タオルひめ

もちっぱち

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タオルひめ

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わたし名前なまえは さき。

小学しょうがく年生ねんせい

私には もうひとつの 名前が あるの。

その名前は……。


「タオルひめ~~~。」

かあさんにばれたら反応はんのうするの。

洗濯機せんたくきある洗面所せんめんじょからお母さんがさけんでいる。

「はぁーい。」

わたしは リビングで返事へんじをした。


「ぼくは~?」

となりでレゴブロックで あそんでいる私のおとうとさい湊人みなと

「はいはい。タオル王子おうじ~~~。」

洗面所でまた叫ぶお母さん。

「はーい。」

湊人も おおきなこえで 返事へんじをして私と一緒に洗面所に向かう。


「ほらほら、タオルひめとタオルおうじ。出番でばんですよ。」

 洗濯カゴにいれた 洗ったばかりのタオルを 2人にわたすお母さん。

「かしこまり~。」


「ブ、ラジャー。」


 敬礼けいれいをして、それぞれれたタオルを受け取ったう と


今日きょうは、れているからおそとすよ。」


「はーい。」


 サンダルをはいて、2人はにわにかけだした。


 物干し竿ものほし さおにタオルをかけるには踏み台ふ だい必要ひつようになる。

 用意よういしておいた踏み台をひろげてゆっくりバスタオルを竿さおにひっかけて洗濯せんたくバサミをつけた。

「あらら、今日きょう天気てんき良い日い ひひめもうれしいわ。」

 姫になりきって、さきはタオルを干すお母さんの手伝てづだいお母さんもよこほかふくをハンガーにかけて干していく。

 湊人は、庭にんできた蝶々ちょうちょを いかけまわす。干すことよりもなぜかむしをやっつけている。しかも持ってきた 濡れたタオルをたたかけんようにまわす。


「タオル王子!! 何をしているの? ダメでしょう、タオルはここに干すの!」


「ぼくはてきをやっつけてるんだ。これは 王子の立派な仕事りっぱなしごとだから!!」

「湊人!! ふざけない。」
 
 お母さんに注意ちゅういされて
 きゅう現実げんじつもどる。タオル王子はしゅんと落ち込んでおちこんで真面目まじめ干し始めるほ はじ

 タオル姫、今度こんどはバスタオルからフェイスタオルを干し始めた。

「なんて、気持きもちがいいの~。おひさまぽかぽかにらされたタオルはとてもよろこんでいるわ~。」

 タオル姫、とてもご満悦まんえつ。お母さんもお手伝いしてくれてうれしいようだ。

 タオル王子は、結局お母さんにタオルを干すのを任せて、肩書きかたがき剥奪はくだつされた。洗濯干しよりもサッカーがしたくなったようだ。


「タオル姫、ありがとう。」


「いえいえ、どういたしまして。」

 まるでドレスを着ているかのようにスカートの裾をおさえてお辞儀する。


 翌日

「タオル姫~。」


 いつものようにお母さんはさきにタオルの干し方をお願いしようと姫を呼ぼうとした。


「本日、タオル姫は臨時休業りんじきゅうぎょうでーーす。」

 ゲーム画面を見ながら答える。

「タオル王子も閉店へいてんガラガラです。」

テレビで好きなアニメを見ている。

「えーーーー。姫は臨時休業?! 王子は閉店?!」


 お母さんは文句をブツブツ言いながら1人でもくもくと洗濯物を干し始めた。


 お母さんの都合良つごうよく、お手伝いには来ないタオル姫とタオル王子であった。

 
「人生、そうそう、うまいようにはできてないよ、お母さん。」


「湊人が言うなぁ!!」


ーおしまいー
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