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第四章「姫様の盾になる男」
49.ジャスター家の逆襲
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ネガーベル王城の最奥に、普段あまり人が近付かない大きな部屋がある。
部屋の前に掛けられた『ジャスター』のプレート。そのドアを開けると中は外の暗い廊下とは打って変わって太陽の採光を取り入れた明るい空間が広がる。小さなパーティが開けるほどの広い室内には、豪華なソファーやテーブル、棚に並べられた幾種もの高価な酒類が飾られている。
その中央のソファーにどかっと座った、眼光鋭い日に焼けた肌に白髪のオールバックの初老の男、ガーヴェル・ジャスターが目の前に座る息子のエルグに声を掛けた。
「もうよいのか、怪我の方は?」
まだ少し白い顔をしたエルグが答える。
「ええ、もう大丈夫です。ご心配掛けました」
そう言ってエルグが軽く会釈をする。ガーヴェルが続ける。
「お前を襲った男だが身元が判明した」
エルグが顔を上げて父親の顔を見つめる。
「ミスガリアの元将軍だそうだ」
「……」
エルグは療養中のベッドでもその可能性は考えていた。国内でこのような事する人物はまずいない。だとすれば国外。ミスガリアなら納得いく。ガーヴェルが言う。
「我が軍に潜入して警備兵として式に出ておった。ネガーベルの服の下にミスガリアの軍服を着ておったわ。何をしても口を割らん奴だったが、お前の事を酷く恨んでいたようだ」
「名は?」
そう尋ねたエルグにガーヴェルが答える。
「何も喋らん奴だったが、軍服に縫われた刺繍から名前は判明した。ローゼルという男だ。知っているか?」
「いえ、知りませぬ」
輝石譲渡の交渉の際、謁見の間でエルグに斬りかかり逆に叩きのめされ足で踏まれたミスガリアの将軍。ただそんな男の名をエルグは知るはずもなかった。それでもミスガリアが自分を狙う理由は先の輝石譲渡を思い起こせば納得がいく。
ガーヴェルは手にした葉巻に火をつけてふうと煙を吐く。そして言った。
「お前には悪いと思ったがそいつは既に処刑した。その首を早馬に持たせてミスガリアへ送ってある。開戦状を添えてな」
エルグは父親のことだからすでにその男は生きていないだろうと思った。エルグが真剣な顔をして尋ねる。
「ミスガリアと戦争をするわけですね」
「そうだ。我が聖騎士団長を暗殺しようとした国だ。十分その償いはして貰う」
「分かりました。では私が……」
そう言おうとしたエルグにガーヴェルが煙を吐いて声を掛ける。
「お前は行かなくともよい。まだその体だ。しばらく休養せよ」
「しかし……」
軍を預かる責任者のエルグ。
この大きな戦に自国待機とは納得がいかない。ガーヴェルが言う。
「少しは部下を信じよ。あの程度の小国、お前が行かぬともすぐに終わらせる」
「……分かりました。父上」
エルグはそれでも納得いかない部分もあったが、父の言葉に従うことにした。エルグが尋ねる。
「アンナ様はもうご存じで?」
他国との戦争となると国王代理であるアンナの許可が必要となる。ガーヴェルが笑って答える。
「ああ、大丈夫だ。お前を斬った者の正体は既に国中に公表されている。ネガーベル全土でミスガリアへの反発が起き、『打倒ミスガリア』の空気が渦巻いておる」
エルグが黙って聞く。
「姫様にも申し上げたよ、『この民の怒りを戦争抜きでどうやって抑えるのですか』ってな」
エルグの頭に顔を青くして黙り込むアンナの姿が浮かぶ。
「それでもあの女は渋っていたが半ば強引に了承させたよ。小娘ひとり、どうってことはない」
「さすが父上。抜かりがない」
頷くエルグ。しかしガーヴェルは納得いかぬ顔をして答える。
「ただ、あのロレロレとか言う男。あやつは厄介だな」
「ロレロレですか……?」
「ああ、そうだ」
ガーヴェルは姫に謁見しに行った際に、その傍で仁王立ちする銀髪の男を思い出す。
「いるだけで姫以上の存在感、威圧感がある。こちらの心を見透かしていると言うか。しかもお前より強いんだろ? あれはやはり危険だ」
ガーヴェルは葉巻の煙を大きく吐いた。エルグが答える。
「ええ、何とも言えぬ不気味さを感じる男です。底なしの強さは私も認めるところです」
【赤き悪魔】の撃退、就任式でのローゼルの速やかな拘束。その強さに疑いの余地はない。ガーヴェルが言う。
「敵には回せぬ相手。味方に取り込むか、殺すか、だな。工作はどうなっている?」
「はい、現在リービス家の娘ミンファに篭絡を命じております。ただ一筋縄ではいかぬ様子で……」
一向に良い報告がないミンファに不満を感じながらエルグが言う。ガーヴェルも独自に放った暗殺者ヴァンが見事に返り討ちにされたことを思い出して言う。
「篭絡と暗殺。両方で進める。で、ミセルの方はどうだ?」
