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第21章 神の試練と預言者
第943話 『フェスマールの導き』について
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フェスマールが唐突に放った直視するのが困難なほどの輝きに、オレは思わず顔を背ける。
ええい。まさかここまでとは思わなかったから、至近距離でもろに閃光を受けたので、視界がほとんど白一色だ。
もしもこんな時、誰かに襲撃されたらたまったもんじゃないぞ。
『どうしたのだ? 我を落として傷でもつけたらどうする? もっと大事に扱ってくれ』
フェスマールはオレがまばゆさに幻惑され、反射的に視線を逸らした事を理解していないらしい。
たぶんコイツが過去にこんな閃光を放つのは、太陽神崇拝の神聖な儀式の中だったからみんなひれ伏していたか、そうでなくとも輝く事は承知していたから、ちゃんと対策とっていたのだろう。
不意打ちでそんなことされたら、視界を奪われてしまうのは、ドラ○ンボールでどんな強敵でも『太陽拳』が通用したのと相通じるところだろうか。
どうにか視界を取り戻した時、フェスマールの周囲には多くの霊体が集まって、渦を巻いているようだ。
どうやら先ほど見た霊体の集まっていた球体からも、いくらかが引きはがされて『権威の宝珠』へと寄ってきているようだ。
「このまま彼らを導いて彼らを、あの世に送り出せますか?」
『ある程度はどうにかなるが、全ては無理だな』
やはりそうなるか。
オレも全部、どうにかなるとは思っていなかったが、そうそう都合良くはいかないか。
『だが心配するな。十分に目的は果たせたぞ』
「え? どういうことですか?」
残った部分をどうにか助けられる手段があるのだろうか。
フェスマールはもう何百年も存在し続けているわけだから、ひょっとするとオレの思いも及ばぬ凄い解決策を提示してくれるかもしれない。
『これであの亡霊は先ほどのような強い力を発する事は出来ぬ。だから今のうちに目的の場所に向かえばよかろう』
おい。凄い解決策かと思っていたら、あんまりにも普通すぎるだろ。
確かにそれはそれで悪くはないのだけど、当然ながら気になるところがある。
「あの亡霊は今後、どうなるのですか?」
このまま彼らが力を失い、消えていくなら同情はするけど、大勢の命を奪ってきたわけなのだから仕方の無い事でもあるのだろう。
しかしそうならない場合は困った事になる。
『上手くすれば消え去るが、今のままなら再び力を蓄えて、先ほどのように荒れ狂う事になるだろうな』
やっぱりそうなるか。
そもそもコイツらは、この地のイル=フェロ信徒が非業の死を遂げた霊魂をなだめ、あの世に送る事をしてこなかったのが大きな原因なのだから、それが変わらない限り奴らは何度でも蘇るだろう。
後の事は仕方ないのだけど、ここはオレがもう少し頑張ってみるとしよう。
「あなたを通じて、わたしが彼らに話しかける事は出来ますか?」
『それぐらいなら可能だが、どうするつもりなのだ』
「彼らに魔力を分け与えます。そうすれば自力でこの世を離れて、本来行くべきところに向かえるでしょう」
大分前、ファーゼストでも似たような真似をした事があるが、早い話が連中にこの世を離れる力を与えてやればいいのだ。
もちろん魔力の融通は――人間同士で栄養のやりとりが出来ないのと同じく――やろうと思ったからと言って、簡単にできる事ではない。
この世界でもっとも一般的なのは、崇拝によって神と信徒の間に出来るつながりだ。
もちろんここにいる亡霊は、もう信仰心など残っていないが、逆を言えば話をつけていちから関係を構築すれば、彼らをこの世から送り出す程度の魔力は提供出来るだろう。
だがフェスマールからは困惑した声が響いてくる。
『そんなことを本気で言っているのか?』
「冗談を言っているように見えますか」
『あやつらはそなたの信徒でもなかろう。別に仕事として請け負ったわけでもないのになぜそんなことするのだ』
確かにシャーマンも無償で霊体をなだめているわけではなく、それを行って地元の住民から糧を得ているわけだ。
また神様にしても通常は信徒から得た魔力を無関係なところに使ったりはしない。
むしろ得にもならないのに、危険な霊体に接触して彼らをなだめるなど『プロだからこそ』そんなことはしないのが常識というものだな。
しかしオレは仕事でやっているわけではない『アマチュア』だから、損得など関係無いのである。
『こんなところであんな亡霊共を祓ったところで、新たな信徒の獲得にも役立つとは思えぬがな……』
フェスマールは宝珠にこめられた霊体だから、あんまり世俗の事に興味など無いのかと思っていたら、むしろオレよりよっぽど俗物な気がしてきたぞ。
何百年にもわたってこの宝珠に宿り、自分の所属する教団の維持・拡大のために司祭達に助言してきたのだとすれば、むしろそんな発想になるのは当然か。
テセルによるとフェスマールのこもった『権威の宝珠』は伝説的な宝らしいし、実際に多くの人間を導いてきたのは確かだろう。
