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番外編
拗ねるディノ リンゼイ視点
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ある日、仕事が終わって家に帰ったら、ディノが拗ねていた。
床に寝転がって背を向けている……。
「ディ、ディノ……どうしたの?」
「…………」
ピクッと反応したけれど、返事はない。
手に持っていた荷物をそのまま床に下ろしてしゃがみ込んで、ディノに手を伸ばした。
ディノに触れようとしたら、何も通さない結界を張られて阻まれてしまった。
指輪でちょっと水魔法を使ってみてもやっぱりヒビも入らなかった。
「ディノさ~ん……どうしたのかなぁ?」
「…………」
ちょっと甘めに言っても反応がない。
なぜこんな事になっているのか考えなくては──。
最近は、研究室で依頼された魔道具を作っていた。
「依頼された魔道具、できなかったの?」
「……作って学長に持ってった……」
返事が返ってきてひとまず安心した。
魔道具は完成できたらしい。
だとすれば──。
「もしかして……ディノの金平糖が無くなった?」
「……俺は食いしん坊じゃない。でも、もう少しで無くなるから一緒に買いに行こ……」
食いしん坊というか、甘いもの大好きだよね。
しかも、買ってきてじゃなくて一緒に買いに行こうって言ってくれてる所が可愛い。
食欲じゃなきゃなんだろう……。
思い当たらない……。
「この結界……解除してくれない?」
「……や……」
拗ねているせいか、言い方が可愛かった。
私が怒らせるような事をしてしまったのかもしれない。
「ディノ。私が何かしてしまったのなら謝りたい。どうしたのか教えてくれない?」
「…………」
このままでは埒があかない。
ため息をついて、夕飯の用意をしようと立ち上がる。
ディノはまたピクッと反応しただけで何も言わなかった。
私は一体何をしてしまったのか……。
心当たりがない。
色々と考えながらキッチンへ行って驚く。
そこは、色んな材料と道具でぐちゃぐちゃになっていた。
そこら中に巻き散らかされた白い粉。
零された牛乳にひっくり返っているボール。
転がっている泡立て器。
皿の上にあった何かわからない真っ黒に焦げた物体……。
「まさか……ディノが……?」
料理なんてした事がないくせに、何かを作ったようだ。
慌ててディノの所へ戻って結界をコンコンとノックする。
「あのキッチン、ディノなんでしょう?」
「──見たな……」
こちらを振り向いたディノは、泣きそうな子供みたいな顔をしている。
「あれ、何しようとしたの?」
「今日は……その……お前の誕生日だったから……ケーキぐらいは作ろうかと……」
驚いた……。
誕生日にケーキを作ろうとしてくれたらしい。
何もできないあのディノが……。
いつもはそんな素振りも見せないのに、こういう時に頑張ろうとしてくれる。
ジワジワと嬉しさが込み上げてくる。
やばい……なんだこの可愛い生き物は……。
「でも、俺……失敗しちゃった……」
シュンとしているのが可愛いと言ったら怒られるかな。
「とにかく出てきて」
「キッチンあんなにしちゃって……怒ってない?」
怒られるかもしれないと思っていたのが可愛すぎる。
さっきから、私の恋人は可愛いだろうと誰かに自慢したい気分だ。
「怒るわけないじゃないか。君が愛しい気持ちでいっぱいだよ」
体を起こしてくれた。下を向いて目線だけでこちらを窺いながら見てくる。
拗ねているのかと思っていたけれど、どうやら落ち込んでいたらしい。
こんなにあからさまに落ち込む姿なんて見たことない。
「──…………ご、ごめん……」
「何を謝るの?」
「気付いたらキッチンめちゃくちゃになってて……せめて片付けようとしたけど……上手く出来なくて……リンゼイ帰って来ちゃったし……ごめんなさい……」
可愛い……可愛い……可愛い……カワ……イイ……可愛さにノックアウト寸前だ。
怒るも何もない。
「ディノ。出てきてよ……じゃないと君を抱きしめてあげられない」
怖がらせないように両手を広げて待った。
「リンゼイ……」
そこでディノはやっと結界を解除して吸い込まれるように抱きついてきた。
ギュッと抱きしめ返してあげれば、更にぎゅうぎゅうと甘えてくる。
やっぱりこうでなくちゃ。
「失敗しても、その気持ちだけで嬉しいよ。今日は、ご飯もケーキも食べに行けばいい」
ほっぺにチュッとすれば、コクリと頷いてくれる。
「魔法で作れたら良かった……」
