727 / 1,316
第18章 奇怪なる殺戮者?
第727話 古ぼけた屋敷にて出会った相手は
しおりを挟む
シドンに案内された場所は町の中でもどちらかと言えば中心部から離れ寂れた感じが漂う地域だ。
周囲の街並みも古く、また人通りも少ない。
建物そのものはかなり大きい部類だが、あたり一帯の雰囲気を見る限り現在は寂れる一方の旧市街というところだろう。
見るとそこそこ広い庭はほとんど手が入っておらずかなり荒れているし、全体にかなりガタが来ているように感じられる。
シドンが有力な魔術師の一門だとすれば、恐らくは祖父の世代にはここに屋敷を構えていたけど、新市街に引っ越した後、放置されていた古い屋敷を隠居用にしたのだろう。
ここで中に入るのをシドンはちょっとばかりためらう。
たぶん『朝帰り』なので躊躇しているのだな。
そしてシドンはフードを被ったオレの方にチラと視線を向ける。
「アルさんが顔を隠している理由は、一人旅なので目立たないためなのは僕にもわかります」
「まあ……そんなところです」
何しろオレの容貌は一目見たらまず忘れられないほど目立ちまくる代物だ。
いろいろとうるさい知り合いが大勢いるし、いく先々で評判が立ちまくると何かと面倒だ。
もちろんシドンはそこまで察しているはずもないけどな。
「それだけの凄い美人なのに、魔法でも何でも出来て、それでいて僕のようなダメな落ちこぼれにも優しくしてくれて本当にありがとうございます」
「急にどうしたんですか?」
何というかもう『死を覚悟したので、最期に感謝の言葉を残したい』とでも言わんばかりの様子だ。
「僕にもしもの事があったら、そのときは――」
おいおい。いや。まさか。
この古い屋敷の中に足を踏みいれるだけで、まるで命がけであるかのような雰囲気だぞ。
ひょっとして本当にヤバいのか?
だけどそれならどうして今まで黙っていたんだ。
オレが違和感を抱きつつ見ていると、シドンは意を決した様子で、門の中に足を踏みいれようとする。
だがそのとき甲高い怒声が鳴り響いた。
「こらぁ! シドン!」
「ひ、ひぃ!」
この時のシドンは昨晩、殺人鬼に出くわしたのと変わらぬほどの恐怖の表情を浮かべていた。いったい何事だ?
「よりにもよって朝帰りとはどういうことよ! 説明しなさい!」
叫びつつドアから飛び出して来たのは、オレと同年輩か少し年下、十五歳ほどの少女だった。
黒髪を短く刈りそろえ、なかなかに整った容貌をしているが、柳眉を逆立てた怒りの表情はまるで般若のごときものだった。
そしてシドンは少女に対し、必死の表情で手を突き出して制止の声を挙げる。
「ま、待ってよ。姉さん」
え? この女の子はシドンの姉なの?
