れおぽん短編集

天田れおぽん

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学食天国

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 キーンコーンカーンコーン~♪ とチャイムが鳴れば、やってくるのはランチタイムだ。

 教室内に雄叫びに似た歓声が上がった。教師は笑い含みの呆れ顔で一同を眺めると、頭を振りながら教室を出て行った。


「昼だ、昼だ、昼だー。飯食うぞ、飯―」

 男子が雄叫びを上げながら食堂に駆けていく。定食を食うことと購買で焼きそばパンを買うことを両立させるのが青春だ、という思い込みが、彼らの足を早くした。「廊下を走るなー!」先生の怒鳴り声など、どこ吹く風。男子どもの足を止める役になど立たない。


「お腹空いた~」

「私も~。でもダイエット中なんだよぉ」

「それは辛い」

「うん、辛い」

「私は遠慮なく食うぞよ」

「ひどぉーい」

 女子はトテトテと上品に歩く。けれどペチャクチャお喋りしながらだから、結局のところ上品には見えない。


 それでいいのだ。

 
 ここは学校。青春真っ盛りの高校生たちが集う場所なのだから。
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