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第47話 風の呼びかけ
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レオンの研究室に、四人の覚醒個体が集まっていた。
広々とした部屋の中央に、奇妙な装置が設置されている。複数の魔法結晶が円形に配置され、その中心に大きな球体が浮かんでいた。共鳴装置——四人の魔力を同調させて、遠くの気配を探知する機器だ。
フィルミナが装置の前に立ち、手を伸ばす。シュワアアアと白い光が指先から溢れ、球体に吸い込まれていく。クリスタ、マリーナ、テラも同様に魔力を送り込むと、球体が四色に輝き始めた。
レオンが研究ノートを開き、装置の数値を確認する。
「前回感じた気配…まだ微弱だけど、確かに存在している」
レオンの指が装置のダイヤルを調整すると、球体の中に地図が浮かび上がった。アルケイオス大陸全体が映し出され、一点が青白く光っている。
「西部…ウィンドヘイブン地方から発せられています」
レオンの声に、四人が身を乗り出す。
フィルミナが球体の光を見つめながら、瞳を輝かせる。
「第6覚醒個体…ついに見つかりましたね」
その言葉に、クリスタも静かに頷いた。300年前の自分を思い出すように、小さく呟く。
「私たちと同じ…追放された者。きっと、孤独の中で生きてきたのね」
マリーナが嬉しそうに両手を合わせる。
「新しい仲間!また家族が増えるわ!早く会いたい!」
その明るさに、テラが冷静な声で釘を刺す。
「気持ちは分かるけど、まだ覚醒していないかもしれません。接触は慎重に」
レオンが微笑む。新しい個体との出会い——研究者としての興奮が胸に溢れてくる。どんな能力を持っているのだろう。どんな物語を抱えているのだろう。
(新しい個体…どんな能力を持っているんだろう。風の力—— 空気の流れを操るのか、それとも気圧を変化させるのか。もしかしたら、音波を操る能力かもしれない。追放された者たちは皆、想像を超える力を持っていた。この出会いが、また新しい発見をもたらしてくれる)
心の中で期待が膨らむ。でも同時に、慎重さも忘れない。追放された者たちは、皆深い傷を抱えている。急ぐ必要はない。
リヴィエルが地図を見つめながら呟く。
「ウィンドヘイブン…風の高原地帯ですね」
クリスタが思い出すように言う。
「300年前、あの地方には強力な風使いの一族がいたはず」
レオンが頷く。
「調査の価値はあります。準備を始めましょう」
五人が顔を見合わせ、同時に頷いた。新しい仲間を迎えに行く——また家族が増える期待感が、全員の心を満たしていた。
(新しい仲間…また家族が増える)
一方その頃、帝都の各国大使館では、緊急会議が開かれていた。
ガルヴァンが机を拳で叩き、炎のような勢いで立ち上がる。
「レオン殿下が西部に向かうぞ!これは次の覇権拡大作戦に違いない!」
その興奮に対し、メルキオールは静かに占星盤を凝視していた。星々の配置が、彼の確信を強めていく。
「世界統一の次の段階…間違いない。神の啓示が、この動きを示している」
チェン・ロンは冷静に算盤を弾きながら、低い声で呟いた。
「西部制圧作戦の開始か…恐るべき戦略家だ。我々も遅れを取るわけにはいかない」
三人の温度差が、また始まろうとしていた。
---
帝都の大会議室に、王族と各国代表が集まった。
円卓の中央にレオンが立ち、西部調査の計画を説明している。大きな地図が壁に掛けられ、ウィンドヘイブン地方が赤い円で囲まれていた。
「西部ウィンドヘイブン地方に、新しい覚醒個体の気配を感じました。平和的な接触を行い、もし可能であれば、帝都に迎えたいと思います」
レオンの兄、第一王子アレクシスが真面目な表情で尋ねる。
「西部は地形が険しい。護衛は十分か?」
姉のイザベラ王女が心配そうに付け加える。
「あなたは私たちの大切な弟なのよ。危険な場所に行かせるなんて…」
レオンが優しく微笑む。
「大丈夫です。五人の覚醒個体がいます。それに、これは世界の調和のために必要な調査です」
