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第56話 日常なんてものは何度でも変わる
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園児が小学校へ入学するように、日常なんてものは、何度でも変わっていくものなんだよ。
だからといって、この変化は許容していいものだろうか?
「事実は小説よりも奇なり、って言うからな」
「自分で言うなよ、佐々木」
わたしが睨むと佐々木はケケケと笑った。
なぜか知らないが、佐々木はちょくちょく我が家へと足を運ぶようになった。
「いいじゃないか。佐々木君は私と相性がいいんだから」
父が佐々木の肩をポンポンと叩きながら、その隣の席へと座った。
よほど父と相性がよかったのか、佐々木は我が家へ入り浸るようになった。
母も歓迎しているので、止めようがない。
当初のように、なぜこの組み合わせなのか意味がよく分からないメニューでテーブルを埋め尽くすことはなくなった。
だが毎回のように、母自慢の手料理がテーブルに並ぶことは変わらない。
わたしが久美子の家へ遊びに行くことの多い土曜日に、佐々木はなぜかやってくる。
これはアレか?
わたし抜きでも充分に楽しい会なんですよ、というアピールですか?
とはいえ、わたし抜きで催される会なので、わたしに反対する権利はない。
佐々木が我が家に来た日には、わたしはおこぼれにあずかる立場へ転落する。
美味しい料理を食べられるというメリットもあるし、そもそもここは両親の家だから、子ども部屋おばさんであるわたしに絶拒を叫ぶ権利はない。
なぜ佐々木が我が家にいるんだろう? と首を傾げつつ、一緒にご飯を食べている。
ヘンテコな日常だ。
このヘンテコな状態で、父がさらに素っ頓狂なことを言いだした。
「佐々木君。我が家へ引っ越してこないか? 息子の部屋が空いているから、部屋はあるぞ」
「お父さんっ!」
父のとんでもない提案に、わたしは思わず声を上げた。
「はは、下宿ですか? それもいいなぁ。オレのアパート、そろそろ更新の時期なんですよ」
「おっ。そうなのか? ならちょうどいいじゃないか。引っ越しておいでよ」
「えーでもぉ。お母さんが嫌なんじゃ……」
「あらぁ。私なら平気よ。息子の世話をしていたから、男の子の世話なら慣れてるし」
まんざらでもない佐々木に対して、最後の砦であるべき母までとんでもないことを言いだした。
「ちょっとぉ。なに言ってるの? お兄ちゃんの部屋を勝手に使ったから、お兄ちゃんが戻ってきたときに困るじゃない」
わたしの当然の主張に、母が爆弾発言をする。
「あ、言ってなかったっけ? お兄ちゃんね、職場の近くでマンション買うんだって」
「えっ⁉」
初耳である。
兄がマンションを買うことなんて知らなかった。
あっちでマンションを買うということは、この家に戻ってくる気がないということだ。
「お兄ちゃんは結婚する予定もないしね。老後のことを考えたら、早めにマンションを買うというのは賢い選択でしょ? 反対する理由がなくて」
まぁ、そうでしょうとも。
この家にはそもそも、子ども部屋おばさんのわたしがいるし。
反対はしない。
「あいつもちゃっかりしてて『お父さんが保証人になれるうちに買っとく』ときたもんだ」
父が笑う横で、佐々木がケラケラと笑っている。
テーブルの上にある酒はビールだけだ。
最近はチャンポンで飲むこともなくなった。
佐々木は酒に弱いらしい。
顔が真っ赤だ。
「だからあいつの部屋は空いている。佐々木君、いつでも引っ越してきていいぞ」
「そうですかぁ~。じゃ、お言葉に甘えて」
「佐々木っ!」
わたしが抗議の声を上げても無駄だった。
話はまとまってしまい、ほどなく佐々木は我が家へと引っ越してきた。
そしてこの話は伝説となり、わたしの鉄板ネタとなる。
「なによそれ⁉ まるでマンガじゃない」
美香はそう言ってゲラゲラ笑った。
「ふふふ。これはフラグが立っちゃったわね、明日香」
久美子はニマニマしてわたしを見る。
わたしは黙って紅茶を飲んだ。
寒すぎる冬が過ぎて、早い春がやってきた頃。
佐々木は我が家へとマジで引っ越してきた。
兄の部屋は使われていなかったが、残っていた家具がある。
佐々木は、細かいことは気にしない性格のようで、残っていた家具で使える物は使うことに決めたようだ。
