俺の才能は魔力が少ないことだ!

平成人間

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おっさんの秘密

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俺は家に帰り、自分の部屋に来た。

「おっさん名前なんて言うの?」

「か、カレンです。」

わーお。このおっさんそんなに可愛い名前だったのか。

「そ、そうか。」

とりあえず、守って欲しいことだけ言っておくか。

「今から起きることは絶対に誰にも言うなよ?」

「は、はい。」

よし。これでネミルが出てきても平気だ。

「ネミル。出てきていいよ。」

すると、俺の胸ポケットからランプの魔人みたいに出てきた。こいつのあだ名魔人にしてやろうかな。

ネミルはカレンをじっくりと眺めて言った。

「このおっさんいいわね。じゃあちょっと魔力貰うわよ。」

そんな軽いノリで魔力って人から貰えるんだな。

すると、突然ネミルは驚いた顔をした。

「どうしたんだ。」

「どうしたも何も無いわよ!......このおっさん。いや、この子。狐の獣人よ。」

え?

「どういうこと?見た目完璧に人間だけど。しかもこの子って何?完全におっさんじゃん。」

「魔力の質でわかるのよ。ちょっと今貰った魔力で魔法使うわね。」

そうするとネミルは何かをぶつぶつと唱えだした。

もしかしてそれ詠唱か?
この世界にも呪文はあったんだ!

ステラは呪文をいい終わり、叫んだ。

「魔法よ。解けろ。」

するとおっさんは強い虹色の光に包まれた。
俺は咄嗟に目をつぶる。

そして目を開けるとそこには......




......俺と同じくらいの年齢の狐耳の生えた女の子がいた。

「は、え?」

カレンがとても困惑した表情でネミルを見ている。

そして徐々に瞼に涙が溜まっていき......

泣き出した。

「お、おい。どうした。」

「うわぁーん。お母さん。私バレちゃったよ。きっとこれからどっかに売り飛ばされて酷い目に合わされるんだ!うわぁーん。」

なんかド派手に泣いてんな。うわぁーんって泣く人初めて見たわ。

「おい、安心しろ。俺はお前を売り払うつもりもないし酷い目に合わせるつもりもない。魔力さえくれればあとは何もお前には望まないぞ。」

「ふぇ?本当に?」

「ああ。本当だ。」

「本当に私のこと売らない?」

「ああ。」

「私に暴力振るわない?」

「ああ。多分な。だから、その、早くさっきの姿に戻ってくれないか?」

今のカレンの姿はめちゃくちゃダボダボな服を着た幼女だ。こんなところを誰かに見られたら、俺は人生終了だ。

「わかった。」

そういうとカレンは、元の姿に戻った。

「ちなみにそれどうやって変身してるの?」

「変化の術。」

ここに来て変化の術か。この世界には忍術まであるのか!

「狐族が使う独特な魔法のひとつよ。」

ネミル。ナイス解説。

「へぇー。そうなんだ。」

「ところで、あなたどうして奴隷になったの?狐族なら捕まることもないでしょう。」


「実は......」



話が長かったので要約するとこうだ。

狐族には集落があって、普段はそこで暮らしているが、ちょっとたまには外で遊びたいなと思って外で遊んでいたと。
そして、遊んでる最中に友達と変身ごっこをしていて......そこでこのおっさんに化けたタイミングで運悪く奴隷狩りに友達と一緒に捕まり、友達はどこかの貴族に売られ、自分はただのおっさんなので普通に売られたが、変身したままでは魔法が使えないので、なかなか売れずに売れ残り、巡りに巡ってあそこで売られていたらしい。

「なるほど。ちなみにその友達は誰に売られたかわかるか?」

「貴族の顔は覚えてるけど、名前はわかんない。」

「そうか。」

この子違法奴隷だったのかー。
まじか......
どうしよう。

「アラン様。お願いだから私のことを捨てないで。」

あの、いやぁ。おっさんの姿でお願いされてもなぁ。別に捨てるつもりはないけど。

「ああ。絶対に捨てないよ。約束しよう。」

「やったあ!ありがとう。」

これがさっきの姿のまんまだったらきっと可愛んだろうな。そうに違いない。

「はあ。せっかく魔法を見せてあげようと思ったのに出鼻をくじかれちゃったわ。魔法を見せるのはまた今度にするわ。」


そういやぁ、思ったんだけどこの人のご飯どうしよう。

はぁ。気が進まないけど、やっぱりお母さんに言うしかないか。


「あの、母上少しお時間よろしいでしょうか。」

「あら、何?」

「実は今日僕街で奴隷を買ってきたのですけれど...この家に住む許可を与えて頂きたくて.....」

「別にいいわよ。どうせならご飯もあげるわ。あげたお金を全部ギャンブルに費やしたカールよりは全然いいお金の使い道だからね。」

お母さん!まじ女神。まさかこんなに簡単に許可が貰えるとは思ってもいなかった。
もしかしたら俺は感覚がまだ前世のままなのかもしれないな。早くこの世界の感覚に慣れなければ。
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