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2-3.俺も
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俺はスウェットの上にコートを羽織ると、サンダルをひっかけて外に飛び出した。
とりあえず、幽霊だろうが何だろうが、あんな表情の彼女を放置するのはいけない事だと思った。
「しーのーづーかさーん!」
言いながら、彼女の姿を探す。
近くのマンションのゴミ捨て場のポリバケツの蓋を開ける。いない。
そりゃそやろ。アホか。
その時、目に車のライトが飛び込んできた。うっそ、ひかれる!?
光の眩しさに目を閉じる。瞬間、俺を誰かが押し倒した。急ブレーキの音。
車が去っていく音を聞いて、俺は目を開けた。目の前におっぱいがあった。
柔らかなそれが、体に押し付けられているのを感じる。温かみと、重さを感じた。
俺の上に、裸の篠塚さんがのしかかっているいる。
身体が透けていない。真っ暗な中、月の光でうっすらと肌が照らされている。
俺は思わず唾を飲み込んだ。股間の息子に血液が集まっていくのを感る。ぐっと拳を握る。
「ヤッてみよう。いける気がする」
「いいの?」
イケると思った。彼女が幽霊なのか自分の妄想的なものかわからなかったが、彼女がそうしたいと言うのならしてあげたいと思った。――――いや違う、ヤりたい。俺は、彼女と、ヤりたい。なぜならば、俺は彼女が、篠塚さんが。
足元のマンホールの蓋を見つめながら、言った。目に涙が滲んでいるのがわかった。
「俺も篠塚さんのことが好きだったよ」
そうだ、俺は彼女が好きだった。
二人で家に帰る。すっかり普通の人間の体の状態に戻っている彼女はコートを羽織っている。その下が 全裸だと思うと、股間が熱くなるのを感じた。
なんとなく、お互い何を話していいのかわからなくなって、無言になってしまう。
部屋に戻って、とりあえず一緒にテレビを見た。彼女が俺に寄りかかってくる。
肩に、温かみと重さを感じる。
テレビを見ながらいろいろな話をする。
篠塚さんが俺の誕生日や、いろいろ知っててくれたのにびっくりした。
――いつの間に。俺のことをそんなに気にしてくれてたなんてぜんぜん知らなかった。
1人暮らしの家に「彼女」を呼んで、こんな風に一緒にテレビを見たり、話したりするのが夢だった。高校のときに彼女はいたけど、お互い実家だったからこんなふうに、部屋で自由にくつろいだりはなかった。親が仕事から帰る前にさっと1時間くらい家に寄って帰るくらい。もっと早くに彼女に告白なりなんなりしていれば、彼女が「彼女」になって――毎日こういうことをできたりしたんだろうか。
――幽霊?ほんとうに?
彼女を見る。俺の黒いコートから素足が真っすぐ伸びている。エロい。その足を視線でたどって付け根を見る。全裸、コートの下は全裸。
俺の中で、篠塚さんは、男慣れしていない印象だった。自分から男子に話しかけないし、バイト中も校内で見かけるときもいつも女子とばっかり話していた。
そんな子が、全裸で俺に寄りかかっている。しかも、さっきは、股間を触られた。
「篠塚さんははじめて?その、なんというか……さっき、積極的だったから」
俺は、どぎまぎしながら聞いた。最近は清楚系ビッチという言葉もある。
もしかしたら意外と経験豊富だったりして?それはそれでエロいな。
「それはその。姿が見えてないと思ったから勢いで」
彼女は顔を赤くして、うつむいてコートを頭にかぶった。
コートが上に行くことで、下半身がまるっと出てしまっている。まさに頭隠して尻隠さず。彼女はそれに気がついていない。かわいい、と思った。一気に体が熱くなる。彼女に触れたいと思った。
「はじめて?」
意地悪くもう一度聞くと、こくり、とコートをかぶったままうなづく。彼女の顔は真っ赤になっている。その仕草に理性が飛んだ。
テレビを消すと、彼女のコートをはぎ取った。顔を近づけ、キスをする。
舌を絡ませると、しっかりと、温かい口内の感覚が伝わってくる。
「いけそう」
俺は彼女を見つめて言った。
「そちらはどんな感じなんでしょうか。私が触るとひやっとしたりしない?」
「最初はこう、こんにゃくを当てられたような感じだったんだけど、今は人間」
一呼吸おいて、彼女の表情が不機嫌そうになるのを感じる。俺は慌てた。
「ごめんごめん。あの、俺言葉の選び方が下手やねん。良かった!この調子でいこう!」
「――良かった!この調子でいこう!」ってなんやねん。
自分で自分にツッコミつつも、彼女が笑ってるので嬉しくなった。
俺も笑っていると、彼女が俺に覆いかぶさってきた。唇と唇が重なる。
俺は彼女の身体を手でまさぐった。足の付け根へ手のひらを下す。
穴、あるのか?一瞬正気に戻る。くちゅ、と音がした。おおお、良かったあ。
狭いそこに指を押し込むと、ぬめった温かい液体が指先を包んだ。
「濡れてる」
俺は彼女の中をかきまぜた。はぁはぁと彼女の息遣いが聞こえる。
その時、股間に刺激を感じた。「んっ」と変な声が出てしまう。
はっとして下を見ると、彼女が俺の息子をわし掴んでいる。握りしめて上下に動かしている。
お、おう。気持ちは嬉しいけど痛い。
「もうちょっと、優しくな」
自分の手を重ねて、ゆっくりと上下させる。あぁ、気持ちいい。
彼女の肩脇に肘をつくと見つめ合い、キスをした。
そのキスが終わると、もう我慢ができなかった。いつ発射してもおかしくなかった。挿れないとと思った。胸を吸ってから起き上がると上下のスウェットを脱ぎ捨てた。
「篠塚さん、いくよ」
彼女両足を押し広げる。かぱっと、目の前にそれが広がった。
そこに固くなったものを押し付ける。ぐぐぐぐぐと押し挿れる。
ずぶずぶと彼女の中に入っていく。ぎゅっと締め上げられる確かな感覚。
彼女を見て俺はびっくりした。体がだんだん透明になっていってる。
「篠塚さん、まだ」
彼女の上体を起こして抱きかかえる。抱きしめると、彼女の体が戻る。
向いあわせに彼女が俺の膝に乗るような形になる。
動きにくいけどしかたない。俺はゆさゆさと腰を動かした。
ぎゅっと全体が締めつけられる。もう少し、もう少し。
「いく」
ぶるぶると股間全体が震えた。俺は目をつぶった。快感の波に身をゆだねる。
――ふと気がつくと、腕の中にあった彼女の感覚がなくなっていた。
目を開けると、そこには何もなかった。俺は、1人で全裸でベッドの上に座っている。
「篠塚さん?」
呼び掛けるも何も返事がない。俺は瞼が熱くなるのを感じた。
まじか、ほんとにヤッたら成仏したのか。というかむしろ俺の妄想だった可能性?
ぐすぐす鼻をすすりながらティッシュをとる。ちんこの先端に白いものがついている。
大量に出した気がするのだが、そのぶつはなかった。
ふきふきして、パンツを着用する。全裸でいるには心が寂しすぎた。
「ヤれたら――それでいいんかい――」
ティッシュで鼻をかむ。ぐすぐすしていると、ぼんやりと人の姿が布団の上に浮かんできた。
俺は目をこすって、何度も瞬きする。
「篠塚さん?」
呼び掛けると、彼女がぱちりと目を開けた。
「篠塚さん、今、一瞬完全に消えてたよ」
彼女は花畑とおばあちゃんを見たと言った。
まじか、あの世ってそんな噂どおりな感じなの。
彼女を腕枕する。腕に感じる重さに泣きたくなった。
あのまま消えられたたら悲しすぎた。もうしばらく彼女と過ごしたいと思った。
成仏の手ごたえはあったようなので、もう一回ヤろうと言った。
いろいろな話をして、楽しかった。こんなに自然体で彼女と話せると思っていなかった。
明日はバイトを休むことにした。人手不足のところみんなには悪いけど、石川が頑張ってくれるだろう。彼女は動物園と夜景に行きたいという。
一緒に行こうと言った。明日ヤろうっていったけど、朝してそれで成仏されると悲しいからまた夜がいいかな。
篠塚さんが耳元で囁く。
「あのさ、私がもし『付き合って』て言ったら、付き合ってくれてた?」
「うん」
「そっかあ」
俺はしばらく黙ってから彼女に聞いた。
「俺が、『付き合って』て言ったら、付き合ってくれてた?」
「うん」
「そっか」
もう少し、はやく言っておけばよかった。
篠塚さんが俺の身体に身を寄せてきた。小さい声が聞こえた。
「ありがとう」
俺は、「うん」とうなづいた。
体の脇に篠塚さんの存在を感じた。
明日は、動物園に行って、その後夜景を見に行こう。上野動物園に行って、六本木にでも行こうかな。どっちも上京してから1回も行ったことがないから、きちんとデートぽくできるか不安だけど。上野までは1時間かかるかな。早起きしよう。バイト先には明日朝電話すればいいか。
俺は眠気に包まれた。
とりあえず、幽霊だろうが何だろうが、あんな表情の彼女を放置するのはいけない事だと思った。
「しーのーづーかさーん!」
言いながら、彼女の姿を探す。
近くのマンションのゴミ捨て場のポリバケツの蓋を開ける。いない。
そりゃそやろ。アホか。
その時、目に車のライトが飛び込んできた。うっそ、ひかれる!?
光の眩しさに目を閉じる。瞬間、俺を誰かが押し倒した。急ブレーキの音。
車が去っていく音を聞いて、俺は目を開けた。目の前におっぱいがあった。
柔らかなそれが、体に押し付けられているのを感じる。温かみと、重さを感じた。
俺の上に、裸の篠塚さんがのしかかっているいる。
身体が透けていない。真っ暗な中、月の光でうっすらと肌が照らされている。
俺は思わず唾を飲み込んだ。股間の息子に血液が集まっていくのを感る。ぐっと拳を握る。
「ヤッてみよう。いける気がする」
「いいの?」
イケると思った。彼女が幽霊なのか自分の妄想的なものかわからなかったが、彼女がそうしたいと言うのならしてあげたいと思った。――――いや違う、ヤりたい。俺は、彼女と、ヤりたい。なぜならば、俺は彼女が、篠塚さんが。
足元のマンホールの蓋を見つめながら、言った。目に涙が滲んでいるのがわかった。
「俺も篠塚さんのことが好きだったよ」
そうだ、俺は彼女が好きだった。
二人で家に帰る。すっかり普通の人間の体の状態に戻っている彼女はコートを羽織っている。その下が 全裸だと思うと、股間が熱くなるのを感じた。
なんとなく、お互い何を話していいのかわからなくなって、無言になってしまう。
部屋に戻って、とりあえず一緒にテレビを見た。彼女が俺に寄りかかってくる。
肩に、温かみと重さを感じる。
テレビを見ながらいろいろな話をする。
篠塚さんが俺の誕生日や、いろいろ知っててくれたのにびっくりした。
――いつの間に。俺のことをそんなに気にしてくれてたなんてぜんぜん知らなかった。
1人暮らしの家に「彼女」を呼んで、こんな風に一緒にテレビを見たり、話したりするのが夢だった。高校のときに彼女はいたけど、お互い実家だったからこんなふうに、部屋で自由にくつろいだりはなかった。親が仕事から帰る前にさっと1時間くらい家に寄って帰るくらい。もっと早くに彼女に告白なりなんなりしていれば、彼女が「彼女」になって――毎日こういうことをできたりしたんだろうか。
――幽霊?ほんとうに?
彼女を見る。俺の黒いコートから素足が真っすぐ伸びている。エロい。その足を視線でたどって付け根を見る。全裸、コートの下は全裸。
俺の中で、篠塚さんは、男慣れしていない印象だった。自分から男子に話しかけないし、バイト中も校内で見かけるときもいつも女子とばっかり話していた。
そんな子が、全裸で俺に寄りかかっている。しかも、さっきは、股間を触られた。
「篠塚さんははじめて?その、なんというか……さっき、積極的だったから」
俺は、どぎまぎしながら聞いた。最近は清楚系ビッチという言葉もある。
もしかしたら意外と経験豊富だったりして?それはそれでエロいな。
「それはその。姿が見えてないと思ったから勢いで」
彼女は顔を赤くして、うつむいてコートを頭にかぶった。
コートが上に行くことで、下半身がまるっと出てしまっている。まさに頭隠して尻隠さず。彼女はそれに気がついていない。かわいい、と思った。一気に体が熱くなる。彼女に触れたいと思った。
「はじめて?」
意地悪くもう一度聞くと、こくり、とコートをかぶったままうなづく。彼女の顔は真っ赤になっている。その仕草に理性が飛んだ。
テレビを消すと、彼女のコートをはぎ取った。顔を近づけ、キスをする。
舌を絡ませると、しっかりと、温かい口内の感覚が伝わってくる。
「いけそう」
俺は彼女を見つめて言った。
「そちらはどんな感じなんでしょうか。私が触るとひやっとしたりしない?」
「最初はこう、こんにゃくを当てられたような感じだったんだけど、今は人間」
一呼吸おいて、彼女の表情が不機嫌そうになるのを感じる。俺は慌てた。
「ごめんごめん。あの、俺言葉の選び方が下手やねん。良かった!この調子でいこう!」
「――良かった!この調子でいこう!」ってなんやねん。
自分で自分にツッコミつつも、彼女が笑ってるので嬉しくなった。
俺も笑っていると、彼女が俺に覆いかぶさってきた。唇と唇が重なる。
俺は彼女の身体を手でまさぐった。足の付け根へ手のひらを下す。
穴、あるのか?一瞬正気に戻る。くちゅ、と音がした。おおお、良かったあ。
狭いそこに指を押し込むと、ぬめった温かい液体が指先を包んだ。
「濡れてる」
俺は彼女の中をかきまぜた。はぁはぁと彼女の息遣いが聞こえる。
その時、股間に刺激を感じた。「んっ」と変な声が出てしまう。
はっとして下を見ると、彼女が俺の息子をわし掴んでいる。握りしめて上下に動かしている。
お、おう。気持ちは嬉しいけど痛い。
「もうちょっと、優しくな」
自分の手を重ねて、ゆっくりと上下させる。あぁ、気持ちいい。
彼女の肩脇に肘をつくと見つめ合い、キスをした。
そのキスが終わると、もう我慢ができなかった。いつ発射してもおかしくなかった。挿れないとと思った。胸を吸ってから起き上がると上下のスウェットを脱ぎ捨てた。
「篠塚さん、いくよ」
彼女両足を押し広げる。かぱっと、目の前にそれが広がった。
そこに固くなったものを押し付ける。ぐぐぐぐぐと押し挿れる。
ずぶずぶと彼女の中に入っていく。ぎゅっと締め上げられる確かな感覚。
彼女を見て俺はびっくりした。体がだんだん透明になっていってる。
「篠塚さん、まだ」
彼女の上体を起こして抱きかかえる。抱きしめると、彼女の体が戻る。
向いあわせに彼女が俺の膝に乗るような形になる。
動きにくいけどしかたない。俺はゆさゆさと腰を動かした。
ぎゅっと全体が締めつけられる。もう少し、もう少し。
「いく」
ぶるぶると股間全体が震えた。俺は目をつぶった。快感の波に身をゆだねる。
――ふと気がつくと、腕の中にあった彼女の感覚がなくなっていた。
目を開けると、そこには何もなかった。俺は、1人で全裸でベッドの上に座っている。
「篠塚さん?」
呼び掛けるも何も返事がない。俺は瞼が熱くなるのを感じた。
まじか、ほんとにヤッたら成仏したのか。というかむしろ俺の妄想だった可能性?
ぐすぐす鼻をすすりながらティッシュをとる。ちんこの先端に白いものがついている。
大量に出した気がするのだが、そのぶつはなかった。
ふきふきして、パンツを着用する。全裸でいるには心が寂しすぎた。
「ヤれたら――それでいいんかい――」
ティッシュで鼻をかむ。ぐすぐすしていると、ぼんやりと人の姿が布団の上に浮かんできた。
俺は目をこすって、何度も瞬きする。
「篠塚さん?」
呼び掛けると、彼女がぱちりと目を開けた。
「篠塚さん、今、一瞬完全に消えてたよ」
彼女は花畑とおばあちゃんを見たと言った。
まじか、あの世ってそんな噂どおりな感じなの。
彼女を腕枕する。腕に感じる重さに泣きたくなった。
あのまま消えられたたら悲しすぎた。もうしばらく彼女と過ごしたいと思った。
成仏の手ごたえはあったようなので、もう一回ヤろうと言った。
いろいろな話をして、楽しかった。こんなに自然体で彼女と話せると思っていなかった。
明日はバイトを休むことにした。人手不足のところみんなには悪いけど、石川が頑張ってくれるだろう。彼女は動物園と夜景に行きたいという。
一緒に行こうと言った。明日ヤろうっていったけど、朝してそれで成仏されると悲しいからまた夜がいいかな。
篠塚さんが耳元で囁く。
「あのさ、私がもし『付き合って』て言ったら、付き合ってくれてた?」
「うん」
「そっかあ」
俺はしばらく黙ってから彼女に聞いた。
「俺が、『付き合って』て言ったら、付き合ってくれてた?」
「うん」
「そっか」
もう少し、はやく言っておけばよかった。
篠塚さんが俺の身体に身を寄せてきた。小さい声が聞こえた。
「ありがとう」
俺は、「うん」とうなづいた。
体の脇に篠塚さんの存在を感じた。
明日は、動物園に行って、その後夜景を見に行こう。上野動物園に行って、六本木にでも行こうかな。どっちも上京してから1回も行ったことがないから、きちんとデートぽくできるか不安だけど。上野までは1時間かかるかな。早起きしよう。バイト先には明日朝電話すればいいか。
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