しかしその中身が俗世間を超越した宗教的な秘技よりも、教団の運営に関するものが多分に含まれていたとしたら――別に間違ってはいないのかもしれないが、部外者のオレにとってもいろいろと複雑な気分である。
ええい。まさかここまでとは思わなかったから、至近距離でもろに閃光を受けたので、視界がほとんど白一色だ。
もしもこんな時、誰かに襲撃されたらたまったもんじゃないぞ。
『どうしたのだ? 我を落として傷でもつけたらどうする? もっと大事に扱ってくれ』
フェスマールはオレがまばゆさに幻惑され、反射的に視線を逸らした事を理解していないらしい。
たぶんコイツが過去にこんな閃光を放つのは、太陽神崇拝の神聖な儀式の中だったからみんなひれ伏していたか、そうでなくとも輝く事は承知していたから、ちゃんと対策とっていたのだろう。
不意打ちでそんなことされたら、視界を奪われてしまうのは、ドラ○ンボールでどんな強敵でも『太陽拳』が通用したのと相通じるところだろうか。
どうにか視界を取り戻した時、フェスマールの周囲には多くの霊体が集まって、渦を巻いているようだ。
どうやら先ほど見た霊体の集まっていた球体からも、いくらかが引きはがされて『権威の宝珠』へと寄ってきているようだ。
「このまま彼らを導いて彼らを、あの世に送り出せますか?」
『ある程度はどうにかなるが、全ては無理だな』
やはりそうなるか。
オレも全部、どうにかなるとは思っていなかったが、そうそう都合良くはいかないか。
『だが心配するな。十分に目的は果たせたぞ』
「え? どういうことですか?」
残った部分をどうにか助けられる手段があるのだろうか。
フェスマールはもう何百年も存在し続けているわけだから、ひょっとするとオレの思いも及ばぬ凄い解決策を提示してくれるかもしれない。
『これであの亡霊は先ほどのような強い力を発する事は出来ぬ。だから今のうちに目的の場所に向かえばよかろう』
おい。凄い解決策かと思っていたら、あんまりにも普通すぎるだろ。
確かにそれはそれで悪くはないのだけど、当然ながら気になるところがある。
「あの亡霊は今後、どうなるのですか?」
このまま彼らが力を失い、消えていくなら同情はするけど、大勢の命を奪ってきたわけなのだから仕方の無い事でもあるのだろう。
しかしそうならない場合は困った事になる。
『上手くすれば消え去るが、今のままなら再び力を蓄えて、先ほどのように荒れ狂う事になるだろうな』
やっぱりそうなるか。
そもそもコイツらは、この地のイル=フェロ信徒が非業の死を遂げた霊魂をなだめ、あの世に送る事をしてこなかったのが大きな原因なのだから、それが変わらない限り奴らは何度でも蘇るだろう。
後の事は仕方ないのだけど、ここはオレがもう少し頑張ってみるとしよう。
「あなたを通じて、わたしが彼らに話しかける事は出来ますか?」
『それぐらいなら可能だが、どうするつもりなのだ』
「彼らに魔力を分け与えます。そうすれば自力でこの世を離れて、本来行くべきところに向かえるでしょう」
大分前、ファーゼストでも似たような真似をした事があるが、早い話が連中にこの世を離れる力を与えてやればいいのだ。
もちろん魔力の融通は――人間同士で栄養のやりとりが出来ないのと同じく――やろうと思ったからと言って、簡単にできる事ではない。
この世界でもっとも一般的なのは、崇拝によって神と信徒の間に出来るつながりだ。
もちろんここにいる亡霊は、もう信仰心など残っていないが、逆を言えば話をつけていちから関係を構築すれば、彼らをこの世から送り出す程度の魔力は提供出来るだろう。
だがフェスマールからは困惑した声が響いてくる。
『そんなことを本気で言っているのか?』
「冗談を言っているように見えますか」
『あやつらはそなたの信徒でもなかろう。別に仕事として請け負ったわけでもないのになぜそんなことするのだ』
確かにシャーマンも無償で霊体をなだめているわけではなく、それを行って地元の住民から糧を得ているわけだ。
また神様にしても通常は信徒から得た魔力を無関係なところに使ったりはしない。
むしろ得にもならないのに、危険な霊体に接触して彼らをなだめるなど『プロだからこそ』そんなことはしないのが常識というものだな。
しかしオレは仕事でやっているわけではない『アマチュア』だから、損得など関係無いのである。
『こんなところであんな亡霊共を祓ったところで、新たな信徒の獲得にも役立つとは思えぬがな……』
フェスマールは宝珠にこめられた霊体だから、あんまり世俗の事に興味など無いのかと思っていたら、むしろオレよりよっぽど俗物な気がしてきたぞ。
何百年にもわたってこの宝珠に宿り、自分の所属する教団の維持・拡大のために司祭達に助言してきたのだとすれば、むしろそんな発想になるのは当然か。
テセルによるとフェスマールのこもった『権威の宝珠』は伝説的な宝らしいし、実際に多くの人間を導いてきたのは確かだろう。
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