異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

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第24章 全てはアルタシャのために?

第1244話 多くの男を手玉にとる悪女のごとく

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 いつの間にかオレの周囲には大勢の男たちが姿を見せている。
 大部分は着飾った貴族らしい中年の男性で、途中で出会った「街の神」あたりだろう。
 そういう神は多くの場合「その街にふさわしい貴族の姿」を取るので、基本的には似たような外見になる。
 元の世界の政治家がみんなお堅い決まりきった外見をしているのと、相通ずるところもあるだろうな。
 それ以外では頭部がオオカミなのもいるが、おそらく以前に出会った狼部族の神である「吠え猛るもの」かな。
 他にもちょっとばかり関わって、別れたと思しき連中がチラホラ見えるぞ。

『アルタシャ。これはどういうことだ? この連中は何者だ?』
『それはこっちのセリフだ。お前こそ何者だ?』

 当然というか、オレの呼びかけを聞いていそいそと駆けつけたら、周囲に他の男どもが大勢いたわけだから、どいつもこいつも当てが外れたと言わんばかりだ。
 恐らくはこいつらの中にはオレと恋人どころか「夫婦神」として一緒に崇拝されている連中もいるはず。
 信徒たちが勝手にやったことだと言うかもしれないが、こっちにすればそれでいろいろ困った事にもなっているのだ。
 本当に神になってしまったら、こういう文句にもいちいち付き合わされるのか。もっともイロールはあんまり「夫神」の事を気にしていなかったようだから、それも慣れの問題かもしれない。
 元の世界ではハーレムに憧れていたオレだが、真面目に考えるとハーレムなんて出来るもんじゃないよなあ。
 それはともかくこのままでは収拾がつかない。

「みなさん。よく来て下さいました。ありがとうございます」

 ひとまず声をかけて落ち着いてもらうとしよう。

『これはどういうことなんだ?!』
『なぜアルタシャの呼びかけに他の男がいるのだ?』

 あんたらだって広い地域で崇拝されていたら、奥さんの神も何人もいるだろ。
 いや。そもそも多くの神様は別に一夫一婦制じゃないから、街の神様だって複数の奥さんいてもおかしくないな。
 恐らくは「妻の神」と会うときは、それぞれの相手の神の領域であうので別の神は出てこないのだろうな。
 たとえ小さな街の神でも、自分の街の中では主神であり、たとえ相手が大陸中で崇拝されている神だろうと土足で踏み込めないからな。
 そんなわけで今回のように総出演というのは普通ありえないわけだ。
 そしてオレは事情を説明する。連中も一斉に文句を言っているが、幸か不幸かこの領域では音声ではなく、当人の意志で呼びかける形になっているので、いくら大勢でも全員と話が出来る様子なのはありがたい。

「いまは神々と信徒との繋がりが絶たれてしまっています!これは他の神にも確認したので間違いありません!」

 オレの宣言を受けて周囲の空気が変わる。

「このままでは永久にあなた方と信徒との繋がりが消えてしまうかもしれないのですよ!」
『……』

 どちらかと言えばやはり半信半疑だな。
 これまで聞いた事からすると「同様の事は神の基準ではたまにある」からのようだ。
 元の世界の神話でも「神様が修行中」とか「罰を受けていた」とかで不在中にとんでもない事が起きてしまう、という話はたまにあったな。

「本当です。わたしがここに来たのも、皆さんを呼んだのも神界と人間界を再び繋ぐためなんです!」

 これだけ言ったところで、殆どの連中は息を呑んだようだ。

『初めてアルタシャの方から呼んでくれたから、喜んで駆けつけたらそのような事だったとはな……』

 神々が事態の深刻さを理解したのか、それともマジでオレが「チョメチョメしたい」と思って呼んだと思って喜びいさんで駆けつけたら違ったから不満なのか、とにかく複雑な空気が周囲を満たす。
 大神であるアンブラールだったら他の神を無視して「手助けしてもいいから、その前にやらせろ」なんて言い出したかもしれない。
 だが幸いにもいまここにいる連中は、お互いに牽制が出来る程度に力が拮抗しているのでそこまで突出した事を言い出す輩はいない。

『分かった。それではアルタシャは我、いや。我らに何を求めるのだ?』

 普通に信仰されている大抵の男神は、怒って災害をもたらすパターンはあるにしろ、女性を無理やりヤルのはそんなに多くないし、オレもそういうのとは殆ど付き合いがない。
 以前に戦場での略奪や殺戮を司る「地獄の轟き」なんて神に出会ってしまった事もあるが、そういうのは例外だ。

「もちろんこれから神界と人間世界の繋がりを修復するために、皆さんの力を貸して欲しいのです!」

 当然、そんな事が権能の内に含まれる神はいないだろう。だが直接、修復するのではなく、何らかの助力ならば可能なはずだ。
 そしてこれだけ男神――少なからずオレの恋人なり夫なりを自称している連中が含まれる――がいればまあ襲われる事も無いだろう。
 これが元の世界のエロゲーだったら「全員にチョメチョメさせられるバッドエンド」展開になだれ込んだのだろうな、などとアホらしい妄想が脳裏をよぎる。
 世界の命運がかかっているときに、神々を手玉にとりつつこんな事を考えていられるのは我ながら神経が図太くなったものである。
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