48 / 89
第四章「姫様の盾になる男」
48.ミセル、陥落。
しおりを挟む
『聖女就任式』で大怪我を負い昏睡状態であったエルグが目を覚ました翌日の夜、ミセル・ジャスターはひとりの男の部屋のドアの前に立っていた。
ノックをする手が震える。ミセルが意を決して軽く叩いた。
コンコン……
しばらくしてドアの向こうから小さな声が聞こえた。
「誰だ?」
「私です。ミセルです」
カチャ
少しの間を置いてドアが開かれる。
(ロレロレ様……)
銀色の短髪、厚い胸板。くたびれたシャツだがそんな服が彼には良く似合う。ロレンツが言う。
「どうしたんだ、こんな時間に?」
ミセルは少し目を逸らしながら恥ずかしそうに言う。
「ちょっとお話がございまして。入ってもよろしいでしょうか」
「明日じゃ駄目なのか。イコも寝てしまっている」
「すぐに終わらせます。少しだけお時間を……」
顔を上げて真剣にそう言うミセルにロレンツは軽く頷いてミセルを部屋に招き入れる。
(あれ? あれはミセル様……?)
ミセルがロレンツの部屋の中に消えて行くその姿を、偶然通りかかったアンナの元婚約者であるカイトが目にする。
(まさか、まさかこれって……)
カイトはひとり薄気味悪い笑みを浮かべて暗い廊下に消えて行った。
(ロレロレ様のお部屋……)
部屋に入ったミセルは中央に置かれたソファーにテーブル、読みかけの雑誌や無造作に置かれた衣服などを見て少し緊張する。ロレンツがソファーにミセルを勧めながら言う。
「座んな」
「はい」
ミセルはソファーに腰かけるとテーブルの上に置かれた飲みかけのお酒を見て言った。
「飲んでいらしたの?」
「ああ、寝る前にちょっとな」
ロレンツもその前に腰かけミセルに言う。
「で、何の用だい?」
ミセルはすっと立ち上がり、深々と頭を下げて言った。
「助けて頂きましてありがとうございました。本当に、本当に感謝しております」
ミセルは頭を下げながら大怪我を負ったエルグ、昏睡状態だった兄を思い浮かべて目を赤くする。ロレンツは飲みかけのグラスを手にして答える。
「ああ、気にするな。気まぐれだ」
そんなことはない。
貴重な輝石を手渡し、真っ先に飛び出し賊を捕らえてくれた。それを分かっていたからこそミセルはそのまま頭を下げ続けた。ロレンツが言う。
「もういいから、座んな」
「はい」
ミセルは軽く目をこすり、そしてソファーに腰かける。ミセルが尋ねる。
「ロレロレ様はご存じだったんですね。輝石のこと」
ロレンツは目を閉じてグラスの酒を口にして、答えた。
「ああ、以前嬢ちゃんが俺の怪我治してくれた時、全く魔力が感じられねえのに気付いておかしいと思ってはいた。治癒魔法も魔法の一種。魔力なしで発動はできないはず」
ミセルが自嘲的な笑みを浮かべて答える。
「仰る通りですわ。ちなみにあの輝石はどこで手に入れられたんですか?」
ロレンツは足を組み直してゆっくり告げる。
「うちの青髪の嬢ちゃんが、おめえさんらに捕まって助けに行った時に手に入れた」
ミセルはそれがレイガルト卿に命じたリリー監禁のことだと思い出す。
「何でもご存じなんですね」
ロレンツはそれに酒を飲みながら笑って応える。ミセルが言う。
「怒ってはいないのですか?」
「他にもやってんのか?」
「はい、色々と」
それを聞きロレンツが苦笑する。
「私は悪い女でしょうか」
ロレンツはグラスをコトッと音を立ててテーブルの上に置き、ミセルに言う。
「知らねえ。ただ嬢ちゃんも必死なんだろ?」
「え、ええ……」
「ちょっとその必死さの方向が違うだけ。真っすぐ向きな。俺はそう言うのが好きだ」
「真っすぐ……」
ミセルがその言葉を繰り返す。再びグラスを手にしたロレンツに、ミセルが顔を上げて言う。
「私の『護衛職』になって頂けませんか」
少しの沈黙。ロレンツが答える。
「それはできねえ。俺は姫さんのお守り役だ」
無表情のミセルがロレンツに問う。
「どうしてアンナ様なんですか?」
ロレンツが酒の入ったグラスを顔の前に持ち上げ、それをミセルに見せながら言う。
「飲み比べで負けちまってな、それで約束したんだ」
「……飲み比べで、約束?」
「ああ、嬢ちゃんを救うって」
(えっ)
『救いに来た』とは前に聞いていたが、その理由がたったそれだけのことなのだろうか?