幾ら古ぼけた隠居用の建物でも、使用人ぐらいはいて当然だとは思っていたけど、シドンの姉が待っていたとはまたしても予想外だったな。
「いいえ! 待たないわよ!」
そして『姉』と呼ばれた少女は、勢いよく駆けつけてきてシドンの襟元をつかむ。
「このサレナ・サスティスは、あんたの世話を亡き先生から念入りに頼まれているんですからね!」
おや。サレナと名乗った少女が口にした『亡き先生』とは、普通に考えてシドンの祖父だろう。
そうすると彼女はあくまでもシドンの祖父の弟子であって、血縁はないらしい。
いまシドンが『姉さん』と呼んだのは『姉弟子』に対する愛称ということか。
「先生がお亡くなりになってまだ喪が明けてもいないのに、一晩外をほっつき歩いて朝帰りなんてどういうことよ! 幾ら悲しくてもそんな事で鬱憤を晴らすなんて真似が許されるとでも思っているの!」
「だから僕の話を聞いて――」
シドンはしどろもどろになりつつ弁解を試みるが、サレナはまるで聞く耳を持たない。
「あんたがそんな不良少年になってしまったと知ったら、先生があの世でどれほどお嘆きになることか分からないの! 後事を託されたあたしは恥ずかしくてお墓に顔向け出来ないわ!」
いくら何でもシドンの祖父が、孫より少しばかり年上な程度のサレナに対し保護者になる事を頼んだとは思えない。
せいぜい『自分の死後も変わらずシドンとは仲良くしてやってくれ』と言い残した程度ではないだろうか。
しかし無駄に力むタイプらしいこの少女は、シドンの人生の面倒をみるつもりで、勝手な使命感に燃えてしまっているようだ。
「夜には人殺しが出歩いているというのに、そんな中でフラフラ遊び回るなんてどういうことよ! さあ! こっちに来なさい! 今日はみっちりと――」
「あのう。少しお話いいですか?」
ついついサレナの勢いにこっちも呑まれてしまっていたが、このままシドンを屋敷の中に引きずりこまれてしまって、ハイさようならというわけにはいかない。
「うん……あなたは誰?」
サレナはここでオレの存在に初めて気付いたと言わんばかりに、不機嫌そうな表情をこちらに注いでくる。
「実は昨晩、そちらのシドン君とわたしが――」
「つまり大事なうちのシドンをあんたがたぶらかしたのね!」
そう叫びつつ、サレナはシドンを『自分のもの』だと言わんばかりにギュッと抱きしめる。
まあ暴走気味のサレナの態度からして、なんとなくこんなリアクションは予想していたので、特に落胆したり、驚いたりしたわけではない。
しかしシドンはどことなく頼りない空気を漂わせているが、こちらのサレナは全く人の話を聞かないな。まあ使命感とか責任感が突っ走ってしまっているのだと思っておこう。
これではシドンがギリギリまで口にしたくなかった気持ちはよく分かるな。
しかしこの時、サレナに抱きしめられていたシドンは、何かを案じるような不安げな表情を浮かべていたのが、オレにとってもどこか引っかかるものだった。
周囲の街並みも古く、また人通りも少ない。
建物そのものはかなり大きい部類だが、あたり一帯の雰囲気を見る限り現在は寂れる一方の旧市街というところだろう。
見るとそこそこ広い庭はほとんど手が入っておらずかなり荒れているし、全体にかなりガタが来ているように感じられる。
シドンが有力な魔術師の一門だとすれば、恐らくは祖父の世代にはここに屋敷を構えていたけど、新市街に引っ越した後、放置されていた古い屋敷を隠居用にしたのだろう。
ここで中に入るのをシドンはちょっとばかりためらう。
たぶん『朝帰り』なので躊躇しているのだな。
そしてシドンはフードを被ったオレの方にチラと視線を向ける。
「アルさんが顔を隠している理由は、一人旅なので目立たないためなのは僕にもわかります」
「まあ……そんなところです」
何しろオレの容貌は一目見たらまず忘れられないほど目立ちまくる代物だ。
いろいろとうるさい知り合いが大勢いるし、いく先々で評判が立ちまくると何かと面倒だ。
もちろんシドンはそこまで察しているはずもないけどな。
「それだけの凄い美人なのに、魔法でも何でも出来て、それでいて僕のようなダメな落ちこぼれにも優しくしてくれて本当にありがとうございます」
「急にどうしたんですか?」
何というかもう『死を覚悟したので、最期に感謝の言葉を残したい』とでも言わんばかりの様子だ。
「僕にもしもの事があったら、そのときは――」
おいおい。いや。まさか。
この古い屋敷の中に足を踏みいれるだけで、まるで命がけであるかのような雰囲気だぞ。
ひょっとして本当にヤバいのか?
