【完結】冷遇された瘴気払いの夜伽聖女は、召喚した呪われ王子に溺愛される

天田れおぽん

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第三十三話 聖女は甘く溶けていく 2

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「あっ、ひっ?……ふっ……あぁ~ん。クロイツ、それはズルいですぅぅぅ~」
「ふふふ。どこが?」

 クロイツはレイチェルの両手を自分の両手でベッドに縫い留めて、下半身は自分の足を絡めてしまった。

「あンッ。これでは、わたしが動けません~」
「うふふ。ぼくが動くからお気遣いなく」

 クロイツは、片足ずつ器用に絡みついた足を上下に動かしてスリスリさせながら、彼女の肌を撫でた。
 金色の毛は固いわけでもないが、微妙な感触だ。
 時折触れる毛のない部分との感触の差が、レイチェルを妙に落ち着かない気分にさせる。
 絡み合っている両手の指や、彼女の体の上を唇が触れていく感触、スッと通り過ぎていく逞しい胸筋や肩口あたりの肌に触れた感じが、いちいち彼女をいけない気持ちにさせるのだ。

(なんだろう。心地よさ、とは違うし……快感とも違う、この背筋がゾクゾクする感じ。くっつきたいのに同時に離れたい。なんなのコレ?)

「ふふ。眉間にしわなんて寄せて、何を悩んでいるの? レイチェル」

 レイチェルの眉間にキスを落としながら、クロイツが聞いた。

「ん、ふぅ……よく分かりません。何を考えているのか、考えている感じ?」

 彼女の答えに、彼の眉毛がピクッと動いた。

「おや、このタイミングでそんな深いことを言うの? まだ正気なんて、ぼくのテクニック不足かな?」

 見せつけるように艶っぽい笑みを浮かべたクロイツが、そのまま顔をレイチェルの胸へと顔を下ろす。

「あンッ」

(クロイツは胸を触るのが好きね。マザコンなのかしら?)

 チュッチュッと音を立てて大きな乳房の上を辿っていく唇の動きに、レイチェルは甘い声を上げながら関係ないことを考えてみたが、どんどんセクシーな気分になっていった。

「うっ……んんっ、はふぅ……くっ……んっ、やっ……」

(恥ずかしい声……はしたないと思われたくない、けど……でも、やられっぱなしのも嫌)

 クロイツに両手を押さえ込まれているが、指ならば動く。
 レイチェルは自分の指をそっと動かして、彼女をベッドに押さえつけている大きな手の、形はよいけれど逞しい指をスウーと撫でてみた。
 クロイツの体がビクンと反応して、大きく見開かれた目がアメジスト色の瞳の凝視する。
 その表情が面白くて、レイチェルはふふふと笑った。

「はふ……んっ、気持ちよかった?」
「ん? ……ちょっとよかった? ……かもしれない」
「ふふふ。疑問形なの?」

 レイチェルは、彼を見上げて笑った。

「手を離してクロイツ。わたしもあなたを、気持ちよくしたいわ」
「ほう?」

 クロイツは器用に右眉を上げて見せて、レイチェルを笑わせた。

「ふふふ。わたしも、あなたを蕩けさせたいの」
「それは、ぼくは君を蕩けさせたことがある、って受け止めていい? 合ってるかな?」
「うふふ、それはどうかしら? 内緒」
「そうか、内緒なのか」

 クロイツは妖艶な笑みを浮かべ、興味深げな様子で彼女の手を離した。

「さて、何をしてくれるのかな?」

 レイチェルは自由になった手で、彼の腕の内側を柔らかく撫でながら上半身を起こしていく。

「わたしだって……」
「お?」

 グルンと体勢を入れ替えて、レイチェルは彼の上にまたがった。
 そしてクロイツを見降ろす。
 若々しく、それでいてドキッとするほど匂い立つような女の色香が、レイチェルから漂っていた。
 クロイツの喉がゴクリと動く。
 豊かな胸を突き出しながらピンク色の長い髪を揺らす、チャーミングで少し幼く見える夜伽聖女は、それを見て満足そうに微笑んだ。
 そんな彼女の気分に合わせるように、額の聖女紋がピンク色に妖しく光る。
 貝殻の裏のようなピンクが基調の七色の光は、額の蔓模様からシュルシュルと伸びていき、レイチェルの体からクロイツへと伸びていく。