ミセルの頭の中でそれだけの理由で敵国に乗り込み、危険を顧みずに降りかかる障壁をこの人は次々と壊して行っているのだろうかと混乱する。ミセルが言う。
「それだけのことで……」
「真っすぐなんだよ」
「真っすぐ?」
そう繰り返すミセルにロレンツが言う。
「ああ、あの嬢ちゃん真っすぐでな。何もねえこんな俺を真っすぐ頼ってくれた。それだけだ」
ミセルは黙り込んでしまった。
献身的にアンナを助けるロレンツは、きっと彼女にべた惚れしているとか、お金、その他何か別の利益があるから傍についているものだと思い込んでいた。王家や有力貴族に近づく者は大抵そう。甘い蜜があるから寄って来る。ミセルが少し笑いながら尋ねる。
「どうしてそんなことを私にお話しされるんですか」
ロレンツも少し笑って答える。
「今のあんたも、真っすぐだからだ」
(!!)
私が真っすぐ。
これだけ計略・策略・謀略を行ってきた自分が真っすぐと目の前の男は言う。ミセルが思う。
――貴方の前では真っすぐになってしまうんですね
ミセルはそう言い掛けてその言葉を胸の奥へとしまい込んだ。ミセルが立ち上がりながら言う。
「もう少し早くお会いしたかったですわ」
「そりゃ無理だ。朝はイコの支度で忙しいし、昼は嬢ちゃんの護衛でこれまた忙し……」
「うふふっ……」
ミセルは手を口に当てて上品に笑った。ロレンツは突然笑い出すミセルを見て、やはり時々上手く噛み合わない女という生き物との会話が苦手だと思った。
ミセルは持って来ていた鞄から箱を取り出してテーブルに置く。
「忘れておりましたわ。これはこの間のお礼。お菓子ですの」
「俺は甘いものはあまり得意じゃ……」
「イコちゃんにですわよ。何を誤解されて?」
ちょっと驚いた顔をしたロレンツがばつが悪そうに答える。
「あ、ああ。そうか、そりゃすまねえ。有り難く頂く」
そう言って銀色の頭を少し下げる。ミセルが言う。
「では失礼しますわ。本当にありがとうございました」
ミセルはドアの方へと歩いて行き、再びロレンツに深く頭を下げて言った。
「なあ、嬢ちゃん」
「何でしょうか?」
ミセルが笑顔で答える。
「聖女、目指すんだろ?」
「ええ」
「頑張りな」
ミセルは嬉しそうな顔でロレンツに言う。
「ロレロレ様が応援して頂けるなら頑張れる気がしますわ。それでは」
ミセルはそう笑って言うと頭を下げて部屋を出て行った。
「さて、飲み直すか」
ロレンツはミセルが帰った後、再びソファーに腰かけグラスに酒を注いだ。
結果的にミセルの改心に助力することになったロレンツ。
これでアンナに対する障壁がひとつ減ったことは事実だが、それでも未だ彼女を取り巻く黒き思惑は多く、砂上の城であることには変わりない。
さらに遠くの地で、アンナとロレンツを襲う最大の試練がゆっくり動き出していることにまだ気付いていなかった。
ノックをする手が震える。ミセルが意を決して軽く叩いた。
コンコン……
しばらくしてドアの向こうから小さな声が聞こえた。
「誰だ?」
「私です。ミセルです」
カチャ
少しの間を置いてドアが開かれる。
(ロレロレ様……)
銀色の短髪、厚い胸板。くたびれたシャツだがそんな服が彼には良く似合う。ロレンツが言う。
「どうしたんだ、こんな時間に?」
ミセルは少し目を逸らしながら恥ずかしそうに言う。
「ちょっとお話がございまして。入ってもよろしいでしょうか」
「明日じゃ駄目なのか。イコも寝てしまっている」
「すぐに終わらせます。少しだけお時間を……」
顔を上げて真剣にそう言うミセルにロレンツは軽く頷いてミセルを部屋に招き入れる。
(あれ? あれはミセル様……?)
