7 / 25
第7話 協調の技術
しおりを挟む
海底都市アビス・パレスの工房区画は、早朝から活気に満ちていた。ダゴン長老会が中規模実験を正式承認してから三日──マリナとリヴァイアを中心とした技術開発チームが、分散システムの実装に向けて本格的に動き出している。
水晶の照明が青白く光る技術開発室で、マリナは設計図面と向き合っていた。昨夜遅くまで検討を重ねた分散制御システムの設計が、今朝になってようやく形を成している。
「小型装置三十基を海流交点に配置して……」
マリナの指先が図面をなぞる。魔素濃度の安定化には、海流の複雑な変化を読み取りながら、リアルタイムで調整を行う必要がある。これまでの一点集中型システムとは根本的に異なる、全く新しいアプローチだった。
~~~
「マリナ、おはよう」
振り返ると、リヴァイアが工房に入ってくるところだった。深い青の瞳に朝の光が映り込んで、まるで海の奥底に宝石が沈んでいるような美しさだ。最近、彼と一緒にいると時間を忘れてしまうことが多くなった。
「おはよう、リヴァイア。早いのね」
「君が夜明け前から工房にいるという話を聞いてな」
彼の声に僅かな心配の色が混じっているのを、マリナは敏感に感じ取った。技術パートナーとしての信頼関係が、いつの間にか個人的な関心へと変化していることに、二人とも薄々気づいている。
「設計が煮詰まってきたの。今日中に基本構造を固めたくて」
マリナが図面を示すと、リヴァイアは興味深そうに身を乗り出した。彼の肩が軽くマリナの肩に触れる。その温もりに、心臓が少し早鐘を打った。
~~~
「分散システムか……発想が面白いな」
リヴァイアの指が図面の海流マップを辿る。「この配置なら、確かに海流の乱れを最小限に抑えられる。我々の海洋魔法でも似たような概念があるが、これほど精密な制御は考えたことがなかった」
「海洋魔法にも分散制御があるの?」
マリナの質問に、リヴァイアは微かに笑みを浮かべた。その表情には、技術者同士の理解し合える喜びが表れている。
「海の歌による協調制御というものがある。複数の竜人が同時に歌うことで、広範囲の海流を調整する古い技法だ。ただし、精度では君の設計に遠く及ばない」
「それよ!」
マリナが勢いよく立ち上がった。「海の歌の協調制御と、私の分散システムを組み合わせたら……」
二人の目が同時に輝いた。全く異なる技術体系が、一つの可能性として収束していく瞬間だった。
~~~
その日の午後、工房には竜人族の技術者たちも集まっていた。ベック技師長を筆頭に、海洋魔法の専門家たちが分散システムの説明に聞き入っている。
「つまり、小型装置群が海流の変化を常時監視し、その情報を中央で統合処理する」
マリナの説明を、ベックが重々しく頷きながら聞いている。「理論的には完璧だ。だが、実装面での課題も多い」
「具体的にはどのような?」
「装置間の情報伝達だ。海底では通常の通信手段が制限される。我々の海洋魔法による情報共有技術が必要になるだろう」
そこでリヴァイアが口を開いた。「魔法的情報網と人間の技術制御システムの融合……前例のない挑戦になる」
工房内の空気が緊張した。異なる種族の技術を真に融合させるという試みは、単なる技術的な挑戦を超えて、文化的な壁を乗り越える意味を持っている。
~~~
「やってみる価値はある」
マリナの声に迷いはなかった。「私たちが目指しているのは、海を守りながら魔素を採掘すること。そのためなら、どんな困難でも乗り越えたい」
リヴァイアの表情が和らいだ。「君のその真っ直ぐな気持ちが、私たちの心を動かしている」
工房内の竜人技術者たちから、賛同の声が上がった。最初は人間の技術に懐疑的だった彼らも、マリナの熱意とリヴァイアの信頼を見て、心を開き始めている。
「それでは、実装チームを編成しよう」
ベック技師長の提案で、分散システム実装プロジェクトが正式にスタートした。人間の設計理論と竜人族の海洋魔法が、初めて本格的に手を取り合う瞬間だった。
~~~
夕方、最初の小型装置プロトタイプが完成した。手のひらサイズの青い結晶体に、精密な制御魔法陣が刻まれている。マリナの設計理論とベックの海洋魔法技術が、美しく調和した結果だった。
「思っていたより小さくできたな」
リヴァイアがプロトタイプを手に取る。装置が彼の魔力に反応して、淡い青い光を放った。
「制御魔法陣の効率が想像以上に良くて」マリナが嬉しそうに説明する。「これなら計画していた三十基ではなく、二十基でも十分な効果が期待できそう」
