恋の秘密はサファイアの瞳

十人 秋夜

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はじまり

意地悪王子と氷の少女

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~意地悪王子~

 作物の収穫量も豊富で海に面しているため、海産物も豊富。周辺の国や島と比べれば1番と言って良いほどの大陸、ソデバスク。そのソデバスクの若き国王エイファ・アルレキト。早くに両親を失い、17のときに国王となった。
 初めは「まだ若いから」「経験が少ないから」と散々噂されていたが24となった今、彼のことをそんふうに言う人はいなくなった。一部を除いては。アルレキトの他にも多少薄いが、王家の血を引く者もいる。そういった者はアルレキトさえいなければとあることないこと噂を立て、アルレキトの評価を下げようとする。そんなことにも動じず、周りからの厚い信頼を得てアルレキトは今国王である。ただ、今は別の問題がある。王族は後継ぎのため、二十代の内に結婚しなければならない。アルレキトはまだ24歳だが今まで恋人がいたこともなく、現在も縁談は山ほどあるのに恋人はいない。アルレキト自身そろそろとは思っているがあまり押しが強い娘も、思ったことを全く言わない娘も嫌いだった。さらに自分より知識の無い娘も嫌いだ。かなり厳しい条件だが、我慢していると顔を見るのも嫌になってしまう。周りからも「あんなにお顔が整っていらっしゃるのに・・・」と言われ、王宮にいる者も困っていた。




~氷の少女~

 天才少女と、どこへ行っても言われていた。完璧な令嬢。そんな娘を妻にしたいがために縁談を申し込んだり、偶然を装って助けて格好つけたりされた。その分今の仕事は彼女にとって、とてもやり甲斐があり素の自分になれる瞬間だ。本名、ライレ・フェイルエール。とても嫌いだ。身分や家柄に縛り付ける縄とさして変わらない。サファイア、幼いころの思い出の中のたった一つの幸せを感じた時の記憶の欠片である。仕事をしているときは家柄を忘れ、自身の名を忘れ、架空の人物サファイアとして生きる。本当の架空の人物はフェイルエールなのかもしれないと、サファイアは思うことがある。
 常に尊敬と嫉妬の矢先は向けられている。仕事の時以外はいつでも気を張り詰めて、「完璧なライレ家の令嬢」でいなければなれない。家のために、将来のために。

 そんな尊敬いらない。
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