(この調査は、世界の調和のために必要だ。追放された者たちを救い、その力を正しく理解する。それが、この世界をより良くする第一歩になる。科学者として、そして王子として——僕には、その責任がある)
使命感が胸を満たす。追放された者たちを救い、世界をより良くする——それが自分の役割だと信じている。
ガルヴァンが勢いよく立ち上がる。
「炎龍騎士団を全軍投入します!1000人の精鋭で護衛を!」
メルキオールが続く。
「聖教国も氷魔法部隊500人を派遣します!神の加護を!」
チェン・ロンが算盤を叩く。
「商連合は地龍工兵団300人で道を整備します!補給も万全に!」
レオンが困惑した表情で手を振る。
「…そんなに大規模な護衛は必要ありません」
でも、三人は聞いていない。それぞれの心の中で、別の考えが渦巻いていた。
ガルヴァン(西部制圧の軍事作戦…我が国も貢献しなければ)
メルキオール(世界統一の布石…遅れを取るわけにはいかない)
チェン・ロン(新しい市場開拓の先兵…商機を逃すな)
レオンが苦笑する。
「皆さん、これは調査です。軍事行動ではありません」
フィルミナが立ち上がり、凛とした声で言う。
「レオン様をお守りします。私たちがいれば、大丈夫です」
(みんなを守りながら、新しい仲間を迎えに行く。追放者から英雄へ、そして今はリーダーとして。300年前の孤独な日々を思えば、今この瞬間がどれほど奇跡的か。レオンが私たちに与えてくれた、新しい人生。今度は私が、他の追放者にその希望を届ける番だ)
リーダーとしての責任感が胸に宿る。追放者から英雄へ——そして今、仲間たちのリーダーとして、新しい役割を果たそうとしていた。
会議が終わり、西部への旅が正式に決定した。出発は三日後。準備の時間は十分にあった。
---
帝都の市場は、いつも以上に活気に満ちていた。
レオン、四人の覚醒個体、リヴィエル、そしてスライムが、買い物に出かけている。西部の気候に合わせた装備を揃えるためだ。
クリスタが厚手のコートを手に取り、嬉しそうに羽織ってみせる。モフモフの襟に顔を埋めながら、心配そうに尋ねた。
「風の高原って、すごく寒いのかな?こんな厚いコートでも足りないかも…」
その姿に、リヴィエルが苦笑しながら冷静に指摘する。
「クリスタ、そんなに着込んだら戦闘の時に動けませんよ。魔法使いは身軽さも大切です」
マリーナが笑いながら、自分の手のひらに小さな水球を浮かべてみせる。
「私は水の魔法で体温調整できるから、薄着でも平気よ」
テラも真面目な表情で頷きながら、足元の石畳に手を触れた。
「私も大地の力で温かくできます。地熱を引き出せば、寒さは問題ありません」
スライムが「シュワアア」と鳴いて、クリスタの肩に飛び乗る。まるで「僕も手伝うよ!」と言っているようだった。
レオンが微笑む。みんなが楽しそうに準備している姿——それが何よりも嬉しかった。
(みんなが楽しそうで、僕も嬉しい)
追放された者たちが、今は笑顔で日常を過ごしている。こんな平和な光景が、ずっと続けばいい。
装備店の奥で、フィルミナが丈夫な革製の靴を手に取っていた。底の厚さと縫製の丁寧さを確認しながら、リーダーとしての責任を感じる。
「長い旅になるかもしれません。全員分、しっかりした靴を揃えましょう」
その隣で、リヴィエルが大きな地図を広げ、指で経路を辿っていく。
「ウィンドヘイブンまで、帝都から約10日の行程ですね。途中の補給地点も確認しておきましょう」
クリスタが横から地図を覗き込み、遠い目をした。300年前、まだ追放される前の記憶が蘇る。
「10日…あの頃は一人で旅をすることなんて、考えたこともなかった。いつも家族が一緒だったから」
その言葉に気づいたマリーナが、優しくクリスタの肩に手を置く。
「今は一人じゃないよ。私たちがいる。新しい家族と一緒だから、どこへだって行けるわ」
テラも柔らかく微笑みながら頷いた。
「そうです。一緒なら、どんな困難な道も乗り越えられます」
クリスタの目に涙が浮かぶ。300年前には想像もできなかった光景——仲間たちと一緒に、新しい冒険に向かう幸せ。
(こんなに温かい日常…300年前には想像もできなかった。あの頃の私は、氷の女王として恐れられ、誰も近づいてこなかった。凍てついた城で、一人きりで何百年も過ごした。でも今は違う。仲間がいる、家族がいる、笑顔がある。この温かさを、新しい仲間にも伝えたい)
市場の人々が、六人を温かく見守っていた。
「レオン様たちが西部に行くんだって」
「新しい仲間を迎えに行くらしいわ」
「追放された者を救う…本当に優しい方ね」
人々の声が、温かい風のように六人を包み込んでいた。
---
出発の朝、帝都の西門には、信じられない光景が広がっていた。
ガルヴァンが率いる炎龍騎士団1000人が、赤い鎧で整列している。メルキオールの氷魔法使い500人が白い法衣で並び、チェン・ロンの地龍工兵団300人が緑の制服で待機していた。
レオンが呆然と立ち尽くす。
「…これ、調査じゃなくて軍事行動に見えるんですけど」
フィルミナが苦笑する。
「少し…大げさですね」
市民たちが西門の周りに集まり、歓声を上げている。
「世界統一戦争の開始だ!」
「歴史的瞬間!」
「レオン様万歳!」
レオンの心境は複雑だった。
(みんなの期待は嬉しいけど…こんなに大げさにしなくても。ただの調査なのに、なぜ毎回こんな大軍になってしまうんだろう。僕は科学者として、静かに研究がしたいだけなのに。でも、みんなの善意は本物だ。拒否すれば、傷つけてしまう。仕方ない…受け入れるしかないか)
純粋に調査をしたいだけなのに、なぜこんなに大事になってしまうのだろう。でも、みんなの善意は感じる。拒否するわけにはいかなかった。
ガルヴァンが馬に跨り、剣を掲げる。
「炎龍騎士団、出発!」
メルキオールが杖を振る。
「氷魔法部隊、前進!」
チェン・ロンが算盤を鳴らす。
「地龍工兵団、行軍開始!」
圧倒的な行列が、西門を出発した。レオンと四人の覚醒個体、リヴィエルは、その中央の馬車に乗っている。スライムが窓から顔を出し、「シュワアア」と鳴いていた。
朝日が帝都を照らし、壮大な旅の始まりを告げる。市民たちの歓声が、空高く響いていた。
フィルミナが決意を胸に秘める。
(どんな困難が待っていても、みんなと一緒なら大丈夫)
新しい冒険——それは不安もあるけれど、仲間たちと共にあれば何も怖くない。
---
帝都から西への街道を、壮大な行列が進んでいた。
馬車の中で、レオンとみんなが地図を広げている。夕暮れ時、オレンジ色の光が窓から差し込んでいた。
レオンが地図の一点を指す。
「ウィンドヘイブン…風の高原地帯。標高が高く、一年中風が吹いています」
馬車が揺れる中、フィルミナは膝の上に広げた地図を見つめていた。ウィンドヘイブンの文字が、オレンジ色の夕日に照らされている。
「風の覚醒個体…一体どんな方なのかしら。どんな力を持っているのか、どんな物語を抱えているのか…」
その声に、リヴィエルが少し不安そうな表情を見せた。自分たちが追放された時の孤独を思い出しながら、小さく呟く。
「私たちを受け入れてくれるでしょうか。もしかしたら、人間に心を閉ざしているかもしれない…」
クリスタが優しく微笑みながら、リヴィエルの手を握った。
「きっと大丈夫よ!レオンがいるもの。あの人なら、どんな心も開いてくれるわ」
マリーナが窓の外に視線を向けると、遠くに連なる山々のシルエットが見えてきた。
「見て、遠くに山が見えてきたわ。あれが西部の山岳地帯ね」
テラが地図と外の風景を見比べながら、静かに頷く。
「そうです、西部の山岳地帯。地図通りなら、もうすぐウィンドヘイブン地方に入ります」
レオンがノートに何かを書き込む。
「風の力…どんな能力なんだろう」
スライムが「シュワアア」と鳴いて、レオンの膝に乗る。まるで「僕も会いたい!」と言っているようだった。
四人が顔を見合わせる。お互いの絆が、言葉なしに伝わってくる。
(私たちは家族。どんな困難も乗り越えられる)
追放された者たちが、今は家族のように結ばれている。新しい仲間を迎えるために、みんなで力を合わせる。
レオンが窓の外を見つめる。
「みんなで、新しい仲間を迎えに行こう」
(新しい仲間…世界の調和が、また一歩前進する)