だけどそれならどうして今まで黙っていたんだ。
オレが違和感を抱きつつ見ていると、シドンは意を決した様子で、門の中に足を踏みいれようとする。
だがそのとき甲高い怒声が鳴り響いた。
「こらぁ! シドン!」
「ひ、ひぃ!」
この時のシドンは昨晩、殺人鬼に出くわしたのと変わらぬほどの恐怖の表情を浮かべていた。いったい何事だ?
「よりにもよって朝帰りとはどういうことよ! 説明しなさい!」
叫びつつドアから飛び出して来たのは、オレと同年輩か少し年下、十五歳ほどの少女だった。
黒髪を短く刈りそろえ、なかなかに整った容貌をしているが、柳眉を逆立てた怒りの表情はまるで般若のごときものだった。
そしてシドンは少女に対し、必死の表情で手を突き出して制止の声を挙げる。
「ま、待ってよ。姉さん」
え? この女の子はシドンの姉なの?
幾ら古ぼけた隠居用の建物でも、使用人ぐらいはいて当然だとは思っていたけど、シドンの姉が待っていたとはまたしても予想外だったな。
「いいえ! 待たないわよ!」
そして『姉』と呼ばれた少女は、勢いよく駆けつけてきてシドンの襟元をつかむ。
「このサレナ・サスティスは、あんたの世話を亡き先生から念入りに頼まれているんですからね!」
おや。サレナと名乗った少女が口にした『亡き先生』とは、普通に考えてシドンの祖父だろう。
そうすると彼女はあくまでもシドンの祖父の弟子であって、血縁はないらしい。
いまシドンが『姉さん』と呼んだのは『姉弟子』に対する愛称ということか。
「先生がお亡くなりになってまだ喪が明けてもいないのに、一晩外をほっつき歩いて朝帰りなんてどういうことよ! 幾ら悲しくてもそんな事で鬱憤を晴らすなんて真似が許されるとでも思っているの!」
「だから僕の話を聞いて――」
シドンはしどろもどろになりつつ弁解を試みるが、サレナはまるで聞く耳を持たない。
「あんたがそんな不良少年になってしまったと知ったら、先生があの世でどれほどお嘆きになることか分からないの! 後事を託されたあたしは恥ずかしくてお墓に顔向け出来ないわ!」
いくら何でもシドンの祖父が、孫より少しばかり年上な程度のサレナに対し保護者になる事を頼んだとは思えない。
せいぜい『自分の死後も変わらずシドンとは仲良くしてやってくれ』と言い残した程度ではないだろうか。
しかし無駄に力むタイプらしいこの少女は、シドンの人生の面倒をみるつもりで、勝手な使命感に燃えてしまっているようだ。
「夜には人殺しが出歩いているというのに、そんな中でフラフラ遊び回るなんてどういうことよ! さあ! こっちに来なさい! 今日はみっちりと――」
「あのう。少しお話いいですか?」
ついついサレナの勢いにこっちも呑まれてしまっていたが、このままシドンを屋敷の中に引きずりこまれてしまって、ハイさようならというわけにはいかない。
「うん……あなたは誰?」
サレナはここでオレの存在に初めて気付いたと言わんばかりに、不機嫌そうな表情をこちらに注いでくる。
「実は昨晩、そちらのシドン君とわたしが――」
「つまり大事なうちのシドンをあんたがたぶらかしたのね!」
そう叫びつつ、サレナはシドンを『自分のもの』だと言わんばかりにギュッと抱きしめる。
まあ暴走気味のサレナの態度からして、なんとなくこんなリアクションは予想していたので、特に落胆したり、驚いたりしたわけではない。
しかしシドンはどことなく頼りない空気を漂わせているが、こちらのサレナは全く人の話を聞かないな。まあ使命感とか責任感が突っ走ってしまっているのだと思っておこう。
これではシドンがギリギリまで口にしたくなかった気持ちはよく分かるな。
しかしこの時、サレナに抱きしめられていたシドンは、何かを案じるような不安げな表情を浮かべていたのが、オレにとってもどこか引っかかるものだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる