週末は迷宮探検

魔法組

文字の大きさ
61 / 68
番外編・温泉回!

11

しおりを挟む
 翌日。温泉大騎馬戦大会の当日。

 保養施設、四階の大浴場には水着姿の男女およそ四〇〇名の姿があった。今冬、この保養施設を訪れている客は全部で五〇〇名ほどらしいので、その八割ほどの人数が集まっていることになる。

 もちろんその全員がこれから行なわれるイベント、温泉大騎馬戦大会に参加するわけではなく。大半は、それを見物するためにやって来た観客だが。

 大会の参加予定者は、全部で一二組六〇人。

 中には、イベントを盛り上げるため会社側から依頼されて参加しているサクラもいるそうだけれど。保養施設を訪れた五〇〇人のうち六〇人が出場するのだし、三〇〇人以上がわざわざ見物に来ているのだから、なかなか盛況と言っていいだろう。

 大会が始まるのをいまや遅しと待ち構えている人たちであふれているそんな四階大浴場の様子を、聖はもの珍しい思いでキョロキョロと見回していた。

 意外と多くの人が集まっていることも驚きだったが。昨日は水着を忘れたせいで温泉に入ることが出来ず。従ってこの四階を訪れるのはいまが初めてなため、その巨大さに興味を引かれたためである。

 先にも述べたように、この保養施設四階は天井と壁のほとんどがガラス張り。そのため周囲の光景をほぼ三六〇度ビューで一望することが可能。ゆったり温泉に浸かりながら、眼下に広がる雄大な山々の姿や森の連なりを眺めることが出来るのだ。

 四階全体が大きな楕円形をしており。その構造は大まかに言えばドーナツ状。ドーナツの中心……つまり穴にあたる部分にエレベーターや階段、更衣室に身体を洗うための場所があり。ドーナツ本体である周縁部分が全て湯船となっている。

 湯船の深さは、中心部は浅く周縁部……ガラスの壁のあるほうに近づくにつれて深くなっていき。最深部では一メートル六〇センチほどにもなるらしい。

 ガラスの壁はかなり透過性が高く、しかも湯気で曇ることがない特殊素材で作られており。そのためよほど目をこらして見ない限りそこに壁があると気づくことが出来ず、周縁部に近づくと落っこちてしまいそうな気分になる。

 もちろん目には見えなくてもそこに頑丈な壁があることは確かなので、当然ながら実際にはどんなに縁に近づいても落ちることはない。

 だが理屈では絶対大丈夫と分かってはいても、足のほうはどうしてもすくんでしまうもので。せっかくだから周縁部に行って景色を眺めてみようと思っても、怖くてどうしても進むことが出来ないという人は決して少なくないそうだ。

「それでは、そろそろ第四回温泉大騎馬戦大会を始めたいと思いますので。出場者のかたは準備を始めてくださーい」
 それまで湯船に入っている人間は誰もおらず、全員中央部に固まっていたのだが。『大会実行委員』と書かれた腕章を腕につけた水着姿の男性の呼びかけに応えて、何人かがそこから離れ、次々と湯船の中に足を踏み入れていく。

「じゃあ熊さん、愁くん。あたしたちも行って来ますね」
「ああ。気をつけて行ってきなさい。それとあまりエキサイトしすぎて、他の参加者に怪我をさせないように注意するんだよ」
「頑張ってくださいね、聖さん。賢悟さんに小夢さんに敦哉さん、あかりさんも」
 しゅたっ! と右手を上げて声をかける聖に、熊さんと愁貴は笑顔で応えてきたけれど。対照的に賢悟と敦哉はいかにも嫌そうに、ため息の二重奏をこぼしており。小夢とあかりも困ったような笑顔を浮かべていた。

 ちなみにいまの聖が身に着けているのは普段着や浴衣などではなく、もちろん水着だ。先に交わした約束通り、この温泉施設の従業員であるあかりが今朝、自分のお古の水着を持ってわざわざ部屋まで訪ねてきてくれていたのである。

 その水着は胸の部分に『3-3 いりの』と書かれたステッカーが貼られているありふれた濃紺の中学生用スクール水着なため。高校生にもなって、しかも公共の施設で身に着けるのはいささかながら恥ずかしい気持ちをもよおすものではあった。

 とは言え、あかりがわざわざ実家に戻ってまで持って来てくれたものだし。水着がなければ、電車とバスで八時間以上かけてやって来たのに温泉に入ることが出来ずに帰らなければならないところだったのだから、文句を言うつもりも筋合いはない。

 もちろん他のメンバーも水着姿である。

 熊さんはトロピカルフルーツの絵柄が描かれたボクサータイプのパンツで、愁貴は学校で使っているものらしい、青地に白ラインのシンプルなスクール水着。

 賢悟はボディービルダーが穿いているような黒いビキニタイプで、敦哉はやたら派手なショッキングピンクの地に異国の文字らしきものが書かれたブリーフタイプ。

 小夢は例の、背中は隙間なくびっちり覆われている代わりに胸元胸下へその上など前面がやたらと露出されているという、どちらかと言えば扇情的なグラビアアイドルが写真集の撮影などに着るような水着だ。

