ダダのすごいおなか

未瑠

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ダダのすごいおなか

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ミミちゃんはダダが大好きだ。
ダダはミミちゃんのお父さんのこと。
お父さんは本当はパパって呼んでほしかったんだ。
でもよだれをたらしながら「だーだー」と言い始めたミミちゃんに、これはダッダと自分のことを呼んでいるとすごく喜んだ。
それからずっと「ダッダだよ」って教えていたけど、うまく言えないミミちゃんはダダとしか言えなくて、「うん、もうダダだ、ダダだよ」ってダダになった。



ある日お迎えにいくとしょんぼりとしているミミちゃん。お家に帰ってもいつものような元気がない。

ママは心配になって聞いてみた。
するとぐずぐずと泣き出しながらミミちゃんは話してくれた。

「あのね、きょうお父さんのすごいところをみんなに発表する時間があったの。
だから、ダダのすごいところはおなかですって言ったら、みんなに笑われたの。
ミミはみんなダダのすごいところに笑っていると思って嬉しくなって一緒に笑ってたんだけど、あとでレイちゃんとソウくんに、
すごいところってかけっこが早いとか、外国の本が読めるとかそういうことだよ。ミミちゃんのはちがうよって言われちゃって、悲しくなったの」

ママは小さく笑ってしまった。
ダダのおなかはまんまるだ。
ミミちゃんが大きくなると同じように、どんどんまるく大きくなった。

「そうか、それは残念だったね」
「うん」
「みんなにはナイショだけど」

ママがミミちゃんの耳に小さく話しかける。

「ダダの大きなおなかにはたくさんのしあわせが詰まっているんだよ」
「ほんと?」
「うん。だからそんなおなかがすごいって気がついたミミもすごいんだよ」

ダダだけじゃなくて、ミミもすごいんだ。
ミミちゃん目から溢れていた涙がとまった。

「だけどね、これ以上すごくなったら、ダダのおなか風船みたいにぱちんってはじけちゃうかも」
「ええ!」

しあわせたくさんなのに、おなかがぱちんってなったらダダ痛いってなっちゃう。
しあわせも逃げちゃうかも。

「そんなの困る」

ミミちゃんはまた泣きそうになってしまった。
そんなミミちゃんにママはにっこり笑った。

「うん、だからこれ以上おなかがすごくならないようにってダダに言わないとね。少し小さくなったら、また新しいしあわせが入るスキマが出来るから」
「うん!」

ミミちゃんもにっこり笑顔になった。

ミミが大きくなるとしあわせも大きくなるから、ダダにはやく言わなくちゃ。
いつでも新しいしあわせが入るようにしておいてねって。


ダダのおなかはやっぱりすごい。




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