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第52話 3歳児は大人の事情に静かにキレる
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サラは三つ編みの可愛いハーフアップにしてもらった髪に、花の飾りのついたリボンを結んでもらった。
聖獣たちも丁寧にブラッシングしてもらい、それぞれに色違いのリボンを結んでもらった。
花飾りもついているお揃いのリボンだ。
しかもメイドたちの「可愛い、可愛い」という称賛の声付きで、サラはすっかりご機嫌になっていた。
あまりに皆が褒めるので聖獣たちもお澄まし顔をしている。
オカメちゃんなんてサラの髪を乱さないように、バーンズの角にとまっているくらいだ。
胸を張る小鳥の胸には花の飾りのついたリボンが燦然と輝いている。
だというのに。
(なんだこの騒ぎ?)
椅子に座ったサラは、会議室でギャーギャー言い合っている大人たちを眺めた。
「勝手なことを! 大神官っ、恥ずかしくないのかっ!」
「外聞など気にしている場合ではありませんよ、王子っ!」
「やめないか、ミハイル! 王都の空が真っ黒だ! 今は行動する時だぞ!」
怒って叫ぶミハイル、言い訳を叫ぶ大神官、説教を叫ぶ国王。
サラがミハイルに呼ばれて会議室に向かっている途中に、状況は急激に悪化した。
「だから聖女さまに浄化をお願いしないと!」
「いや、先にイザベル嬢を救いにいかねばっ!」
大神官とミハイルはにらみ合っていて、今にも取っ組み合いの喧嘩を始めそうなほど険悪な雰囲気だ。
(でも、そーゆーのいいから。わたしの聖力は強いし、女神さまからもらった魔法道具も色々あるからサクサク片付けられるよ。それよりも……)
サラは転生者ではあるが、3歳児だ。
揉め散らかす大人を見ているのは飽きてしまった。
正直、勝手なことばかり言っている大人たちに腹を立ててもいる。
「あのぉ……もしもし? わたしはサッサと済ませて、早く森へ帰りたいんだけど……」
今のサラはちびっ子である。
助けるよりも助けてもらう立場では? とちょっと思う。
(この衣装も微妙に着心地悪いし)
サラは自分に着せられた聖女の聖衣らしい白いドレスのウエストあたりを小さな手で引っ張って、モジモジとしている。
だが、揉める大人たちは、サラの反応などには関心がない。
「瘴気払いがして欲しいなら、最初から聖女さまに王城へきていただけばよかったじゃないかっ」
「過ぎたことを今言っても仕方ないではありませんか、王子」
サラは小さな指で頭をポリポリと掻きながら、どうしたものかと大人げない大人たちを眺めていた。
「最初から聖女さまをこちらに召喚していればイザベル嬢が怪我をすることもなかった!」
「お言葉ですが王子。聖獣の森へ送ったおかげで、聖女さまだけでなく、聖獣さまたちにもおいでいただけたではありませんか」
「だがその間に、王都へは瘴気だけでなく魔獣まで入り込んでしまったではないかっ。犠牲者が出たのだぞっ!」
言い争う王子と大神官に向かって、国王が叫ぶ。
「今は言い争っている場合ではないっ!」
(わかってんじゃん、国王! だったらさっさと済ませることを済ませよう! ここは仕事が出来るモードのビジネスウーマン風サラちゃんでいくっ!)
腹を決めたサラは椅子から飛び降りるようして立ち上がりながら叫んだ。
「ぁぁぁぁぁあっ! オジサンたちウルサイっ! もういいっ! わたし、さっさと魔獣退治でも、瘴気払いでも済ませるっ!」
王子は青ざめ、神官たちは表情を輝かせた。
「我が王国をお救いください、聖女さまっ!」
「聖女さま、万歳っ!」
大神官は満足げに頷き、国王はキラキラした笑顔だ。
だがミハイルは納得していない様子で不満げに叫ぶ。
「王都がこうなったのは大神官たちの責任でしょう⁉ 聖女さまには先にイザベル嬢を救ってもらうっ!」
(あー、ミハイル。聖女イザベルのこと好きすぎて、いつの間にか悪人のセリフ言っちゃってるよ~)
サラはちょっとだけ顔をしかめた。
が、すぐに表情を変えてニマッと笑う。
「もちろんイザベル嬢も助ける! このサラちゃんに任せなさいっ!」
サラは左手を腰に置き、右腕を胸の前に勢いよく差し出してVサインを出すつもりで、短くてぷっくりした愛らしい指を三本、力いっぱい立てた。
聖獣たちも丁寧にブラッシングしてもらい、それぞれに色違いのリボンを結んでもらった。
花飾りもついているお揃いのリボンだ。
しかもメイドたちの「可愛い、可愛い」という称賛の声付きで、サラはすっかりご機嫌になっていた。
あまりに皆が褒めるので聖獣たちもお澄まし顔をしている。
オカメちゃんなんてサラの髪を乱さないように、バーンズの角にとまっているくらいだ。
胸を張る小鳥の胸には花の飾りのついたリボンが燦然と輝いている。
だというのに。
(なんだこの騒ぎ?)