研究者としての期待、でも同時に人としての温かさ——レオンの心の中で、二つの想いが調和していた。
その時、遠くの空に、奇妙な光景が見えた。
フィルミナが目を細める。
「あれは…」
空中に、何か大きな構造物が浮かんでいる。石で作られた建造物のようだが、地面から浮いている。
クリスタが息を呑む。
「空中遺跡…?」
フィルミナが共鳴能力で感じ取る。
「強い魔力を感じます…古代の力」
レオンが研究ノートを開き、素早く図を描き始める。
「空中に浮かぶ遺跡…風の力で浮いているのか?それとも別の原理?」
マリーナが興奮した声で言う。
「もしかして、あそこに第6覚醒個体が!?」
テラが冷静に分析する。
「可能性は高いです。あの遺跡の魔力反応、共鳴装置の気配と一致しています」
馬車が、遠くに浮かぶ遺跡に向かって進んでいく。夕日がオレンジ色に空を染め、遺跡のシルエットを美しく浮かび上がらせていた。
レオンが呟く。
「新しい冒険が…始まる」
全員が、期待と不安を胸に、遠くの遺跡を見つめていた。新しい仲間、新しい力、新しい物語——全てが、あの空中遺跡の中で待っている。
スライムが「シュワアア」と鳴き、まるで「行こう!」と言っているようだった。
馬車は、夕暮れの道を西へ西へと進んでいった。
広々とした部屋の中央に、奇妙な装置が設置されている。複数の魔法結晶が円形に配置され、その中心に大きな球体が浮かんでいた。共鳴装置——四人の魔力を同調させて、遠くの気配を探知する機器だ。
フィルミナが装置の前に立ち、手を伸ばす。シュワアアアと白い光が指先から溢れ、球体に吸い込まれていく。クリスタ、マリーナ、テラも同様に魔力を送り込むと、球体が四色に輝き始めた。
レオンが研究ノートを開き、装置の数値を確認する。
「前回感じた気配…まだ微弱だけど、確かに存在している」
レオンの指が装置のダイヤルを調整すると、球体の中に地図が浮かび上がった。アルケイオス大陸全体が映し出され、一点が青白く光っている。
「西部…ウィンドヘイブン地方から発せられています」
レオンの声に、四人が身を乗り出す。
フィルミナが球体の光を見つめながら、瞳を輝かせる。
「第6覚醒個体…ついに見つかりましたね」
その言葉に、クリスタも静かに頷いた。300年前の自分を思い出すように、小さく呟く。
「私たちと同じ…追放された者。きっと、孤独の中で生きてきたのね」
マリーナが嬉しそうに両手を合わせる。
「新しい仲間!また家族が増えるわ!早く会いたい!」
その明るさに、テラが冷静な声で釘を刺す。
「気持ちは分かるけど、まだ覚醒していないかもしれません。接触は慎重に」
レオンが微笑む。新しい個体との出会い——研究者としての興奮が胸に溢れてくる。どんな能力を持っているのだろう。どんな物語を抱えているのだろう。
(新しい個体…どんな能力を持っているんだろう。風の力—— 空気の流れを操るのか、それとも気圧を変化させるのか。もしかしたら、音波を操る能力かもしれない。追放された者たちは皆、想像を超える力を持っていた。この出会いが、また新しい発見をもたらしてくれる)
心の中で期待が膨らむ。でも同時に、慎重さも忘れない。追放された者たちは、皆深い傷を抱えている。急ぐ必要はない。
リヴィエルが地図を見つめながら呟く。
「ウィンドヘイブン…風の高原地帯ですね」
クリスタが思い出すように言う。
「300年前、あの地方には強力な風使いの一族がいたはず」
レオンが頷く。
「調査の価値はあります。準備を始めましょう」
五人が顔を見合わせ、同時に頷いた。新しい仲間を迎えに行く——また家族が増える期待感が、全員の心を満たしていた。
(新しい仲間…また家族が増える)
一方その頃、帝都の各国大使館では、緊急会議が開かれていた。
ガルヴァンが机を拳で叩き、炎のような勢いで立ち上がる。
「レオン殿下が西部に向かうぞ!これは次の覇権拡大作戦に違いない!」
その興奮に対し、メルキオールは静かに占星盤を凝視していた。星々の配置が、彼の確信を強めていく。
「世界統一の次の段階…間違いない。神の啓示が、この動きを示している」