「もともと荷物が少ないからさ」
そんな風に言っていたが、佐々木は沢山の本と共に我が家へとやってきた。
服や家具は少なくても、本があればそれなりにかさばる。
兄の部屋の本棚はあっという間に埋まった。
この時点で、わたしと佐々木との間には何もない。
マジで下宿しに来ただけの存在だった。
だが会社ではあっという間に噂になった。
「我が社では時短勤務という勤め方もできるからね。無理しないで」
シゴデキお姉さまからそう言われて、わたしはポカンとしてしまった。
「ふわぁ?」
「ふふ。とぼけちゃって。ご結婚でしょ?」
佐々木が住所変更を届け出た書類をヒラヒラさせてシゴデキお姉さまが微笑む。
違うっ。
違いますっ。
結婚ではないです。
うちの父と佐々木が仲良しなだけで。
本当です。
信じてください。
わたしは自分の両手を胸の前に上げて首を振って否定した。
そんなわたしの隣で佐々木はニヤニヤするだけで何も言わなかった。
社内では、わたしと佐々木の結婚が事実であるかのように広まっていった。
「というわけなのよ」
わたしは美香と久美子に愚痴った。
ところがだ。
2人ともニマニマした笑みを浮かべてみるだけで何も言わない。
なんなら表情でからかってくる勢いがある。
なぜだ?
「ふふふ。自覚ないんだ」
美香がそう言えば、久美子もうなずきながら口を開く。
「明日香って自分の気持ちに鈍感よね」
自分の気持ちに鈍感って、どんな人間だ?
わたしは久美子を軽く睨む。
だが2人ともケラケラと笑うだけでまともにとりあってくれない。
なぜだ⁉
「もういいよ。でさぁ、新作の相談なんだけど……」
わたしは本題に入って、2人に相談を始めた。
先に発売した書籍は、二巻目の売れ行きがイマイチで打ち切りとなった。
受賞した作品も、発売初週の動きが悪い。
あれでは続刊の話は出ないだろう。
webで気軽に読める小説を現実社会で流通させるのはチートにはいかない。
受賞して華々しくデビューを決めても、著者名が覚えられる前に消えてしまうことも少なくはないのだ。
もっとも小説家なんて筆名を変えれば何度でも転生できる。
本当に消えたかどうかなんて分からないし、そこまで厳密に考えたって意味がない。
文字を綴る仕事なんて小説を書く以外にもいくらだってあるのだ。
どこで誰がどんな仕事をしているかなんてわからない。
個人を観測するのであれば、寿命が尽きるまで、何らかの手段で生活しているし、そうするしかない。
人間としての当たり前の生活ありきでの小説書きである。
最近は小説を書くことすら人間の独壇場ではなくなった。
生成AIのご登場である。
人工知能が出てくればマジで小説くらい書き始めるだろう。
だが生成AIは、そこには及ばない。
データーベースから既にある言葉を引っ張り出してきて繋ぎ合わせるだけで小説が書けるなら苦労はしないだろう。
人工知能が感情を伴う生活や創作をするのにどれだけの苦労が伴うか、さまざまなSF作品で触れられている。
苦しいを苦しいと感じられるのがどれだけ奇跡のなのか、当たり前に感じられる者には分からない。
そこを想像して書けばSF小説が出来上がる。
昨日は土曜日で、わたしは久美子たちと昨今のweb小説について語り合ってきた。
今日は日曜日だ。
「わたしが感じているのは、生成AIで量産された小説がランキングを埋めていく不快感、ということか」
「そうだねぇ。多分そうだねぇ。ムカついてるだけだよ。脅威は感じてない」
佐々木はわたしの前の席に座って、へらへらと笑っている。
わたしは両親と佐々木と共に酒盛りをしていた。
母が料理を手にもってやってきた。
「あらあら、どうしたの?」
「明日香が佐々木君と小説のことを話している」
「あら、楽しそう。お母さんも混ぜて~」
父の解説を聞いて、母がわたしの隣に腰を下ろした。
この後。
夏の暑さが冬の寒さと交互に来る時期あたりで、わたしと佐々木は、わたしが佐々木になるか、佐々木が高橋になるかで揉めることとなるのだが。
この時にはそんなことになるなんて想像すらしていなかった。
そしていずれ『web小説で25万円稼ぐには』なんて考えていた若い頃を懐かしむようになるのだ。
人生は信用ならない語り部の綴る物語のように進んでいく――――
だからといって、この変化は許容していいものだろうか?