ミセルがロレンツの部屋の中に消えて行くその姿を、偶然通りかかったアンナの元婚約者であるカイトが目にする。
(まさか、まさかこれって……)
カイトはひとり薄気味悪い笑みを浮かべて暗い廊下に消えて行った。
(ロレロレ様のお部屋……)
部屋に入ったミセルは中央に置かれたソファーにテーブル、読みかけの雑誌や無造作に置かれた衣服などを見て少し緊張する。ロレンツがソファーにミセルを勧めながら言う。
「座んな」
「はい」
ミセルはソファーに腰かけるとテーブルの上に置かれた飲みかけのお酒を見て言った。
「飲んでいらしたの?」
「ああ、寝る前にちょっとな」
ロレンツもその前に腰かけミセルに言う。
「で、何の用だい?」
ミセルはすっと立ち上がり、深々と頭を下げて言った。
「助けて頂きましてありがとうございました。本当に、本当に感謝しております」
ミセルは頭を下げながら大怪我を負ったエルグ、昏睡状態だった兄を思い浮かべて目を赤くする。ロレンツは飲みかけのグラスを手にして答える。
「ああ、気にするな。気まぐれだ」
そんなことはない。
貴重な輝石を手渡し、真っ先に飛び出し賊を捕らえてくれた。それを分かっていたからこそミセルはそのまま頭を下げ続けた。ロレンツが言う。
「もういいから、座んな」
「はい」
ミセルは軽く目をこすり、そしてソファーに腰かける。ミセルが尋ねる。
「ロレロレ様はご存じだったんですね。輝石のこと」
ロレンツは目を閉じてグラスの酒を口にして、答えた。
「ああ、以前嬢ちゃんが俺の怪我治してくれた時、全く魔力が感じられねえのに気付いておかしいと思ってはいた。治癒魔法も魔法の一種。魔力なしで発動はできないはず」
ミセルが自嘲的な笑みを浮かべて答える。
「仰る通りですわ。ちなみにあの輝石はどこで手に入れられたんですか?」
ロレンツは足を組み直してゆっくり告げる。
「うちの青髪の嬢ちゃんが、おめえさんらに捕まって助けに行った時に手に入れた」
ミセルはそれがレイガルト卿に命じたリリー監禁のことだと思い出す。
「何でもご存じなんですね」
ロレンツはそれに酒を飲みながら笑って応える。ミセルが言う。
「怒ってはいないのですか?」
「他にもやってんのか?」
「はい、色々と」
それを聞きロレンツが苦笑する。
「私は悪い女でしょうか」
ロレンツはグラスをコトッと音を立ててテーブルの上に置き、ミセルに言う。
「知らねえ。ただ嬢ちゃんも必死なんだろ?」
「え、ええ……」
「ちょっとその必死さの方向が違うだけ。真っすぐ向きな。俺はそう言うのが好きだ」
「真っすぐ……」
ミセルがその言葉を繰り返す。再びグラスを手にしたロレンツに、ミセルが顔を上げて言う。
「私の『護衛職』になって頂けませんか」
少しの沈黙。ロレンツが答える。
「それはできねえ。俺は姫さんのお守り役だ」
無表情のミセルがロレンツに問う。
「どうしてアンナ様なんですか?」
ロレンツが酒の入ったグラスを顔の前に持ち上げ、それをミセルに見せながら言う。
「飲み比べで負けちまってな、それで約束したんだ」
「……飲み比べで、約束?」
「ああ、嬢ちゃんを救うって」
(えっ)
『救いに来た』とは前に聞いていたが、その理由がたったそれだけのことなのだろうか?
