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第三章「ライバルたちの群雄割拠」
15.ふたつの顔
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「優花、ちょっとここへ座りなさい」
夕食を終え、自室に戻ろうとした優花を父親が呼び止めた。父親はリビングのソファーに座るよう指を差す。黙って言われた通りに座った優花に、真正面に腰かけた父親が言う。
「前に話した面談の件だが、12月に入ってからになりそうだ。今のところお前たちふたりで食事に行って貰おうと思っている」
優花はつまらない話がまた始まったとぼんやり父の顔を見つめて聞いていた。そんな優花の頭に不意に放った父親の言葉が突き刺さる。
「お相手の結城家のご子息、結城レン君と言うのだが……」
(え?)
優花が顔を上げて父親の顔を見つめる。父親はスマホを取り出し、そこに結城の写真を表示させて優花に見せる。
「これがレン君だ。良かったな、相当なイケメンだ」
(うそ、これってうちの大学の……)
文化祭実行委員の責任者。馴れ馴れしく優花が苦手とする先輩である。優花が青い顔をして父親に尋ねる。
「その人と、私はお見合いみたいなことをするの……?」
父親が優花を見て言う。
「そうだ」
優花が黙り込んで下を向く。その変化に気付いた父親が言う。
「大事な取引先のご子息だ。うちよりも格が高い名家だ。結婚を考えるのも問題ない。まあ、無論レン君の人柄にもよるし、お前の気持ちも尊重する」
その言葉を聞きながら、それでも自分が気に入れば娘に無理強いをするんだろうと優花が思う。
「話は以上だ」
「うん……」
優花はそう小さく答えるとすぐに自室へ向かって歩き出す。部屋に入ろうとした優花に姉の茜が声をかける。
「面談、行くの?」
「姉さん? え、ええ……」
マイペースだが優花と違い父に合わせることが上手な茜。
「イケメンって声が聞こえたけど、そんなにいい男なの?」
「……」
無言の優花。
「まあ、嫌なら断っちゃえばいいし、私みたいに適当にあしらっておけばいいのよ」
「そうね、そうするわ」
そこだけ強く答える優花。
「強そうな男なの? 強くてカッコいい男なら私が貰うわよ」
「姉さんにあげるわ」
優花はそう言って自室に入る。
「はあ……」
優花は自分のベッドに横になってぼんやりと天井を見つめる。
(タケル君……、どうしよう……)
優花は一晩中、このことについてタケルに話すかどうか悩んだ。
「お疲れ、優花ちゃん」
翌日、文化祭実行委員のミーティングで会議室にやって来た優花に結城が声をかけた。
「お疲れ様です……」
優花は昨晩父親から聞かされた彼の話を思い出す。
まだ誰もいない静かな事務所。窓の外にはキャンパスを歩く学生たちの姿が見える。結城は優花の隣に座って笑顔で言った。
「ねえ、優花ちゃん」
背筋がぞっとした。嫌なことを言われる、そう直感した。
「面談の件、昨日パパから聞いたんだけど、まさか相手が優花ちゃんだったとはね」
分かっていた。
自分が知るということは相手も知るということ。
「私はそのつもりはありませんから」
真剣な顔で言う優花を見て結城が笑顔で答える。
「そんな寂しいこと言わないでさあ、これからもっと知り合おうよ」
そう言って前を向いたまま自分を見ようとしない優花の前に体を傾ける。
ガチャッ
そこへ文化祭実行委員の女の子たちがやって来る。そして見つめ合うようにして座るふたりを見てちっと舌打ちしてから結城に言う。
「結城センパイ、お疲れでーす!!」
「よお、お疲れ。じゃあ、始めようか」
笑顔のまま答える結城。
そしてそれぞれが自分の席に着き、今日のメインテーマのCM撮影についての話が始まった。司会役の女の子が皆に言う。
「CM撮影ですが、うちの大学をPRする重要なものになります。来春からテレビやネットで放送される予定ですので、なるべく明るいイメージを持ってもらうようなものがいいですね」
来年以降の新入生たちに向けてのPR動画。希望に満ちたものが望ましい。無論そのCMに出演するのがミスコングランプリの優花であり、ミスターコンのグランプリである。司会の女が言う。
「ミスターコンの上島さんが今日は所用で来れないので、今いるメンバーで大まかな内容を決めたいと思います。まずは……」
そこまで言った時、黙って聞いていた責任者である結城が立ち上がって言った。
「ねえ、水着なんてどうかな?」
「え?」
そこにいた全員が驚いて結城を見つめる。結城が言う。
「楽しい大学生活を想像させるには水着ってのが最高だと思うんだ。活発で元気。今年度のミスコンの桐島さんにぴったりだと思うんだ」
静まり返る会議室。これまで毎年CMを撮って来ているが、当然だが水着なんて一度もない。
(な、なにを言っているの? 本気でそんなことを言っているの!?)