 かなり露出度が高く、布地部分がちょっとずれたら色々な部分が丸見えになりそうなアブない感じの水着であるけれど。当の本人は背中にある『あるもの』が透けて見えたり水着からはみ出したりしないかということのほうが気になる様子だ。

 そのためしょっちゅう背中に手を回したり、首を後ろに回したりしているけれど。その度に水着前面のきわどい部分がゆるんだりたわんだり歪んだりずれたりしそうになっているため、男性陣からするとちょっと目のやり場に困る感じかもしれない。

 そしてあかりは、普通の競泳用水着だが。彼女はなにげにスタイルがいい上に水着のサイズがいささか小さめであるらしく、胸や腰の辺りがぴちぴちで。そのため身体の線が必要以上にはっきり出ているため、地味にエロく妙に色っぽい。

 そんなことを思いながら、聖が彼女の身体をまじまじ見つめていると。その視線に気がついたのか、あかりは恥ずかしげに顔を赤らめ俯き加減になった。

「これ、二〇歳の時に買った水着なんですよねえ。当時から体重はほとんど変わっていませんから、これで大丈夫だと思っていたんですけど。……どうもまだ、あちこちちょっとずつ成長し続けていたみたいで」
 あたふた戸惑いながら、言いわけするような口調であかりは言い。出来るだけ身体を隠そうとするかのように、猫背になりながら身体を縮こませていた。

 しかしそのせいで水着の胸元が余計に圧迫されて、その膨らみや谷間が強調されるようになり。お尻もなにかをねだるようにつんと突き出されてしまっているため、余計にいやらしく感じられてしまう。

 そのためか。相変わらず背中のほうばかり気にしている小夢共々、近くにいる男性客たちの視線を釘付けにしていた。聖はと言うと、この二人の丁度中間くらいの位置に立っていたのだが、彼らの視線は見事なまでにスルーされている。

 別にジロジロ見られたいと思っているわけではないけれど、こうまであからさまに無視されるのはさすがに面白くない。

「さ。小夢、あかりさん。あたしたちもそろそろ行くわよ。砂川くんと吉田くんも鼻の下を伸ばしてないで、さっさと準備しなさい!」
 半ば以上八つ当たりで、ややきつい口調になって言うと。聖は予め大会実行委員の人から手渡されていた帽子をかぶった。

 その帽子はシルクハットのような形をした赤い帽子で。中央に白抜きで『12』と書かれている。温泉大騎馬戦大会は、騎手がかぶっているこの帽子を奪い合うもので。帽子を取られたり、騎手が湯船の中に落ちたりするとその場で負けになるのだ。

「うぅ。しかしいまさらだけど。なんでおれたちがこんな大会に出場しなくちゃならないんだ?」
「本当ですよ。人一人担いで熱いお湯の中で激しく動き回らなくちゃいけないなんてなんの罰ゲームですか。それも芹沼女史や入野女史みたいなふわふわむちむちで柔らかそうな女の人を担ぐのならともかく、なにが悲しくて神代さんなんかを……」
 聖に追いやられて渋々湯船の中に足を踏み入れながらも、賢悟と敦哉は往生際悪くぶつぶつと文句を垂れ続けている。

 そんな彼らを見やり、聖はむっとして眉をしかめる。

「なに言ってんのよ。あの参ノ宮先輩に勝負を挑まれた以上、逃げるわけにはいかないじゃないの。それにあのイヤミ女に、顔を合わせる度に理不尽なインネンをつけられるのももう飽きたしね」
 ここで一発、完膚なきまでにガツンと食らわせてやって、これ以上なにも言えないようにしてやろうじゃないのと、聖は息巻いたが。

「いや、別に逃げたっていいと思うけどな。幸いにも最近は滅多に会うこともないわけだし。今回みたいにたまたま出会ってインネンをつけられたとしても、適当に謝っていなしておけば、それ以上どうこうってことはないんだから」
「そうですよ。大体参ノ宮女史のような思いこみの激しいゴーイングマイウェイな人とまともにやりあったって、こっちがくたびれるだけでなんにもメリットなんかないじゃないですか」
 この勝負に負ければ、今後彼女はさらに嵩にかかってスカイ6を責めて来るだろうし。勝ったとしても、おとなしくしているのはわずかな時間だけで。しばらくしたら勝負のことなど忘れて、やっぱり今後もスカイ6を責め続けるに決まっている。

 結局勝とうが負けようが、結果としては大して変わりはないのだから。最初からそんな勝負なんか受けずに逃げ回っていたほうが、くたびれないだけマシだと。
 賢悟と敦哉は口をそろえて、そのように反論してくるのだった。

 言われてみればその通りかもと思い、聖は一瞬うっと言葉に詰まったが。すぐに気を取り直して、あかりのほうを指差す。

「そんなわけにはいかないわよ! この勝負には、あかりさんが大切な恋人である冬丘さんを取り戻せるかどうかもかかってるんだから」
「……いえ。だから昨日も言いましたけれど。別に、清二はあたしの恋人というわけではないんですってば。単なる幼なじみと言うか、友達で」
 あかりも困ったように反論してきたけれど、聖はみなまで言うな分かっているとばかりにうんうんとうなずいて見せる。

