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第24章 全てはアルタシャのために?
第1197話 最後に助けになるものは
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オレの視界は一瞬にして押し寄せる廃神によって埋め尽くされた。
しかしこれぐらいの事なら今まで幾度もあったことだ。
その程度で慌てたりはしないさ。
「あなた方に取り込まれる気はありませんよ!」
ジストルに率いられた廃神に飲み込まれたオレは、先ほどと同じく自分に捧げられた信仰の力で奴らを近づけさせないようにしようとした。
だがどういうわけかオレのはなった霊力はなんの効果もなく、廃神の塊がオレの全身に取り付いてきた。
「な、なぜ?!」
『まだ分かっておらぬようだな。そなたはもう我が一部も同然なのだ』
ジストルの自信に満ちた言葉にオレは驚愕する。
「それは……どうして……」
『忘れたのか? 先ほど神造者の作り上げた化身を己の一部としたであろう。故にお前は一部と言えどカミツクリを受け入れたのだ』
しまった。神界の荒廃を止めるための助力とするつもり『アルタシャのコピー』を利用したけど、それはむしろ神造者の方が本職か。
そもそも他の教団に自分たちの信奉者を送り込むなり、司祭たちを籠絡するなりして乗っとるのも、神造者の常套手段だ。
今回は自分たちで作った『アルタシャのコピー』を用いて、オレが連中から力を引き出し、また信仰の焦点にした事で、本体であるオレ自身を取り込もうとしているらしい。
『なあに案ずるな。そなたは消えるわけではない。新たな神造者の教団において、大陸中の信仰を集める存在となるだろう』
もともとオレは信仰される事そのものには興味などない。
あくまでも目の前の危機を乗り切るために力を引き出しているだけだ。
『そなたは我と共に今の神造者を消去し、この危機を救った女神となるのだ』
おいおい。確かに現在の神造者が今の危機の元凶ではあるけど、ジストルは神界の荒廃に乗じて廃神達を使い危機を煽った側だろう。
それでその危機を自分が抑えたことにして、自分が改めて神になるつもりか。
いや。最初はそこまで考えてなくて、あくまでも復讐の一環だったのだろうけど、オレを手に入れる事で欲が出てきたのかもしれない。
まったく何だってオレはこうも『男運』に恵まれないのかね。
『既に数多くの信徒を抱えているそなたは真の神となって、永遠に崇拝されるであろう』
「だからわたしはそんな事は望んでいません」
『それぐらいは今までのそなたの行動を見ていれば分かる。神になろうとは思っていないのだろう?
「そうですよ! だからあなた方の要求には応じることは出来ません!」
『残念だがそなたの意志など関係無い。本人が望まぬまま神の列に加えられるのもしばしばある事だ。そして何よりカミツクリにおいては全ては信仰の合理性が優先されるのだ』
いや。だから人間の欲望の前にはその合理性が簡単に踏みにじられてしまうから、こうなっているわけなんだが。
結局のところジストル本人も自分の欲望には勝てないということか。
いや。ジストル自身が『偉大な存在になりたい』という自分の欲望を追求した結果として神話や伝説を自在に操る神造者という存在なのか。
そして次第にオレの意識は遠のいていく。このままでは本当に廃神達に、オレ自身もいまオレに向けられている崇拝も全て取り込まれ、利用されてしまうだろう。
だけどこのままではオレの意識がもう保てない――廃神達に文字通り身も心も何もかも好きにされてしまうのか。
今まで幾度もこんな危機に直面して、どうにか切り抜けてきたので今回もなんとかなるかと思っていたけど考えが甘すぎたか。
だが意識が遠のきかけたオレの脳裏に、落ち着いた安心させる声が響く。
【いいえ。あなたは間違ってはいませんよ】
「え? まさか?」
思わず意識を引き戻したのはオレの守護女神にして、自称『母』のイロールの呼びかけだった。
しかしジストルの方は『女神の介入』に対し何も驚きはしない。
『治癒の女神との繋がりがいかにあろうと、この神界では助けにはならぬぞ。ここは我らの領域だからな』
確かにさっきの声でオレは正気を少しは保てたけど、状況は何も変わっていない。このままでは奴らに取り込まれてしまうのは時間の問題だ。
【そんな事がありませんわ。確かにわたくしでは助けにはなりませんけど、アルタシャにはもっともっと力がありますからね】
『それがどれほどのものだろうと、神造者の領域では信仰の力を操る我に通用しない事が分からぬのか』
自信に満ちたジストルの言葉に対し、女神もまた同じように堂々とした声で答える。
【だから違うのですよ。アルタシャも思い出しなさい】
「どういうことですか?」
【信仰などとは無関係に、この大陸には幾らでも、喜んであなたの力となってくれる人たちがいるでしょう?】
それってもしかすると――
【あなたはこれまで何の見返りも求めず、苦難にある多くの人々を助けてきました。それらの人々のアルタシャに対する感謝と愛は決して絶える事はなく、今もあなたを加護し続けていますよ。この領域が何だろうと関係はありません】