優花は怒りを含んだ目で結城を睨む。司会役の女の子が恐る恐る言う。
「さ、さすがに教育機関のPR動画に水着と言うのは……」
すぐに結城が反論する。
「教育機関だからこそこういった目立つものを作らなきゃいけないんだ。少子化の今、多くの学生に来て貰うためにはこれまでと同じことをしていては駄目なんだ!!」
責任者である結城の言葉は重い。
結城の強い意志の前に皆が黙り込む。
(じょ、冗談じゃないわ!! なんで水着なんて!!!)
いい加減頭に来た優花が立ち上がり、大きな声で言う。
「水着を強制されるなら私は辞退します。CMもグランプリも」
その言葉に今度は結城を含めた皆が静かになった。
(本当に面倒臭い!! ミスコンなんてやらなきゃよかった!!!)
ミーティングの後、怒り心頭でひとり部屋を出る優花。結局、水着という戯けた案は優花の猛反対で却下となったが、歩きながらもその怒りは収まらない。
「優花ちゃん」
歩いていた優花に後ろから声がかかる。その声は結城。優花が歩みを止めゆっくりと振り返る。
「水着、そんなに嫌だったのかな~?」
笑顔の結城。優花が答える。
「嫌です。そんなの当たり前……」
そこまで言い掛けた時、結城の表情が一変する。
「調子に乗るなよ」
「え?」
これまでと違った声色、表情。優花の背筋に悪寒が走る。
「調子に乗るなと言ったんだ、クズが!!」
静かだが圧のある言い方。急変した結城を前に優花が震え出す。
「ゆ、結城先輩……?」
これまでの笑顔を絶やさない結城とはまるで別人。震える優花に結城が言う。
「お前の家はうちに跪く家なんだよ!! 分かってんのか? 俺の言葉は絶対。お前には否定も拒否も、考えることすらできない。いいかっ!!!」
「な、なにそれ……、いや……」
優花は恐怖に耐えきれなくなって、口を塞ぎ逃げるように走り出す。
(なに、なんなの!? 恐い、怖いよ!!!)
目を真っ赤にしながらキャンパスを走る優花。
そして正門で待ち合わせをしていたタケルの姿を見つけるとそのまま勢い良く抱き着いた。
「タケル君ーーーーーっ!!!」
「う、うわっ、優花!?」
まだまだ帰宅する学生が多い中、躊躇せずに抱き着く優花に驚くタケル。優花が小さな声で言う。
「ごめんね、急に。ごめん……」
様子がおかしい優花を頷きながらしばらく抱く続けるタケル。周りからの視線は気になったがそれどころではないようだ。
時間が経ち、近くのベンチに行き座るふたり。少し落ち着いて来た優花がタケルにぼそっと言う。
「グランプリなんて、辞めちゃおうかな……」
タケルが答える。
「辞めちゃえば」
(え?)
優花がタケルを見つめる。
「何があったか知らないけど、そんなに嫌なら辞退すればいいじゃん」
「そうだね……」
優花の水色の目から涙がこぼれる。
(忘れてた。ここには私の味方がいる。私だけの味方……)
優花がタケルの腕を組んで言う。
「グランプリ辞退したらさあ、きっといっぱい怒られると思うんだけど、一緒に怒られてくれる?」
「ああ、いいぜ」
「ふふ、ありがと」
優花はタケルの肩に頭を乗せて目を閉じる。タケルが言う。
「何があったか知らないけど俺で力になれることがあれば言ってくれ」
「うん……」
そう小さく答える優花にタケルが続けて言う。
「とりあえず……」
目を閉じ、黙って優花が聞く。
「とりあえずこのまま仮装の衣装、一緒に見に行こうか!」
優花がタケルの腕をぎゅっと掴んで答える。
「うん、行こ行こ!!」
タケルはそのまま立ち上がると、笑顔になった優花と腕を組んだまま駅へと歩き出した。
夕食を終え、自室に戻ろうとした優花を父親が呼び止めた。父親はリビングのソファーに座るよう指を差す。黙って言われた通りに座った優花に、真正面に腰かけた父親が言う。
「前に話した面談の件だが、12月に入ってからになりそうだ。今のところお前たちふたりで食事に行って貰おうと思っている」
優花はつまらない話がまた始まったとぼんやり父の顔を見つめて聞いていた。そんな優花の頭に不意に放った父親の言葉が突き刺さる。
「お相手の結城家のご子息、結城レン君と言うのだが……」
(え?)