「魔法は万能に見えて、なんでもできるわけじゃない。それに、同じケーキでも、ディノが作ってくれた過程があったら、もっと美味しいと思うよ」
「そうかな……?」
「あそこの真っ黒に焦げたやつだって美味しいかも? 食べてみようか?」
「ダメだ! あれ、お腹壊すやつ……」
必死で止められて笑ってしまった。
「ふふっ。ディノ。ありがとう。とても素敵な誕生日になったよ」
笑顔を向けてやれば、ディノも笑顔を向けてくれた。
「ご飯食べに行くか」
やっといつものディノに戻ってきた。
今度は私の方が頷いて、二人で出かけようと立ち上がる。
そこで、学院から持って帰ってきた私の荷物にディノがぶつかってしまった。
紙袋からバサリと散らばった数個のプレゼントに私もディノも一時停止する。
「これ……なんだ?」
「あ……いや……その……」
非常に気まずい。
「プレゼント……だよな?」
ディノが、散らばったプレゼントに顔を顰める。
「が、学院の生徒達に貰ってしまって……受け取らないわけにいかなくて……」
学院で色んな生徒に先にお祝いされてしまった。
ちゃんと言うつもりだった。予想外にディノが拗ねていたので忘れていた。
ディノは、何も言わずに再び床に逆戻りだ。
結界を張って背中を向けたまま、床をカリカリとイジっている。
それを見てがっくりとその場に崩れ落ちてしまう。
「ディノ~~~~」
せっかく出てきてくれたのに……。
挫けてはダメだ。正座をしてディノの背中を見つめる。
「ごめん……ちゃんと言うつもりだったから……」
今度は私が謝る。
「──リンゼイには俺が何でも買ってやる。だから、他のやつからもらうなよ……」
なんていじけ方をするんだ……。
可愛すぎる。
「もう他の人からもらわない。ごめんね」
みんなに遠慮せずにと言われて受け取ったけれど、ディノが嫌な想いをするなら丁重に断るべきだった。
来年は事前に受け取れないと告知しよう。
今度はそれほど時間が掛からず、スッと結界から出てきたディノにホッとした。
ところが、ディノはプレゼントの包装紙を開けて中身を一個一個確認し出す。
「へ、変なものはないと思う……」
たぶん……きっと……おそらく……。
そこで、プレゼントの中に入っていたメッセージカードらしきものを見つけてピタリと止まった。
「──いつも優しいリンゼイ先生が──好きですぅ~!?」
メッセージカードをぐしゃりと潰す。
ディノの顔が引きつっている。
そんなメッセージカードが入っているなんて思ってもいなかった。
背中に冷や汗が伝う。
「ご、誤解だ! 先生として好きって事で──っ!」
「いい度胸じゃんか……」
ふっふっふっと笑いながら、火魔法でそのメッセージカードを瞬時に焼いてしまった。
「ディ、ディノ……落ち着いて……」
さっきまでの態度が嘘みたいだ……。
ちょっと怖いので座りながらも後ずさる。
「誰の男に手を出そうとしてるのか思い知らせてやろうか……?」
「それは……やめてね……」
生徒に被害が出る前にディノを止めたい。
ディノは、他のプレゼントも睨んでいる。
「そ、その中には先生方からのプレゼントもあるから……捨てたりしないで欲しい……かな……」
弱腰になるのは仕方ないと思う。
「ふぅん。わかった──」
私の方にズカズカと歩いてきた。
「うわっ!」
ディノが目の前に来ると、急にフワリと体が浮いた感覚に驚く。
風魔法を使われて、ドサリとリビングのソファの上に移動させられた。
ディノが仰向けになっている私の上に乗ってきた。
「ディノ!? な、何を……?」
ニヤリと笑った顔のディノにゴクリと喉を鳴らす。
「両手前に出して」
「え……」
逆らってはいけない……。
「こ、こう?」
素直に従うと、両手首に触れたと思ったら瞬時に土魔法を使われて、陶器の手錠を嵌められた。
「リンゼイには、お前が誰の男なのかを思い出させてやらなきゃダメだな」
身動きが取れなくなって何をされるのかと怖くなる。
「ちょ……あのっ……ディノ……」
「俺さ、こういう薬とか開発しちゃった」
ディノが小瓶に入った紫色の液体を胸ポケットから出した。
薬師として、エーベルトと何かやってるとは聞いたけど……怪しい薬に見える。
ニヤリと笑いながら、口移しで飲まされた。
一気に体が熱くなった。
呼吸も荒くなって、身体中が敏感になってむずむずとする。
「これ……何の薬……?」
「マンネリになった夫婦とかに需要のある薬。エーベルトがくれたけど、使うつもりはなかった。でも、今使わなくていつ使うんだってね」
これは、世に言う媚薬というやつでは?
私に使う所がディノらしい……。
「リンゼイ、苦しそうだな」
「これ……むり……」
さすが、エーベルトとディノの薬……。
即効性と効果がありすぎる……。
「可愛いよ……」
甘くキスされて頭がボーッとしてくる。
拗ねていたはずのディノが、楽しそうに笑う。
その顔を見て嬉しくなってしまうなんて、私はとことんディノが好きらしい。
かつて大魔法使いだった彼は、私との人生をとても楽しんでいると思える出来事だった。
──────────
※あとがき
最後まで読んで頂き感謝しかありません。
長い間お付き合い頂きありがとうございました。
今回のお話は『魔法』が書きたくて始めました。
クイズとかすごく楽しんでしまいました。読んだ方も読まない方も、当たり外れも関係なく、全員に《優良》をあげたいです。そして、みんなで卒業したいです。
この最後の番外編には全属性が出ています。良かったら、もう一度読んで頂けたると嬉しいです。
誤字は、気付いた所は直しました。すみません。
感想等、頂ければ喜んでお返事します。
最後に、あとがきまで全部読んでくれた皆様に感謝を込めて──本当にありがとうございました!
床に寝転がって背を向けている……。
「ディ、ディノ……どうしたの?」
「…………」
ピクッと反応したけれど、返事はない。
手に持っていた荷物をそのまま床に下ろしてしゃがみ込んで、ディノに手を伸ばした。
ディノに触れようとしたら、何も通さない結界を張られて阻まれてしまった。
指輪でちょっと水魔法を使ってみてもやっぱりヒビも入らなかった。
「ディノさ~ん……どうしたのかなぁ?」
「…………」
ちょっと甘めに言っても反応がない。
なぜこんな事になっているのか考えなくては──。
最近は、研究室で依頼された魔道具を作っていた。
「依頼された魔道具、できなかったの?」
「……作って学長に持ってった……」
返事が返ってきてひとまず安心した。
魔道具は完成できたらしい。
だとすれば──。
「もしかして……ディノの金平糖が無くなった?」
「……俺は食いしん坊じゃない。でも、もう少しで無くなるから一緒に買いに行こ……」
食いしん坊というか、甘いもの大好きだよね。
しかも、買ってきてじゃなくて一緒に買いに行こうって言ってくれてる所が可愛い。
食欲じゃなきゃなんだろう……。
思い当たらない……。
「この結界……解除してくれない?」
「……や……」
拗ねているせいか、言い方が可愛かった。
私が怒らせるような事をしてしまったのかもしれない。
「ディノ。私が何かしてしまったのなら謝りたい。どうしたのか教えてくれない?」
「…………」
このままでは埒があかない。
ため息をついて、夕飯の用意をしようと立ち上がる。
ディノはまたピクッと反応しただけで何も言わなかった。
私は一体何をしてしまったのか……。
心当たりがない。
色々と考えながらキッチンへ行って驚く。
そこは、色んな材料と道具でぐちゃぐちゃになっていた。
そこら中に巻き散らかされた白い粉。
零された牛乳にひっくり返っているボール。
転がっている泡立て器。
皿の上にあった何かわからない真っ黒に焦げた物体……。
「まさか……ディノが……?」
料理なんてした事がないくせに、何かを作ったようだ。
慌ててディノの所へ戻って結界をコンコンとノックする。
「あのキッチン、ディノなんでしょう?」
「──見たな……」
こちらを振り向いたディノは、泣きそうな子供みたいな顔をしている。
「あれ、何しようとしたの?」
「今日は……その……お前の誕生日だったから……ケーキぐらいは作ろうかと……」
驚いた……。
誕生日にケーキを作ろうとしてくれたらしい。
何もできないあのディノが……。
いつもはそんな素振りも見せないのに、こういう時に頑張ろうとしてくれる。
ジワジワと嬉しさが込み上げてくる。
やばい……なんだこの可愛い生き物は……。
「でも、俺……失敗しちゃった……」
シュンとしているのが可愛いと言ったら怒られるかな。
「とにかく出てきて」
「キッチンあんなにしちゃって……怒ってない?」
怒られるかもしれないと思っていたのが可愛すぎる。
さっきから、私の恋人は可愛いだろうと誰かに自慢したい気分だ。
「怒るわけないじゃないか。君が愛しい気持ちでいっぱいだよ」