チェン・ロンは冷静に算盤を弾きながら、低い声で呟いた。
「西部制圧作戦の開始か…恐るべき戦略家だ。我々も遅れを取るわけにはいかない」
三人の温度差が、また始まろうとしていた。
---
帝都の大会議室に、王族と各国代表が集まった。
円卓の中央にレオンが立ち、西部調査の計画を説明している。大きな地図が壁に掛けられ、ウィンドヘイブン地方が赤い円で囲まれていた。
「西部ウィンドヘイブン地方に、新しい覚醒個体の気配を感じました。平和的な接触を行い、もし可能であれば、帝都に迎えたいと思います」
レオンの兄、第一王子アレクシスが真面目な表情で尋ねる。
「西部は地形が険しい。護衛は十分か?」
姉のイザベラ王女が心配そうに付け加える。
「あなたは私たちの大切な弟なのよ。危険な場所に行かせるなんて…」
レオンが優しく微笑む。
「大丈夫です。五人の覚醒個体がいます。それに、これは世界の調和のために必要な調査です」
(この調査は、世界の調和のために必要だ。追放された者たちを救い、その力を正しく理解する。それが、この世界をより良くする第一歩になる。科学者として、そして王子として——僕には、その責任がある)
使命感が胸を満たす。追放された者たちを救い、世界をより良くする——それが自分の役割だと信じている。
ガルヴァンが勢いよく立ち上がる。
「炎龍騎士団を全軍投入します!1000人の精鋭で護衛を!」
メルキオールが続く。
「聖教国も氷魔法部隊500人を派遣します!神の加護を!」
チェン・ロンが算盤を叩く。
「商連合は地龍工兵団300人で道を整備します!補給も万全に!」
レオンが困惑した表情で手を振る。
「…そんなに大規模な護衛は必要ありません」
でも、三人は聞いていない。それぞれの心の中で、別の考えが渦巻いていた。
ガルヴァン(西部制圧の軍事作戦…我が国も貢献しなければ)
メルキオール(世界統一の布石…遅れを取るわけにはいかない)
チェン・ロン(新しい市場開拓の先兵…商機を逃すな)
レオンが苦笑する。
「皆さん、これは調査です。軍事行動ではありません」
フィルミナが立ち上がり、凛とした声で言う。
「レオン様をお守りします。私たちがいれば、大丈夫です」
(みんなを守りながら、新しい仲間を迎えに行く。追放者から英雄へ、そして今はリーダーとして。300年前の孤独な日々を思えば、今この瞬間がどれほど奇跡的か。レオンが私たちに与えてくれた、新しい人生。今度は私が、他の追放者にその希望を届ける番だ)
リーダーとしての責任感が胸に宿る。追放者から英雄へ——そして今、仲間たちのリーダーとして、新しい役割を果たそうとしていた。
会議が終わり、西部への旅が正式に決定した。出発は三日後。準備の時間は十分にあった。
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帝都の市場は、いつも以上に活気に満ちていた。
レオン、四人の覚醒個体、リヴィエル、そしてスライムが、買い物に出かけている。西部の気候に合わせた装備を揃えるためだ。
クリスタが厚手のコートを手に取り、嬉しそうに羽織ってみせる。モフモフの襟に顔を埋めながら、心配そうに尋ねた。
「風の高原って、すごく寒いのかな?こんな厚いコートでも足りないかも…」
その姿に、リヴィエルが苦笑しながら冷静に指摘する。
「クリスタ、そんなに着込んだら戦闘の時に動けませんよ。魔法使いは身軽さも大切です」
マリーナが笑いながら、自分の手のひらに小さな水球を浮かべてみせる。
「私は水の魔法で体温調整できるから、薄着でも平気よ」
テラも真面目な表情で頷きながら、足元の石畳に手を触れた。
「私も大地の力で温かくできます。地熱を引き出せば、寒さは問題ありません」
スライムが「シュワアア」と鳴いて、クリスタの肩に飛び乗る。まるで「僕も手伝うよ!」と言っているようだった。
レオンが微笑む。みんなが楽しそうに準備している姿——それが何よりも嬉しかった。
(みんなが楽しそうで、僕も嬉しい)
追放された者たちが、今は笑顔で日常を過ごしている。こんな平和な光景が、ずっと続けばいい。
