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第56話 聖女さまを癒すよ
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「えっ⁉ 聖女さま⁉」
一難去ってまた一難。
そんなことわざがサラの脳裏をよぎった。
真っ白なシローネの毛皮の上に乗せられているイザベルは、手足を力なく伸ばしてグッタリしている。
ピンク色の髪も乱れていているし、白い聖衣は煤を被ったように汚れていて、ところどころ破れていた。
『ワタシに乗せてきたから浄化は済んでいると思う。けど、魔獣にやられた怪我を癒す能力はワタシにはないから……』
珍しくシローネの言葉の歯切れが悪い。
サラは慌ててシローネの側に駆け寄ると、イザベルの顔を覗き込みながら声をかけた。
「イザベル嬢? イザベル嬢? 大丈夫?」
バツが悪いような、悔しそうな表情を浮かべるデカい白ウサギの背中に乗ったイザベルはグッタリしていてとても体調が悪そうだ。
サラの呼びかけに応じてイザベルは目を薄っすら開けたが、すぐにまた閉じてしまった。
(反応も薄いし、ピンク色の瞳にも生気がない。これは大変!)
クロが、口に咥えた魔獣の死骸を掃除機の側にペッと吐き出してから言う。
『サラには癒しの力もあるはずだから、やってみたら?』
「癒しの力?」
『うん。手をかざして「治れ」って念じれば癒せると思うよ』
クロに言われてサラは頷き、イザベルに向かって小さな手のひらをかざした。
だが背の低いサラの手は、イザベルの足先あたりまでしか届かない。
それを見たシローネは、慌てて体を縮めた。
「ありがとう、シローネ」
サラはお礼を言うと、イザベルの体の上に手をかざした。
(治れ、治れ。イザベル嬢の傷を癒して)
サラの手のひらから白い光がこぼれて落ちる。
ふわっと温かな風が吹いて、サラの銀色の髪がブワッと内側から広がっていく。
光は柔らかくイザベルの体に振り注ぎ、ボロボロになっていた彼女の体を衣類ごと回復させていった。
「ん……」
イザベルが身じろぎしたのを合図に、サラは治癒の力を注ぐのを止めた。
「イザベル嬢? イサベル? 大丈夫?」
「んん……。ええ、大丈夫よ」
まだ薄ぼんやりしているようだが、イザベルはシローネの体の上でゆっくりと上半身を起こした。
「うぅん。えっと……ここは?」
まだぼんやりしているイザベルは、状況が把握できていないようだ。
(でも救えた! わたし、癒しの力が使えちゃった! 聖女みたい! やっぱり聖力、聖力がものをいう世界なんだ!)
「ここは王城の前だよ。わたしはサラ。3歳の聖女だよ」
サラは嬉しくてピョンピョン跳ねながら、イザベルに自己紹介をした。
「あぁ、そうだわ。わたくしは、魔獣に……。あなたが癒してくださったのね。ありがとう。聖女サラさま」
「うふふ。どういたしまして! わたしのことはサラでいいよ。わたしもイザベルって呼んでいい?」
「ええ。どうぞ、そうなさって。わたしもサラと呼ばせていただくわ」
ふわっと優しく笑うイザベルに、サラは見惚れた。
(わーい、本物の聖女さま。きれーい。ピンク色の髪はサラサラツヤツヤ。ピンク色の瞳も可愛いし、肌白いし、とにかく可愛い―)
サラは素敵な聖女イザベラに癒されて、うふふと笑った。
一難去ってまた一難。
そんなことわざがサラの脳裏をよぎった。
真っ白なシローネの毛皮の上に乗せられているイザベルは、手足を力なく伸ばしてグッタリしている。
ピンク色の髪も乱れていているし、白い聖衣は煤を被ったように汚れていて、ところどころ破れていた。
『ワタシに乗せてきたから浄化は済んでいると思う。けど、魔獣にやられた怪我を癒す能力はワタシにはないから……』
珍しくシローネの言葉の歯切れが悪い。
サラは慌ててシローネの側に駆け寄ると、イザベルの顔を覗き込みながら声をかけた。
「イザベル嬢? イザベル嬢? 大丈夫?」
バツが悪いような、悔しそうな表情を浮かべるデカい白ウサギの背中に乗ったイザベルはグッタリしていてとても体調が悪そうだ。
サラの呼びかけに応じてイザベルは目を薄っすら開けたが、すぐにまた閉じてしまった。
(反応も薄いし、ピンク色の瞳にも生気がない。これは大変!)
クロが、口に咥えた魔獣の死骸を掃除機の側にペッと吐き出してから言う。
『サラには癒しの力もあるはずだから、やってみたら?』
「癒しの力?」
『うん。手をかざして「治れ」って念じれば癒せると思うよ』
クロに言われてサラは頷き、イザベルに向かって小さな手のひらをかざした。
だが背の低いサラの手は、イザベルの足先あたりまでしか届かない。
それを見たシローネは、慌てて体を縮めた。
「ありがとう、シローネ」
サラはお礼を言うと、イザベルの体の上に手をかざした。
(治れ、治れ。イザベル嬢の傷を癒して)
サラの手のひらから白い光がこぼれて落ちる。
ふわっと温かな風が吹いて、サラの銀色の髪がブワッと内側から広がっていく。
光は柔らかくイザベルの体に振り注ぎ、ボロボロになっていた彼女の体を衣類ごと回復させていった。
「ん……」
イザベルが身じろぎしたのを合図に、サラは治癒の力を注ぐのを止めた。
「イザベル嬢? イサベル? 大丈夫?」
「んん……。ええ、大丈夫よ」
まだ薄ぼんやりしているようだが、イザベルはシローネの体の上でゆっくりと上半身を起こした。
「うぅん。えっと……ここは?」
まだぼんやりしているイザベルは、状況が把握できていないようだ。
(でも救えた! わたし、癒しの力が使えちゃった! 聖女みたい! やっぱり聖力、聖力がものをいう世界なんだ!)
「ここは王城の前だよ。わたしはサラ。3歳の聖女だよ」
サラは嬉しくてピョンピョン跳ねながら、イザベルに自己紹介をした。
「あぁ、そうだわ。わたくしは、魔獣に……。あなたが癒してくださったのね。ありがとう。聖女サラさま」
「うふふ。どういたしまして! わたしのことはサラでいいよ。わたしもイザベルって呼んでいい?」
「ええ。どうぞ、そうなさって。わたしもサラと呼ばせていただくわ」
ふわっと優しく笑うイザベルに、サラは見惚れた。
(わーい、本物の聖女さま。きれーい。ピンク色の髪はサラサラツヤツヤ。ピンク色の瞳も可愛いし、肌白いし、とにかく可愛い―)
サラは素敵な聖女イザベラに癒されて、うふふと笑った。
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