ベック技師長も満足そうに頷いている。「人間の設計理論の精密さと、我々の魔法技術の柔軟性が、予想以上に相性が良い」
工房内に安堵の雰囲気が広がった。技術的な成功だけでなく、種族を超えた協力関係が実際に機能することが証明された瞬間だった。
~~~
夜が深まった頃、マリナとリヴァイアは工房の外の展望テラスに出ていた。海底都市の光が幻想的に揺らめき、遠くでは夜光虫の群れが青い軌跡を描いている。
「今日は本当に大きな一歩だったね」
マリナの声に、達成感と疲労が混じっていた。分散システムのプロトタイプ完成は、技術的な成功以上の意味を持っている。
「君のおかげだ、マリナ」
リヴァイアの声が、いつもより柔らかく聞こえた。「君が持ち込んだ技術と発想が、私たちの伝統的な魔法を新しい次元に押し上げてくれた」
月光が海底都市に注ぎ込み、二人の横顔を青白く照らしている。技術者同士の信頼関係が、ゆっくりと別の何かに変化していることを、二人とも感じていた。
~~~
「リヴァイア」
マリナが小さく呼びかけた。「私たちがやっていることって、きっと歴史に残ると思う」
「歴史に残るか……確かにそうかもしれない」
彼の瞳に、未来への希望が宿っている。「人間と竜人族が真に協力し合った最初の技術開発として」
海流が都市の周りを静かに流れ、小さな気泡が星屑のように舞い上がっていく。その美しい光景の中で、二人は並んで立っていた。協力関係を超えた何かが、確実に芽生え始めている。
「明日からは実海域でのテストね」
マリナが振り返ると、リヴァイアも彼女を見つめ返した。二人の間に流れる空気が、技術談議をしていた数時間前とは明らかに違っている。
「君と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる気がする」
リヴァイアの言葉に、マリナの頬が薄く染まった。技術パートナーから始まった関係が、友人として、そしてその先へと歩み続けている。
~~~
翌朝、海底都市の中央広場では、中規模実験開始の式典が行われていた。ダゴン長老を始めとする竜人族の要人たちが集まり、歴史的なプロジェクトの開始を見守っている。
「本日より、人間と竜人族の協同による海洋魔素採掘実験を開始する」
ダゴン長老の厳粛な声が、広場に響いた。「この技術が成功すれば、我々の海がより豊かになり、両種族の未来も明るくなるであろう」
マリナとリヴァイアは、式典の最前列に並んで立っていた。分散システムのプロトタイプを手にした二人の姿は、種族を超えた協力の象徴として、多くの竜人族の心に刻まれている。
「それでは、記念すべき第一号機の設置を行う」
リヴァイアがプロトタイプを海流交点へと運んでいく。マリナが設計した精密な制御システムと、竜人族の海洋魔法が融合した技術結晶が、いよいよ実際の海域で試されることになる。
~~~
装置が海流交点に設置された瞬間、周囲の魔素濃度が安定し始めた。モニタリング装置の数値が、理論値を上回る効果を示している。
「魔素濃度安定率、九十五パーセント」
ベック技師長の報告に、広場から歓声が上がった。第一号機だけでこれほどの効果とは、誰も予想していなかった。
「海流の乱れも最小限に抑えられている」
マリナのモニタリング結果報告に、ダゴン長老も深く頷いた。「見事な技術だ。人間と竜人族の知恵が真に結合した証左である」
リヴァイアがマリナの元に戻ってきた。二人の間で交わされる微笑みには、技術的成功への喜びと、一緒に成し遂げたことへの特別な感情が込められている。
式典が終わった後、マリナとリヴァイアは人々に囲まれながらも、お互いの存在を強く意識していた。協調の技術が成功したのと同じように、二人の心の中でも新しい調和が生まれ始めている。
海底都市に新しい時代の扉が開かれた。そして、その扉を開いた二人の間にも、これまでとは違う未来への扉が、静かに開かれようとしていた。
水晶の照明が青白く光る技術開発室で、マリナは設計図面と向き合っていた。昨夜遅くまで検討を重ねた分散制御システムの設計が、今朝になってようやく形を成している。
「小型装置三十基を海流交点に配置して……」
マリナの指先が図面をなぞる。魔素濃度の安定化には、海流の複雑な変化を読み取りながら、リアルタイムで調整を行う必要がある。これまでの一点集中型システムとは根本的に異なる、全く新しいアプローチだった。
~~~
「マリナ、おはよう」
振り返ると、リヴァイアが工房に入ってくるところだった。深い青の瞳に朝の光が映り込んで、まるで海の奥底に宝石が沈んでいるような美しさだ。最近、彼と一緒にいると時間を忘れてしまうことが多くなった。
