週末は迷宮探検

魔法組

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「飛突剣貫通撃破!!」
 愁貴のピンチに気づいた賢悟は、自らも多くの傷を負った状態であるにも関わらず立ち上がり。刀をドリルのように高速回転させることで攻撃力を倍化させるという、強力な突き技を放った。

 この一撃でダークストーカーは悲鳴をあげる暇もなく息絶えたが。一瞬遅かった。その手からはすでにエネルギー球は撃ち放たれており、気絶して倒れている愁貴の元へとまっすぐ向かっていたのである。

「愁くん!?」
 聖は急いで助けに向かったが。防御呪文は間に合いそうもないし、かと言って愁貴を抱きかかえてエネルギー球から逃れることはまず無理だ。

「くっ!!」
 こうなったら、愁貴を守るためには自分が盾となって、代わりにエネルギー球を受けるしかないと聖は判断した。大丈夫。一発くらいならまともに受けても、死ぬことはあるまい。多分、死ぬほど痛いだろうけれど……。

 一瞬も迷わなかったと言えば嘘になるが。それでもほとんどためらうことなく、聖は覚悟を決めて愁貴の前に仁王立ちする。
 気がつくと。隣で敦哉が同じように、その身でエネルギー球を受けるべく愁貴の前に立ちふさがっている様子を見ることが出来た。

「ほ! 身を挺して仲間をかばおうとするなんて。格好いいじゃん吉田くん」
 聖は皮肉混じりながらも、敦哉に向けて珍しく賞賛の言葉を紡いだが。

「あいにく、ボクはそういう偽善的な自己犠牲の精神とは無縁でしてね」
 敦哉はいつもと同じように、他人を小馬鹿にしたような嘲り笑いを浮かべつつ、吐いて捨てるように言葉を続けてくる。

「自分を捨てて他人を助けるという美談なんかくそ食らえです。他人を助けて。ついでに自分も助かるべく最大限の努力をするのが、冒険者というものでしょう?」
「そ、そりゃあそうかもしれないけど。でもこの状況で、どうやって愁くんを助けながらあたしたちも助かるって言うのよ? 呪文を唱える暇だってないのに」
「呪文は唱えられなくても体内の魔力を高めることで、霊的障壁を一時的に強化することくらいなら出来るでしょう? そうして強めた霊的な防御力で、あのエネルギー球を弾き飛ばすんですよ。二人で力を合わせれば、充分可能なはずです」
「あ、そうか」
 敦哉の言葉に、聖は小さくうなずいた。

「よぉし! それじゃあ気合いを入れて霊的障壁をパワーアップさせるわよ。どりゃあ! ド根性バリアーッ!!」
「……なんですか。そのセンスの欠片も感じさせないネーミングは」
 敦哉は呆れたように言ったが。霊的障壁を強化するためには、しっかり根性を入れて精神を集中させることで魔力を高める必要がある。従ってド根性バリアーという命名も、あながち間違ったものではない。確かにあまりセンスはないけれど。

 ともあれ。聖は体内の魔力を高めるべく、全身の根性をフル稼働させることで精神を集中させた。隣では同じように敦哉が防御力を強化しているのが分かる。

 キイイイィィィィィン……!

 次の瞬間。耳をつんざくような不快な高音と共に、エネルギー球は聖と敦哉に直撃した。残念ながら、完全にエネルギー球を弾き飛ばすとまではいかず。衝撃の一部が霊的障壁を貫いて、肉体にまで届く。

 だが、当初覚悟していたよりはかなり小さなダメージで済んだし。なにより無事愁貴を守りきることが出来たようなので。聖は脱力してその場にへなへなと崩れ落ちながらも、ほっと胸を撫で下ろした。

 ただ、あと数分は身体を動かせそうもないし。衝撃で舌が痺れたためしばらくの間は呪文も唱えられないであろうことを考えに入れると、あまり楽観出来るような状況ではない。依然としてピンチは継続中なのだ。

