17 / 25
第17話 愛を交わそう
「ちょっ……ちょっと、イーリスさま?」
ラファーガは、イーリスに組み敷かれてうろたえた。
低い声が妙に上ずっているのが自分でも分かる。
「私は全然、準備とかしていないのですが⁉」
「あ、準備が必要なのは分かってるんですね。それは良かった」
ラファーガの反応に満足そうな笑みを見せたイーリスは、上から彼の顔を眺めて微笑んだ。
そして右手の人差し指をラファーガに見せながら、魔法でピュンと水を飛ばして見せた。
「オレに任せておいてください」
「ぇ……」
ラファーガは、その用途に思い至って全身を赤く染めた。
湯あみ後でガウンを羽織っていた彼の体は、いつの間にか半分ほど裸体を晒している。
「その様子だと、何をするのかは分かっているみたいですね」
「ん……」
イーリスがクスクス笑いながら言うので、ラファーガは真っ赤になった顔を背けた。
「そ……そういう、イリーナさまは、経験がおありで?」
ラファーガは28歳だが、童貞処女だ。
(私はイーリスさまに片思いしたまま魔王軍との戦いに出向いてしまったから……でも、イーリスさまは30歳。過去に恋人の1人や2人いても不思議ないし……。そもそもイーリスさまはモテるから)
「ははっ。オレも経験はないですよ、ラファーガさま」
「え? だってイーリスさまはモテるのに……」
「ふふ。モテるのは否定しませんよ。モテ過ぎて老若男女問わず襲われることが多かったですね。逃げるのが精一杯で恋人を作る暇とかありませんでしたよ。それに……」
イーリスは意味ありげに言葉を切り、ラファーガを見下ろした。
「初恋の人は、戦地に行っちゃってましたからね」
「っ⁉」
ラファーガが何かを言う前に、その口はイーリスの唇に塞がれた。
そこからイーリスはノリノリでラファーガを抱いた。
◇◇◇
(凄かった……)
翌日、目が覚めたラファーガは自分の体調を確認しながら思った。
(なんだかとてもスッキリしている。しかしなんだかとっても筋肉が疲れている気もするな? 最近は鍛錬をサボりがちだったのは確かだが……私は体力自慢なのだか。なんだかあちこち痛いぞ?)
イーリスは、水の魔法でロマンチックナイトを演出しつつ実用としてもしっかり活用した。
恥ずかしがって声を上げないラファーガのために、室内は隠匿魔法で甘く隠された。
(私の腹あたりに魔王の刻んだ紋があったらしいが……イーリスさまのあ、愛を受けて消えたらしいし)
昨夜のことを思いだして、ラファーガは両手のひらで顔を隠し、ベッドの上でゴロゴロと転がった。
そして気付く。
(おや。体が綺麗になってる。ぁ……そうか、イーリスさまが水魔法で……)
昨夜のアレヤコレヤを鮮明に思い出したラファーガは、再び両手のひらで顔を覆ったまま、ベッドの上でゴロゴロと転がっていた。
「おや、ラファーガ。起きたんですね。体調はいかがですか?」
イーリスの声がして、ラファーガは両手のひらの間からそちらを見上げた。
「どうしました? どこか痛いところでも?」
イーリスはクスクスと笑いながらベッドの端に座わると、ラファーガを覗き込んだ。
「だっ、大丈夫です。イーリスさま」
「おや? 昨夜「イーリス」と呼び捨てにするとお約束したはずですが。忘れてしまわれましたか?」
イーリスの指がスゥーとラファーガの手の甲を撫でた。
(そうだった!)
