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オメガだからって甘く見てるから溺愛する羽目になるんだよっ!
ルノワール・シェリング侯爵(バカ)
「うがぁぁぁ……ちょっとしたジョークだったのにぃ~。酷いじゃないかぁ~」
オレの目前ではルノワール・シェリング侯爵(22歳)が股間を押さえてうめいていた。
天蓋付きのデカいベッドで素っ裸の美形が股間押さえてうめくという図はシュールである。
ちょっと事件っぽさすらある。
「……とりあえず何か着ろ」
オレ(ミカエル・ランバート伯爵家三男(18歳))はガウンを裸の男に向かって放り投げた。
ついさっきまではご機嫌だったのだ。
気分よく風呂から上がってきたのに、ドア開けた途端に裸の侯爵とのご対面である。
素っ裸ゆえ侯爵の侯爵ともしっかりご対面を終えた。
ご対面すべきところが違う。間違っている。オレは箱入りオメガの18歳である。
ついこの間まで未成年だったのに、成人した途端に変態が解禁されるとは何事だ。
夢見る乙女ではないけれど現実が過酷すぎるだろう。お兄さまのお兄さまも見たことないのに、ふざけんな。
いきなり抱き上げてベッドに連れ込むとか、体の下に組み敷くとか、なんなの?
サラッサラの銀髪とか、澄んだ青い瞳とか、長い睫毛とか、スッと通った鼻梁とか、薄くもなく厚くもなく形のよい唇とか、バッキバキの腹筋とか、オレを余裕で抱えられる筋力とか、清涼感ある良い匂いとか、手触りのよい肌とか、なんかイロイロと持ってたって許さないんだからな。ぷんぷん。
「ジョークでも『オメガにヤる以外の価値などない』なんて言うバカは股間蹴られても文句言えないだろっ!」
「うぅ~」
ルノワール・シェリング侯爵(素っ裸)は、うめきながらゴソゴソとガウンを羽織った。
なんだ、そのみっともない動きはっ!
みっともなさもなんかカワイイとか思えるアルファ、許すまじ。
「ホントにもう……コッチだって突然のことでアレだっつーのに……もうっ……もうっ……」
オレの心の底からこぼれ出る愚痴に反応して、ルノワール(バカ)が上目遣いでコッチを見た。
「だからぁ、ゴメンって」
「軽いっ」
激おこぷんぷん演技モードにしとこうかな、と、思っていたのにコイツ見てるとムカつくんですけど、なんなの。
「もう、堅い~。男同士のジョークじゃないか~。ミカエルちゃん、堅い~」
「そーゆー問題じゃないっ。それにミカエルちゃんってなんだよっ」
「ううっ……男同士のじゃれ合い……学校じゃ、よくあることじゃないかぁ~」
なんだコイツは。オメガのオレが、そんなこと知るわけないじゃないかっ。
「オレはオメガだからっ。屋敷から出たことすらないんだよっ」
「え?」
「っていうか、ココに来たのが初めての外出なのっ」
「は?」
ポカンとするアルファさまも可愛げがあってよろしい。
じゃなくてっ。
「そもそも、学校なんて行ってないしっ」
「んん? でも男……」
なんで、こんな場面では簡単に男扱いされんの?
「オレはっ、オメガだからっ。普通になんて暮らせないのっ」
話が通じないっ。世間一般でのオメガの扱いってなんなの? 存在そのものがジョークなの?
かなりシリアスにオレの人生を狂わせてるのにっ。
オメガってナニ? 都市伝説なの? オレの苦労は、なんだったの?
「もうっ、もうっ。王命で仕方なく嫁いだ夫が、とんだバカっ」
「ヒドイ」
「どっちが⁉」
オレはガウンを羽織ってベッドから降りた男を眺めた。
「アンタはどうせアルファなんだろ?」
身長は兄たちよりも低いけれど、恵まれた体格をしている。適度に付いた引き締まった筋肉。長い手足。容姿にも地位にも経済的にも恵まれた男の人生なら楽勝だろう。
「襲われることを心配して、学校に行くどころか家庭教師を頼むのにも慎重にならざる負えないオメガの生活なんて想像もできないんだろっ」
「確かに私はアルファだけど……女に迫られたり、襲われたりはするよ?」
「襲われる、の、中身がちがぁーうっ」
あ、やっぱ。アルファとは分かり合える気がしない。兄たちもアルファだけど。
ルノワール・シェリング侯爵(バカ)とは分かり合える気がしない。
「まぁーまぁー、落ち着いて?」
「落ち着けるかっ」
「国王さまとは幼馴染なので、明日にでも王命の理由を聞きに行こ?」
「……」
あーくそっ。
人間関係にまで恵まれているのかよ、このバカは。チクショー。
「だから、今日のところは一緒に寝「イヤですっ」」
オレは食い気味に即答した。
どういう思考回路してんだよ、このバカは。
「オレはひとりで寝ます。はい、おやすみなさい」
ルノワール・シェリング侯爵(当主)は、シュンとうなだれ、すごすごと部屋を出て行った。
奥さま部屋と夫婦の寝室、バカの部屋は内扉で繋がっているらしい。
廊下に出なくても行き来できるのは便利だけど、簡単に入って来られるのは考えものだ。
オレはバカが出て行ったあとに内扉の鍵をしっかりとかけた。
なんか動機息切れが酷いけど、不整脈かな? たぶん気のせいだけどなっ!