「え? これは?」
「瘴気を払いながら、気持ちよくなる方法よ」

 レイチェルは、戸惑ったように慌てるクロイツへ、妖艶な笑みを浮かべてみせて、彼の体に手を滑らせた。
 ピンク色に輝く蔓は、レイチェルの体から伸びていってクロイツの体を這い始めた。

「はぅっ⁉」

 煽情的な艶姿を見せるレイチェルの手の下で、クロイツの体がビクンと跳ねる。

「ふふ。魔力を帯びた手や聖女紋から伸びた蔓は、瘴気払いをスムーズに行うために感度を上げる効果があるのよ。いかが?」
「ん、これは悪くない、けど……ぼくの手は、どうかな?」
「あんっ」

 クロイツが手を伸ばして、自分の腹の上にあるレイチェルの尻を右手で撫でたので、彼女は思わず声を上げた。

「君の方の感度も、上がっているみたいだね」

 機嫌よさげなクロイツは、両手でレイチェルの白くて形のよい尻を、撫でながら揉みしだいた。

「やんっ、そんな」

 クロイツは、彼女の尻の割れ目の真ん中あたりを、右手の指先でサッと撫で上げた。
 
「あんっ」

 ぞわっとした官能がレイチェルの背筋を駆け上っていく。

「お互いに高め合うのエロいね」
「アンッ……ゥふう~、ンッ、そう……ですね……」

(いや。わたしのほうが弄ばれてる感、半端ないですけど?)

 右手で豊満な胸を揉みしだき、左手で形のよい尻を揉みしだいてご満悦なクロイツに対して、複雑な心境になるレイチェルであった。

「でも、そろそろ準備は整ったんじゃないの?」

 クロイツの悪戯な左手が正面から差し入れられて、レイチェルの最奥を柔らかく優しく探る。

「あ……やぁ……んっ」

 既に濡れているそこは、クロイツの指に煽られて、さらに濡れた。
 彼女の体の奥がキュンとなり、体全体が熱くなる。

「アッアッ……や……んっ」
「ん? 何が嫌なのかな?」
「もうっ。クロイツの意地悪っ」

 レイチェルの腰が勝手に揺れてくる。
 そして尻の割れ目あたりに感じる熱い高ぶり。

(あっ、クロイツも興奮してるっ)

 そう感じた途端、レイチェルの奥がキュンとして、潤わせるべきところがより濡れた。
 いつの間にかクロイツの指はレイチェルのなかに入り込み、淫猥な音を立ててうごめいている。
 指は一本から二本に、二本から三本になり、淫猥な音は更に大きくなっていく。
 レイチェルの興奮に合わせるように、クロイツの息も荒くなっていった。
 あたりに立ち込めていく香りは、ひどくみだらで。
 なぜかその香りが、レイチェルの官能をより高めていった。

「あっぁっぁっ」

 レイチェルのなかで快感が弾け飛んだ。
 目の前がチカチカする。
 それに合わせるように、聖女紋から伸びた蔓もピカピカと光った。

(熱いっ……気持ちいい……あぁ、でも、何か足りない……)

 レイチェルが喘ぎながら快感の波に呑まれていると、クロイツの切羽詰まった声が響いた。

「あぁ、もうダメだ。我慢できない」

 指は突然引き抜かれ、世界がグルリと一転する。
 
「あっ、やん、なに?」

 目がチカチカしているレイチェルは、焦点が合わないまま戸惑って聞いた。
 レイチェルはベッドに寝そべっていて、いつの間にかクロイツが上にいる。
 彼女の股を大きく割り開いた彼は、ギンギンの彼自身をレイチェルの割れ目に当てて宣言した。

「ごめんレイチェル。一気にいくよ」

 そう言いながらクロイツは熱い高ぶりでレイチェルを一気に貫いた。

「ああっ!」

 衝撃でレイチェルの背中は大きく反り返った。
 ズブズブとした音を衝撃と感触が同時に響いて、熱い高ぶりが彼女のなかに侵入してくる。

(熱いっ)

 レイチェルの肉襞は彼の熱い高ぶりを歓喜しながら迎え入れて激しく躍動している。
 腰を押さえる彼の力強い手。
 体の真ん中に感じる高ぶりの生々しい熱さ。
 熱い吐息を彼女に浴びせながら動くクロイツからは、汗が滴り落ちてくる。
 あたりには淫猥な匂いで満ちていく。

(あぁ、これがクロイツの……クロイツとわたしの交わる匂いっ)

 ベッドの上で仰け反るレイチェルから、桃色の吐息があがる。

「あぁ、もっと近くに……側にいて。いて欲しいの、クロイツ」
「もちろんだともレイチェル。ぼくは此処にいるよ。君の側が、僕の居場所だ」

 金色の瞳がギラつきながらレイチェルを見下ろす。

「誰にもやらないっ。んっ、絶対にだ。あぁ、レイチェル、レイチェル。ぼくの夜伽聖女……誰にもやるものか。ぼくのだ。ぼくのレイチェル……」

 彼女の腰を捕まえた男は、必死に腰を打ち付ける。
 それが快楽だと体に覚えさせるように、何度も、何度も腰を打ち付ける。
 女の体が甘美な喜びに震え、よがり、喘ぐ。
 めくるめく悦びがレイチェルのなかを駆け巡る。

「ああっ。クロイツっ! クロイツっ!」

 背筋を電流のように走ってくゾクゾクとした官能が怖くて、レイチェルは何度も、何度も彼の名を呼んだ。
 脳がしびれる。

「クロイツ、クロイツ、あぁ、やぁん、こわい……」
「ぼくはここにいるよ、レイチェル」

 甘えて縋れば、力強い腕がレイチェルを捕まえ、安心感を与える声が響き、情熱的な唇が降りてくる。

「あんっ……あっ、ひゃん……あっぁっ」

 レイチェルのアメジスト色の瞳の瞳が生理的な涙で濡れる。
 下の方は与えられ続ける快楽にびしょ濡れだ。

「あぁっ……クッ……ん、レイチェル……っ、あ……こわくないよ、一緒にイこう」

 熱い体に捕まえられて包まれて、頬を寄せられ耳元でささやかれ。
 彼の腰の動きが速くなる。

「あっ……あっ……あっ……っ!」

 縋りつくレイチェルの手は必死過ぎて彼の背中に爪が食い込む。

「ンンッ! イっ……イっちゃ……うぅっ!」
「はっ……クッ……うっ」
「あぁっ!」

 最高潮に昇りつめたクロイツが、熱い高ぶりを弾けさせて果てた。
 無我の境地に至った男の下で、女は我を忘れたように喜悦の声を上げ絶頂に達した。
 体が悦びに酔いしれて、地上に戻ってこられないような気がする。
 そんな女の顔を覗くクロイツは、妙にすっきりとした満足げな表情を浮かべていた。

「ふふ、エロい顔」
「あ……ン」
「はぁ~……あぁ、可愛い」

 夢見心地の様子で蕩けた表情を浮かべるレイチェルに、クロイツは甘い甘いキスをした。
 未だ彼女のなかにある熱く猛る高ぶりは、萎える様子はない。
 熱くぬかるむそこから抜かれることもなく、再び彼は腰を動かし始めた。

「ア゛ッ、ア゛ッ、ア゛ッ、イってるからぁ、アッ、イっちゃっ……アッ」
「ふふふ。何度でもイって。あぁ、何度だって、イかせてあげる」

 2人の周囲では再びバラが咲き誇り、まるで花園で交わっているよう。
 光り輝く金の髪。
 波打つピンク色の髪。
 貝殻の裏のような七色に輝く聖女紋。

「まだまだ終わらないし、体力が尽きそうになったらポーションがあるよ」
「やんっ、クロイツのエッチ!」
「びしょ濡れになっても、君は浄化クリーンで綺麗にしちゃうから、何度も淫らに濡らしてあげる」
「もうっ……あんっ、クロイツの変態っ!」

 笑いながら腰を振る彼の動きは止まる様子がない。
 レイチェルは目を白黒させながらも、彼の背に縋りながら荒い息で付いていく。

「愛してる、愛してるよ、レイチェル」
「ンッ、アッ、わたしもよ、愛してる、クロイツ……っ!」

 もう何度目か分からない絶頂を迎えた彼のペニスがズルリと抜けていく。
 レイチェルの痙攣しつづけるなかからは、コポリと2人の混ざり合った愛の証が零れ落ちていく。
 既に浄化クリーンをかける体力も残っていないレイチェルの体は甘く痺れている。
 それでも次を期待して、クロイツの体から離れたくない。