椅子に座ったサラは、会議室でギャーギャー言い合っている大人たちを眺めた。
「勝手なことを! 大神官っ、恥ずかしくないのかっ!」
「外聞など気にしている場合ではありませんよ、王子っ!」
「やめないか、ミハイル! 王都の空が真っ黒だ! 今は行動する時だぞ!」
怒って叫ぶミハイル、言い訳を叫ぶ大神官、説教を叫ぶ国王。
サラがミハイルに呼ばれて会議室に向かっている途中に、状況は急激に悪化した。
「だから聖女さまに浄化をお願いしないと!」
「いや、先にイザベル嬢を救いにいかねばっ!」
大神官とミハイルはにらみ合っていて、今にも取っ組み合いの喧嘩を始めそうなほど険悪な雰囲気だ。
(でも、そーゆーのいいから。わたしの聖力は強いし、女神さまからもらった魔法道具も色々あるからサクサク片付けられるよ。それよりも……)
サラは転生者ではあるが、3歳児だ。
揉め散らかす大人を見ているのは飽きてしまった。
正直、勝手なことばかり言っている大人たちに腹を立ててもいる。
「あのぉ……もしもし? わたしはサッサと済ませて、早く森へ帰りたいんだけど……」
今のサラはちびっ子である。
助けるよりも助けてもらう立場では? とちょっと思う。
(この衣装も微妙に着心地悪いし)
サラは自分に着せられた聖女の聖衣らしい白いドレスのウエストあたりを小さな手で引っ張って、モジモジとしている。
だが、揉める大人たちは、サラの反応などには関心がない。
「瘴気払いがして欲しいなら、最初から聖女さまに王城へきていただけばよかったじゃないかっ」
「過ぎたことを今言っても仕方ないではありませんか、王子」
サラは小さな指で頭をポリポリと掻きながら、どうしたものかと大人げない大人たちを眺めていた。
「最初から聖女さまをこちらに召喚していればイザベル嬢が怪我をすることもなかった!」
「お言葉ですが王子。聖獣の森へ送ったおかげで、聖女さまだけでなく、聖獣さまたちにもおいでいただけたではありませんか」
「だがその間に、王都へは瘴気だけでなく魔獣まで入り込んでしまったではないかっ。犠牲者が出たのだぞっ!」
言い争う王子と大神官に向かって、国王が叫ぶ。
「今は言い争っている場合ではないっ!」
(わかってんじゃん、国王! だったらさっさと済ませることを済ませよう! ここは仕事が出来るモードのビジネスウーマン風サラちゃんでいくっ!)
腹を決めたサラは椅子から飛び降りるようして立ち上がりながら叫んだ。
「ぁぁぁぁぁあっ! オジサンたちウルサイっ! もういいっ! わたし、さっさと魔獣退治でも、瘴気払いでも済ませるっ!」
王子は青ざめ、神官たちは表情を輝かせた。
「我が王国をお救いください、聖女さまっ!」
「聖女さま、万歳っ!」
大神官は満足げに頷き、国王はキラキラした笑顔だ。
だがミハイルは納得していない様子で不満げに叫ぶ。
「王都がこうなったのは大神官たちの責任でしょう⁉ 聖女さまには先にイザベル嬢を救ってもらうっ!」
(あー、ミハイル。聖女イザベルのこと好きすぎて、いつの間にか悪人のセリフ言っちゃってるよ~)
サラはちょっとだけ顔をしかめた。
が、すぐに表情を変えてニマッと笑う。
「もちろんイザベル嬢も助ける! このサラちゃんに任せなさいっ!」
サラは左手を腰に置き、右腕を胸の前に勢いよく差し出してVサインを出すつもりで、短くてぷっくりした愛らしい指を三本、力いっぱい立てた。
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