛いのが悪いんだ」
「可愛かったのはディノだよ。気持ちよさそうな声出してたの──忘れた?」
濃厚な情事を思い出して真っ赤になる。
少し意地悪そうに見上げてきた顔を仏頂面で見下ろす。
「ほら、可愛い……」
とろけるような笑顔を向けられて照れた。
「そういう事言うやつには──」
リンゼイの唇を塞ぐ。
そのまま逃さないようにゴロリと上に覆いかぶさって両頬を掴んで口内を舐め回した。
最初は応えてくれていたキスも徐々に呼吸ができなくなって、肩や背中を何度もトントンと叩かれた。
プハッと唇を離せば、リンゼイは洗い呼吸をしてぐったりだ。
「俺の勝ちだ。思い知ったか」
「なんの勝負……?」
確かにそうだと思ったら、なんか笑えた。
俺がクスクスと笑うとリンゼイもクスクスと笑う。
「迎えに行くね」
「ああ。これからはずっと一緒だ」
ベッドから起きる前に笑い合いながらもう一度キスをした。
◆◇◆
「荷物は全部入れた? 忘れ物はない?」
荷物を旅行鞄に詰め終わる頃に、エーベルトがみんなに確認している。
「部屋の鍵は僕が返しに行くからね」
全員の鍵がエーベルトに渡された。
「なんか……寂しくなるな……」
ケフィンの言葉にみんなで頷く。
使い慣れた部屋は、綺麗に片付けられて、次の入寮生を待っていた。
初めてエーベルトとケフィンに会ったのもここだ。
メルフィスが増えて窮屈に並んだベッドを感慨深く見つめる。
ソファとテーブルで、みんなで宿題を広げてやっていた。
どこにでも思い出が残っていて、全員で別れを惜しんでいた。
「ディノに誘われてこの部屋に来れて良かった……エーベルトにもケフィンにも受け入れられて嬉しかった」
メルフィスの真っ直ぐな言葉は、俺たちの胸に届く。
最初は王子として嫌煙されていたメルフィスは、いつの間にかクラスの中心になった。
「俺らはさ、ここで会っただけのただの同級生だけどさ、俺にはかけがえのない友人だ」
ケフィンはそう言いながらニカッと笑う。
ケフィンの気持ちが嬉しい。
家族想いのケフィンは、きっと優しい家庭を築くんだろう。
みんなの顔を見回した。
少しでもみんなの顔を目に焼き付けたかった。
「俺は……普通になりたかったんだ……。普通の生活に憧れて、普通に友人を作って、普通に学院を卒業したかった。それがお前達のおかげで全部叶ったよ。普通じゃない俺に、普通の学院生活を送らせてくれて──ありがとう」
感謝の気持ちを込めて微笑む。
ケフィンもメルフィスも微笑んでくれる。
「なんでそういう事言うのぉ……最後じゃないんだから、笑ってお別れしたいのにぃ」
エーベルトは、泣くのを我慢していたらしい。
みんなで慰める。
エーベルトは、いつも俺たちを温かく見守ってくれていた。
「みんな離れちゃうけど、連絡してよね……」
一人一人と抱き合って最後の挨拶だ。
こんなにも寂しいと思える別れが出来るとは思ってもいなかった。
みんなに出会えた事に感謝しかなかった。
俺は決していい人ではない。
そんな俺みたいなやつに、一緒に笑って、時には怒って、時には励ましてくれた。
仲間たちのこれからに、幸せがいっぱい待っているといい。
「それじゃあ、行こうか……」
泣き止んだエーベルトの言葉に頷いて部屋を出れば、ブルーノとリンゼイが待っていた。
「もう終わったのか?」
ブルーノがエーベルトに聞いていた。
二人は、俺達が別れを済ませるまで待っていてくれたみたいだ。
「リンゼイ先生はどうしたんですか?」
ケフィンの質問に、ブルーノが答えた。
「俺もリンゼイ先生から今聞いてびっくりしたんだけどさ、ディノと一緒に暮らすんだってさ。それで迎え来てるらしい」
「「えぇ~!」」
エーベルトとケフィンの声がこだまする。
メルフィスは知っていたからそこまでびっくりしていない。
「ここ一番の大ニュースじゃないか!」
「す、すげー! 先生と!?」
二人の反応に苦笑いする。
色々質問される前に逃げようと、リンゼイの手を取って走り出した。
「「あ! ディノ!」」
「じゃあな! また落ち着いたら会おうな!」
みんなに笑顔で手を振った。
そうして俺たちは、三年間お世話になった部屋を後にした。
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