「ふふ、ちょっと待ってて可愛い人。ポーションを飲んだら戻るから」

 クロイツは笑いながら、いつか見た目的が分からない様々なものを入れたカゴから一本の瓶を取り出して、レイチェルに振って見せた。
 彼は瓶の中身を半分ほど飲むと、その瓶を彼女の口元に持っていく。
 レイチェルは素直にそれを飲んだ。

「んっ、甘い」
「そっか、甘いか。ではこれとどっちが甘いかな?」

 クロイツは瓶をベッドの外へと放ると、レイチェルの唇に深い深いキスをした。
 両手は忙しく彼女の体をまさぐっている。

(えっと……コレ、いつ終わるの⁉)

 レイチェルは呆れたが、さっき飲んだポーションの効果なのか、体内から力が巻き上がって魔力が戻っていくのが分かった。

「ん、さっきのは体力回復効果もある媚薬なんだけど。君にもちゃんと効果があるみたいでよかった」
「えっ⁉」

(媚薬⁉)

 聞き捨てならない言葉に抗議の声を上げようとしたレイチェルの唇は、クロイツの唇であえなく塞がれた。
 そして快楽に弱いその唇からは、抗議の声ではなく、甘い嬌声が響き始めた。

「ふふ。この調子なら、すぐに子どもができそうだね」

 クロイツはレイチェルの薄い腹を嬉しそうに撫でた。

「あンッ」

 外から撫でられた刺激ですら反応する淫らな蜜壺からは、クロイツの放った精とレイチェルの愛液が混ざりあいながらドロリと流れた。

「ふふ、本当に可愛いい……子どもは君に似るといいな」
「んっ……いえ、クロイツ。わたしはあなたに似た子どもが欲しいわ」

 クロイツはレイチェルを見下ろして、蕩けるような甘い笑みを浮かべた。

「なら2人に似た子どもを願おう」
「あなたに似た男の子と、わたしに似た女の子はどう?」
「君に似た男の子やぼくに似た女の子もいいね」

 レイチェルは自分の欲望を素直に伝える。

「ふふ。どちらも欲しいわ」
「何人でも産ませてあげるよ、可愛い人」

 クロイツがレイチェルの頬にキスを落とした。

「ふふ。何人でも産んであげるわ、愛しい人」

 レイチェルは金色の髪に手を回して、クロイツの頭を抱き寄せる。

「欲張りだね」
「欲張りかしら」

 上目遣いで彼が言えば、彼女も上目遣いで答える。

「家族は沢山、賑やかなほうがいい」
「そうね。1人っ子は寂しいもの」
「何かあっても皆で乗り越えていけるような、仲の良い家族がいいね」
「そうね。辛いことがあっても皆で肩を寄せ合ってなら、乗り越えていけそうね」

 額と額を合わせて笑う。
 熱い情交の合間の緩い会話は、やがて重ねるキスの熱さに遠のいていく。
 激しく交われば交わるほど、希望する悦びに近付くから。
 きっとこれは罪じゃない。

 甘く甘くささやいて。あなたの手に入れたい未来を、そっと私の耳元で。甘く甘くささやいて。
 きっと叶えてあげるから。
 だから、お願い。ささやいて。
 あなたの望みを、ささやいて。

 アメジスト色の瞳の瞳を覗き込んで彼は言う。
「レイチェル。キミの望みを言ってみて」
 金色の瞳を覗き込んで彼女は言う。
「ねぇ、クロイツ。あなたの望みを言ってみて」

 クスクスと笑いながら、ささやき声の聞こえる距離で。
 時折キスを交わしながら、お互いの望みを聞いて。
 お互いにそれを叶える。
 叶わないこと?
 それはない。

「幸せになりたいわ」
「ああ、ぼくもだ」

 なぜなら既にお互いを知っている2人は、お互いが何をどこまで叶えられるかを知っているから。
 だから希望は叶う。

「愛してるよ、レイチェル。ずっとずっと側にいて」
「ええ、いるわ。それよりもっと近くに、あなたをちょうだい……あぁ、クロイツ。わたしの愛しい人」

 ささやきは、風に流されて消えるだけではなくなった。
 届けたい時に、必要なだけ必要な相手に届くささやきは、蜜のように甘く、奇跡のように輝き、そして熱い。
 わたしのなかで柔に溶け、それはやがて、わたしとひとつになっていく――――


~おわり~
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