 隣を見ると、敦哉も聖と同じような状態でへたりこんでいる。そんな聖たち三人の様子を見てチャンスだと思ったのか。レッサー・デーモンは大きく跳躍し、それまで戦っていた熊さんを飛び越えて後衛三人を直接攻撃しようとしてきた。

 デーモンは殺戮の予感に身体を震わせ、耳まで裂けた真っ赤な口を大きく開くと。二股に分れた青黒い舌をチロチロと出し入れしていた。動けない聖たちを愚弄して、嘲笑するかのように。

「させるかっ!」
 しかし熊さんも素早くこちらを振り返ると、その巨体からは想像も出来ないほどのスピードで、レッサー・デーモンに向けて体当たりをかましてきた。

 さすがにこれは予想していなかったのか。デーモンはまともにそれを食らって、熊さんと共にもんどりうって地面に転がる。
 さらにブラック・ウイドゥも聖たちを襲おうとするが。クモが酸を吐こうと口を開いた瞬間、賢悟が背後から刀を一閃させ、一刀両断に斬り捨てた。

「罪を……その手に……抱く王。愛……を知らな……い、騎士……どもよ……」
 熊さんとデーモンが組み合ったまま床を転がり回っている様子を見て。敦哉はへたりこんだままの態勢で、熊さんを援護するための呪文を唱え始める。

 敦哉も聖と同じくダークストーカーの攻撃を受けたのだから身体中痺れており、舌もろくに動かせないでいるはずなのだけれど。彼はその動かないはずの舌を無理やり動かして、少しずつ呪文の詠唱を続けていたのである。

 自分は呪文を唱えるどころか、うめき声すら出せないでいるのに。なかなか大した精神力であるなと聖は感服した。これが普段の小憎たらしいイヤミばかり連発している敦哉と同一人物であるとは、とても思えない。

 敦哉が唱えようとしているのは『神魔滅没』。魔法使い系レベル一七の呪文だ。

 普通、敵味方が組みつ離れつもんどりうっている混戦状態では、呪文を放つことは出来ない。言うまでもなく、味方に当たる危険が大きいからだ。
 しかし『神魔滅没』の呪文は、神界魔界の生物、あるいは低級ゾンビや死霊などの類にしか効き目がないという特性があった。つまり人間である熊さんにはなんら影響はないため、こういった場面でも遠慮なく撃ち放つことが出来るのである。

「七つの……剣の刃、研ぎ。幻夢の、先を切り……裂かん。闇は、雲は、時は、燃え……上がり……天は、地は、光は、涸れ落……ちる。……『神魔滅没』!!」
 途切れ途切れながらも、なんとか呪文を完成させると。敦哉は完成した呪文をレッサー・デーモンに向けて撃ち放った。

「guh……gugyaaaa~!!」
 呪文は狙いたがわずレッサー・デーモン(と、熊さん)に命中し。デーモンはこの世のものとは思えないほどおぞましい哭き声をあげた。

 この呪文は、本来ならば中級の神族や魔族にすら致命傷を与えることが出来るほどの威力がある。ましてや最下級の魔族であるレッサー・デーモン程度なら一撃で塵と化すことも可能なほどなのだ。

 だが残念ながら、今回はそこまでのダメージを与えられた様子はなかった。舌が痺れていたせいで、敦哉は途切れ途切れにしか呪文の詠唱が出来なかった。そのため、威力も大幅に減少したせいだろう。

 とは言えもちろん相当の痛手は受けたようで。消滅は免れたものの、この状況ではさすがに形勢不利と見たらしく。デーモンはどこかに逃げ出さんとしてくるりときびすを返したようだが。後ろを向いた途端に熊さんの斧が一閃した。