「えっと……イーリス」
「はい。ラファーガ。イーリスは身も、心も、あなたの夫ですよ。ラファーガは、身も、心もオレの夫でしょ?」
「うっ……。も、もちろん」
恥ずかしそうに答えるラファーガの手を、イーリスはそっと握る。
そしてゆっくりラファーガの顔から外して、その顔を覗き込む。
ラファーガは、イーリスを見つめ返した。
(吸い込まれそうな青い瞳。この人が私の夫……夢みたいだ)
夢ではないことは、昨夜、散々体に教えられた。
この青い瞳が自分の体を見て、欲情に染まるところも見た。
(それでも夢みたいだ……)
イーリスがフッと笑いを漏らす気配がして、ジッと見つめている青い瞳が徐々にラファーガへと近付いて来た。
唇が唇に重なり、イーリスの白い手が、ラファーガの褐色の肌を意図をもって探り始める。
「ちょっ……イーリス⁉ そろそろエタンセルが来る頃だけど⁉」
「それは大丈夫。人払いをお願いしておいたからね。食事がしたければ、軽い物を用意してもらったから、オレが食べさせてあげる」
「えっ⁉」
ラファーガがよくよく室内を見れば、扉の前にワゴンが置かれていた。
ピクニックに持っていくような容器の隣に、空の皿やカップが置かれている。
「時間が経っても問題ないように、用意してもらったからさ。安心して?」
「えっ⁉ 何をどう安心すれば⁉」
ジタバタするラファーガの大きな体は起き上がることを許されず、イーリスの白くて思いのほか大きな体の下組み敷かれてしまった。
こうしてラファーガは見事に魔王の呪いから復活したのだった。
ラファーガは、イーリスに組み敷かれてうろたえた。
低い声が妙に上ずっているのが自分でも分かる。
「私は全然、準備とかしていないのですが⁉」
「あ、準備が必要なのは分かってるんですね。それは良かった」
ラファーガの反応に満足そうな笑みを見せたイーリスは、上から彼の顔を眺めて微笑んだ。
そして右手の人差し指をラファーガに見せながら、魔法でピュンと水を飛ばして見せた。
「オレに任せておいてください」
「ぇ……」
ラファーガは、その用途に思い至って全身を赤く染めた。
湯あみ後でガウンを羽織っていた彼の体は、いつの間にか半分ほど裸体を晒している。
「その様子だと、何をするのかは分かっているみたいですね」
「ん……」
イーリスがクスクス笑いながら言うので、ラファーガは真っ赤になった顔を背けた。
「そ……そういう、イリーナさまは、経験がおありで?」
ラファーガは28歳だが、童貞処女だ。
(私はイーリスさまに片思いしたまま魔王軍との戦いに出向いてしまったから……でも、イーリスさまは30歳。過去に恋人の1人や2人いても不思議ないし……。そもそもイーリスさまはモテるから)
「ははっ。オレも経験はないですよ、ラファーガさま」
「え? だってイーリスさまはモテるのに……」
「ふふ。モテるのは否定しませんよ。モテ過ぎて老若男女問わず襲われることが多かったですね。逃げるのが精一杯で恋人を作る暇とかありませんでしたよ。それに……」
イーリスは意味ありげに言葉を切り、ラファーガを見下ろした。
「初恋の人は、戦地に行っちゃってましたからね」
「っ⁉」
ラファーガが何かを言う前に、その口はイーリスの唇に塞がれた。
そこからイーリスはノリノリでラファーガを抱いた。
◇◇◇
(凄かった……)
翌日、目が覚めたラファーガは自分の体調を確認しながら思った。
(なんだかとてもスッキリしている。しかしなんだかとっても筋肉が疲れている気もするな? 最近は鍛錬をサボりがちだったのは確かだが……私は体力自慢なのだか。なんだかあちこち痛いぞ?)