優花が顔を上げて父親の顔を見つめる。父親はスマホを取り出し、そこに結城の写真を表示させて優花に見せる。
「これがレン君だ。良かったな、相当なイケメンだ」
(うそ、これってうちの大学の……)
文化祭実行委員の責任者。馴れ馴れしく優花が苦手とする先輩である。優花が青い顔をして父親に尋ねる。
「その人と、私はお見合いみたいなことをするの……?」
父親が優花を見て言う。
「そうだ」
優花が黙り込んで下を向く。その変化に気付いた父親が言う。
「大事な取引先のご子息だ。うちよりも格が高い名家だ。結婚を考えるのも問題ない。まあ、無論レン君の人柄にもよるし、お前の気持ちも尊重する」
その言葉を聞きながら、それでも自分が気に入れば娘に無理強いをするんだろうと優花が思う。
「話は以上だ」
「うん……」
優花はそう小さく答えるとすぐに自室へ向かって歩き出す。部屋に入ろうとした優花に姉の茜が声をかける。
「面談、行くの?」
「姉さん? え、ええ……」
マイペースだが優花と違い父に合わせることが上手な茜。
「イケメンって声が聞こえたけど、そんなにいい男なの?」
「……」
無言の優花。
「まあ、嫌なら断っちゃえばいいし、私みたいに適当にあしらっておけばいいのよ」
「そうね、そうするわ」
そこだけ強く答える優花。
「強そうな男なの? 強くてカッコいい男なら私が貰うわよ」
「姉さんにあげるわ」
優花はそう言って自室に入る。
「はあ……」
優花は自分のベッドに横になってぼんやりと天井を見つめる。
(タケル君……、どうしよう……)
優花は一晩中、このことについてタケルに話すかどうか悩んだ。
「お疲れ、優花ちゃん」
翌日、文化祭実行委員のミーティングで会議室にやって来た優花に結城が声をかけた。
「お疲れ様です……」
優花は昨晩父親から聞かされた彼の話を思い出す。
まだ誰もいない静かな事務所。窓の外にはキャンパスを歩く学生たちの姿が見える。結城は優花の隣に座って笑顔で言った。
「ねえ、優花ちゃん」
背筋がぞっとした。嫌なことを言われる、そう直感した。
「面談の件、昨日パパから聞いたんだけど、まさか相手が優花ちゃんだったとはね」
分かっていた。
自分が知るということは相手も知るということ。
「私はそのつもりはありませんから」
真剣な顔で言う優花を見て結城が笑顔で答える。
「そんな寂しいこと言わないでさあ、これからもっと知り合おうよ」
そう言って前を向いたまま自分を見ようとしない優花の前に体を傾ける。
ガチャッ
そこへ文化祭実行委員の女の子たちがやって来る。そして見つめ合うようにして座るふたりを見てちっと舌打ちしてから結城に言う。
「結城センパイ、お疲れでーす!!」
「よお、お疲れ。じゃあ、始めようか」
笑顔のまま答える結城。
そしてそれぞれが自分の席に着き、今日のメインテーマのCM撮影についての話が始まった。司会役の女の子が皆に言う。
「CM撮影ですが、うちの大学をPRする重要なものになります。来春からテレビやネットで放送される予定ですので、なるべく明るいイメージを持ってもらうようなものがいいですね」
来年以降の新入生たちに向けてのPR動画。希望に満ちたものが望ましい。無論そのCMに出演するのがミスコングランプリの優花であり、ミスターコンのグランプリである。司会の女が言う。
「ミスターコンの上島さんが今日は所用で来れないので、今いるメンバーで大まかな内容を決めたいと思います。まずは……」
そこまで言った時、黙って聞いていた責任者である結城が立ち上がって言った。
「ねえ、水着なんてどうかな?」
「え?」
そこにいた全員が驚いて結城を見つめる。結城が言う。
「楽しい大学生活を想像させるには水着ってのが最高だと思うんだ。活発で元気。今年度のミスコンの桐島さんにぴったりだと思うんだ」
静まり返る会議室。これまで毎年CMを撮って来ているが、当然だが水着なんて一度もない。
(な、なにを言っているの? 本気でそんなことを言っているの!?)