「おはよう、リヴァイア。早いのね」
「君が夜明け前から工房にいるという話を聞いてな」
彼の声に僅かな心配の色が混じっているのを、マリナは敏感に感じ取った。技術パートナーとしての信頼関係が、いつの間にか個人的な関心へと変化していることに、二人とも薄々気づいている。
「設計が煮詰まってきたの。今日中に基本構造を固めたくて」
マリナが図面を示すと、リヴァイアは興味深そうに身を乗り出した。彼の肩が軽くマリナの肩に触れる。その温もりに、心臓が少し早鐘を打った。
~~~
「分散システムか……発想が面白いな」
リヴァイアの指が図面の海流マップを辿る。「この配置なら、確かに海流の乱れを最小限に抑えられる。我々の海洋魔法でも似たような概念があるが、これほど精密な制御は考えたことがなかった」
「海洋魔法にも分散制御があるの?」
マリナの質問に、リヴァイアは微かに笑みを浮かべた。その表情には、技術者同士の理解し合える喜びが表れている。
「海の歌による協調制御というものがある。複数の竜人が同時に歌うことで、広範囲の海流を調整する古い技法だ。ただし、精度では君の設計に遠く及ばない」
「それよ!」
マリナが勢いよく立ち上がった。「海の歌の協調制御と、私の分散システムを組み合わせたら……」
二人の目が同時に輝いた。全く異なる技術体系が、一つの可能性として収束していく瞬間だった。
~~~
その日の午後、工房には竜人族の技術者たちも集まっていた。ベック技師長を筆頭に、海洋魔法の専門家たちが分散システムの説明に聞き入っている。
「つまり、小型装置群が海流の変化を常時監視し、その情報を中央で統合処理する」
マリナの説明を、ベックが重々しく頷きながら聞いている。「理論的には完璧だ。だが、実装面での課題も多い」
「具体的にはどのような?」
「装置間の情報伝達だ。海底では通常の通信手段が制限される。我々の海洋魔法による情報共有技術が必要になるだろう」
そこでリヴァイアが口を開いた。「魔法的情報網と人間の技術制御システムの融合……前例のない挑戦になる」
工房内の空気が緊張した。異なる種族の技術を真に融合させるという試みは、単なる技術的な挑戦を超えて、文化的な壁を乗り越える意味を持っている。
~~~
「やってみる価値はある」
マリナの声に迷いはなかった。「私たちが目指しているのは、海を守りながら魔素を採掘すること。そのためなら、どんな困難でも乗り越えたい」
リヴァイアの表情が和らいだ。「君のその真っ直ぐな気持ちが、私たちの心を動かしている」
工房内の竜人技術者たちから、賛同の声が上がった。最初は人間の技術に懐疑的だった彼らも、マリナの熱意とリヴァイアの信頼を見て、心を開き始めている。
「それでは、実装チームを編成しよう」
ベック技師長の提案で、分散システム実装プロジェクトが正式にスタートした。人間の設計理論と竜人族の海洋魔法が、初めて本格的に手を取り合う瞬間だった。
~~~
夕方、最初の小型装置プロトタイプが完成した。手のひらサイズの青い結晶体に、精密な制御魔法陣が刻まれている。マリナの設計理論とベックの海洋魔法技術が、美しく調和した結果だった。
「思っていたより小さくできたな」
リヴァイアがプロトタイプを手に取る。装置が彼の魔力に反応して、淡い青い光を放った。
「制御魔法陣の効率が想像以上に良くて」マリナが嬉しそうに説明する。「これなら計画していた三十基ではなく、二十基でも十分な効果が期待できそう」
ベック技師長も満足そうに頷いている。「人間の設計理論の精密さと、我々の魔法技術の柔軟性が、予想以上に相性が良い」
工房内に安堵の雰囲気が広がった。技術的な成功だけでなく、種族を超えた協力関係が実際に機能することが証明された瞬間だった。
~~~
夜が深まった頃、マリナとリヴァイアは工房の外の展望テラスに出ていた。海底都市の光が幻想的に揺らめき、遠くでは夜光虫の群れが青い軌跡を描いている。
「今日は本当に大きな一歩だったね」
マリナの声に、達成感と疲労が混じっていた。分散システムのプロトタイプ完成は、技術的な成功以上の意味を持っている。
「君のおかげだ、マリナ」
リヴァイアの声が、いつもより柔らかく聞こえた。「君が持ち込んだ技術と発想が、私たちの伝統的な魔法を新しい次元に押し上げてくれた」
月光が海底都市に注ぎ込み、二人の横顔を青白く照らしている。技術者同士の信頼関係が、ゆっくりと別の何かに変化していることを、二人とも感じていた。
~~~
「リヴァイア」
