異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

文字の大きさ
71 / 1,316
第5章 辺境の地にて

第71話 ヴァルナロからの思わぬ懇願

しおりを挟む
 オレが自分の出したあまりにも重大な疑惑に、少しばかり打ちのめされているとフレストルの方が心配げに声をかけてくる。

「どうしました?」
「いえ。少し疲れただけです」
「そうですか。もしよろしければしばらくここでお休みなさい」
「ありがとうございます」

 オレはひとまずヴァルナロに連れられ、信徒用らしい個室に案内された。
 まあフレストルの病気を治したのだから、これぐらいの返礼は当然と言いたいが、もちろん相手は知らないわけで、これはたぶんオレを『改宗見込みのある相手』だと思っているからなんだろうなあ。
 そういうわけでオレは状況を整理して今後について考えることにした。

 う~ん。オレがこの社に寝泊まりして、調べたら『疫病』と一神教徒の関係についてもっとよく分るだろうか。
 いや。正直に言ってそれは望み薄だ。
 仮にフレストルが何らかの関係を持っていたとしても、その証拠となるようなものがここんな社においておくほど愚かではあるまい。
 それにたぶんフレストルもヴァルナロもこの件とは無関係 ―― 最低でも何も知らない ―― としかオレには思えない。

 さてオレはいったいどうすればいいのか。
 もちろん『聖セルム教徒が布教のために疫病を広め、自作自演で治癒して支持を獲得しようとしている』などというのは、オレの単なる思いつきだ。
 何一つとして証拠は無い。
 そしてオスリラが口にしたように、この地域における一神教徒に対する不信感や蔑視感は根強く、根拠はなくとも疫病の蔓延と一神教徒を結びつけて考えている人間は決して少なくはないようだ。
 実際、元の世界でも『病気が広まること』を異教徒の責に帰し、虐殺する事件が存在したらしい。
 下手な事を広めれば、パニックに陥った住民達がフレストルやヴァルナロ達一神教徒を集団でリンチするような最悪の事態にもなりかねないのだ。
 もちろんそのような事は何としても避けねばならない。
 虐殺は論外だが、そうなれば下手をすれば一神教と多神教という二大宗教圏を巻き込む大戦争の火種にだってなりかねないのだ。
 だから万が一にもそんな事になったら、オレは喜んでフレストル達を逃がすために全力を尽くすだろう。

 そしてオレは宗教や文化に対するこだわりは一切無く、出来るだけ予断や偏見無く考えているつもりなのだが、だからと言ってオレの結論が正しい保証などどこにもない。
 この世界とは比較にならないほど膨大な情報があふれていた二一世紀の世界でも、とんでもない勘違いや誤解は当たり前だったのだ。
 オレも思い込みで勘違いをしている可能性は否定出来ない。
 そしてなにしろこれには人の命がかかっているのだ。

 そもそも本当に一神教徒が病気を広めているとしたら、その目的が布教のためだとしても、手段はなんだろうか?
 まさかこちらの世界に細菌兵器のたぐいがあるわけではないだろう。
 元の世界では伝染病患者の衣服を敵対する異民族に送って病気を蔓延させるという手法が使われたという話も聞いたことあるが、それならむしろファーゼスト市内で蔓延していてもおかしくはない。
 だがこっちの世界では病気も回復魔法で治せるのだから、ひょっとすると病気を広める魔法だってあるかもしれない。

 RPGでもその手の魔法はしばしばあった ―― もちろん使うのは『悪役のNPC』であってPCには無縁の魔法だ。
 一般にRPGでは『相手を病気にする魔法』は後で何日も時間をかけてじわじわダメージを与えるのが普通だからPCが使う意味がない。
 PCにしてみれば遭遇したモンスターを病気にして、何日か後で命を奪うぐらいなら、その場で幾ばくかでもダメージを与えた方がよっぽど有益なのだ。
 そんなわけでオレもそんな魔法はゲームで使用した事も無く、当然ながらチートを得た今でも一切使えないから、これまで考えた事も無かった。
 しかしオレが使えないだけであって、この世界ではそんな魔法が一部でこっそり使用されている可能性は否定出来ない。

