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超絶ビッチで毎日何人とでもセックスをしていた裕也(21歳)と、平凡なサラリーマンとして健全な社会生活を送る奏太(25歳)は、大恋愛の末に幸せな恋人同士になりました。
めでたしめでたし──……。
とはいかなかった。
裕也は奏太に話せないある悩みを抱えて毎日悶々としていた。
※
裕也はビッチである。毎日セックスする相手に困らず、一人目が終われば二人目、多くて四人目までを相手する事もあった程だ。
まるで風俗嬢のように呼ばれたらすぐに相手の元へ向かい、誰とでも寝てきた。
風俗嬢と違うのは、店に入っているわけではないので、本番禁止などのルールがない為奔放にセックス出来る事と、金銭のやり取りはしない事、そしてNGプレイなしというところだ。
開発された肉体は快楽に貪欲で、いつも気持ち良い事を求めていた。
だが、奏太を好きになってから誰ともセックスをしなくなった。
最初は身も心も恋愛に追いついていなかったので、セックスなどせずとも「奏太を好き」という気持ちだけで生きていけるとさえ思えていたが、同棲を始めて落ち着くと、次第に身体が疼き出してしまった。
「セックスしてぇー!」
裕也の脳内はその一言に尽きる。脳内メーカーでHの文字が埋め尽くされているみたいな感じだ。
感じやすい肉体は放置されている内に過敏になり、今では服が擦れても感じてしまう程である。風が吹けば頭皮が感じてしまう。
非常に苦しい状態で、浮気してしまおうかどうかで悩んでいた。
しかも今は夏休み。就活も内定を貰い、卒論も難しい内容ではないのでとても暇している。
バイトをするには、過敏な肉体が生活に支障をきたしているから難しい。
今はどうにか奏太にこの敏感体質を知られないよう、朝から奏太が帰ってくるまでオナニーをする日々が続いている。
だが、オナニー程度で満足出来る筈がないのだ。誰でもいいから一発……と考えている内に夜のハッテン場となっている公園にやってきてしまった。
もう奏太が帰ってくるので、外出したくはないのだが、勃起して収まらないチンポを奏太に見せたくない。
奏太とは週に三日セックス出来れば良い方である。それだけ真面目で性にあまり興味のなさそうな奏太に不満はない。だが、自分の身体はどうにかしなければならないのだ。
歩く度に服が擦れ、乳首や二の腕、腹部、太もも等がジンジンと甘く痺れ、歩けなくなって公園のベンチに座った。
すぐに男が裕也に近寄ってきた。
「大丈夫か? ……って、あれ裕也じゃん。何、溜まってんの? やろうぜ!」
「やっ……やらない」
心はグラグラと揺れ動いている。本当はしたくないのだ。だが、飢えている身体を満たしたい気持ちが強い。
奏太を思えば我慢出来る──が、押されてしまえば拒めない気がしてくる。
「えーどうしてよ? お前ならすぐヤリたいって言うと思ってたのに。つか、勃ってね?
やる気満々じゃん。あ、もしかして誰かと待ち合わせ? いいじゃん俺も混ぜてよ~」
「ひっ、ひぐっ……」
「えっ!? 何泣いてんの?」
「したい。エッチしたいよぉ」
「なら俺と……」
「でもやらないの。絶対、奏太としかしないって決めたから」
「でも苦しそうじゃね?」
「毎日何回オナニーしても、治まらないの。エッチがしたい、うぅ……」
「なにそれ、彼氏お前の事放ったらかし過ぎなんじゃね? つか、お前がたった一人だけの相手とか満足出来ると思えねぇけどな」
「ひっく。それでも……それでも我慢しなきゃ……」
「裕也っ!」
その時、奏太の怒鳴り声にも近い声が響いた。仕事帰りかスーツ姿だ。
駆け寄ると裕也を抱き締めて、男と距離を取った。
「お前っ、裕也に何した!?」
「なんもしてねーよ。お前彼氏? コイツが一日一回のセックスで満足すると思うなよ。可哀想だろ」
「これは俺達の問題なんで」
奏太は男を睨みつけると、裕也の肩を抱いて公園を後にした。
「あ、あの……奏太……ごめんなさい。俺、そんなつもりじゃなくて」
奏太は無言のままだ。気まずくなり、裕也もそれ以上弁解などはせずに一緒に帰宅した。
玄関で靴を脱いだ瞬間だった。急に奏太が裕也の両手を縄を使って後ろ手で縛ったのだ。
「えっ、やっ、何っ!?」
裕也が反応するまでに縛り終えている程の速さだ。いつ縄を取り出したのかすら裕也には分からない。
「ねぇっ! 奏太、なんでこんな……」
奏太は無言のままだ。裕也の手を縄ごと掴み引き摺るように寝室へと入っていく。
後ろ歩きのまま訳も分からず引っ張られる事しか出来ない裕也は、既に半泣き状態だ。
ベッドの上に飛ばされ、両手が塞がれている裕也は起き上がる事がなかなか出来ない。その内に、首にSM用の首輪を着けられ、首輪から繋がれた鎖はベッドボードにグルグルと巻き付けられ、取れないよう南京錠まで付けられてしまった。
「奏太! なんでこんな事するんだよ。さっきの怒ってるのか?