マリナが小さく呼びかけた。「私たちがやっていることって、きっと歴史に残ると思う」
「歴史に残るか……確かにそうかもしれない」
彼の瞳に、未来への希望が宿っている。「人間と竜人族が真に協力し合った最初の技術開発として」
海流が都市の周りを静かに流れ、小さな気泡が星屑のように舞い上がっていく。その美しい光景の中で、二人は並んで立っていた。協力関係を超えた何かが、確実に芽生え始めている。
「明日からは実海域でのテストね」
マリナが振り返ると、リヴァイアも彼女を見つめ返した。二人の間に流れる空気が、技術談議をしていた数時間前とは明らかに違っている。
「君と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる気がする」
リヴァイアの言葉に、マリナの頬が薄く染まった。技術パートナーから始まった関係が、友人として、そしてその先へと歩み続けている。
~~~
翌朝、海底都市の中央広場では、中規模実験開始の式典が行われていた。ダゴン長老を始めとする竜人族の要人たちが集まり、歴史的なプロジェクトの開始を見守っている。
「本日より、人間と竜人族の協同による海洋魔素採掘実験を開始する」
ダゴン長老の厳粛な声が、広場に響いた。「この技術が成功すれば、我々の海がより豊かになり、両種族の未来も明るくなるであろう」
マリナとリヴァイアは、式典の最前列に並んで立っていた。分散システムのプロトタイプを手にした二人の姿は、種族を超えた協力の象徴として、多くの竜人族の心に刻まれている。
「それでは、記念すべき第一号機の設置を行う」
リヴァイアがプロトタイプを海流交点へと運んでいく。マリナが設計した精密な制御システムと、竜人族の海洋魔法が融合した技術結晶が、いよいよ実際の海域で試されることになる。
~~~
装置が海流交点に設置された瞬間、周囲の魔素濃度が安定し始めた。モニタリング装置の数値が、理論値を上回る効果を示している。
「魔素濃度安定率、九十五パーセント」
ベック技師長の報告に、広場から歓声が上がった。第一号機だけでこれほどの効果とは、誰も予想していなかった。
「海流の乱れも最小限に抑えられている」
マリナのモニタリング結果報告に、ダゴン長老も深く頷いた。「見事な技術だ。人間と竜人族の知恵が真に結合した証左である」
リヴァイアがマリナの元に戻ってきた。二人の間で交わされる微笑みには、技術的成功への喜びと、一緒に成し遂げたことへの特別な感情が込められている。
式典が終わった後、マリナとリヴァイアは人々に囲まれながらも、お互いの存在を強く意識していた。協調の技術が成功したのと同じように、二人の心の中でも新しい調和が生まれ始めている。
海底都市に新しい時代の扉が開かれた。そして、その扉を開いた二人の間にも、これまでとは違う未来への扉が、静かに開かれようとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
ふしあわせに、殿下
古酒らずり
恋愛
帝国に祖国を滅ぼされた王女アウローラには、恋人以上で夫未満の不埒な相手がいる。
最強騎士にして魔性の美丈夫である、帝国皇子ヴァルフリード。
どう考えても女泣かせの男は、なぜかアウローラを強く正妻に迎えたがっている。だが、将来の皇太子妃なんて迷惑である。
そんな折、帝国から奇妙な挑戦状が届く。
──推理ゲームに勝てば、滅ぼされた祖国が返還される。
ついでに、ヴァルフリード皇子を皇太子の座から引きずり下ろせるらしい。皇太子妃をやめるなら、まず皇太子からやめさせる、ということだろうか?
ならば話は簡単。
くたばれ皇子。ゲームに勝利いたしましょう。
※カクヨムにも掲載しています。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
悪役令嬢は死んで生き返ってついでに中身も入れ替えました
蒼黒せい
恋愛
侯爵令嬢ミリアはその性格の悪さと家の権威散らし、散財から学園内では大層嫌われていた。しかし、突如不治の病にかかった彼女は5年という長い年月苦しみ続け、そして治療の甲斐もなく亡くなってしまう。しかし、直後に彼女は息を吹き返す。病を克服して。
だが、その中身は全くの別人であった。かつて『日本人』として生きていた女性は、異世界という新たな世界で二度目の生を謳歌する… ※同名アカウントでなろう・カクヨムにも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる