異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

文字の大きさ
83 / 1,316
第5章 辺境の地にて

第83話 しばしの平穏 そして押し寄せる悪夢

しおりを挟む
 オレが一神教徒の魔法を学ぶにあたっての壁に直面してから数日が経った。
 その間、不気味な事だが疫病を引き起こす霊体は少なくともオレの前には姿を見せず、フレストルもこの下町近隣で布教活動にいそしみつつ、疫病をその身に受けて倒れる事もなかった。

 そんでもってアカスタと霊体師匠は壊れたお堂と神像を作り直していた。
 下町の人間は遠巻きに眺めるだけで手を貸しはしなかったが、積極的に邪魔をするものもいないようだ。
 やっぱりこっちの多神教の世界の住民にとって『霊体を扱う人間』は異教徒であっても排撃するというよりは、関わりをなるだけ避けたい相手であるらしい。
 まさしく『触らぬ神にたたりなし』を地でいく話だな。ただし――

『おお……これは実によい体じゃのう……』
「お師匠様。ズルいですよ。それはワシのものなのに……」
「どっちのモノでも無いわ! この変態師弟!」

 触らぬ神に祟りなしであっても、セクハラ霊体にスキあらばと体を触られる ―― もちろんこっちには感覚無し ―― とこっちが祟ってやりたい気分になるな。

 それはともかく実際、連中に関わってオレは一度は殺されかけたわけで、それでもまだ付き合っているこっちの方がどうかしているんだろう。
 まあ異世界人で、元男で、チート魔法の使い手で、頼みもしないのに女神がしゃしゃり出てくるオレが普通ではないのはわかりきった話なんだが。

 他にもフレストルの様子をうかがったり、社を訪れた交易商人にファーゼスト内部や聖女教会について情報を聞いてみたりもしたが ―― さすがにもう一度、聖女教会を訪れる気にはならなかった ―― とりあえず今のところは大きな問題は発生していないようだった。

 だがオレにはこれが『嵐の前の静けさ』としか思えなかった。
 実際にオレを襲った霊体がどうしているのかも分らないが、少なくともみんな成仏してこの世から消えてくれた、などととはとても考えられない。
 今まで一度だってオレにとって都合のいい展開になったことなど無いのだ。

 そうだとすればオレに出来る事はなんだろう。
 もっとも手っ取り早い方法は、さっさとこの地を離れて、目的である西方に足を踏み入れる事だろう。
 フレストルやヴァルナロから知識を得たことで、少なくとも西方でやってはいけないことについては把握出来た。
 実際に今でも交易商など多くの人間が、一神教と多神教の勢力圏を己の宗教に関係なく行き来しているわけで、なるだけ目立たないようにしておけば ―― オレにとってはそれはそれで一つの難題であるが ―― 普通に旅をするにあたって問題はないだろう。

 そんなわけでオレとしては、フレストル達に別れを告げて、とっとと立ち去るのがもっとも賢い手段という事になるな。
 なによりヴァルナロの説明によれば、あの疫病をもたらす霊体は一神教が支配する領域では見られないらしい。
 あの連中にとってオレが『格好のエサ』だったとしても、西方に入ってしまえばもう追ってくる事はないはずだ。

 そもそもオレがこのファーゼストに来たのも、女神になる前、人間だった時は西方から来た治癒術士だったというイロールの足取りを調べるため、西方に入る前の下調べのためだった。
 最初からここに長居するつもりなど全く無かったのだ。

 それにこの地にいるのは別に親しい人間というわけではない。
 オスリラはオレを女に変えた共犯者でむしろ憎むべき存在だろう。他の人間もここに来てから出会ったばかりで、特に親しい関係と呼べる相手は一人もいないのだ。
 オレの夢に出てきた女神イロールは『この地で苦しんでいる人と精霊を救える』などと言っていたけど、オレにはそんな事をする義務どころか義理すら欠片も無い。
 だいたい今までだって命がけで人助けは何度もしたけど、感謝以外にオレが得たものなんて何もないじゃないか ―― まあそれ以上を望んだら『男の嫁』にならないといけなかったから自分で拒否したわけだけど。
 どっちにしろここで命をかけて人助けをしたところで、オレが相応に報われるということはまずあり得ないだろう。

 うん。どんな角度から見てもオレが危険を承知でこのファーゼストに留まる理由なんかどこにもないよね。
 だがオレにそれが出来れば苦労はしない。

 もしオレが去った後、疫病で多大な犠牲が出た、などという話を聞いたらやっぱり確実に後悔する。
 これまでもそれで散々ひどい目にあってきたし、たぶん今回もそうなる可能性が高いと思うけど、それでもオレはこの地を離れる気にはなれない。
 それは今まで通りだし、そしてたぶんこれからも同じ事をしてしまうだろう。
 ああ。オレのバカ ―― などと自分を罵ったところで何の意味も無い。

 とりあえず助けになることを考えて見ると、夢に出てきた女神は『我が友』について口にしていたけど、結局その友だちからもなしのつぶてだ。
 本当にあれはただの夢だったのか?
 それとも女神イロールの交友関係なんてやっぱり当てにならないのか?
 実際、多神教の神話の場合、神様は仲間どころか夫婦ですら足を引っ張ったりするし『神に寵愛された英雄』だってちょっとした気まぐれで命を奪われたりもする。
 やっぱり女神なんぞ当てにせず、自分の力でどうにかせねばなるまい。
 そう改めて決意し、オレは夕日の差す下町に出かけようとする。
 だがこの時、これまでの数日間の平穏をぶち破る ―― そして不本意ながらオレにとっては当然のように ―― 怪異が迫ってきていたのだった。


