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第23章 女神の聖地にて真相を
第1100話 全ての聖女に呼びかけて
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やることが決まった以上、急がねばならない。
こうしている間にも性転換させられてしまっている男子もいるはずだからな。
「それでは急いで信徒達に呼びかけて下さい。そしてもう二度と、信徒をあなたの化身にする事は止めて下さい」
『もちろんそのつもりです。しかしその場合、今後はあなたも化身として助ける事は出来なくなりますよ』
なるほど。確かにそれは道理だな。
今まで何度も助けてもらったし、それが出来なくなれば困る事もあるかもしれない。
しかしそんな事など些細な話だ。
「構いません!」
『分かりました。それではわたくしはもう二度と、信徒からの化身を求める呼びかけには応じない事とします』
その言葉と共に、オレと『何かの繋がり』が急に断ち切られたように感じられる。
これによってオレも今後は『イロールの化身となる』事は出来なくなった事が漠然と理解出来た。
自分で望んだ事だし、もちろん後悔も無いが、それでも少しばかり寂寥感があるのは否定出来ないな。
しかし男子が性転換されることもなくなったわけで、その安堵の方がずっと大きいよ。
『それではあなたが信徒達に呼びかけて下さい』
そう言ってイロールは自らの身をオレに重ねて抱きしめてくる。
何というかユリっぽいというか、母娘の抱擁というか、傍目には少しばかり面倒な光景だろうなあ。
そしてそこでオレの目に、いや、オレの脳裏には無数の光景が一斉に流れる。
恐らく各地の聖女教会においてイロールが見ている光景だろう。
そこに写る聖女達はかなり動揺している様子だ。
先ほどオレが受けた『繋がりが断ち切られる感覚』を全ての聖女が抱いているに違いない。
『さあ。いまあなたはわたくしを通じて、全ての聖女に繋がっています。すぐに呼びかけて下さい』
こうなったらあれこれと考えている場合ではない。
「聖女の皆さん。聞いて下さい。わたしはアルタシャです」
この呼びかけに大勢の聖女達が息を呑む様子が感じられた。
アルタシャの事を知らない聖女達もいたようだが、否応なく『女神に準ずる存在』として認識した様子だ。
とにかく今は余計な事を考えさせる前に、話を進めるのだ。
「わたしが回復魔法を男女問わず使いこなせるように改めました。だからこれからは女性だけでなく男性でも回復魔法が使えるようになったのです。だから今後は男女関わりなく、癒しの女神イロールに仕える癒し手となる事が出来ます」
説明を省き、簡潔に断言してそこで連絡は打ち切る。
美辞麗句で飾るよりも、単刀直入に言い切った方が有効だと思ったからだ。
『よろしいでしょう。今のあなたの言葉は間違いなく、全ての聖女に伝わりました。もちろんこのわたくしも改めて、あなたの言葉が真実だと念を押しています』
実際には真実じゃないんだけど、真相はこうやって『偉大な女英雄アルタシャ』の伝説の中に組み込まれていくというわけだ。
「それで聖女たちの反応はどうですか?」
『困りましたね。いま神託が殺到しているところですよ』
元の世界で言えば『問い合わせのメールが秒単位で殺到している』というところか。まず間違いなく、大陸の全ての聖女教会が慌てて神託しているだろうからな。
そっちは全部、女神様にお任せするしかない。
それでどうにか事態は穏便に収拾出来るはずだ。
しかしこの場でどうしても確かめねばならない事もある。
「それではもう一つ確認したいのですが、あなたの化身となって女性化してしまったものを元に戻す事は出来ますか?」
『一度、化身となり、その姿をなったものを元に戻す力はわたくしにはありません。なぜなら女性に変異したのは傷や病気ではなく、癒しの対象ではないからです』
やっぱりそうなるか!