優花は怒りを含んだ目で結城を睨む。司会役の女の子が恐る恐る言う。
「さ、さすがに教育機関のPR動画に水着と言うのは……」
すぐに結城が反論する。
「教育機関だからこそこういった目立つものを作らなきゃいけないんだ。少子化の今、多くの学生に来て貰うためにはこれまでと同じことをしていては駄目なんだ!!」
責任者である結城の言葉は重い。
結城の強い意志の前に皆が黙り込む。
(じょ、冗談じゃないわ!! なんで水着なんて!!!)
いい加減頭に来た優花が立ち上がり、大きな声で言う。
「水着を強制されるなら私は辞退します。CMもグランプリも」
その言葉に今度は結城を含めた皆が静かになった。
(本当に面倒臭い!! ミスコンなんてやらなきゃよかった!!!)
ミーティングの後、怒り心頭でひとり部屋を出る優花。結局、水着という戯けた案は優花の猛反対で却下となったが、歩きながらもその怒りは収まらない。
「優花ちゃん」
歩いていた優花に後ろから声がかかる。その声は結城。優花が歩みを止めゆっくりと振り返る。
「水着、そんなに嫌だったのかな~?」
笑顔の結城。優花が答える。
「嫌です。そんなの当たり前……」
そこまで言い掛けた時、結城の表情が一変する。
「調子に乗るなよ」
「え?」
これまでと違った声色、表情。優花の背筋に悪寒が走る。
「調子に乗るなと言ったんだ、クズが!!」
静かだが圧のある言い方。急変した結城を前に優花が震え出す。
「ゆ、結城先輩……?」
これまでの笑顔を絶やさない結城とはまるで別人。震える優花に結城が言う。
「お前の家はうちに跪く家なんだよ!! 分かってんのか? 俺の言葉は絶対。お前には否定も拒否も、考えることすらできない。いいかっ!!!」
「な、なにそれ……、いや……」
優花は恐怖に耐えきれなくなって、口を塞ぎ逃げるように走り出す。
(なに、なんなの!? 恐い、怖いよ!!!)
目を真っ赤にしながらキャンパスを走る優花。
そして正門で待ち合わせをしていたタケルの姿を見つけるとそのまま勢い良く抱き着いた。
「タケル君ーーーーーっ!!!」
「う、うわっ、優花!?」
まだまだ帰宅する学生が多い中、躊躇せずに抱き着く優花に驚くタケル。優花が小さな声で言う。
「ごめんね、急に。ごめん……」
様子がおかしい優花を頷きながらしばらく抱く続けるタケル。周りからの視線は気になったがそれどころではないようだ。
時間が経ち、近くのベンチに行き座るふたり。少し落ち着いて来た優花がタケルにぼそっと言う。
「グランプリなんて、辞めちゃおうかな……」
タケルが答える。
「辞めちゃえば」
(え?)
優花がタケルを見つめる。
「何があったか知らないけど、そんなに嫌なら辞退すればいいじゃん」
「そうだね……」
優花の水色の目から涙がこぼれる。
(忘れてた。ここには私の味方がいる。私だけの味方……)
優花がタケルの腕を組んで言う。
「グランプリ辞退したらさあ、きっといっぱい怒られると思うんだけど、一緒に怒られてくれる?」
「ああ、いいぜ」
「ふふ、ありがと」
優花はタケルの肩に頭を乗せて目を閉じる。タケルが言う。
「何があったか知らないけど俺で力になれることがあれば言ってくれ」
「うん……」
そう小さく答える優花にタケルが続けて言う。
「とりあえず……」
目を閉じ、黙って優花が聞く。
「とりあえずこのまま仮装の衣装、一緒に見に行こうか!」
優花がタケルの腕をぎゅっと掴んで答える。
「うん、行こ行こ!!」
タケルはそのまま立ち上がると、笑顔になった優花と腕を組んだまま駅へと歩き出した。
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