「事実は小説よりも奇なり、って言うからな」
「自分で言うなよ、佐々木」
わたしが睨むと佐々木はケケケと笑った。
なぜか知らないが、佐々木はちょくちょく我が家へと足を運ぶようになった。
「いいじゃないか。佐々木君は私と相性がいいんだから」
父が佐々木の肩をポンポンと叩きながら、その隣の席へと座った。
よほど父と相性がよかったのか、佐々木は我が家へ入り浸るようになった。
母も歓迎しているので、止めようがない。
当初のように、なぜこの組み合わせなのか意味がよく分からないメニューでテーブルを埋め尽くすことはなくなった。
だが毎回のように、母自慢の手料理がテーブルに並ぶことは変わらない。
わたしが久美子の家へ遊びに行くことの多い土曜日に、佐々木はなぜかやってくる。
これはアレか?
わたし抜きでも充分に楽しい会なんですよ、というアピールですか?
とはいえ、わたし抜きで催される会なので、わたしに反対する権利はない。
佐々木が我が家に来た日には、わたしはおこぼれにあずかる立場へ転落する。
美味しい料理を食べられるというメリットもあるし、そもそもここは両親の家だから、子ども部屋おばさんであるわたしに絶拒を叫ぶ権利はない。
なぜ佐々木が我が家にいるんだろう? と首を傾げつつ、一緒にご飯を食べている。
ヘンテコな日常だ。
このヘンテコな状態で、父がさらに素っ頓狂なことを言いだした。
「佐々木君。我が家へ引っ越してこないか? 息子の部屋が空いているから、部屋はあるぞ」
「お父さんっ!」
父のとんでもない提案に、わたしは思わず声を上げた。
「はは、下宿ですか? それもいいなぁ。オレのアパート、そろそろ更新の時期なんですよ」
「おっ。そうなのか? ならちょうどいいじゃないか。引っ越しておいでよ」
「えーでもぉ。お母さんが嫌なんじゃ……」
「あらぁ。私なら平気よ。息子の世話をしていたから、男の子の世話なら慣れてるし」
まんざらでもない佐々木に対して、最後の砦であるべき母までとんでもないことを言いだした。
「ちょっとぉ。なに言ってるの? お兄ちゃんの部屋を勝手に使ったから、お兄ちゃんが戻ってきたときに困るじゃない」
わたしの当然の主張に、母が爆弾発言をする。
「あ、言ってなかったっけ? お兄ちゃんね、職場の近くでマンション買うんだって」
「えっ⁉」
初耳である。
兄がマンションを買うことなんて知らなかった。
あっちでマンションを買うということは、この家に戻ってくる気がないということだ。
「お兄ちゃんは結婚する予定もないしね。老後のことを考えたら、早めにマンションを買うというのは賢い選択でしょ? 反対する理由がなくて」
まぁ、そうでしょうとも。
この家にはそもそも、子ども部屋おばさんのわたしがいるし。
反対はしない。
「あいつもちゃっかりしてて『お父さんが保証人になれるうちに買っとく』ときたもんだ」
父が笑う横で、佐々木がケラケラと笑っている。
テーブルの上にある酒はビールだけだ。
最近はチャンポンで飲むこともなくなった。
佐々木は酒に弱いらしい。
顔が真っ赤だ。
「だからあいつの部屋は空いている。佐々木君、いつでも引っ越してきていいぞ」
「そうですかぁ~。じゃ、お言葉に甘えて」
「佐々木っ!」
わたしが抗議の声を上げても無駄だった。
話はまとまってしまい、ほどなく佐々木は我が家へと引っ越してきた。
そしてこの話は伝説となり、わたしの鉄板ネタとなる。
「なによそれ⁉ まるでマンガじゃない」
美香はそう言ってゲラゲラ笑った。
「ふふふ。これはフラグが立っちゃったわね、明日香」
久美子はニマニマしてわたしを見る。
わたしは黙って紅茶を飲んだ。
寒すぎる冬が過ぎて、早い春がやってきた頃。
佐々木は我が家へとマジで引っ越してきた。
兄の部屋は使われていなかったが、残っていた家具がある。
佐々木は、細かいことは気にしない性格のようで、残っていた家具で使える物は使うことに決めたようだ。
「もともと荷物が少ないからさ」
そんな風に言っていたが、佐々木は沢山の本と共に我が家へとやってきた。
服や家具は少なくても、本があればそれなりにかさばる。