俺ら、恋人同士じゃなかったのかよ……!?」
「黙れ」
暗い部屋の中、奏太の表情ははっきり分からない。だが声から怒っている事は明らかである。
奏太はギャグボールを取り、裕也の口を塞いで頭の後ろでキツくベルトを締めた。
どんなに裕也が舌でボールを押し出そうと足掻こうが、奏太がベルトを外さなければ取れないのだ。
「ずっとこんな日が来ると思って準備をしていた」
「んんー!!」
外して欲しいと涙ながらに目で訴えるが、奏太は無視して話を続ける。
「淫乱ビッチなお前が俺だけで満足出来る訳ないのは分かっていたからな。
もう、とち狂ってあんなところに行こうと思わないよう、俺が直してあげるよ」
「んー!」
「心配は要らない。これからしばらくオナ禁してもらうだけだから。手が使えてしまうと、お前はどうしてもチンコとアナルを触ってしまうからね。
日常からチンコとアナルを触らないのが当たり前だって身体に教えなきゃ……ね?」
奏太はあくまでも優しい微笑みで子供に諭すような口調だ。
こうして残りの夏休みをかけた荒療治が始まったのであった。
めでたしめでたし──……。
とはいかなかった。
裕也は奏太に話せないある悩みを抱えて毎日悶々としていた。
※
裕也はビッチである。毎日セックスする相手に困らず、一人目が終われば二人目、多くて四人目までを相手する事もあった程だ。
まるで風俗嬢のように呼ばれたらすぐに相手の元へ向かい、誰とでも寝てきた。
風俗嬢と違うのは、店に入っているわけではないので、本番禁止などのルールがない為奔放にセックス出来る事と、金銭のやり取りはしない事、そしてNGプレイなしというところだ。
開発された肉体は快楽に貪欲で、いつも気持ち良い事を求めていた。
だが、奏太を好きになってから誰ともセックスをしなくなった。
最初は身も心も恋愛に追いついていなかったので、セックスなどせずとも「奏太を好き」という気持ちだけで生きていけるとさえ思えていたが、同棲を始めて落ち着くと、次第に身体が疼き出してしまった。
「セックスしてぇー!」
裕也の脳内はその一言に尽きる。脳内メーカーでHの文字が埋め尽くされているみたいな感じだ。
感じやすい肉体は放置されている内に過敏になり、今では服が擦れても感じてしまう程である。風が吹けば頭皮が感じてしまう。
非常に苦しい状態で、浮気してしまおうかどうかで悩んでいた。
しかも今は夏休み。就活も内定を貰い、卒論も難しい内容ではないのでとても暇している。
バイトをするには、過敏な肉体が生活に支障をきたしているから難しい。
今はどうにか奏太にこの敏感体質を知られないよう、朝から奏太が帰ってくるまでオナニーをする日々が続いている。
だが、オナニー程度で満足出来る筈がないのだ。誰でもいいから一発……と考えている内に夜のハッテン場となっている公園にやってきてしまった。
もう奏太が帰ってくるので、外出したくはないのだが、勃起して収まらないチンポを奏太に見せたくない。
奏太とは週に三日セックス出来れば良い方である。それだけ真面目で性にあまり興味のなさそうな奏太に不満はない。だが、自分の身体はどうにかしなければならないのだ。
歩く度に服が擦れ、乳首や二の腕、腹部、太もも等がジンジンと甘く痺れ、歩けなくなって公園のベンチに座った。
すぐに男が裕也に近寄ってきた。
「大丈夫か? ……って、あれ裕也じゃん。何、溜まってんの? やろうぜ!」
「やっ……やらない」
心はグラグラと揺れ動いている。本当はしたくないのだ。だが、飢えている身体を満たしたい気持ちが強い。
奏太を思えば我慢出来る──が、押されてしまえば拒めない気がしてくる。
「えーどうしてよ? お前ならすぐヤリたいって言うと思ってたのに。つか、勃ってね?
やる気満々じゃん。あ、もしかして誰かと待ち合わせ? いいじゃん俺も混ぜてよ~」
「ひっ、ひぐっ……」
「えっ!? 何泣いてんの?」
「したい。エッチしたいよぉ」
「なら俺と……」
「でもやらないの。絶対、奏太としかしないって決めたから」
「でも苦しそうじゃね?」
「毎日何回オナニーしても、治まらないの。エッチがしたい、うぅ……」
「なにそれ、彼氏お前の事放ったらかし過ぎなんじゃね? つか、お前がたった一人だけの相手とか満足出来ると思えねぇけどな」
「ひっく。それでも……それでも我慢しなきゃ……」
「裕也っ!」
その時、奏太の怒鳴り声にも近い声が響いた。仕事帰りかスーツ姿だ。
駆け寄ると裕也を抱き締めて、男と距離を取った。
「お前っ、裕也に何した!?」
「なんもしてねーよ。お前彼氏? コイツが一日一回のセックスで満足すると思うなよ。可哀想だろ」
「これは俺達の問題なんで」
奏太は男を睨みつけると、裕也の肩を抱いて公園を後にした。
「あ、あの……奏太……ごめんなさい。俺、そんなつもりじゃなくて」
奏太は無言のままだ。気まずくなり、裕也もそれ以上弁解などはせずに一緒に帰宅した。
玄関で靴を脱いだ瞬間だった。急に奏太が裕也の両手を縄を使って後ろ手で縛ったのだ。
「えっ、やっ、何っ!?」
裕也が反応するまでに縛り終えている程の速さだ。いつ縄を取り出したのかすら裕也には分からない。
「ねぇっ! 奏太、なんでこんな……」
奏太は無言のままだ。裕也の手を縄ごと掴み引き摺るように寝室へと入っていく。
後ろ歩きのまま訳も分からず引っ張られる事しか出来ない裕也は、既に半泣き状態だ。
ベッドの上に飛ばされ、両手が塞がれている裕也は起き上がる事がなかなか出来ない。その内に、首にSM用の首輪を着けられ、首輪から繋がれた鎖はベッドボードにグルグルと巻き付けられ、取れないよう南京錠まで付けられてしまった。
「奏太! なんでこんな事するんだよ。さっきの怒ってるのか?
俺ら、恋人同士じゃなかったのかよ……!?」
「黙れ」
暗い部屋の中、奏太の表情ははっきり分からない。だが声から怒っている事は明らかである。
奏太はギャグボールを取り、裕也の口を塞いで頭の後ろでキツくベルトを締めた。
どんなに裕也が舌でボールを押し出そうと足掻こうが、奏太がベルトを外さなければ取れないのだ。
「ずっとこんな日が来ると思って準備をしていた」
「んんー!!」
外して欲しいと涙ながらに目で訴えるが、奏太は無視して話を続ける。
「淫乱ビッチなお前が俺だけで満足出来る訳ないのは分かっていたからな。
もう、とち狂ってあんなところに行こうと思わないよう、俺が直してあげるよ」
「んー!」
「心配は要らない。これからしばらくオナ禁してもらうだけだから。手が使えてしまうと、お前はどうしてもチンコとアナルを触ってしまうからね。
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