装備店の奥で、フィルミナが丈夫な革製の靴を手に取っていた。底の厚さと縫製の丁寧さを確認しながら、リーダーとしての責任を感じる。
「長い旅になるかもしれません。全員分、しっかりした靴を揃えましょう」
その隣で、リヴィエルが大きな地図を広げ、指で経路を辿っていく。
「ウィンドヘイブンまで、帝都から約10日の行程ですね。途中の補給地点も確認しておきましょう」
クリスタが横から地図を覗き込み、遠い目をした。300年前、まだ追放される前の記憶が蘇る。
「10日…あの頃は一人で旅をすることなんて、考えたこともなかった。いつも家族が一緒だったから」
その言葉に気づいたマリーナが、優しくクリスタの肩に手を置く。
「今は一人じゃないよ。私たちがいる。新しい家族と一緒だから、どこへだって行けるわ」
テラも柔らかく微笑みながら頷いた。
「そうです。一緒なら、どんな困難な道も乗り越えられます」
クリスタの目に涙が浮かぶ。300年前には想像もできなかった光景——仲間たちと一緒に、新しい冒険に向かう幸せ。
(こんなに温かい日常…300年前には想像もできなかった。あの頃の私は、氷の女王として恐れられ、誰も近づいてこなかった。凍てついた城で、一人きりで何百年も過ごした。でも今は違う。仲間がいる、家族がいる、笑顔がある。この温かさを、新しい仲間にも伝えたい)
市場の人々が、六人を温かく見守っていた。
「レオン様たちが西部に行くんだって」
「新しい仲間を迎えに行くらしいわ」
「追放された者を救う…本当に優しい方ね」
人々の声が、温かい風のように六人を包み込んでいた。
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出発の朝、帝都の西門には、信じられない光景が広がっていた。
ガルヴァンが率いる炎龍騎士団1000人が、赤い鎧で整列している。メルキオールの氷魔法使い500人が白い法衣で並び、チェン・ロンの地龍工兵団300人が緑の制服で待機していた。
レオンが呆然と立ち尽くす。
「…これ、調査じゃなくて軍事行動に見えるんですけど」
フィルミナが苦笑する。
「少し…大げさですね」
市民たちが西門の周りに集まり、歓声を上げている。
「世界統一戦争の開始だ!」
「歴史的瞬間!」
「レオン様万歳!」
レオンの心境は複雑だった。
(みんなの期待は嬉しいけど…こんなに大げさにしなくても。ただの調査なのに、なぜ毎回こんな大軍になってしまうんだろう。僕は科学者として、静かに研究がしたいだけなのに。でも、みんなの善意は本物だ。拒否すれば、傷つけてしまう。仕方ない…受け入れるしかないか)
純粋に調査をしたいだけなのに、なぜこんなに大事になってしまうのだろう。でも、みんなの善意は感じる。拒否するわけにはいかなかった。
ガルヴァンが馬に跨り、剣を掲げる。
「炎龍騎士団、出発!」
メルキオールが杖を振る。
「氷魔法部隊、前進!」
チェン・ロンが算盤を鳴らす。
「地龍工兵団、行軍開始!」
圧倒的な行列が、西門を出発した。レオンと四人の覚醒個体、リヴィエルは、その中央の馬車に乗っている。スライムが窓から顔を出し、「シュワアア」と鳴いていた。
朝日が帝都を照らし、壮大な旅の始まりを告げる。市民たちの歓声が、空高く響いていた。
フィルミナが決意を胸に秘める。
(どんな困難が待っていても、みんなと一緒なら大丈夫)
新しい冒険——それは不安もあるけれど、仲間たちと共にあれば何も怖くない。
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帝都から西への街道を、壮大な行列が進んでいた。
馬車の中で、レオンとみんなが地図を広げている。夕暮れ時、オレンジ色の光が窓から差し込んでいた。
レオンが地図の一点を指す。
「ウィンドヘイブン…風の高原地帯。標高が高く、一年中風が吹いています」
馬車が揺れる中、フィルミナは膝の上に広げた地図を見つめていた。ウィンドヘイブンの文字が、オレンジ色の夕日に照らされている。
「風の覚醒個体…一体どんな方なのかしら。どんな力を持っているのか、どんな物語を抱えているのか…」