ガーヴェルは聖女就任撤回をした娘のミセルを心配して言う。エルグが答える。
「あれ以来しばらくずっと部屋で泣き続けていたそうですが、今は落ち着いて来ております。ただ……」
「ただ、なんだ?」
エルグが答える。
「ロレロレに落とされたようです」
ガーヴェルは日に焼けた頬を触りながら答える。
「そうか。輝石であいつを救ったのもロレロレ。あの年頃の女にはそう言った感情が出てしまうのも無理はないか」
真剣な顔をするエルグにガーヴェルが続ける。
「いっそうのこと、ミセルにロレロレ攻略をさせるのもいいかもな」
「な? ち、父上!?」
その発想はなかった。
いや、それだけは思いたくなかった。政略の為に大事な妹を使う。だがそんな言葉が目の前にいる父親に通じることはないと思った。ガーヴェルが思いつめた顔をするエルグに言う。
「エルグ、私情を捨てよ。お前ならやれる」
「はっ、父上」
エルグはそう言って頭を下げて父親に答えた。
(私は一体どうすればよいのでしょうか……)
ネガーベル王城の隅の一室。
その小さな部屋の中で、同じく小さな窓から外を眺めながらミンファは思った。地方領主でしかないリービス家。彼らが王城内に部屋を持つこと自体大変な事であり、その部屋の規模がそのまま家の力を示す。ミンファは無理して自分をここに派遣してくれた父親を想うと胸が痛む。
(家の為に任務を頑張りたい。でも……)
ミンファはその攻略対象である銀髪の男を頭に浮かべる。
(私になんかには決して振り向いてくれないお方。それよりも逆に私の方が……)
そこまで思ったミンファが胸に輝く真珠のような首飾りを握り締め、その想いを心の奥へと押しやる。
任務が上手く行かず、会えば決して抱いてはいけない感情に苛まれる。家では自分の吉報を待つ父親の顔が浮かんでは消え、ミンファを苦しめた。
(ジャスター家には決して逆らえない。ならばもういっそうこのまま……)
ミンファは手にした液体の入った小瓶を見つめる。
ネガーベルで秘かに手に入れた劇薬。飲めばすぐに死ぬことができる。銀髪の男はもう自分には手の届かない相手だと分かっていた。
【赤き悪魔】の撃退で一躍有名となり、さらに先の式典で真っ先に賊を締め上げた今ネガーベルで最も有名な男。姫様の『護衛職』であり、あのジャスター家にも一切怯むことがない人物。
そんな彼をたかが一地方領主の娘が落とせるはずもない。もとより控えめなミンファ。一度悩み出すとどんどん地の底まで落ちていき、今や食事も喉を通らないほど追い詰められていた。
(でも……)
ミンファが手にした劇薬の小瓶を見つめながら思う。
(でも、どうせ死ぬのならせめてこの想いを告げて死にたい……)
ミンファは劇薬を机の上に置くと、クローゼットから自分が最も好きな衣装を取り出し着替える。そして鏡台に座り丁寧に化粧をしてから大きく息を吐いて立ち上がった。
(今、会いに参ります。ロレロレ様……)
ミンファは数日ぶりに自室を出てその銀髪の男の元へと向かった。
部屋の前に掛けられた『ジャスター』のプレート。そのドアを開けると中は外の暗い廊下とは打って変わって太陽の採光を取り入れた明るい空間が広がる。小さなパーティが開けるほどの広い室内には、豪華なソファーやテーブル、棚に並べられた幾種もの高価な酒類が飾られている。
その中央のソファーにどかっと座った、眼光鋭い日に焼けた肌に白髪のオールバックの初老の男、ガーヴェル・ジャスターが目の前に座る息子のエルグに声を掛けた。
「もうよいのか、怪我の方は?」
まだ少し白い顔をしたエルグが答える。
「ええ、もう大丈夫です。ご心配掛けました」
そう言ってエルグが軽く会釈をする。ガーヴェルが続ける。
「お前を襲った男だが身元が判明した」
エルグが顔を上げて父親の顔を見つめる。
「ミスガリアの元将軍だそうだ」
「……」
エルグは療養中のベッドでもその可能性は考えていた。国内でこのような事する人物はまずいない。だとすれば国外。ミスガリアなら納得いく。ガーヴェルが言う。
「我が軍に潜入して警備兵として式に出ておった。ネガーベルの服の下にミスガリアの軍服を着ておったわ。何をしても口を割らん奴だったが、お前の事を酷く恨んでいたようだ」
「名は?」
そう尋ねたエルグにガーヴェルが答える。
「何も喋らん奴だったが、軍服に縫われた刺繍から名前は判明した。ローゼルという男だ。知っているか?」
「いえ、知りませぬ」
輝石譲渡の交渉の際、謁見の間でエルグに斬りかかり逆に叩きのめされ足で踏まれたミスガリアの将軍。ただそんな男の名をエルグは知るはずもなかった。それでもミスガリアが自分を狙う理由は先の輝石譲渡を思い起こせば納得がいく。
ガーヴェルは手にした葉巻に火をつけてふうと煙を吐く。そして言った。
「お前には悪いと思ったがそいつは既に処刑した。その首を早馬に持たせてミスガリアへ送ってある。開戦状を添えてな」
