ねるまえの おしゃべりタイム

もちっぱち

文字の大きさ
1 / 1

おしゃべり

しおりを挟む
「お初にお目にかかります!」

お母さんは読み聞かせをする前に話し始めた。

「え?なになに?」

「あなたの相棒のアイマスクです。どうぞよろしくお願いします。」

 お母さんは僕の目の上に手を広げて置いた。

「え?え?」

「私はアイマスク、まだまだ新人で目を全て隠すことができません。」

手が動いて、ちらちらと手の向こう側が
見え隠れする。

「えー大変ですね。」


「そうなんです。お願いがあるのですが、早めに寝ていただけると私のマイマスクパワーが進化しまして、だんだんとすべての目を隠すことができるんです。どうです?やってみますか?」


「はい!やります。やらせていただきます。」

僕はお母さんの話に乗っかった。

「それでは、目を閉じて、100まで数を数えてください。」

「1、2、3、4、5、6、7、8、9、……。」

 数えていくうちにお母さんの手は閉じていき、目がだんだんと隠れていく。

ちょっと待てよ…。これをするということは、今日は絵本を読まずして、寝てくださいということかな。

僕は真実を読んだ。

「わぁ!! お母さん、絵本、読んでないよ?」

「ん? どういうことかな。今、アイマスクのレベルアップ中…。」


「そうじゃなくて,絵本、ほら、図書館で借りてきたやつ、読んでくれるって言ってたでしょう?」

「あ……きづいちゃいました?」

「うん。覚えてます!!」

「お初にお目にかかります。掛けふとんと申します。私、今日は、敷きふとんと一緒にやってまいりました。それでは、時間も時間ですし、それでは、そろそろ失礼致します。」

「何しに来たー?!」

「いやいや、ご挨拶だけに。」

「ちょっと、違うでしょう。絵本読むんでしょう。」

「え、だから。こんばんは。掛けふとんです。一緒に中に入りましょう。明日も早いんですよね。では、この辺で。ぐーぐーぐー。」

 絵本の読み渋るお母さん。

「それ言うのいいから、これ読んで。」

「はいはい。えっとー、むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。さて、おばあさんは何をするのか!?来週に乞うご期待。」

「まだ始まったばかり!読んでないー。」

「え、来週だよ。」

「はいはい。そして、おばあさんは、芝刈りにおじいさんは川へ洗濯に行きました。」

「えー、逆でしょう。おばあさんが山に行ってるよ。」


「そういうときもあるかもしれないでしょう。」

「そういうときはないよ。ちゃんと文字読んで。」

「無理~。」

 なかなか進まない絵本の読み聞かせ。


そんな親子の時間もいいのかもしれないですね。




おしまい。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

Nana
2023.05.13 Nana

面白い😂

2023.05.13 もちっぱち

ありがとうございます😊

解除

あなたにおすすめの小説

ママのごはんはたべたくない

もちっぱち
絵本
おとこのこが ママのごはん たべたくないきもちを ほんに してみました。 ちょっと、おもしろエピソード よんでみてください。  これをよんだら おやこで   ハッピーに なれるかも? 約3600文字あります。 ゆっくり読んで大体20分以内で 読み終えると思います。 寝かしつけの読み聞かせにぜひどうぞ。 表紙作画:ぽん太郎 様  2023.3.7更新

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

ゆずことまほうのてがみ

結崎悠菜@w@
絵本
ゆずこはおかあさんもおとうさんもだいすきです。

傷ついている君へ

辻堂安古市
絵本
今、傷ついている君へ 僕は何ができるだろうか

【親子おはなし絵本】ドングリさんいっぱい(2~4歳向け(漢字えほん):いろいろできたね!)

天渡 香
絵本
「ごちそうさま。ドングリさんをちょうだい」ママは、さっちゃんの小さな手に、ドングリさんをのせます。 +:-:+:-:+ ドングリさんが大好きな我が子ために作った絵本です。 +:-:+:-:+ 「ひとりでトイレに行けたね!」とほめながら、おててにドングリさんを渡すような話しかけをしています(親子のコミュニケーションを目的にしています)。 +:-:+:-:+ 「ドングリさんをちょうだい」のフレーズを繰り返しているうちに、子供の方から「ドングリさんはどうしたらもらえるの?」とたずねてくれたので、「ひとりでお着がえできたら、ドングリさんをもらえるよ~」と、我が家では親子の会話がはずみました。 +:-:+:-:+ 寝る前に、今日の「いろいろできたね!」をお話しするのにもぴったりです! +:-:+:-:+ 2歳の頃から、園で『漢字えほん(漢字が含まれている童話の本)』に親しんでいる我が子。出版数の少ない、低年齢向けの『漢字えほん』を自分で作ってみました。漢字がまじる事で、大人もスラスラ読み聞かせができます。『友達』という漢字を見つけて、子供が喜ぶなど、ひらがなだけの絵本にはない発見の楽しさがあるようです。 +:-:+:-:+ 未満児(1~3歳頃)に漢字のまじった絵本を渡すというのには最初驚きましたが、『街中の看板』『広告』の一つ一つも子供にとっては楽しい童話に見えるようです。漢字の成り立ちなどの『漢字えほん』は多数ありますが、童話に『漢字とひらがなとカタカナ』を含む事で、自然と興味を持って『文字が好き』になったみたいです。

たびたび うごく! ちびりゅうたちの だましえ

関谷俊博
絵本
たびたび しつれい します…。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。