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第7話 まずはノートに書く
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パンとコーヒー、グリーンサラダと目玉焼きという簡単な朝食を終えたわたしは、自室に戻って考える。
今座っているのは、小学生の時から使っている机の前だ。
流石に椅子は新しい物に買い替えたが、机は未だ現役である。
丈夫だな、学習机。
学習机の引き出しから真新しいノートを取り出す。
可愛い人気キャラクターを使ってあるノートだ。
「学生時代には勿体なくて使えなかったノートの出番だ。小説を書くノートは君に決めた。もう大人だから、贅沢に使っちゃうぞ」
わたしは可愛らしいキャラクターがページに踊るノートを開いた。
そして悩む。
「書くといってもな。何を書こう? まずはあらすじ……プロットか? いや、先にキャラクター? あぁ、まずはジャンルだね。えーと、ジャンルは『異世界恋愛ファンタジー』と」
わたしはシャープペンシルで、異世界恋愛ファンタジーとデカデカと書いた。
「舞台は異世界。恋愛をメインに据えたファンタジー。ココはちゃんとおさえておかないと、お話がズレちゃうらしいから……でもわたしのことだから、きっとズレるな?」
ぶつぶつ言いながらノートを眺める。
ジャンルは色々とあるが、web小説で読まれやすいジャンルはある程度決まっている。
膨大なweb小説から好みのモノを探し出すのは大変だ。
実際、わたしもweb小説の投稿サイトから自分好みのものを見つけるのは大変だった。
「えっちなのも人気あるみたいだけど、わたしは苦手だから。読むのはいいけど、書くのは難しいよねぇ。だからTLとBLは候補から外して……全年齢の異世界恋愛ファンタジー。恋愛そのものが苦手だけど、異世界に飛ばせばなんとかなるでしょ」
わたしは適当なことを言いながら、シャープペンシルを右手でクルクル回しながら考える。
「全年齢の現代恋愛も人気あるらしいけど、わたしには書けないから。同じ理由でブルーライト文芸もダメだなぁ。青春なぁ? 美香や久美子たちと大笑いしていた覚えはあるが、切なさとか無縁だったから分からぬ」
だから異世界恋愛ファンタジーなのだ。
「百歩譲ってファンタジーでもいいな。剣と魔法は誰でも好きでしょ。異論は認めない」
剣と魔法の世界はいい。
ロマンがある。
現実に疲れた大人にはちょうどいい。
「まぁわたしには……現実に疲れた大人、っていうのもチョイ遠い世界だけど……」
楽しい子ども部屋おばさん予備軍生活を送っているから、現実に疲れてはいない。
「元気のあるうちにやっといたほうがいい、って美香も言ってたし、頑張るかぁ~。えーと、まずは主人公か。やっぱお姫さまいいよねぇ、お姫さま。それでヒーローは……」
なんとなく話を考えながら、キャラクターも決めていく。
「テンプレにそったほうが読まれやすいって久美子が言ってたから、テンプレ……ていうと、婚約破棄かな? でもなぁ、王女を婚約破棄って勇気ありすぎでしょ? 戦争になるぞ、戦争」
王子と王女の婚約破棄なんて、戦争待ったなし。
公爵や侯爵レベルでも、政争のもとだ。
「だから異世界恋愛ファンタジーって、よく国ごと滅ぼされたり、婚約破棄した側と浮気相手が殺されることになるのかぁ。でもキッツイざまぁは、わたしにはキツイかなぁ?」
ぶつぶつ言いながら、わたしはあれこれ考える。
母が昼食の用意が出来たことを階段の下から叫ぶ頃には、プロットとキャラクター表が、なんとなぁ~く出来上がっていた。
今座っているのは、小学生の時から使っている机の前だ。
流石に椅子は新しい物に買い替えたが、机は未だ現役である。
丈夫だな、学習机。
学習机の引き出しから真新しいノートを取り出す。
可愛い人気キャラクターを使ってあるノートだ。
「学生時代には勿体なくて使えなかったノートの出番だ。小説を書くノートは君に決めた。もう大人だから、贅沢に使っちゃうぞ」
わたしは可愛らしいキャラクターがページに踊るノートを開いた。
そして悩む。
「書くといってもな。何を書こう? まずはあらすじ……プロットか? いや、先にキャラクター? あぁ、まずはジャンルだね。えーと、ジャンルは『異世界恋愛ファンタジー』と」
わたしはシャープペンシルで、異世界恋愛ファンタジーとデカデカと書いた。
「舞台は異世界。恋愛をメインに据えたファンタジー。ココはちゃんとおさえておかないと、お話がズレちゃうらしいから……でもわたしのことだから、きっとズレるな?」
ぶつぶつ言いながらノートを眺める。
ジャンルは色々とあるが、web小説で読まれやすいジャンルはある程度決まっている。
膨大なweb小説から好みのモノを探し出すのは大変だ。
実際、わたしもweb小説の投稿サイトから自分好みのものを見つけるのは大変だった。
「えっちなのも人気あるみたいだけど、わたしは苦手だから。読むのはいいけど、書くのは難しいよねぇ。だからTLとBLは候補から外して……全年齢の異世界恋愛ファンタジー。恋愛そのものが苦手だけど、異世界に飛ばせばなんとかなるでしょ」
わたしは適当なことを言いながら、シャープペンシルを右手でクルクル回しながら考える。
「全年齢の現代恋愛も人気あるらしいけど、わたしには書けないから。同じ理由でブルーライト文芸もダメだなぁ。青春なぁ? 美香や久美子たちと大笑いしていた覚えはあるが、切なさとか無縁だったから分からぬ」
だから異世界恋愛ファンタジーなのだ。
「百歩譲ってファンタジーでもいいな。剣と魔法は誰でも好きでしょ。異論は認めない」
剣と魔法の世界はいい。
ロマンがある。
現実に疲れた大人にはちょうどいい。
「まぁわたしには……現実に疲れた大人、っていうのもチョイ遠い世界だけど……」
楽しい子ども部屋おばさん予備軍生活を送っているから、現実に疲れてはいない。
「元気のあるうちにやっといたほうがいい、って美香も言ってたし、頑張るかぁ~。えーと、まずは主人公か。やっぱお姫さまいいよねぇ、お姫さま。それでヒーローは……」
なんとなく話を考えながら、キャラクターも決めていく。
「テンプレにそったほうが読まれやすいって久美子が言ってたから、テンプレ……ていうと、婚約破棄かな? でもなぁ、王女を婚約破棄って勇気ありすぎでしょ? 戦争になるぞ、戦争」
王子と王女の婚約破棄なんて、戦争待ったなし。
公爵や侯爵レベルでも、政争のもとだ。
「だから異世界恋愛ファンタジーって、よく国ごと滅ぼされたり、婚約破棄した側と浮気相手が殺されることになるのかぁ。でもキッツイざまぁは、わたしにはキツイかなぁ?」
ぶつぶつ言いながら、わたしはあれこれ考える。
母が昼食の用意が出来たことを階段の下から叫ぶ頃には、プロットとキャラクター表が、なんとなぁ~く出来上がっていた。
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