 オレは日が暮れつつある中でアカスタが再建していた『お堂』に向かう。
 こっちはここ数日、アカスタが要求するように材木を【植物歪曲】ワープ・ウッドでねじ曲げて再建を手伝っていたのだ。
 その都度、しつこくプロポーズされたりもしていたが、もちろんオレは一切相手にはしていなかった。
 ぶっちゃけここが壊れた原因にオレ自身も関わっていて責任の一端を感じていなかったら、とても最後まで付き合う気にはなれなかっただろう。

「これでおしまいだな。神様も喜んでくれるだろう」

 アカスタは一応、元通りになったお堂を見て満足げに笑う。
 今日でお堂の修理はおしまいであり、それでアカスタは次の場所に向かうそうだ。
 聞くところによるとアカスタ達は特定の神・精霊に仕えるシャーマンではなく、あちこちの礼拝所に出向いてそこにいる神・精霊 ―― アカスタも明確に区別はつけていない ―― を崇拝したり、なだめたりするのを仕事にしているようだ。
 過去、長年に渡って受け継がれてきた仕事らしいのだが、聞くところによるとやはりその精霊を祀る場所は次第に少なくなっており、信徒も減少の一途らしい。
 おそらく一神教徒によって破壊されたところもあれば、聖女教会など組織的な多神教の教団に吸収されてしまったところもあるのだろう。
 そんな姿を見ると、他人事ながら故国日本における『地元の小さな商店が大資本の大型店に次々に呑み込まれて消えていく』ようなちょっとした哀愁を感じずにはいられない。
 たぶんこんな感じで、アカスタのような地域ごとに生まれた土着神の小さな信仰は、ずっと追われ続け、消え去っていったんだろうな。
 そしてとうとう一神教徒と大規模な多神教の信仰に挟まれ、その両者の隙間にどうにか挟まり、かろうじて存続しているところにまで落ちぶれてしまったわけだ。

 う~ん。二一世紀の人間の感覚で見ても、やはりアカスタ達は『滅びゆく信仰』なのかもしれない。
 だけどオレとしては、そんなものであっても何とか生き延びて、彼らの知識や魔術を後世にどうにか引き継いでいってもらいたいと思う。
 もちろんこちらはアカスタが望むように嫁になるどころか、信徒にすらなる気は無いのだから、それはオレの勝手な希望なのかもしれない。
 しかしそれでも一神教徒や聖女教会のやり口を知っているオレとしては、別の形の信仰の形を示すべく彼らにも頑張ってもらいたいのだ。
 そんな事を考えていると、霊体師匠がオレに向けて笑顔で話しかけてくる。

『それではワシらは次の地に向かうが、お前さんも一緒に来てくれるかのう』

 そんなわけあるか! オレが思わず否定しようとすると、アカスタの方が先に叫ぶ。

「お師匠! そんな勝手な事を言ったらアルタシャが迷惑するじゃないか」

 おお! アカスタもようやくこっちの事情に気を回す事ぐらいは出来るようになったのか。このマセガキも少しは人間的に成長しているようだな。

「アルタシャはワシの嫁だけど、別にここにいてワシを待っていてくれたらいいんだよ」
『なるほど。行く先々に嫁を持つつもりなのか。さすがは我が弟子じゃ』
「ははは。師匠もそんなに褒めるなよ」

 ええい! マセガキ具合を成長させてどうすんだこのクソガキ!
 さすがのオレも少しばかり憤るが、まあこいつらにも頑張って細々と自分たちの信仰を貫いてもらいたいから、ここはグッと我慢しよう。


 そんなわけで日が沈んだ頃合いになってオレはようやく修理の終わった『お堂』を前にして一息ついていた。

『どうやらこれで終わりのようじゃな』
「それではお別れですね。少々名残惜しいです」

 これは紛れもないオレの本音である。

「前もって断っておきますけど、あなた方に同行はしませんからね」

 このスケベ師弟が言ってくる事は分っているので、もちろん前もって釘を刺しておく。

『むう……』
「ええ~」

 オレの明確な拒否を受けて、霊体師匠は厳しい表情を浮かべ、アカスタはあからさまな落胆を見せる。
 だが霊体師匠は表情を一気に引き締めつつ、オレの思わぬ返答を行った。

『心配はいらん。別に同行は求めんぞ』
「そうですか。それでは――」
『じゃが。お前さんには少しばかり、どころではない苦労をかけるじゃろうな」
「どういうことですか?」

 その師匠の静かだが、それでいて深刻きわまる口調と顔色に、こっちの胸中には猛烈な不安がわき上がる。
 おい。あんたの今までのふざけた態度はどこにいったんだ?

『あれをよく見ろ。お前さんなら分るはずじゃ』
「え?」

 オレは霊体師匠の言葉通り、既に日が沈み僅かに薄暮が残るだけとなっていた空へと目を向ける。
 そしてそこには妙な群雲がわき上がっているかのようだった。
 いや! 違うぞ! あれは自然の雲なんかじゃない。

「師匠! まさか?!」
『お前さん達にも分ったようじゃの……こんな事はワシにとっても初めてじゃ……』

 このときオレの視界に飛び込んできた、空に立ち上る雲のごとき巨大な塊。
 それはこのファーゼストへと迫りくる何百、いや、ひょっとしたら何千という数の膨大な霊体の群れだったのだ。
しおりを挟む
感想 104

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

処理中です...