イーリスは、水の魔法でロマンチックナイトを演出しつつ実用としてもしっかり活用した。
恥ずかしがって声を上げないラファーガのために、室内は隠匿魔法で甘く隠された。
(私の腹あたりに魔王の刻んだ紋があったらしいが……イーリスさまのあ、愛を受けて消えたらしいし)
昨夜のことを思いだして、ラファーガは両手のひらで顔を隠し、ベッドの上でゴロゴロと転がった。
そして気付く。
(おや。体が綺麗になってる。ぁ……そうか、イーリスさまが水魔法で……)
昨夜のアレヤコレヤを鮮明に思い出したラファーガは、再び両手のひらで顔を覆ったまま、ベッドの上でゴロゴロと転がっていた。
「おや、ラファーガ。起きたんですね。体調はいかがですか?」
イーリスの声がして、ラファーガは両手のひらの間からそちらを見上げた。
「どうしました? どこか痛いところでも?」
イーリスはクスクスと笑いながらベッドの端に座わると、ラファーガを覗き込んだ。
「だっ、大丈夫です。イーリスさま」
「おや? 昨夜「イーリス」と呼び捨てにするとお約束したはずですが。忘れてしまわれましたか?」
イーリスの指がスゥーとラファーガの手の甲を撫でた。
(そうだった!)
「えっと……イーリス」
「はい。ラファーガ。イーリスは身も、心も、あなたの夫ですよ。ラファーガは、身も、心もオレの夫でしょ?」
「うっ……。も、もちろん」
恥ずかしそうに答えるラファーガの手を、イーリスはそっと握る。
そしてゆっくりラファーガの顔から外して、その顔を覗き込む。
ラファーガは、イーリスを見つめ返した。
(吸い込まれそうな青い瞳。この人が私の夫……夢みたいだ)
夢ではないことは、昨夜、散々体に教えられた。
この青い瞳が自分の体を見て、欲情に染まるところも見た。
(それでも夢みたいだ……)
イーリスがフッと笑いを漏らす気配がして、ジッと見つめている青い瞳が徐々にラファーガへと近付いて来た。
唇が唇に重なり、イーリスの白い手が、ラファーガの褐色の肌を意図をもって探り始める。
「ちょっ……イーリス⁉ そろそろエタンセルが来る頃だけど⁉」
「それは大丈夫。人払いをお願いしておいたからね。食事がしたければ、軽い物を用意してもらったから、オレが食べさせてあげる」
「えっ⁉」
ラファーガがよくよく室内を見れば、扉の前にワゴンが置かれていた。
ピクニックに持っていくような容器の隣に、空の皿やカップが置かれている。
「時間が経っても問題ないように、用意してもらったからさ。安心して?」
「えっ⁉ 何をどう安心すれば⁉」
ジタバタするラファーガの大きな体は起き上がることを許されず、イーリスの白くて思いのほか大きな体の下組み敷かれてしまった。
こうしてラファーガは見事に魔王の呪いから復活したのだった。
あなたにおすすめの小説
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。
神子は二度、姿を現す
江多之折(エタノール)
BL
1/7外伝含め完結
ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。
死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが
神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。
戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。
王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。
※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。
描写はキスまでの全年齢BL
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
北部には精霊使いがいるらしい
どね
BL
アルタエン王国の魔術師ツイディアは、北部公爵レヴィアの精霊の声が聞こえていた。
今まで聞こえていた言葉が自分に向けられていると知り、王太子ルカサから新たな指示を出されてしまう。
「しかし、殿下。私たちはどちらも男です」
「婚約を申し込もう」
ツイディアはルカサに振り回されながら、レヴィアと幸せへの道を辿ってゆく。
※誤字脱字すみません。適宜修正します!
※最終話まで予約投稿してます。
※Rな話には(※)つけました……背後よろしくお願いします
【完結】浮薄な文官は嘘をつく
七咲陸
BL
『薄幸文官志望は嘘をつく』 続編。
イヴ=スタームは王立騎士団の経理部の文官であった。
父に「スターム家再興のため、カシミール=グランティーノに近づき、篭絡し、金を引き出せ」と命令を受ける。
イヴはスターム家特有の治癒の力を使って、頭痛に悩んでいたカシミールに近づくことに成功してしまう。
カシミールに、「どうして俺の治癒をするのか教えてくれ」と言われ、焦ったイヴは『カシミールを好きだから』と嘘をついてしまった。
そう、これは───
浮薄で、浅はかな文官が、嘘をついたせいで全てを失った物語。
□『薄幸文官志望は嘘をつく』を読まなくても出来る限り大丈夫なようにしています。
□全17話
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**