オレの脳裏に浮かんだ女神は柔らかく、だが自信にあふれて断言した。
しかしこれぐらいの事なら今まで幾度もあったことだ。
その程度で慌てたりはしないさ。
「あなた方に取り込まれる気はありませんよ!」
ジストルに率いられた廃神に飲み込まれたオレは、先ほどと同じく自分に捧げられた信仰の力で奴らを近づけさせないようにしようとした。
だがどういうわけかオレのはなった霊力はなんの効果もなく、廃神の塊がオレの全身に取り付いてきた。
「な、なぜ?!」
『まだ分かっておらぬようだな。そなたはもう我が一部も同然なのだ』
ジストルの自信に満ちた言葉にオレは驚愕する。
「それは……どうして……」
『忘れたのか? 先ほど神造者の作り上げた化身を己の一部としたであろう。故にお前は一部と言えどカミツクリを受け入れたのだ』
しまった。神界の荒廃を止めるための助力とするつもり『アルタシャのコピー』を利用したけど、それはむしろ神造者の方が本職か。
そもそも他の教団に自分たちの信奉者を送り込むなり、司祭たちを籠絡するなりして乗っとるのも、神造者の常套手段だ。
今回は自分たちで作った『アルタシャのコピー』を用いて、オレが連中から力を引き出し、また信仰の焦点にした事で、本体であるオレ自身を取り込もうとしているらしい。
『なあに案ずるな。そなたは消えるわけではない。新たな神造者の教団において、大陸中の信仰を集める存在となるだろう』
もともとオレは信仰される事そのものには興味などない。
あくまでも目の前の危機を乗り切るために力を引き出しているだけだ。
『そなたは我と共に今の神造者を消去し、この危機を救った女神となるのだ』
おいおい。確かに現在の神造者が今の危機の元凶ではあるけど、ジストルは神界の荒廃に乗じて廃神達を使い危機を煽った側だろう。
それでその危機を自分が抑えたことにして、自分が改めて神になるつもりか。
いや。最初はそこまで考えてなくて、あくまでも復讐の一環だったのだろうけど、オレを手に入れる事で欲が出てきたのかもしれない。
まったく何だってオレはこうも『男運』に恵まれないのかね。
『既に数多くの信徒を抱えているそなたは真の神となって、永遠に崇拝されるであろう』
「だからわたしはそんな事は望んでいません」
『それぐらいは今までのそなたの行動を見ていれば分かる。神になろうとは思っていないのだろう?
「そうですよ! だからあなた方の要求には応じることは出来ません!」
『残念だがそなたの意志など関係無い。本人が望まぬまま神の列に加えられるのもしばしばある事だ。そして何よりカミツクリにおいては全ては信仰の合理性が優先されるのだ』
いや。だから人間の欲望の前にはその合理性が簡単に踏みにじられてしまうから、こうなっているわけなんだが。
結局のところジストル本人も自分の欲望には勝てないということか。
いや。ジストル自身が『偉大な存在になりたい』という自分の欲望を追求した結果として神話や伝説を自在に操る神造者という存在なのか。
そして次第にオレの意識は遠のいていく。このままでは本当に廃神達に、オレ自身もいまオレに向けられている崇拝も全て取り込まれ、利用されてしまうだろう。
だけどこのままではオレの意識がもう保てない――廃神達に文字通り身も心も何もかも好きにされてしまうのか。
今まで幾度もこんな危機に直面して、どうにか切り抜けてきたので今回もなんとかなるかと思っていたけど考えが甘すぎたか。
だが意識が遠のきかけたオレの脳裏に、落ち着いた安心させる声が響く。
【いいえ。あなたは間違ってはいませんよ】
「え? まさか?」
思わず意識を引き戻したのはオレの守護女神にして、自称『母』のイロールの呼びかけだった。
しかしジストルの方は『女神の介入』に対し何も驚きはしない。
『治癒の女神との繋がりがいかにあろうと、この神界では助けにはならぬぞ。ここは我らの領域だからな』
確かにさっきの声でオレは正気を少しは保てたけど、状況は何も変わっていない。このままでは奴らに取り込まれてしまうのは時間の問題だ。
【そんな事がありませんわ。確かにわたくしでは助けにはなりませんけど、アルタシャにはもっともっと力がありますからね】
『それがどれほどのものだろうと、神造者の領域では信仰の力を操る我に通用しない事が分からぬのか』
自信に満ちたジストルの言葉に対し、女神もまた同じように堂々とした声で答える。
【だから違うのですよ。アルタシャも思い出しなさい】
「どういうことですか?」
【信仰などとは無関係に、この大陸には幾らでも、喜んであなたの力となってくれる人たちがいるでしょう?】
それってもしかすると――
【あなたはこれまで何の見返りも求めず、苦難にある多くの人々を助けてきました。それらの人々のアルタシャに対する感謝と愛は決して絶える事はなく、今もあなたを加護し続けていますよ。この領域が何だろうと関係はありません】
オレの脳裏に浮かんだ女神は柔らかく、だが自信にあふれて断言した。
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