体を起こしてくれた。下を向いて目線だけでこちらを窺いながら見てくる。
拗ねているのかと思っていたけれど、どうやら落ち込んでいたらしい。
こんなにあからさまに落ち込む姿なんて見たことない。
「──…………ご、ごめん……」
「何を謝るの?」
「気付いたらキッチンめちゃくちゃになってて……せめて片付けようとしたけど……上手く出来なくて……リンゼイ帰って来ちゃったし……ごめんなさい……」
可愛い……可愛い……可愛い……カワ……イイ……可愛さにノックアウト寸前だ。
怒るも何もない。
「ディノ。出てきてよ……じゃないと君を抱きしめてあげられない」
怖がらせないように両手を広げて待った。
「リンゼイ……」
そこでディノはやっと結界を解除して吸い込まれるように抱きついてきた。
ギュッと抱きしめ返してあげれば、更にぎゅうぎゅうと甘えてくる。
やっぱりこうでなくちゃ。
「失敗しても、その気持ちだけで嬉しいよ。今日は、ご飯もケーキも食べに行けばいい」
ほっぺにチュッとすれば、コクリと頷いてくれる。
「魔法で作れたら良かった……」
「魔法は万能に見えて、なんでもできるわけじゃない。それに、同じケーキでも、ディノが作ってくれた過程があったら、もっと美味しいと思うよ」
「そうかな……?」
「あそこの真っ黒に焦げたやつだって美味しいかも? 食べてみようか?」
「ダメだ! あれ、お腹壊すやつ……」
必死で止められて笑ってしまった。
「ふふっ。ディノ。ありがとう。とても素敵な誕生日になったよ」
笑顔を向けてやれば、ディノも笑顔を向けてくれた。
「ご飯食べに行くか」
やっといつものディノに戻ってきた。
今度は私の方が頷いて、二人で出かけようと立ち上がる。
そこで、学院から持って帰ってきた私の荷物にディノがぶつかってしまった。
紙袋からバサリと散らばった数個のプレゼントに私もディノも一時停止する。
「これ……なんだ?」
「あ……いや……その……」
非常に気まずい。
「プレゼント……だよな?」
ディノが、散らばったプレゼントに顔を顰める。
「が、学院の生徒達に貰ってしまって……受け取らないわけにいかなくて……」
学院で色んな生徒に先にお祝いされてしまった。
ちゃんと言うつもりだった。予想外にディノが拗ねていたので忘れていた。
ディノは、何も言わずに再び床に逆戻りだ。
結界を張って背中を向けたまま、床をカリカリとイジっている。
それを見てがっくりとその場に崩れ落ちてしまう。
「ディノ~~~~」
せっかく出てきてくれたのに……。
挫けてはダメだ。正座をしてディノの背中を見つめる。
「ごめん……ちゃんと言うつもりだったから……」
今度は私が謝る。
「──リンゼイには俺が何でも買ってやる。だから、他のやつからもらうなよ……」
なんていじけ方をするんだ……。
可愛すぎる。
「もう他の人からもらわない。ごめんね」
みんなに遠慮せずにと言われて受け取ったけれど、ディノが嫌な想いをするなら丁重に断るべきだった。
来年は事前に受け取れないと告知しよう。
今度はそれほど時間が掛からず、スッと結界から出てきたディノにホッとした。
ところが、ディノはプレゼントの包装紙を開けて中身を一個一個確認し出す。
「へ、変なものはないと思う……」
たぶん……きっと……おそらく……。
そこで、プレゼントの中に入っていたメッセージカードらしきものを見つけてピタリと止まった。
「──いつも優しいリンゼイ先生が──好きですぅ~!?」
メッセージカードをぐしゃりと潰す。
ディノの顔が引きつっている。
そんなメッセージカードが入っているなんて思ってもいなかった。
背中に冷や汗が伝う。
「ご、誤解だ! 先生として好きって事で──っ!」
「いい度胸じゃんか……」
ふっふっふっと笑いながら、火魔法でそのメッセージカードを瞬時に焼いてしまった。
「ディ、ディノ……落ち着いて……」
さっきまでの態度が嘘みたいだ……。
ちょっと怖いので座りながらも後ずさる。
「誰の男に手を出そうとしてるのか思い知らせてやろうか……?」
「それは……やめてね……」
生徒に被害が出る前にディノを止めたい。
ディノは、他のプレゼントも睨んでいる。
「そ、その中には先生方からのプレゼントもあるから……捨てたりしないで欲しい……かな……」