兄の部屋の本棚はあっという間に埋まった。
この時点で、わたしと佐々木との間には何もない。
マジで下宿しに来ただけの存在だった。
だが会社ではあっという間に噂になった。
「我が社では時短勤務という勤め方もできるからね。無理しないで」
シゴデキお姉さまからそう言われて、わたしはポカンとしてしまった。
「ふわぁ?」
「ふふ。とぼけちゃって。ご結婚でしょ?」
佐々木が住所変更を届け出た書類をヒラヒラさせてシゴデキお姉さまが微笑む。
違うっ。
違いますっ。
結婚ではないです。
うちの父と佐々木が仲良しなだけで。
本当です。
信じてください。
わたしは自分の両手を胸の前に上げて首を振って否定した。
そんなわたしの隣で佐々木はニヤニヤするだけで何も言わなかった。
社内では、わたしと佐々木の結婚が事実であるかのように広まっていった。
「というわけなのよ」
わたしは美香と久美子に愚痴った。
ところがだ。
2人ともニマニマした笑みを浮かべてみるだけで何も言わない。
なんなら表情でからかってくる勢いがある。
なぜだ?
「ふふふ。自覚ないんだ」
美香がそう言えば、久美子もうなずきながら口を開く。
「明日香って自分の気持ちに鈍感よね」
自分の気持ちに鈍感って、どんな人間だ?
わたしは久美子を軽く睨む。
だが2人ともケラケラと笑うだけでまともにとりあってくれない。
なぜだ⁉
「もういいよ。でさぁ、新作の相談なんだけど……」
わたしは本題に入って、2人に相談を始めた。
先に発売した書籍は、二巻目の売れ行きがイマイチで打ち切りとなった。
受賞した作品も、発売初週の動きが悪い。
あれでは続刊の話は出ないだろう。
webで気軽に読める小説を現実社会で流通させるのはチートにはいかない。
受賞して華々しくデビューを決めても、著者名が覚えられる前に消えてしまうことも少なくはないのだ。
もっとも小説家なんて筆名を変えれば何度でも転生できる。
本当に消えたかどうかなんて分からないし、そこまで厳密に考えたって意味がない。
文字を綴る仕事なんて小説を書く以外にもいくらだってあるのだ。
どこで誰がどんな仕事をしているかなんてわからない。
個人を観測するのであれば、寿命が尽きるまで、何らかの手段で生活しているし、そうするしかない。
人間としての当たり前の生活ありきでの小説書きである。
最近は小説を書くことすら人間の独壇場ではなくなった。
生成AIのご登場である。
人工知能が出てくればマジで小説くらい書き始めるだろう。
だが生成AIは、そこには及ばない。
データーベースから既にある言葉を引っ張り出してきて繋ぎ合わせるだけで小説が書けるなら苦労はしないだろう。
人工知能が感情を伴う生活や創作をするのにどれだけの苦労が伴うか、さまざまなSF作品で触れられている。
苦しいを苦しいと感じられるのがどれだけ奇跡のなのか、当たり前に感じられる者には分からない。
そこを想像して書けばSF小説が出来上がる。
昨日は土曜日で、わたしは久美子たちと昨今のweb小説について語り合ってきた。
今日は日曜日だ。
「わたしが感じているのは、生成AIで量産された小説がランキングを埋めていく不快感、ということか」
「そうだねぇ。多分そうだねぇ。ムカついてるだけだよ。脅威は感じてない」
佐々木はわたしの前の席に座って、へらへらと笑っている。
わたしは両親と佐々木と共に酒盛りをしていた。
母が料理を手にもってやってきた。
「あらあら、どうしたの?」
「明日香が佐々木君と小説のことを話している」
「あら、楽しそう。お母さんも混ぜて~」
父の解説を聞いて、母がわたしの隣に腰を下ろした。
この後。
夏の暑さが冬の寒さと交互に来る時期あたりで、わたしと佐々木は、わたしが佐々木になるか、佐々木が高橋になるかで揉めることとなるのだが。
この時にはそんなことになるなんて想像すらしていなかった。
そしていずれ『web小説で25万円稼ぐには』なんて考えていた若い頃を懐かしむようになるのだ。
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