エルグは父親のことだからすでにその男は生きていないだろうと思った。エルグが真剣な顔をして尋ねる。
「ミスガリアと戦争をするわけですね」
「そうだ。我が聖騎士団長を暗殺しようとした国だ。十分その償いはして貰う」
「分かりました。では私が……」
そう言おうとしたエルグにガーヴェルが煙を吐いて声を掛ける。
「お前は行かなくともよい。まだその体だ。しばらく休養せよ」
「しかし……」
軍を預かる責任者のエルグ。
この大きな戦に自国待機とは納得がいかない。ガーヴェルが言う。
「少しは部下を信じよ。あの程度の小国、お前が行かぬともすぐに終わらせる」
「……分かりました。父上」
エルグはそれでも納得いかない部分もあったが、父の言葉に従うことにした。エルグが尋ねる。
「アンナ様はもうご存じで?」
他国との戦争となると国王代理であるアンナの許可が必要となる。ガーヴェルが笑って答える。
「ああ、大丈夫だ。お前を斬った者の正体は既に国中に公表されている。ネガーベル全土でミスガリアへの反発が起き、『打倒ミスガリア』の空気が渦巻いておる」
エルグが黙って聞く。
「姫様にも申し上げたよ、『この民の怒りを戦争抜きでどうやって抑えるのですか』ってな」
エルグの頭に顔を青くして黙り込むアンナの姿が浮かぶ。
「それでもあの女は渋っていたが半ば強引に了承させたよ。小娘ひとり、どうってことはない」
「さすが父上。抜かりがない」
頷くエルグ。しかしガーヴェルは納得いかぬ顔をして答える。
「ただ、あのロレロレとか言う男。あやつは厄介だな」
「ロレロレですか……?」
「ああ、そうだ」
ガーヴェルは姫に謁見しに行った際に、その傍で仁王立ちする銀髪の男を思い出す。
「いるだけで姫以上の存在感、威圧感がある。こちらの心を見透かしていると言うか。しかもお前より強いんだろ? あれはやはり危険だ」
ガーヴェルは葉巻の煙を大きく吐いた。エルグが答える。
「ええ、何とも言えぬ不気味さを感じる男です。底なしの強さは私も認めるところです」
【赤き悪魔】の撃退、就任式でのローゼルの速やかな拘束。その強さに疑いの余地はない。ガーヴェルが言う。
「敵には回せぬ相手。味方に取り込むか、殺すか、だな。工作はどうなっている?」
「はい、現在リービス家の娘ミンファに篭絡を命じております。ただ一筋縄ではいかぬ様子で……」
一向に良い報告がないミンファに不満を感じながらエルグが言う。ガーヴェルも独自に放った暗殺者ヴァンが見事に返り討ちにされたことを思い出して言う。
「篭絡と暗殺。両方で進める。で、ミセルの方はどうだ?」
ガーヴェルは聖女就任撤回をした娘のミセルを心配して言う。エルグが答える。
「あれ以来しばらくずっと部屋で泣き続けていたそうですが、今は落ち着いて来ております。ただ……」
「ただ、なんだ?」
エルグが答える。
「ロレロレに落とされたようです」
ガーヴェルは日に焼けた頬を触りながら答える。
「そうか。輝石であいつを救ったのもロレロレ。あの年頃の女にはそう言った感情が出てしまうのも無理はないか」
真剣な顔をするエルグにガーヴェルが続ける。
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その発想はなかった。
いや、それだけは思いたくなかった。政略の為に大事な妹を使う。だがそんな言葉が目の前にいる父親に通じることはないと思った。ガーヴェルが思いつめた顔をするエルグに言う。
「エルグ、私情を捨てよ。お前ならやれる」
「はっ、父上」
エルグはそう言って頭を下げて父親に答えた。
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任務が上手く行かず、会えば決して抱いてはいけない感情に苛まれる。家では自分の吉報を待つ父親の顔が浮かんでは消え、ミンファを苦しめた。
(ジャスター家には決して逆らえない。ならばもういっそうこのまま……)
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ネガーベルで秘かに手に入れた劇薬。飲めばすぐに死ぬことができる。銀髪の男はもう自分には手の届かない相手だと分かっていた。
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そんな彼をたかが一地方領主の娘が落とせるはずもない。もとより控えめなミンファ。一度悩み出すとどんどん地の底まで落ちていき、今や食事も喉を通らないほど追い詰められていた。
(でも……)
ミンファが手にした劇薬の小瓶を見つめながら思う。
(でも、どうせ死ぬのならせめてこの想いを告げて死にたい……)
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