 悪魔は胴体をまっぷたつにされて。今度は悲鳴すら残すことなく、黒い体液を辺りにばらまきながら地に崩れ落ちる。

 辛うじてだが勝利を拾えて安堵したのか、それまでなんとか立っていた賢悟と熊さんも、へなへなとその場に膝をついた。

「……やれやれ」
 数分後。熊さんがほぅと息をこぼしながら、ゆっくりと立ち上がる。

「分かっていたつもりだったが、さすがに地下六階となると魔物も相当強いな。しかしまさかこの階に降りてから最初の戦いで、これほど苦戦するとは思わなかった」
「同感ですね。やっぱりちょっと慢心してたのかなあ」
 賢悟も珍しく弱気になって呟くと、まだ倒れている愁貴の顔を心配げに見やり。続いてその容態を問うように聖のほうを見やった

「大丈夫。怪我はさっき呪文で治しておいたから。いまは疲れて少し眠ってるだけ。もう少ししたら元気に目を覚ますと思う」
 賢悟の無言の問いに応えて、聖は安心させるようにほほ笑んだ。それを聞いて熊さんと賢悟が、ホッと安堵の息を漏らしたのが見て取れる。

 ちなみに敦哉は『神魔滅没』の呪文を唱えたことで力を使い果たしたらしく。レッサー・デーモンが斃れたのを確認し終えるやぱたりと倒れて。いまもまだ愁貴のすぐ傍らで大の字になって伸びたままでいる。
 聖はゆっくり立ち上がると、そんな敦哉のほうにヨロヨロとした足取りで近寄っていき。その身体を蹴飛ばして脇にどけてから愁貴の側に腰を下ろすと。彼の頭を優しく自分の膝の上にと乗せてやった。

「……ひどいことするな、お前」
 乱暴に蹴り退けられた敦哉に対し。さすがに少なからぬ同情をこめたまなざしで見つめながら、賢悟がぽつりと呟く。

「別にひどくなんかないわよ。こいつにもさっき軽く回復呪文をかけておいてあげたんだから」
「軽くって……お前ね。吉田だって頑張ったんだから、せめて八島の一〇〇分の一くらいは、優しくしてやれよ。可哀想だろ」
 賢悟はジト目になって睨みつけてきたが。聖はそれには気がつかないふりで、膝枕した愁貴の髪の毛を優しく撫でさすり続ける。

「あ、そうそう。二人にはまだ回復呪文をかけてないわよね? かけてあげるから砂川くん、ちょっとこっちへ来てくんない? すみませんけど、熊さんもこちらまでお願いします。あたしはいま、やんごとない理由があって動けないので」
「なにがやんごとないんだ」
 賢悟は呆れ果てたように呟き、ほぅとこぼすようなため息をついた。

「いや。せっかくだがそれは、後にしてもらおう」
 しかし熊さんは聖の言葉に、小さくかぶりを振った。聖は首をかしげる。

「なんでですか? 二人とも結構傷を負ってますし。特に砂川くんなんて、元気そうには見えますけどかなりの重傷ですよ。新手の魔物が現れないうちに治療しておいたほうがいいと思うんですけど」
「それなんだが。今日はもう時間も遅いことだし。ここでキャンプを張ってゆっくり休んで、冒険の続きは明日にしたほうがいいんじゃないかと思うんだ」
「キャンプ、ですか?」
「ああ。私も今日は結構疲れて。もう一度さっきと同じような戦闘があったら、全力できちんと戦えるかどうか。正直言ってまるで自信がないからね」
 ……と言った後、熊さんはこのパーティーのリーダーが自分ではないことを思い出したような表情を浮かべ。賢悟のほうに向き直り、どうだろう? と尋ねた。
「そうですね。おれも、そのほうがいいと思います」
 賢悟はコクリとうなずいて、熊さんに賛意を示した。

 リーダーの決定が出たなら、聖としても逆らうつもりはない。確かに聖もこの戦いでひどく疲労していた。キャンプを張って休むのもいいだろう。なにせここは地下六階なのだ。無理をして犠牲者が出るような羽目になったら元も子もない。