 だがフレストルの言葉が本当ならば、過去の相当な長期間にわたってこの『疫病』がセイセルム教の勢力圏の端っこで蔓延してきたらしい。
 それが教団の意図によるものだとしたら、バレないように病気を広める技術をかなり磨いてきた事になる。
 それにそもそもこっちの世界の伝染病は、元の世界のように病原菌によるものではなく『病の精霊』とかロクでもない存在によってもたらされているとしたら、そういう存在を操って病気を広める事も当然、あり得るだろう。
 何しろ、かの聖セルム教の教団では精霊を金属に呪縛し『使い魔』として使役しているのだから、邪悪な精霊だって同じ手法で利用できるかもしれない。
 だがいずれにしてもオレは魔法による治療は出来るが、この世界の病気そのものについてはまるで知識が無いので、全ては想像の域を出ない話だ。
 こんな風に頭を悩ませていても、オレが無知故にとんでもない勘違いをして空回りをしているだけなのかもしれない。

 もちろんこの地で『疫病』が広まろうが、どれだけ犠牲が出ようが、オレには関係のない話だ。
 放置してさっさと自分の目的である『女神イロールの手がかりをつかむ』を追求した方がよっぽどオレにとっては有益だろう。
 それに西方でこれから行動するとしたら、一神教徒の行動を邪魔するのは後々面倒な事になりかねない。

 よし。決めた。

 やっぱりこのまま何もせず見逃す事など出来ない。
 助けられるかもしれない人がいるのを目の当たりにして、それを放置したらオレは必ず後悔する。
 それだけでオレが行動する理由には十分なのだ。

 何をするか決めたところで、この『疫病』についてどうするか。
 もちろんオレの回復魔法を使えば、百人やそこらを簡単に治療できるだけの自信はあるがそれではただのイタチごっこだ。
 やはり病気の発生原因を調べねばならないが、何をするにしてもまずは確実な真実をつかむ必要がある。

 幸いにも回復役は殆どの場合二次的な役割として支援系の魔法が使えるので、オレはしばしば賢者系のキャラも使っていた。
 そのお陰で情報収集などに役立つ魔術もオレにはあるし、そういうわけで真相を探る事はどうにかなるだろう。
 オレがそんな事を考えていると、ドアがノックされてヴァルナロが姿を見せた。

「アルタシャさん……少し話がありますがいいですか?」
「どうぞ。こちらからも聞きたい事がありましたから」

 ああ。ヴァルナロも結構、可愛らしい女の子だが、そんな相手に訪問されても全然動揺したり、期待したりしなくなってしまったな。
 こんなところにも『女である事』に慣れつつある自分自身を感じてしまう。

「そうですか……ではまずそちらの話からうかがいましょう」
「いいんですか」
「構いません。まず人の話を聞くのも聖職者の務めですから」
「それでは遠慮無く」

 ここでオレはひとまず『疫病』について聞くことにした。

「フレストルさんは今日のように病気を引き受ける事はよくあるのですか?」
「ええ。宣教師様はあのように病に冒された人を助ける事は、布教活動と並ぶご自身の責務と心がけておいでです……」

 ヴァルナロは少しばかり苦悩した表情を浮かべる。
 たぶん思い返してフレストルの身を案じているのだろう。

「今まで数多くの宣教師や高位の司祭が大勢の人間の苦難を引き受けてこの世を去りました。それは偉大なる預言者、聖セルムが『世界のすべての苦痛』を引き受けて殉教した事に由来し、その後に続くことこそが聖職者の理想とされているからです」

 なるほど。フレストルのような行いこそが、聖セルム教における理想に近い姿なのか。
 もちろん建前で殉教を唱えつつ、実際にはそんなことをする気などさらさらなく、威張りくさっている聖職者も大勢いるのだろう。
 しかし少なくともフレストルは口先だけでなく、自分の身をなげうってでも苦しんでいる人を助けようとしているのは間違いない。