少なくとも性転換の真実をつかんでも男に戻れる見込みは最初から無かったし、そもそも聖女教会ですら『元に戻す』方法など知らなかったと言う事か。
「ならばどうすることも出来ないのですか?」
『わたくしには出来ないのは確かです。前にも言いましたが、わたくしには性転換の力などありませんからね。しかし他の神ならば可能かもしれません』
「その神について存じませんか?」
『わたくしの知る限りではそのような神はいませんね』
「分かりました。その件はもういいです」
ああ。やっぱり『最初の選ばれし者』が言っていた事と変わらないか。
つくづくこの女神は頼りにならないな。
どこかの神様なら可能かもしれない、なんて何の答えにもなっていない。
まあ本当に『女性を男性に出来る神様』なんていたら、大陸中を回ってきたオレが知らないはずがないからな。
少なくとも広く知られている神様ではない事は確かだ。
だがこれだけ大々的に男子を女子に変えていた聖女教会の実態すら殆ど知られていなかったのだから、正反対の事をしている教団があってもおかしくはないだろう。
しかし仮にそんな教団があったとしても、オレが聞いたところで『はいそうですか』と真実を教えてくれるわけがない。
それにその場合でもあくまでも『性転換して元に戻る』ではなく『男神の化身となってその姿に近づく』ものだから、オレが望んでいたものとは違う。
ええい。イロールが元に戻す事が出来ないと言う事が確認出来ただけでも一つの成果だと考えよう。
こうしている間にも性転換させられてしまっている男子もいるはずだからな。
「それでは急いで信徒達に呼びかけて下さい。そしてもう二度と、信徒をあなたの化身にする事は止めて下さい」
『もちろんそのつもりです。しかしその場合、今後はあなたも化身として助ける事は出来なくなりますよ』
なるほど。確かにそれは道理だな。
今まで何度も助けてもらったし、それが出来なくなれば困る事もあるかもしれない。
しかしそんな事など些細な話だ。
「構いません!」
『分かりました。それではわたくしはもう二度と、信徒からの化身を求める呼びかけには応じない事とします』
その言葉と共に、オレと『何かの繋がり』が急に断ち切られたように感じられる。
これによってオレも今後は『イロールの化身となる』事は出来なくなった事が漠然と理解出来た。
自分で望んだ事だし、もちろん後悔も無いが、それでも少しばかり寂寥感があるのは否定出来ないな。
しかし男子が性転換されることもなくなったわけで、その安堵の方がずっと大きいよ。
『それではあなたが信徒達に呼びかけて下さい』
そう言ってイロールは自らの身をオレに重ねて抱きしめてくる。
何というかユリっぽいというか、母娘の抱擁というか、傍目には少しばかり面倒な光景だろうなあ。
そしてそこでオレの目に、いや、オレの脳裏には無数の光景が一斉に流れる。
恐らく各地の聖女教会においてイロールが見ている光景だろう。
そこに写る聖女達はかなり動揺している様子だ。
先ほどオレが受けた『繋がりが断ち切られる感覚』を全ての聖女が抱いているに違いない。
『さあ。いまあなたはわたくしを通じて、全ての聖女に繋がっています。すぐに呼びかけて下さい』
こうなったらあれこれと考えている場合ではない。
「聖女の皆さん。聞いて下さい。わたしはアルタシャです」
この呼びかけに大勢の聖女達が息を呑む様子が感じられた。
アルタシャの事を知らない聖女達もいたようだが、否応なく『女神に準ずる存在』として認識した様子だ。
とにかく今は余計な事を考えさせる前に、話を進めるのだ。
「わたしが回復魔法を男女問わず使いこなせるように改めました。だからこれからは女性だけでなく男性でも回復魔法が使えるようになったのです。だから今後は男女関わりなく、癒しの女神イロールに仕える癒し手となる事が出来ます」
説明を省き、簡潔に断言してそこで連絡は打ち切る。
美辞麗句で飾るよりも、単刀直入に言い切った方が有効だと思ったからだ。
『よろしいでしょう。今のあなたの言葉は間違いなく、全ての聖女に伝わりました。もちろんこのわたくしも改めて、あなたの言葉が真実だと念を押しています』
実際には真実じゃないんだけど、真相はこうやって『偉大な女英雄アルタシャ』の伝説の中に組み込まれていくというわけだ。
「それで聖女たちの反応はどうですか?」
『困りましたね。いま神託が殺到しているところですよ』
元の世界で言えば『問い合わせのメールが秒単位で殺到している』というところか。まず間違いなく、大陸の全ての聖女教会が慌てて神託しているだろうからな。
そっちは全部、女神様にお任せするしかない。
それでどうにか事態は穏便に収拾出来るはずだ。
しかしこの場でどうしても確かめねばならない事もある。
「それではもう一つ確認したいのですが、あなたの化身となって女性化してしまったものを元に戻す事は出来ますか?」
『一度、化身となり、その姿をなったものを元に戻す力はわたくしにはありません。なぜなら女性に変異したのは傷や病気ではなく、癒しの対象ではないからです』
やっぱりそうなるか!
少なくとも性転換の真実をつかんでも男に戻れる見込みは最初から無かったし、そもそも聖女教会ですら『元に戻す』方法など知らなかったと言う事か。
「ならばどうすることも出来ないのですか?」
『わたくしには出来ないのは確かです。前にも言いましたが、わたくしには性転換の力などありませんからね。しかし他の神ならば可能かもしれません』
「その神について存じませんか?」
『わたくしの知る限りではそのような神はいませんね』
「分かりました。その件はもういいです」
ああ。やっぱり『最初の選ばれし者』が言っていた事と変わらないか。
つくづくこの女神は頼りにならないな。
どこかの神様なら可能かもしれない、なんて何の答えにもなっていない。
まあ本当に『女性を男性に出来る神様』なんていたら、大陸中を回ってきたオレが知らないはずがないからな。
少なくとも広く知られている神様ではない事は確かだ。
だがこれだけ大々的に男子を女子に変えていた聖女教会の実態すら殆ど知られていなかったのだから、正反対の事をしている教団があってもおかしくはないだろう。
しかし仮にそんな教団があったとしても、オレが聞いたところで『はいそうですか』と真実を教えてくれるわけがない。
それにその場合でもあくまでも『性転換して元に戻る』ではなく『男神の化身となってその姿に近づく』ものだから、オレが望んでいたものとは違う。
ええい。イロールが元に戻す事が出来ないと言う事が確認出来ただけでも一つの成果だと考えよう。
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