10 / 11
魔力不足
しおりを挟む「ねえ。アラン。」
「なに?」
「本当にこれが最先端の研究なの?」
「いやぁ。最先端かはわかんないけど多分最近の研究成果だと思うよ。」
知らんけど。
「はぁ。700年後なんだからどんな魔法が生まれてるんだろうと期待して本を読んでみれば......なんなのよこれは!こんなの700年前と同じどころか遅れてるじゃない。」
「700年前の方が進んでるんですか?」
「当たり前よ。まったく。いつ無くなったのよ私たちの研究成果は!アラン。ちょっと魔力貰うわ...ね...って何よこの量!こんなちょっとじゃ何もできないじゃない!」
「だから言ったじゃないですか。僕は魔力が少ないって。あなたが入ってる水球を作るだけで精一杯なんですよ。」
「しょうがないわね。じゃあ魔石持ってきなさい。あと敬語になってるわよ。」
「あ、すみません。」
「ほら、早く持ってきて。」
持ってきてって言われてもなぁ。
どこにあるかわかんないし。
「僕ネミル以外の魔石見たことないんだよね。」
「普通の魔石も?」
「あ、ごめん間違えた。見たことはあるけど売ってるの見たり貰ったことないんだよね。」
「本気で言ってるの?」
「うん。っていうか何に使うんだよ魔石なんて。ただの魔力の塊だろ?」
「え、もしかして魔石の使い方も知らないの?」
「うん。」
「魔石の魔力から魔法の発動に必要な魔力の一部を貰うのよ。まさかこんなことまで失われてしまったなんて......」
え、ちょっと待て。それ本当か?
だとしたら魔力の少ない俺でも魔法使い放題じゃないか。
「でも魔石がないんじゃどうしようもないわね。」
ネミルはしばらく考え込んで言った。
「あんた金持ってる?」
「え......持ってるけど。」
「どのくらいある?」
「金貨100枚。」
「じゃあそれ持って奴隷買いに行くわよ。」
「え、奴隷?なんで?」
「なんでって......魔力タンクにするからよ。できるだけ魔力の多い奴隷を買うわよ。」
「誰か雇うだけじゃダメなの?」
「雇った人に私の使う魔法を見られたら困るわ。私の魔法は.....はっきりいってこの世界ではオーバーマジックよ。」
なんだよオーバーマジックって。
オーバーテクノロジーの真似かよ。
「まぁ確かにそうなのかもしれないけど。」
「じゃあ奴隷買いに行くわよ。」
そうすると、ネミルは小さくなり、俺の胸ポケットの中に入った。
「え、なんで胸ポケットに入るの?」
「だってちょうどいい大きさじゃない。人にも見られないし。」
さっきはプラモデルみたいだって言ったけど訂正しよう。
これはフィギュアだ。
「ほら、ボケっとしてないで。行くわよ。」
「ちょっと待ってよ。お母さんに許可取らないと。」
「あとから買ったって言えばいいじゃない。それで買えなくなったらどうするのよ。」
まぁ確かにそうだけど......カールはギャンブルに全部使ったらしいし、そんぐらい平気かな。
「分かったよ。」
「それじゃあ行くわよ。」
俺はメイドの1人に声をかけ、奴隷商の店まで案内して貰った。
「見た目は普通の店だな。」
「はい。ですが中では奴隷を売っているはずですよ。」
ふう。
深呼吸をして中に入り叫ぶ。
「ごめんくださーい。」
「これはこれは。本日はどのようなご要件で?」
中から胡散臭いガリガリのおっさんが出てきた。
「奴隷が欲しくてな。」
奴隷商はニヤリと笑う。
控えめに言って不気味だ。
「わかりました。予算はどのくらいでございましょうか。」
「その前に、ここの奴隷の相場はどのくらいだ?」
ぼったくられないように先に値段を聞いておかなきゃな。
「そうですねぇ。ピンからキリまでいますが、だいたい金貨10枚から100枚の間ですかね。」
よし。誰でも予算の範囲内で買えるな。
「ちなみにこの店で1番魔力の多い奴隷はいくらだ?」
奴隷商は顔をしかめる。
そりゃそうだろうな。予算を聞いてからぼったくってやろうと思ってたのに先に値段を聞かれたんだもんな。
「金貨20枚でございます。」
「そうか。でも少し安くないか?魔力が多いんだったらもう少し高くてもおかしくないと思うんだが。」
「それはですね......実はワケありでして...魔法が使えないんです。」
そうか魔法が使えないのか。
でもまぁ、いっか。どうせ魔力タンクの代わりだし。
「案内しましょうか?」
「ああ。よろしく頼む。」
「こちらになります。」
案内されたところには、鉄格子の中に入れられたおっさんがいた。
少し細めだけど別にガリガリという訳でもない。至って健康そうだ。
「ちなみに魔力はどのくらいある。」
「少々お待ちください。測定用の水晶をお持ち致します。」
奴隷商が水晶を持ってきて奴隷のおっさんの手を乗せると......部屋が溢れんばかりの光に包まれた。
「どうです?魔力量ならとても多いでしょう。」
ああ。多い。っていうか想像の何倍も多い。
もうこの人で決定でいいか。安いし。
「じゃあ、この人をください。」
「かしこまりました。先に現金を頂戴致します。」
俺は黙って金貨を払う。
「確かに受け取りました。それでは奴隷登録の手続きを致しますので、この書類に血を1滴垂らしてください。」
俺は、指に針を刺し血を一滴たらす。
すると書類がひかり、奴隷に吸い込まれていった。
「これで登録は終了でございます。また当店をご利用ください。」
よし、こいつを連れて家に帰ろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる