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第24章 全てはアルタシャのために?
第1239話 希望が垣間見えてきたか?
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まるで無力であるが見た目が典型的「亡者」なだけの連中が「飛んで火に入る夏の虫」で次々に消えていく中、オレの方は神界へのルートに力を注ぎ続ける。
確かに先までの隔たりが、少しずつ解消しているのは感じ取れるのだが、それでもまだまだ先は遠そうだ。
どうも神造者のさっきの暴走がこれだけの破壊をもたらしたというよりは、長年に神造者に限らず色々な負担がかかっていたのが、一気の崩壊してしまったのかもしれないな。
元の世界でも大事故の前にはいくつか前兆があるが、それが見逃され続けた結果だと聞いたことがある。
ひょっとするとオレがこの一年余りの間、大陸中で色々とやってきた「誰かの尻拭い」がその前兆だったのではないか、などと考えても意味のない幻想が胸中に湧き上がる。
「アルタシャ!そっちの様子はどうだ?」
「テセルこそ大丈夫ですか?」
体はきしむが、ここは少しでも気を紛らわせるとしよう。
何というか神話ではとんでもない苦行の話も枚挙にいとまは無いし、場合によってはそれこそが「神への道」なんて話もある。
もちろんオレはそんなの真っ平なので、出来る限り苦痛などない方がいいのだ――快楽落ちとかそんな方向もゴメンである。
「ふん!何を言っている?! このまま僕は神造者の頂点に立つのだ。大丈夫どころか絶好調だと言っていいな!」
「それなら心配は不要ですね……」
どう考えてもこれは「後で大失敗するフラグ」に思えるが、本人が有頂天な様子だから今は放置しておこう。
「それよりもアルタシャこそ上手くいっているのか?」
「そっちでは分からないのですか?」
オレにも一応はそれなりに効果があるとは思っている。
だが単にそんな気がしているだけかもしれないし、効果があっても今のままでは元に戻るまで何十年もかかるとか、そんなとんでもない事だってありうるのだ。
「僕にはアルタシャの事しか見えていないから……いて!」
恐らくあちらでミシェルがテセルのあまりの軽口に怒って殴りつけたな。
ミシェルも協力しているのは間違い無いが、彼女はまだ「常識人」だからこの行為がいかにヤバいかは理解しているはずだ。
実際、これで成功すればまだしも失敗すればテセルが主犯、ミシェルも共犯で厳しい処罰は避けられないだろう。
「本当にこちらの機材ではアルタシャの事しか分からないんだ。強力な霊力を有する存在を追うことしか出来ないからな」
どうやら『オレの存在』を追跡しているだけだったらしい。
やっぱりオレに付きまとう男達はみんなストーカーみたいなものだな、というのはあまりにも言い過ぎか。
こっちは人間世界を遥かに離れた神界の外れにいるのだからな。オレが暗闇の中で閃光のごとき凄まじい魔力を発していなければ、とても見つかる筈がなかったろう。
今となっては一度、打ち切って改めて状況を把握すべきだろうか。
だが今でもオレの身にはどんどん膨大な霊力が流れ込んでいるのだ。
ダメだ。ここで中断するにしても改めて大陸中の人間たちに呼びかけねばならないが、収拾がつかなくなりそうだ。
しかもオレの身を通過するだけでも、大きな負担となる膨大なエネルギーだ。ここで放つのを辞めたら、体が木っ端微塵になってしまうだろう。
何でもそうだが「始めるよりも、終わらせる方が難しい」という話を聞いていたが、悔やんでもどうしようもない。
こうなってはオレの身が持つ限り、神界との繋がりの修復を続けるしかない。
ううむ。ドンドン苦しくなっていく。
いつ終わるか分からない状態で、体がきしみ続けるのは、精神にヤスリをかけるような厳しい状況だ。
毎度の事であるが、こんな経験が幾度もなかったらとっくにパニックに陥ってただろうな。
そう考えると今まで積み重ねた苦難の数々も、全てはこの危機を乗り切るためのものだった――なんて都合のいい事はありえない。
だがそこでオレの耳には、今度はテセル以外の呼びかけが響いてくる。
『もしかしてアルタシャ……わたくしの声が聞こえますか?』
「えええ?! もしかしてあなたは?」
この声はオレの守護女神にして自称「母」のイロールか?
それが聞こえると言う事は、どうにか神界との繋がりが回復しているという事だろうか?
『信徒たちとまるで繋がらず様子も分からず、どうなっているのか困っていたところなのですよ』
相変わらず無駄に落ち着いているというよりは、事態の深刻さを理解していない態度だな。
自分の教団が何百年も男子を性転換させていたことを知らなかったのだから、少しばかり信徒と連絡が取れなくてもそれほど騒ぎはしないか。
『ようやくアルタシャと連絡が取れてホッとしました』
「つまり……まだ一般の信徒には繋がっていないのですね?」
『はい。そうですよ』
どうやらオレと同等クラスでようやく神と繋がるぐらいには「橋」は回復してきたらしい。
努力が少しは報われたという気もするが、オレと同等なんてまずいないから、まだまだ足りないと言う事である。
きしむ体にむち打って何とか完遂せねばなるまい!