「う……うーん……」
「あ、愁くん。目を覚ましたの?」
 意識を取り戻した愁貴に、今日はもう冒険を中断して休むことに決まったと告げると。彼も異存はないと言うようにコクンとうなずき、立ち上がる。これでまだ未練たらしく床に寝転がっているのは一人だけだ。

「くぉら、吉田くん。いつまでも寝てんのよ? さっさと起きなさい!」
 聖がもう一度蹴飛ばしながら言うと。敦哉も『あなたはいちいち人を蹴飛ばさないと話も出来ないんですか?』などとぶつぶつ文句を言いながらも起き出してきた。

 五人が立ったところで、それぞれがてきぱきとキャンプの準備を始める。
 キャンプと言っても地下迷宮の中であることだし。別にテントなどを立てるわけではない。厳密に言えば小さなものを一つだけ立てるのだが、これは携帯用トイレを使う時の目隠しとして立てられるもので、中で眠るためのものではなかった。

 冒険者の言うキャンプとは、床に魔物よけの魔法陣を書き。その上に特殊な聖水を数滴垂らすことによって、一定時間魔物が近寄ってくることが出来ないようにする簡易結界を張ることをいうのだ。

 人間である限り、一日二四時間、一時も気を抜かずにいるなどということは不可能である。食事もしなければならないし、睡眠時間も必要だし、トイレに行きたくなることだってある。
 だが、いつ魔物が襲ってくるかわからない迷宮内で不用意に眠ったりしようものなら、魔物たちに襲って下さいとお願いしているようなものだ。

 そこで考え出されたのが特別な魔法陣を描くことで魔を退け、聖なる空間を作り出すことの出来る、キャンプ用の簡易結界術である。
 これは円を描いて、その中に呪紋と呼ばれる特殊な図形を描きこむことで完成されるもので、呪文使用者でなくても、誰でも作ることが出来る。

 簡易結界の魔法陣を描き終えたら、その上に聖水を垂らすことでキャンプの準備は完了だ。これでこの結界内にいる限り、魔物に襲われる心配はない。
 さすがに、永遠に魔物の侵入を防げるといった類いの結界ではないが。聖水を補充すれば一週間程度、補充しなくても半日ほどの時間なら楽に保つ。なので食事をしたり、睡眠や休息をとったりするにはもってこいの空間なのである。

 と、思った瞬間。聖は途端に身体中から力が抜けていくのを感じた。意識はしていなかったのだが、内心ではいつ魔物が襲ってくるかとかなり緊張していたようだ。

 周囲を見てみると、熊さんも賢悟も、敦哉も愁貴も同じようにホッと力を抜いている様子を見ることが出来た。やっぱり、みんなも緊張していたんだなと思うと、なんとなくおかしくなり。聖はくすりと笑い声を漏らす。

「なんだよ、神代。なにがおかしいんだ」
「ううん。別に」
 訝しげにこちらを見る賢悟に、聖はごまかし笑いを浮かべた。

「あ、そうだ。みんな、念のためにもう一度回復呪文をかけておいてあげるよ。それが終わったら、ご飯にしましょう。今週はあたしの当番だから、とっておきの美味しいカレーを作ってあげるわよ」
「……なんか、神代が食事当番の週はいつもカレーのような気がするな」
「しかもルーはお湯であっためて、ご飯にかければすぐ食べられるやつですしね」
「そこ! なんか文句あるの? あるんなら別に食べてくれなくてもいいわよ」
 賢悟と敦哉が、こそこそ陰口のようなものを叩いているのが聞こえたので、聖は穏やかに脅しをかけた。賢悟と敦哉は互いに顔を見合わせ、がくりと肩を落としながらため息をつく。その様子を見て熊さんと愁貴が、小さく笑い声をたてた。

 夕食が終われば後片づけをして。後は各々のリュックサックやデイパックから寝袋と毛布を取り出し、明日の朝までゆっくり眠るだけだ。

 今日負った傷と疲れとを癒し。今日以上に厳しい冒険になるだろう明日に向け、新たな覚悟と鋭気を胸の内に蓄えるために。
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