弱腰になるのは仕方ないと思う。
「ふぅん。わかった──」
私の方にズカズカと歩いてきた。
「うわっ!」
ディノが目の前に来ると、急にフワリと体が浮いた感覚に驚く。
風魔法を使われて、ドサリとリビングのソファの上に移動させられた。
ディノが仰向けになっている私の上に乗ってきた。
「ディノ!? な、何を……?」
ニヤリと笑った顔のディノにゴクリと喉を鳴らす。
「両手前に出して」
「え……」
逆らってはいけない……。
「こ、こう?」
素直に従うと、両手首に触れたと思ったら瞬時に土魔法を使われて、陶器の手錠を嵌められた。
「リンゼイには、お前が誰の男なのかを思い出させてやらなきゃダメだな」
身動きが取れなくなって何をされるのかと怖くなる。
「ちょ……あのっ……ディノ……」
「俺さ、こういう薬とか開発しちゃった」
ディノが小瓶に入った紫色の液体を胸ポケットから出した。
薬師として、エーベルトと何かやってるとは聞いたけど……怪しい薬に見える。
ニヤリと笑いながら、口移しで飲まされた。
一気に体が熱くなった。
呼吸も荒くなって、身体中が敏感になってむずむずとする。
「これ……何の薬……?」
「マンネリになった夫婦とかに需要のある薬。エーベルトがくれたけど、使うつもりはなかった。でも、今使わなくていつ使うんだってね」
これは、世に言う媚薬というやつでは?
私に使う所がディノらしい……。
「リンゼイ、苦しそうだな」
「これ……むり……」
さすが、エーベルトとディノの薬……。
即効性と効果がありすぎる……。
「可愛いよ……」
甘くキスされて頭がボーッとしてくる。
拗ねていたはずのディノが、楽しそうに笑う。
その顔を見て嬉しくなってしまうなんて、私はとことんディノが好きらしい。
かつて大魔法使いだった彼は、私との人生をとても楽しんでいると思える出来事だった。
──────────
※あとがき
最後まで読んで頂き感謝しかありません。
長い間お付き合い頂きありがとうございました。
今回のお話は『魔法』が書きたくて始めました。
クイズとかすごく楽しんでしまいました。読んだ方も読まない方も、当たり外れも関係なく、全員に《優良》をあげたいです。そして、みんなで卒業したいです。
この最後の番外編には全属性が出ています。良かったら、もう一度読んで頂けたると嬉しいです。
誤字は、気付いた所は直しました。すみません。
感想等、頂ければ喜んでお返事します。
最後に、あとがきまで全部読んでくれた皆様に感謝を込めて──本当にありがとうございました!
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※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
感想ありがとうございます!
何度でも感想を頂けること、すごく嬉しいです( ;∀;)
繋がっている事に気付いて頂けて本当に嬉しいです!
本物のディノは、あのままだったら誰の心にも残る事なく死んでいたかもしれません。それが、エルドに託した事で色んな形でディノという人が人々の心に残ったのではないでしょうか。
エルドがディノとして幸せに生きた事で、ディノの生きた証は残せたはずです(^-^)
読み返して頂けている事に感動です♡素敵な感想に私の胸もいっぱいです。応援して頂ける事に感謝を。本当に本当にありがとうございます。
感想ありがとうございます!
長編は久しぶりだったので、最後まで書けて良かったです。
最後のディノ可愛いですよね!リンゼイはいつも翻弄されているんでしょうね♡
ディノが攻めだと思ってた人は沢山いると思います!私の中では受けだったのでそのまま書いちゃいました(〃∀〃)ゞ
いつも嬉しい感想を頂き、これからの意欲に繋がります。感謝してます。本当にありがとうございます♡
感想ありがとうございます。
楽しんで頂き嬉しいです♡
ベルナルド先生、飴と鞭の加減が絶妙でクセになる生徒が多数かもしれませんね!
魂で繋がるとは素敵な表現だと思います♡
気に入って頂けて本当に嬉しいです( ;∀;)
こちらこそ、たくさんの気持ちを味わって頂けた事、大変嬉しく思います。ありがとうございました!