その声に、リヴィエルが少し不安そうな表情を見せた。自分たちが追放された時の孤独を思い出しながら、小さく呟く。
「私たちを受け入れてくれるでしょうか。もしかしたら、人間に心を閉ざしているかもしれない…」
クリスタが優しく微笑みながら、リヴィエルの手を握った。
「きっと大丈夫よ!レオンがいるもの。あの人なら、どんな心も開いてくれるわ」
マリーナが窓の外に視線を向けると、遠くに連なる山々のシルエットが見えてきた。
「見て、遠くに山が見えてきたわ。あれが西部の山岳地帯ね」
テラが地図と外の風景を見比べながら、静かに頷く。
「そうです、西部の山岳地帯。地図通りなら、もうすぐウィンドヘイブン地方に入ります」
レオンがノートに何かを書き込む。
「風の力…どんな能力なんだろう」
スライムが「シュワアア」と鳴いて、レオンの膝に乗る。まるで「僕も会いたい!」と言っているようだった。
四人が顔を見合わせる。お互いの絆が、言葉なしに伝わってくる。
(私たちは家族。どんな困難も乗り越えられる)
追放された者たちが、今は家族のように結ばれている。新しい仲間を迎えるために、みんなで力を合わせる。
レオンが窓の外を見つめる。
「みんなで、新しい仲間を迎えに行こう」
(新しい仲間…世界の調和が、また一歩前進する)
研究者としての期待、でも同時に人としての温かさ——レオンの心の中で、二つの想いが調和していた。
その時、遠くの空に、奇妙な光景が見えた。
フィルミナが目を細める。
「あれは…」
空中に、何か大きな構造物が浮かんでいる。石で作られた建造物のようだが、地面から浮いている。
クリスタが息を呑む。
「空中遺跡…?」
フィルミナが共鳴能力で感じ取る。
「強い魔力を感じます…古代の力」
レオンが研究ノートを開き、素早く図を描き始める。
「空中に浮かぶ遺跡…風の力で浮いているのか?それとも別の原理?」
マリーナが興奮した声で言う。
「もしかして、あそこに第6覚醒個体が!?」
テラが冷静に分析する。
「可能性は高いです。あの遺跡の魔力反応、共鳴装置の気配と一致しています」
馬車が、遠くに浮かぶ遺跡に向かって進んでいく。夕日がオレンジ色に空を染め、遺跡のシルエットを美しく浮かび上がらせていた。
レオンが呟く。
「新しい冒険が…始まる」
全員が、期待と不安を胸に、遠くの遺跡を見つめていた。新しい仲間、新しい力、新しい物語——全てが、あの空中遺跡の中で待っている。
スライムが「シュワアア」と鳴き、まるで「行こう!」と言っているようだった。
馬車は、夕暮れの道を西へ西へと進んでいった。
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けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
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旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
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記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。
新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。
この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。
主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。
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物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
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