「大丈夫よ、あかりさん。あたしたちが絶対に参ノ宮先輩をぶちのめして、冬丘さんをあなたのもとに帰してあげる。いえ、お礼なんかいいの。水着を忘れて途方に暮れてたあたしを助けてくれたことへのせめてもの恩返しなんだから。気にしないで」
「いや、だからそうじゃなくてですね……」
 あかりはさらに困ったように嘆息し、助けを求めるように小夢のほうを見やった。その小夢は苦笑いを浮かべながらひょいと肩をすくめて、ゆっくりと口を開く。

「まあ、諦めてください。昨日も言いましたけど、うちのサブリーダーも思いこみが激しいことでは、あの参ノ宮さんという人に負けていないですからねえ」
「そんなあ」
「それに。今回に限っては聖の言っていることも、あながち間違いではないんじゃないかなあとわたしは思っているんですけど?」
 いささかいたずらっぽく片目をつむって見せてから、小夢は意味ありげに言葉を紡いだ。それを聞いたあかりは『えっ?』と言うように目を丸くして見せる。

「だってあなたが本当に冬丘さんのことを特になんとも思っていないのだったら、別にあなたまでこの温泉大騎馬戦大会に出場する必要なんかないじゃないですか」
「それは、その……。そちらの神代さんに、メンバーが足りないから出場してくれないかって頼まれたからでして……」
 顔を赤くし、しどろもどろの口調になりながら、あかりは応えた。

 温泉大騎馬戦大会は、騎手一人に騎馬四人の合計五人一組での出場が原則だ。
 だが出場には年齢制限があり、一二歳以下である愁貴は参加出来ないし。熊さんは足に不治の怪我を負っている上、身体が大きいため他の騎馬役とのバランスが取れないことを理由に参加を断られてしまった。

 つまり騎手となる聖はいいとして。騎馬役が賢悟、小夢、敦哉の三人しかおらず。これでは大会に出場することが出来ないため、聖があかりにも参加してくれないかと頼んで。それをあかりは快諾したのである。

「聖に頼まれたからと言って、あるいは参ノ宮さんにあなたも出場しなさいと言われたからって、その通りにする義務があなたにあるわけじゃないでしょう? むしろ引き受けなくて当然だと思いますけど。仕事があるんですから」

 そう。昼番のあかりは本来、夕方過ぎまで仕事があるので。午後に行なわれる温泉大騎馬戦大会に出場することなど出来っこない。なのでどんなに頼まれても、断るのが普通なのだ。

 だがあかりは、頼んで仕事を他の人に代わってもらってまで、大会に参加することを承知してくれたのである。それは何故か?

「メンバーが足りなければ、わたしたちは大会に出場出来ない。出場出来なければ参ノ宮さんには勝てない。勝てなければ冬丘さんも帰ってこない。それは嫌だと思ったから、あなたはわたしたちと一緒に出場しようと決めたんじゃないですか?」
 と。小夢はからかうように言葉を続けた。

「そ……それはぁ」
 顔をさらに赤くして、目に途方に暮れたような涙まで浮かべながら、あかりは細い口ぶりで言う。そんな彼女の態度こそ、小夢の指摘が正しいという証拠だった。

 そんなあかりの様子を見て賢悟と敦哉は互いに顔を見合わせると、しょうがねえなと言うように肩をすくめて見せた。

「……ま、そういうことなら」
「ボクたちも、お手伝いするにやぶさかではありませんよ」
 いまのいままで、やる気ゼロどころかマイナスだった二人も、いまの小夢の言葉を聞いて少しはモチベーションが上がったようだ。

 聖と参ノ宮との確執につき合わされるのはごめんだけれど。好きな人を自分の元に取り戻したいと願う女性のためなら、少しくらいは頑張ってもいいかなと思うようになったらしい。

 多分小夢はそれを狙って、あかりをからかうような体を装いながら彼女の本心を賢悟たちに教えたのだろうなと聖は思った。

 参ノ宮たちとの勝負の行く末はともかく。騎馬役四人のうち二人がやる気が全くないだらけた状態で水中騎馬戦みたいなことをやっていたら、思わぬ事故を誘発して自分らや他の参加者たちに怪我をさせてしまうかもしれないと危ぶんだのだろう。

 なんだかんだ言って要領のよい賢悟と敦哉が、そんなミスをするとは考えにくいけれど、万が一ということはあるわけだし。二人がやる気を出してくれるというのは聖にとってもありがたいことなので、文句などはないが。

「みんな、分かってくれて嬉しいわ! 五人で力を合わせて参ノ宮先輩をぶちのめして、冬丘さんをあかりさんの元に取り戻してあげましょうね!」
 さらにみんなのやる気を高めチームワークを深めようと思って、聖はそのように気勢をあげたのだけれど。

「聖。あなたは別になにもしていないでしょう」
 小夢がジト目を向けてきながら冷たい口ぶりで言い放ち。賢悟と敦哉とあかりもうんうんと何度もうなずいてきたのだった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

処理中です...