確かに先までの隔たりが、少しずつ解消しているのは感じ取れるのだが、それでもまだまだ先は遠そうだ。
どうも神造者のさっきの暴走がこれだけの破壊をもたらしたというよりは、長年に神造者に限らず色々な負担がかかっていたのが、一気の崩壊してしまったのかもしれないな。
元の世界でも大事故の前にはいくつか前兆があるが、それが見逃され続けた結果だと聞いたことがある。
ひょっとするとオレがこの一年余りの間、大陸中で色々とやってきた「誰かの尻拭い」がその前兆だったのではないか、などと考えても意味のない幻想が胸中に湧き上がる。
「アルタシャ!そっちの様子はどうだ?」
「テセルこそ大丈夫ですか?」
体はきしむが、ここは少しでも気を紛らわせるとしよう。
何というか神話ではとんでもない苦行の話も枚挙にいとまは無いし、場合によってはそれこそが「神への道」なんて話もある。
もちろんオレはそんなの真っ平なので、出来る限り苦痛などない方がいいのだ――快楽落ちとかそんな方向もゴメンである。
「ふん!何を言っている?! このまま僕は神造者の頂点に立つのだ。大丈夫どころか絶好調だと言っていいな!」
「それなら心配は不要ですね……」
どう考えてもこれは「後で大失敗するフラグ」に思えるが、本人が有頂天な様子だから今は放置しておこう。
「それよりもアルタシャこそ上手くいっているのか?」
「そっちでは分からないのですか?」
オレにも一応はそれなりに効果があるとは思っている。
だが単にそんな気がしているだけかもしれないし、効果があっても今のままでは元に戻るまで何十年もかかるとか、そんなとんでもない事だってありうるのだ。
「僕にはアルタシャの事しか見えていないから……いて!」
恐らくあちらでミシェルがテセルのあまりの軽口に怒って殴りつけたな。
ミシェルも協力しているのは間違い無いが、彼女はまだ「常識人」だからこの行為がいかにヤバいかは理解しているはずだ。
実際、これで成功すればまだしも失敗すればテセルが主犯、ミシェルも共犯で厳しい処罰は避けられないだろう。
「本当にこちらの機材ではアルタシャの事しか分からないんだ。強力な霊力を有する存在を追うことしか出来ないからな」
どうやら『オレの存在』を追跡しているだけだったらしい。
やっぱりオレに付きまとう男達はみんなストーカーみたいなものだな、というのはあまりにも言い過ぎか。
こっちは人間世界を遥かに離れた神界の外れにいるのだからな。オレが暗闇の中で閃光のごとき凄まじい魔力を発していなければ、とても見つかる筈がなかったろう。
今となっては一度、打ち切って改めて状況を把握すべきだろうか。
だが今でもオレの身にはどんどん膨大な霊力が流れ込んでいるのだ。
ダメだ。ここで中断するにしても改めて大陸中の人間たちに呼びかけねばならないが、収拾がつかなくなりそうだ。
しかもオレの身を通過するだけでも、大きな負担となる膨大なエネルギーだ。ここで放つのを辞めたら、体が木っ端微塵になってしまうだろう。
何でもそうだが「始めるよりも、終わらせる方が難しい」という話を聞いていたが、悔やんでもどうしようもない。
こうなってはオレの身が持つ限り、神界との繋がりの修復を続けるしかない。
ううむ。ドンドン苦しくなっていく。
いつ終わるか分からない状態で、体がきしみ続けるのは、精神にヤスリをかけるような厳しい状況だ。
毎度の事であるが、こんな経験が幾度もなかったらとっくにパニックに陥ってただろうな。
そう考えると今まで積み重ねた苦難の数々も、全てはこの危機を乗り切るためのものだった――なんて都合のいい事はありえない。
だがそこでオレの耳には、今度はテセル以外の呼びかけが響いてくる。
『もしかしてアルタシャ……わたくしの声が聞こえますか?』
「えええ?! もしかしてあなたは?」
この声はオレの守護女神にして自称「母」のイロールか?
それが聞こえると言う事は、どうにか神界との繋がりが回復しているという事だろうか?
『信徒たちとまるで繋がらず様子も分からず、どうなっているのか困っていたところなのですよ』
相変わらず無駄に落ち着いているというよりは、事態の深刻さを理解していない態度だな。
自分の教団が何百年も男子を性転換させていたことを知らなかったのだから、少しばかり信徒と連絡が取れなくてもそれほど騒ぎはしないか。
『ようやくアルタシャと連絡が取れてホッとしました』
「つまり……まだ一般の信徒には繋がっていないのですね?」
『はい。そうですよ』
どうやらオレと同等クラスでようやく神と繋がるぐらいには「橋」は回復してきたらしい。
努力が少しは報われたという気もするが、オレと同等なんてまずいないから、まだまだ足りないと言う事である。
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