オレの目前ではルノワール・シェリング侯爵(22歳)が股間を押さえてうめいていた。
天蓋付きのデカいベッドで素っ裸の美形が股間押さえてうめくという図はシュールである。
ちょっと事件っぽさすらある。
「……とりあえず何か着ろ」
オレ(ミカエル・ランバート伯爵家三男(18歳))はガウンを裸の男に向かって放り投げた。
ついさっきまではご機嫌だったのだ。
気分よく風呂から上がってきたのに、ドア開けた途端に裸の侯爵とのご対面である。
素っ裸ゆえ侯爵の侯爵ともしっかりご対面を終えた。
ご対面すべきところが違う。間違っている。オレは箱入りオメガの18歳である。
ついこの間まで未成年だったのに、成人した途端に変態が解禁されるとは何事だ。
夢見る乙女ではないけれど現実が過酷すぎるだろう。お兄さまのお兄さまも見たことないのに、ふざけんな。
いきなり抱き上げてベッドに連れ込むとか、体の下に組み敷くとか、なんなの?
サラッサラの銀髪とか、澄んだ青い瞳とか、長い睫毛とか、スッと通った鼻梁とか、薄くもなく厚くもなく形のよい唇とか、バッキバキの腹筋とか、オレを余裕で抱えられる筋力とか、清涼感ある良い匂いとか、手触りのよい肌とか、なんかイロイロと持ってたって許さないんだからな。ぷんぷん。
「ジョークでも『オメガにヤる以外の価値などない』なんて言うバカは股間蹴られても文句言えないだろっ!」
「うぅ~」
ルノワール・シェリング侯爵(素っ裸)は、うめきながらゴソゴソとガウンを羽織った。
なんだ、そのみっともない動きはっ!
みっともなさもなんかカワイイとか思えるアルファ、許すまじ。
「ホントにもう……コッチだって突然のことでアレだっつーのに……もうっ……もうっ……」
オレの心の底からこぼれ出る愚痴に反応して、ルノワール(バカ)が上目遣いでコッチを見た。
「だからぁ、ゴメンって」
「軽いっ」
激おこぷんぷん演技モードにしとこうかな、と、思っていたのにコイツ見てるとムカつくんですけど、なんなの。
「もう、堅い~。男同士のジョークじゃないか~。ミカエルちゃん、堅い~」
「そーゆー問題じゃないっ。それにミカエルちゃんってなんだよっ」
「ううっ……男同士のじゃれ合い……学校じゃ、よくあることじゃないかぁ~」
なんだコイツは。オメガのオレが、そんなこと知るわけないじゃないかっ。
「オレはオメガだからっ。屋敷から出たことすらないんだよっ」
「え?」
「っていうか、ココに来たのが初めての外出なのっ」
「は?」
ポカンとするアルファさまも可愛げがあってよろしい。
じゃなくてっ。
「そもそも、学校なんて行ってないしっ」
「んん? でも男……」
なんで、こんな場面では簡単に男扱いされんの?
「オレはっ、オメガだからっ。普通になんて暮らせないのっ」
話が通じないっ。世間一般でのオメガの扱いってなんなの? 存在そのものがジョークなの?
かなりシリアスにオレの人生を狂わせてるのにっ。
オメガってナニ? 都市伝説なの? オレの苦労は、なんだったの?
「もうっ、もうっ。王命で仕方なく嫁いだ夫が、とんだバカっ」
「ヒドイ」
「どっちが⁉」
オレはガウンを羽織ってベッドから降りた男を眺めた。
「アンタはどうせアルファなんだろ?」
身長は兄たちよりも低いけれど、恵まれた体格をしている。適度に付いた引き締まった筋肉。長い手足。容姿にも地位にも経済的にも恵まれた男の人生なら楽勝だろう。
「襲われることを心配して、学校に行くどころか家庭教師を頼むのにも慎重にならざる負えないオメガの生活なんて想像もできないんだろっ」
「確かに私はアルファだけど……女に迫られたり、襲われたりはするよ?」
「襲われる、の、中身がちがぁーうっ」
あ、やっぱ。アルファとは分かり合える気がしない。兄たちもアルファだけど。
ルノワール・シェリング侯爵(バカ)とは分かり合える気がしない。
「まぁーまぁー、落ち着いて?」
「落ち着けるかっ」
「国王さまとは幼馴染なので、明日にでも王命の理由を聞きに行こ?」
「……」
あーくそっ。
人間関係にまで恵まれているのかよ、このバカは。チクショー。
「だから、今日のところは一緒に寝「イヤですっ」」
オレは食い気味に即答した。
どういう思考回路してんだよ、このバカは。
「オレはひとりで寝ます。はい、おやすみなさい」
ルノワール・シェリング侯爵(当主)は、シュンとうなだれ、すごすごと部屋を出て行った。
奥さま部屋と夫婦の寝室、バカの部屋は内扉で繋がっているらしい。
廊下に出なくても行き来できるのは便利だけど、簡単に入って来られるのは考えものだ。
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