「いったいどれぐらいの頻度であの病気の治癒をされているんですか?」
「ここしばらくは二、三日に一度ぐらいですね。ただこの下町でも宣教師様に不信感を抱いていて、病気になってもここに来ない方は大勢います」

 そりゃそうだろうな。
 この下町は信心深くない人間が大半だろうけど、それでも自分の信仰している神を『過ちの神』と断じて、さげすむ相手に対し、最初からいい印象を持つ人間は普通いない。
 そしてファーゼストの城壁外であるここに定住している人間は千人ぐらいだろうけど、少なくとも年に百人ぐらいは命に関わる病気を発症している事になる。
 フレストルが引き受けて、治癒していなかったら壊滅的な被害をもたらしているかもしれない。
 これは相当に深刻な問題だな。

「またこちらで病人が来られない時には、宣教師様の方から患者のいる場所に出向いて治癒する事もあります」

 以前にフレストルが焼き払われた村の近くで倒れていたのは、その村の病人から軒並み病魔を引き受けたからなんだろうな。
 オレの目からすればいろいろと問題は山積みだけど、それでもその自己犠牲精神には頭が下がる。

 ここでヴァルナロは俺に向けてずいとその顔を寄せてくる。

「まだ質問はあるかもしれませんが、こちらの問いにも答えていただけますか」
「え……ええ……」

 俺はちょっとばかり気圧されつつ、ヴァルナロに応じる。
 ここでよくあるパターンなら『フレストルに懸想して近づいてきているのではないのか』とかそっちの疑念をぶつけられる事になるのかな。
 いや。さっきもそんなことを考えていたら大外れだったし、ここはヴァルナロの言葉を待つとしよう。

 そしてオレのこの心配は結果的に杞憂だった。
 しかしそれよりももっと深刻な話題だったのだ。

「先ほど、あなたはフレストル様と私に何らかの魔術をかけたのではないですか?」
「う……」

 ヴァルナロはこちらの魔術については何も知らないかと思っていたが、やっぱり何事か怪しいと気づかれていたんだな。
 むしろ気付いて当然か。

「この私を何らかの魔術で行動出来ないようにして、その上でフレストル様に治癒の魔法をかけた。そんなところではないですか?」

 正解です。むしろかなり鋭いな。
 いや。たぶんこれまでの経験からフレストルの回復する時間について分かっていたので、それが大幅に早まった上に、オレがこっちの回復魔術について言及していたから、そこで気づいたんだろう。
 フレストル本人が気づいていない事を考えたら、ずいぶんと敏感だな。
 たぶん彼女が常日頃、あの宣教師の事を心配して気を回している結果なのだろう。
 あの宣教師は遠くを見すぎて、足下がお留守なのは間違いない。
 いろいろと問題は山積みだけど、フレストルには危なっかし過ぎて他人から『どうにか助けたい』と思わせる妙な『人徳』があるな。

「……その通りだとしたらどうします?」

 ヴァルナロもまた男装の女子と聖職者が会話しただけで、破門されかねない教団の一員なのだ。
 オレが彼らの系統とは異なる魔術の使い手ともなれば、どんな処遇になるかは分らない。
 さすがに一神教徒は一握りしかいないこの地で『魔女として火あぶり』なんてことはないだろうけど、それでもヴァルナロから石をぶつけられるぐらいは覚悟すべきか。
 もちろんオレがフレストルを回復させたことに対し、別に感謝や報酬が欲しかったワケではないが、それで憎まれたりしたらやっぱり堪える。
 仕方ないけど、お別れするしかないな。
 だがオレが頭を下げようとした瞬間、ヴァルナロは思わぬ行動に出た。

「お願いします!」
「え?」
「図々しい事は承知していますが、フレストル様をこれからもお助け下さい。あの方の事が心配なんです!」

 なんだって?
 一神教徒から見れば異教の魔術使いであるオレに対して、むしろフレストルを助けろと?
 ヴァルナロからぶつけられた予想外の言葉に、オレは思わずあっけにとられた
しおりを挟む
感想 104

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...