ミセルの頭の中でそれだけの理由で敵国に乗り込み、危険を顧みずに降りかかる障壁をこの人は次々と壊して行っているのだろうかと混乱する。ミセルが言う。
「それだけのことで……」
「真っすぐなんだよ」
「真っすぐ?」
そう繰り返すミセルにロレンツが言う。
「ああ、あの嬢ちゃん真っすぐでな。何もねえこんな俺を真っすぐ頼ってくれた。それだけだ」
ミセルは黙り込んでしまった。
献身的にアンナを助けるロレンツは、きっと彼女にべた惚れしているとか、お金、その他何か別の利益があるから傍についているものだと思い込んでいた。王家や有力貴族に近づく者は大抵そう。甘い蜜があるから寄って来る。ミセルが少し笑いながら尋ねる。
「どうしてそんなことを私にお話しされるんですか」
ロレンツも少し笑って答える。
「今のあんたも、真っすぐだからだ」
(!!)
私が真っすぐ。
これだけ計略・策略・謀略を行ってきた自分が真っすぐと目の前の男は言う。ミセルが思う。
――貴方の前では真っすぐになってしまうんですね
ミセルはそう言い掛けてその言葉を胸の奥へとしまい込んだ。ミセルが立ち上がりながら言う。
「もう少し早くお会いしたかったですわ」
「そりゃ無理だ。朝はイコの支度で忙しいし、昼は嬢ちゃんの護衛でこれまた忙し……」
「うふふっ……」
ミセルは手を口に当てて上品に笑った。ロレンツは突然笑い出すミセルを見て、やはり時々上手く噛み合わない女という生き物との会話が苦手だと思った。
ミセルは持って来ていた鞄から箱を取り出してテーブルに置く。
「忘れておりましたわ。これはこの間のお礼。お菓子ですの」
「俺は甘いものはあまり得意じゃ……」
「イコちゃんにですわよ。何を誤解されて?」
ちょっと驚いた顔をしたロレンツがばつが悪そうに答える。
「あ、ああ。そうか、そりゃすまねえ。有り難く頂く」
そう言って銀色の頭を少し下げる。ミセルが言う。
「では失礼しますわ。本当にありがとうございました」
ミセルはドアの方へと歩いて行き、再びロレンツに深く頭を下げて言った。
「なあ、嬢ちゃん」
「何でしょうか?」
ミセルが笑顔で答える。
「聖女、目指すんだろ?」
「ええ」
「頑張りな」
ミセルは嬉しそうな顔でロレンツに言う。
「ロレロレ様が応援して頂けるなら頑張れる気がしますわ。それでは」
ミセルはそう笑って言うと頭を下げて部屋を出て行った。
「さて、飲み直すか」
ロレンツはミセルが帰った後、再びソファーに腰かけグラスに酒を注いだ。
結果的にミセルの改心に助力することになったロレンツ。
これでアンナに対する障壁がひとつ減ったことは事実だが、それでも未だ彼女を取り巻く黒き思惑は多く、砂上の城であることには変わりない。
さらに遠くの地で、アンナとロレンツを襲う最大の試練がゆっくり動き出していることにまだ気付いていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる